マッチリポート
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トーナメント表


天理大学 39-19 法政大学

【一回戦/2011年12月18日(日) at 大阪・近鉄花園ラグビー場】

天理 39-19 法政 天理 39-19 法政 天理 39-19 法政 天理 39-19 法政 天理 39-19 法政
C:2011, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)
関西大学ラグビーAリーグを全勝で2連覇を果たした天理大学、昨年度2回戦で敗れた雪辱を果たすべく、重量バックスリーの突破力とディフェンス力でワンランクアップしたスキルで国立競技場を目指す。一方の法政大学は関東大学ラグビーリーグ1部5位ながら関東第5代表戦を制し、2年ぶりの大学選手権で青とオレンジのジャージが粘り強い戦いを見せるのか。晴れ渡った強風の花園で、見ごたえのある一回戦が幕を開く。

前半、風上の天理大学がキックオフを行い、試合開始のホイッスルが鳴り響く中、天理大学がゴール前左中間10mのラックを支配し、ショートサイドの左ライン際を駆け抜け最後はアウトサイドCTBバイフが左隅に押さえトライを挙げる。この間わずか40秒、ノーホイッスルトライで5-0と試合が動き始める。さらに、天理大学は攻撃の手を緩めずFWが法政大学を圧倒、ゴール前10m左中間ラックから左展開し、左WTB木村が左隅にトライを挙げ10-0と力の差を見せつける。この後も、10分、14分、25分とトライを奪い、29-0と法政大学を引き離す。

この間、法政大学は、天理大学ゴール前まで攻め込む場面も数度みられたが、いずれも天理大学のFWにラックで再三ターンオーバーを許し、得点機会の芽を摘まれる展開。しかし、ようやく前半の終了間際、法政大学は天理大学ゴール前まで迫るとFW戦で勝負を挑む。数度のラック支配後、天理大学BKの数が少ないとみると左展開、オーバーラップしてきた左ウイング半井が左隅にトライを挙げ、関東大学リーグの意地を見せる。アウトサイドCTB川原田が難しい位置からGKを決め29-7と後半に期待を持たせた。

後半、天理大学が先手を取れば試合の流れが決まってしまう状況の下、法政大学は前半最後のトライでチームとしての機能が働きだした。4分、HL右中間ラックからSH高城からインサイドCTB猪村に繋ぎ、猪村がキックを上げ自らとり天理大学ディフェンスを振り切って最後はフォローしてきた左LO後藤が中央にトライを挙げ、29-14と得点差を縮める。

しかし、今年の天理大学は試合巧者、すかさず7分、10mL中央で得たPGをSH井上がクイックスタートから抜け、右WTB宮前に繋いで右隅にトライ、34-14と引き離す。この後は両チームとも1トライずつ挙げ、39-19で天理大学が一回戦を勝ち進んだ。天理大学は勝利を挙げたものの、一時は選手が3人もグラウンドにうずくまるなど、法政大学が関東大学リーグのフィットネスレベルの高さを示した試合となった。また、天理大学にとってはSO立川のゴール成功率など、次の慶應義塾大学との試合に向けて課題が残る一戦であった。(山林右二、蜷川善夫、北畑幸二)

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会見リポート
 

法政大学の小野木監督(右)と竹下キャプテン
法政大学の小野木監督(右)と竹下キャプテン

法政大学

○小野木修監督
「最初の5-10分間は反則や、タックルミスで相手の流れにのまれてしまった。今シーズンを通してゲームの入りが課題だったが、最後まで解決できずに終わってしまった。しかし、後半は選手が最後までよく走ってくれた、竹下キャプテンを中心に1年間よくがんばってくれたと思う」

○竹下祥平キャプテン
「試合開始の20分間で自分たちのもっているものを全部出しきろうとしたがゲームの入りがわるくできなかった。後半は法政らしいプレーができたと思っている。そこを後輩たちに受け継いでもらいたいと思う」

──天理大学を分析して今日の試合にのぞんだと思うが、実際に戦ってみて違いは?)
○竹下キャプテン
「BKのフロントスリーでもっと攻めてくると思っていたが外を攻められてしまった。そこが誤算だった」

──ハーフタイムの指示は?
○小野木監督
「修正というより攻めるしかないので『まだまだいける』と声をかけた。選手のモチベーションも高まっていたように感じた」
○竹下キャプテン
「前半の最後にいい流れで終わって、後半もいい形で入れたが、足が止まってしまい天理大さんのペースになってしまった」

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天理大学の小松監督(右)と立川キャプテン
天理大学の小松監督(右)と立川キャプテン

天理大学

○小松節夫監督
「緒戦ということで集中していこうとのぞんだが、キックゲームでキープレーヤーに動かれた。前半の最後にトライを取られたのは痛かった。後半は最初のプレーで取れずに流れをつかめずバタバタしてしまった。法政さんのディフェンシブな戦いで波にのれなかった。選手権とはそういう厳しいものでいい経験になったと思う」

○立川理道キャプテン
「法政さんの鋭いタックルやリーグ戦では味わえないプレッシャーを受け、いい経験になった。これを生かして次戦を戦いたい」

──次の慶應大戦への意気込みは?)
○小松監督
「慶應さんはディフェンスがいいし、また伝統校でもあり、天理としては、今日の法政さんのようにいいゲームがしたいと思う。まずはディフェンスをしっかりとやっていきたい」
○立川キャプテン
「1年間ここで勝つためにやってきた、それに向かって進んでいくだけだ」

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