「ベストの22人」でアジア頂点を極め、PNCへ![]() photo by Kenji Demura (RJP) 「7点満点中の4点」。これが、A5N最終戦となる香港戦で、ジョーンズHCが選手に課す合格ラインだ。前週、相手のラッシュディフェンスに苦しみながらも、後半は自分たちのペースを完全に取り戻して6トライを奪い、52-8で快勝した韓国戦の採点は「7点満点の3点」だった。それより1点の上積みを求めていることになる。ジョーンズHCは「(PNCでの)トンガ、フィジー、サモアとの戦いでさらに良くなって、最終的に2015年W杯の予選プール最終戦で7点満点をつけられるようにしたい」。 「ラグビーにトリックはない」と語る、世界の最先端を熟知した指揮官は、当然ながらチームの成長が一朝一夕に成し遂げられるものではないことも重々承知している。だからこそ、4月2日に集合以来、1日4部練習を基本とする激しいトレーニングを選手たちに課してきたのだ。 ブランビーズ、ワラビーズ、あるいはスプリングボクスで世界をうならせてきた"エディーさん"の採点を1点上げるのがそう簡単ではないことは、ジャパンの選手たちが一番良くわかっていることでもあるだろう。「(現時点での)4点というのは悪くないのでしょうね。世界のトップ10への長い道のりの中で、あまり先を見ずに、まずはアジアチャンピオンになるために、香港戦に全力をかけて戦っていきたい」(WTB廣瀬俊朗主将) ![]() photo by Kenji Demura (RJP) 香港戦を3日後に控えた5月16日の練習中、どこか集中力を欠いていた選手たちにジョーンズHCがカミナリを落とすシーンがあった。「コミュニケーションが取れていなかったし、エネルギーのレベルもスキルのレベルも低かった」。激しい口調で選手たちに注意して、いったん練習を打ち切るように指示したが、その後、突然もう一度練習を開始。「練習を再開した後はスイッチが入って、いいかたちで終われた。ラグビーは人生と同じ。常に順調に階段を上がっていくかのごとく良くなるばかりではない。若い選手たちは今日のセッションでたくさん学べたと思うし、いい経験になったはずだ」 ジョーンズHCはここまでのジャパンの成長ぶりに、しっかりとした手応えを感じている。「韓国戦の最後の20分間は、ブレイクダウンからの球出しもスムーズで、早いリポジショニングもできていた。それまでとは比べものにならないほど良くなっていた」と高い評価を与えた。 LO大野が歴代4位のキャップホルダーに
香港戦では、いずれも韓国戦の後半に途中出場したHO木津武士、SH日和佐篤、CTB田村優の3人が先発に加わることになった。「有田(隆平=HO)、藤井(淳=SH)、立川(理道=CTB)も非常によくやってくれているが、少し疲れもある。後半、彼らの役割が出てくるはず。新しく先発に入る3人には、フレッシュな運動量を期待している」とジョーンズHC。あくまでも「ベストの22人で80分間を戦い切る」ことを強調する。 サントリーで高速アタックの牽引役として実績十分の日和佐は、韓国戦でもチームのテンポを引き出すプレーをみせた。一方で、パスをインターセプトされるシーンもあり、本人は「自分で持つ部分とパスする部分をもう少しコントロールしていきたい」と修正点を口にする。フランス留学直後で、ぶっつけ本番の感覚も強かった韓国戦から1週間が経ち、チームに馴染んできたところも多いはずだ。 日本代表では昨年のPNCフィジー戦以来、約1年ぶりの先発となるHO木津。ここまで3戦で先発してきた有田と比べて身長で7cm、体重で11kg大型となり、恵まれたサイズを生かしたプレーでの貢献を目指している。 初戦のカザフスタン戦以来3試合ぶりに先発復帰となるCTB田村。途中出場の韓国戦後半で見せた、常にゲインを切っていくランニングは大きなインパクトを残した。「ゲームは80分に向かってほぐれていくので、先発の場合、タイトなプレーが必要で、しっかりとゲームをコントロールしていくことが大事になる」。ジョーンズHCから「規律を守りながら、自由にやっていい」と言われているという田村はコミュニケーションを意識しながら、自分らしいプレーを見せてくれるはずだ。 新顔の一方で、4試合連続での先発出場となるLO大野均は、香港戦がジャパンでの58試合目となり、大畑大介氏(元日本代表WTB)と並んで日本代表歴代4位のキャップホルダーとなる。 text by Kenji Demura ![]() 香港戦を控えた東京合宿ではジョーンズHCから厳しい視線と言葉が投げかけられるシーンも見られた photo by Hiroyuki Nagaoka (RJP) ![]() 「キックが多くオーソドックス」というのがジョーンズHCの香港評。昨季(写真)は後半のスコアでは19-15と香港が上回った photo by Hiroyuki Nagaoka (RJP) |
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