ノースハーバーラグビー協会へのコーチング留学プログラムに参加している白馬悠です。
今回はクラブの練習内容についてレポートします。Mahurangi Rugby Football Club(マフランギRFC)では、火曜と木曜に練習し、土曜に試合というのが主な流れです。選手は仕事のあとなどの空いた時間に個人で走ったり、トレーニングするよう、コーチから指示されています。練習以外にも自己管理が求められていて、クラブハウスのロッカールームにも「Professional Attitude(プロのような姿勢で)」と言う紙が貼られています。
練習は6時辺りからグランドに選手が現れはじめて、6時半ごろには大体20-30人位が集まります。Kiwi(NZ人)が大半ですが、中にはフィジーやトンガ出身のIslanderもいます。ヘッドコーチのColin Mayes(皆はRedと呼んでいます)はAucklandに住んでいて、練習に来る途中でIslanderの選手ら数名をクラブのバンでピックアップして練習に来ます。
最初の15分はウォームアップで身体を動かしたあと、円になってしっかりストレッチを行います。その後、ヘッドコーチの指示で練習が始まりますが、まずフィットネスとしてグランドを走ります。今の課題がフィットネス不足なので、ダッシュとジョッグを12分間くり返し続けますが、選手はやはりきついようです。その後はハンドリング中心に走るメニューをこなします。基本はタッチでの抜きあい(3on2や5on4)で色々シチュエーションを変えつつ、適度にアドバイスも交えて進みます。
その後は前の試合の課題を振り返り、それを修正するための練習になります。この前はブレイクダウンのリアクションに絞った練習で、2チームでイーブンボールを取りあいました。また木曜は次の試合に向けて、ユニット中心の練習になることが多いです。新鮮だったのはウォームアップ中にヘッドコーチが全ての準備をしていることです。練習が始まる頃には、カップが既にグランドに並べてあり、水を飲んだあとはすぐに次のメニューになるので、緊張が切れません。日本では休憩を入れるたびにその都度、準備をする指導者が多いですが、こちらでは練習前に開始から終了までのスケジュールを頭の中でしっかり組み立てて、準備しているのだと感じました。
14日土曜にはリーグ第2戦、マッセイ(Massey)RFCとの試合がありました。マッセイは過去にAll Blacksに選出された選手もいる名門クラブです。Seniors(2軍)は前半は押され気味でしたが、後半は疲れの見える相手を1点差まで追い詰めましたが、最後にトライを奪われて16-22で負けてしまいました。Premier(1軍)は相手の早くて強いBKに走られ、前半を7-40で折り返し。ハーフタイムでヘッドコーチからは「相手と競争していないし、サポートもない。相手の突破を見ているだけの選手が多い。チームとして力をしっかり出し切ろう」と言う指示がありました。
後半も始めは、集中してよいディフェンスが出来ていましたが、主力選手の怪我とフィットネス不足から、途中で息切れになってしまい、結局7-85の大差で負けてしまいました。
試合後のファンクションではマッセイのクラブハウスに入りましたが、入り口にはAll Blacksのジャージと、クラブで選ばれた選手のプロフィールが飾ってあり、日本のトップリーグで活躍した選手もいました。クラブハウスの中には前日本代表ヘッドコーチのJohn Kirwan氏が寄贈した日本代表のジャージ(Pacific Nations使用)も飾ってありました。日本ではトップリーグを始め、企業ラグビーが多くの話題を集めますが、クラブハウスで寄贈されたジャージや選手の子供や親の姿を見て、NZでのクラブラグビー文化の根強さを感じることが出来ました。
次回はお世話になっているMahurangi Rugby Football Club(マフランギRFC)についてお話する予定です。今週の土曜、21日にはシーズンが始まってから、最初のホームゲームになります。クラブが地元地域とどのように関わっているか、日本での経験と比較しながらレポートしていきたいと思います。以上です。