12月17日(土)に晴天の秩父宮ラグビー場で5,210人の熱いラグビーファンの声援の中、大学選手権準々決勝の第一試合、3回戦で明治大学を破った京都産業大学(関西大学Aリーグ3位)と東海大学(関東大学リーグ戦1位)が対戦した。

試合は東海大のキックオフで開始、両校共に激しい攻防が続く前半開始5分。京産大陣22m付近で京産大ボールの注目のファーストスクラムでは東海大が押し込みプレッシャーをかけ、ラックでターンオーバーよりチャンスを掴みWTB平尾充識が先制トライ。
15分には京産大陣ゴール前10m付近でもスクラムを再び押し込みテンポ良く攻め込む。東海大に対して必死の攻防の京産大。しかしゴール前のラックよりLO大塚憂也がディフェンスの隙をついてトライを奪い0-14 とした。一方の京産大は21分に東海大陣22m付近でのスクラムより(No.8) フェインガ・ファカイがゴール前10m付近まで持ち込み、ラックよりボールを左右に動かし東海大に攻め込みNo8フェインガ・ファカイがトライ(7-14)。
東海大は直後の23分に、京産大陣10m付近のラックより出たボールを左サイドに展開し、WTB藤崎眞樹がトライ。その後も東海大はテンポ良く攻め込み2トライを奪い、京産大は前半終盤に1トライを取り返すも前半は12-31と東海大ペースでハーフタイムを迎えた。

後半も前半に引き続きセットプレーで優位に進め、テンポ良く攻め込んだ東海大が6トライを奪い、結果12-71と京産大に大差をつけて東海大が勝利し、準決勝へ駒を進めた。
東海大学は、1月2日(月)の準決勝で早稲田大に準々決勝で勝利した同志社大と対決する。

(佐藤克則)


■京都産業大学

大西健監督

「今日はありがとうございました。明治大学に勝って出てきたが、東海大学に圧倒されて終わりました。眞野中心にリーダーが頑張ってくれて日に日に成長して、ベスト4の壁を破ることを合言葉にやってきたが、生命線であるセットプレーがやられてしまった。学生・リーダーたちの頑張りは後輩たちが繋げてくれるでしょう」

——スクラムでの東海大学の圧力は?

「うちの1番が90kg、(対面となる)相手の3番が120kg、30kgの差はどうかとも思ったが、ただ小さいものが大きいものを、というのがテーマでもあった。彼には可哀想だったかもしれない」

——ラインアウト・モールは?

「うちはセットプレーを軸にしてきたのですが、そこがうまくいかなかった。厳しかった」

——明治大学に勝ってから中5日の準備期間だが?

「皆、条件は一緒ですから。ただ力で圧倒されました」

眞野拓也ゲームキャプテン

「僕たちはセットプレー勝負、スクラム・ラインアウトを軸としてきたのに、FWのラインアウトもスクラムも思う通りにいかなかった。相手の速いアタックに対応できず、この結果は残念です。自分たちのやってきた成果を皆さんに見せたかったので、悔しい気持ちで一杯です」

——明治大学と比べて東海大学はどうでしたか?

「明治大学にはスクラムのヒットでいけたが、東海大学の圧力でできなかった。相手のラインアウトディフェンスで自分たちの形を作ることができなかった」

——スクラムはセットのところで重さを感じましたか?

「そうですね、速さと低さで行こうとしたが修正できなかった」

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■東海大学

木村季由監督

「今日はありがとうございました。京都産業大学を先日、生で見たが、寝ないでよく走る勤勉なチームで、そこは私たちの課題だった。序盤にセットプレーで自分たちのリズムでできたことが大きかった。今一度磨きをかけて次にいきたい」

——京都産業大学のスクラムの印象は?

「事前に対策しつつも自分たちの形を崩さないように気を付けてきた。試合を通じて重要なところはできた」

——相手ボールをスクラムで奪ってのトライがあったが?

「うちも1年スクラムにこだわってきたので、互いに強みをぶつけられたのは良かった」

——リーグ戦からメンバーがだいぶ変わった事情は?

「全部は言えません(笑)。もちろんけが人はいますが、リーグ戦を通じての課題もあって、今一番フィットしているメンバーを選んだだけです」

——次は同志社大学戦ですが?

「夏に一度試合をしていますがそのイメージはなくし、同志社大学の分析をして、その中で自分たちの強みを出せるよう準備したい」

——SOの眞野選手については?

「まだまだですね(笑)。良い部分は出ていますが、周りがもっと彼のプレーしやすい状況を作ってあげないと」

——流通経済大学との試合のあとですが?

「リーグ戦の最後で、一番ピークにすべきところで自分たちから崩れた。反則の原因やディフェンスのもろさを反省し、大学選手権まで徹底して、チームとしてのまとまりが出て、やるべきことを全員が確認できた上での、今日の試合だった。ゲームでの成長は加速度が違うので、今日成長していなかったら次はない、という気持ちだった」

湯本睦ゲームキャプテン

「開始からフルスロットルで行こうと話していて、一戦一戦成長するという意味で今日の試合は大きかった」

——一戦一戦成長していると言っていたが、今日の成長は?

「セットプレーでの強さ、自分たちが1年間こだわってやってきた結果が見えた。小さな積み重ねが大きなものになるようにしたい」

——SOの眞野選手については?

「9・10(SH・SO)の関係なので大きく求めてしまうが、1年生であれだけ身体を張ってくれるのでお互いに切磋琢磨した。今日、彼は光るところを見せてくれた」

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