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香港戦からフロントローが総入れ替わり
両WTBは期待の福岡&藤田コンビが先発

セットでの安定感を買われて、フィリピン戦に続いてHO湯原が先発復帰
photo by Kenji Demura (RJP)

2日、HSBCアジア五カ国対抗2013(A5N)第3節、日本―韓国戦が東京・秩父宮ラグビー場で行われる。
「現時点の一番の目標はアジア5カ国対抗で優勝することで、まずは次の相手である韓国を破ることに全力を挙げる。ベストチームで臨む」
 
そんなふうに韓国戦の位置づけを語るエディー・ジョーンズHC。
 
先発の15人は1週間前の香港戦から7人が入れ替わった。
 
FW陣では、フロントローが総入れ替え。香港戦の三上正貴―木津武士―山下裕史から浅原拓真―湯原祐希―畠山健介へ。

「スクラム、ラインアウト、ロータックル」というのが、ジョーンズHCが韓国戦に起用される3人に期待すること。

「ルースヘッドもやっているが浅原はタイトヘッドのスペシャリスト。今後スコッドの中で価値を高めていくためにも、両サイドでプレーできるようになってほしい。湯原はセットプレーのスペシャリスト。スクラムもラインアウトもしっかりさせてくれるはず。ハタケ(畠山)に関しては本当に成長している。体重は5kgくらい増え、スクラムのポジショニングも良くなった。フィールド上のプレーは相変わらず素晴らしい」(ジョーンズHC)
 
韓国のスクラムに関して、「とても重い」と警戒するジョーンズHCは、後半畠山から山下に交代して、終盤、日本も重いFWパックでセットを一層安定させて勝利を絶対的にするプランがあることも明言。
 
いずれにしても、FW8人中6人がトップリーグ勢で固められた韓国に対して「いいスクラムを組んで、賢くプレーすること」がポイントのひとつと考えていることは間違いなさそうだ。

フィリピン戦で鮮烈なデビューを飾ったWTB福岡が初先発。トライ量産なるか
photo by Kenji Demura (RJP)
ヤングキッズ両翼のトライ競演なるか

フロントロー陣と同様、香港戦と全く異なる顔ぶれとなるのがWTB陣。
 
2週間前のフィリピン戦で、途中出場ながら2トライを記録する鮮烈デビューを果たした福岡堅樹が左で、前週の香港戦で1年ぶりに代表復帰し、復活トライを奪った藤田慶和が右。

19歳の藤田に20歳の福岡。

「ヤングキッズ」と称するふたりの若手WTBを起用する理由について、ジョーンズHCは以下のように説明する。

「廣瀬(俊朗)主将が練習中のケガで試合に出られないのは、彼自身がとても素晴らしいフォームだっただけに残念。
 
今村(雄太=WTB)は香港戦でトライを取ったし、力強い走りを見せてくれた。でも彼は左WTBのスペシャリスト。もうひとり同じポジションの福岡も前の試合でプレーさせるつもりだったが100%ではなかった。今回試したい。
 
藤田も香港戦でいいトライを取ったし、チームに戻ってきてからの彼のアティチュードは素晴らしいものがあるし、少しずつ成長している」
 
廣瀬主将に替わってゲームキャプテンを務めるFL菊谷崇が「若いWTBに両WTBにボール渡せるように、FWでしっかりボールを出して行きたい」と語るだけに、若きスピードスターによるトライの競演にも期待がかかる。
 
ジョーンズHCをして、「スピードだけではなく、ラグビ―への取り組み方もファーストクラス。賢いし、しっかりセルフコントロールできる」と言わしめる福岡のコンディションは「元々大きなケガではなかったので、いまは100%に戻っている」とのこと。

「一番はトライをとることが大事。あとは、前の試合から言われている課題アタックの部分は積極的なブラインドからの参加でボールタッチ回数を増やす、ディフェンスでは裏のフルバックやハーフとの声の連携でリンクしていきたい」と抱負を語る。
 
一方、藤田もジュニア・ジャパンの一員として参加したパシフィックラグビ―カップ(3月12-4月7日)の終盤戦から調子を上げて、日本代表に再招集。いきなり香港戦でトライを奪っただけに、表情は明るい。

「まずは楽しんで、ボールタッチの部分で触る回数を多くしてチャンスを作っていきたい」(藤田)
 
ちなみに、廣瀬主将に関してはパシフィック・ネーションズカップのフィジー戦(6月1日)あたりでの復帰プランが考えられている。

フロントローとWTB陣以外では、LOジャスティン・アイブス、NO8ホラニ龍コリニアシが「フレッシュレッグスを期待している」という理由もあって香港戦のリザーブから先発へ。

前述のとおり、FW陣には日本でプレーする選手も多く、4月26日にはUAEに75-10で大勝した韓国だが、当然ながら日本としては勝利だけではなく、内容も求められる試合となる。

「スクラム、ラインアウトをしっかり安定させ、ボールをリサイクルしながらゲインラインを切っていく。一貫性のあるパフォーマンスをしてもらいたい」とジョーンズHC。
 
そのジョーンズHCから「12番としてはパスもランも同じように高いレベルでできる稀有な存在(スタッツ的にもパスとランの割合がほぼ半々だという)」と高い評価を受ける、BK攻撃のキーマンのひとりであるCTB立川理道は「去年はキック蹴らないで、エリア取らないで攻めて、我慢してというラグビ―で本当に行けるかどうか半信半疑のところがあったのが、それが今年は去年のベースの上に、エリア取れるところは取ったり、判断も迷いなくプレーできている」と、チームの進化を語る。

今年初となる秩父宮ラグビ―場での試合で「廣瀬キャプテンに安心してもらえて、自分も出たいなと思ってもらえるようなパフォーマンス」(菊谷ゲームキャプテン)を見せて、A5N最終戦(10日、対UAE)の場であるドバイに旅立つつもりだ。

text by Kenji Demura


香港戦で1年ぶりに復帰しトライも奪ったWTB藤田も福岡と共に先発出場する
photo by Kenji Demura (RJP)

所属する東芝では3番でプレーすることの多いPR浅原は1番で先発
photo by Kenji Demura (RJP)
体重が5kg増えたPR畠山は持ち前のフィールドプレーとスクラムの安定に期待がかかる
photo by Kenji Demura (RJP)
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