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帝京大学の岩出監督(左)と森田キャプテン |
帝京大学
○岩出雅之監督
(テレビインタビュー)
「三連覇にチャレンジできる、恵まれた一年でした。三連覇を達成することができて、喜びで一杯です。ここに集まった多くのラグビーファンに感謝します。森田を中心にまとまりある4年生でした。それを見て育つ下級生が、より一層精進してくれると思います」
(以下、記者会見)
「よろしくお願いいたします。今日の試合の戦法と選手の精神的な状態についてお話しします。戦法としては、我々の強みであるFWと天理さんの外国人を中心とした強力BKを考え、また、森田が腕と足首、ふくらはぎと盛りだくさんに痛んでいたので、FWが頑張って森田に負担をかけさせないというストーリーで戦いました。優れた突破力の相手BKですし、フルバックからのタッチは封印して、蹴るならハイパント攻撃で、相手にボールを与えない作戦でした。
選手の精神的な面については、ラグビーの勝ち負けにこだわると、ミスに目が行きますので、まず、勝ち負けにこだわらないで、良いラグビーをしようと臨みました。うちにもニュージーランドからの留学生がいますが、昨年のニュージーランド地震、東日本大震災、私は和歌山出身ですが、友人・知人が台風で家を流されたことなど多くの災害が起こりました。それと比べれば、三連覇を話題にしていただけることが幸せだと、すべてを出し切ろう、勝っても負けても幸せじゃないかと送り出しました。勝負事ですから、勝ちと負けには違いがあるかもしれませんが、勝ち負け抜きに幸せを感じて、その中で悔いのないプレーをさせてやりたいと思いました。最後はやはり森田が締めくくりのゴールを決めてくれました」
──勝ち続ける難しさと三連覇の喜びについて?
「初優勝の時とまったく変わらない喜びがあります。それぞれの年で、学生の頑張り、多くのサポートによる優勝だと思います。これが一番というのはありません。三連覇は、後々、この喜びや深みを感じるときが来るかもしれません。幸運もあったかと思います。3月11日の大震災後に、部員を実家に帰しました。被災地の方とは雲泥の差ですが、後々、ラグビーができる喜びや三連覇への挑戦を意識できる幸せを実感することにつながりました。チャレンジできる喜びを噛みしめることで、選手はプレッシャーから解放されたように感じます」
○森田佳寿キャプテン
(テレビインタビュー)
「去年1年間、ここをターゲットに頑張ってきましたので、純粋に大きな喜びを感じています。決して平坦な道のりではありませんでしたが、この喜びは大学関係者の皆様、乗り越えた帝京ラグビー部の仲間がいてくれたからだと感謝しています。天理大学さんは素晴らしいチームで、厳しい試合になりましたが、積み重ねたことを信じてプレーしました。(最後のペナルティゴールを決めたことについて)キャプテンとして決められて良かったと思います。目の前の1試合、一つの練習をしっかりやり、成長していって日本ラグビー界を支えたいと思います」
(以下、記者会見)
「よろしくお願いします。ゲームプランは監督が言われたとおりです。ここを目標に取り組んできて、あとは自分たちの強みを発揮するだけだと臨みました。136名の部員、スタッフの方々の分をまずトライにつなげよう、痛い、きついプレー、厳しいところでは身体を張っていこうと言いました。天理大学さんは素晴らしいチームで、立川くん中心にBKが良く動くチームでした。今日の試合は最後まで結果が分かりませんでしたが、何とか勝利することができました。皆さんに感謝したいと思います」
──怪我は最後のペナルティゴールに影響しなかったのか?
「練習の中で、ああいった最後のペナルティゴールをイメージして蹴っていました。一番プレッシャーがかかる真ん中のキックでしたが、無心になって、キックのチェックポイントだけを考えて蹴りました。当たりは正直、良くなかったのですが、積み重ねた時間と部員全員の気持ちが成功させてくれたと思います。怪我がキックに影響したとは感じていません。1プレーヤーとして、キャプテンとして、自分のできるプレーをしようと考えていました」
──天理に同点にされた場面は?
「もう一度、エリアを取ることと、全員で我慢強くタックルに行くことでチャンスが作れると確認しました。集中力が持てて、前向きに行けました」
──前半、風下を取った理由は? また、リードしていた際の気持ちは?
「前半は、強い日差しもあって、風下でしっかり我慢しようと選択しました。前半の中でもいくつかチャンスはありましたが、ペナルティで失う場面もありました。そこでも、気持ちを崩さずに戦っていました。後半も厳しい試合になりましたが、チーム全員がフラストレーションを溜めずに、もう一度チャンスゾーンに入ってスコアすることに集中できました」
──今大会、初めてトライを獲られたが?
「もちろん、完璧を目指せば、大会ノートライが一番良いのですが、何より、天理さんは本当に素晴らしいチームでしたので、トライを獲られることは予想の中にもありました」
──平坦な道のりでなかったという意味は?
「正直、とてつもないピンチとか、どうしようもない時期はありませんでした。対抗戦は、結果的には優勝できて良かったのですが、その中での慢心や気持ちの緩みを出さないように、目配り、気配りすることと、リーダーの学生がしっかりした積み重ねを考えてきたので、そのことを全員に落とし込む難しさが一番心に残っています」 |