1.趣旨・目的:
本大会の選手育成と競技力向上を図ることを前提に、選手の競技力等の実態調査と優秀選手を発掘することを目的とし、選考した選手を発表・表彰することによって以下のとおり当該選手・関係指導者の方々のモチベーション高揚の一助とする。
(1)中学生選手のモチベーション向上
(2)U15選出から来る中学生世代の指導者への日本ラグビーへの関わりへの意識向上
(3)将来的な、U15世代を含む一貫指導体制構築とセレクターシステムの整備を視野に入れる。

2.選考方法
大会期間中の試合でのパフォーマンスを普及・競技力向上委員会の競技力向上部門及び中学生部門がチェックし、検証、検討の上、優秀選手を選考する。

3.選考基準
選考基準は、現時点で精神・身体(運動)能力と競技能力を有しており、且つ、同大会においてベストパフォーマンスを示した選手とする。

注1: 原則的には特別にはポジションに拘らずに本大会のパフォーマンスを優先する。
注2: 同時にセブンズアカデミーの選考基準などに基づいた将来性を加味する。
注3: また、将来の成長が望め素養のある選手発掘の一助することを目的に、精神的、身体・運動能力等の潜在能力の高い選手についての調査を実施する。

4.選考対象と選考人数
当該大会に出場しているチームの選手を選考対象とする。原則として22名とする。
(但し、これに満たない場合、或いはそれを超える場合もあることを想定する。)

5.選考結果
下記の24名の選手を選出した。

チーム名 選手名 所属チーム 学年 ポジション 身長 体重
1 大阪府中学校選抜 本田 晋太朗 岬町立岬中学校 3 LO 183 82
2 野中 翔平 東海大学付属仰星高等学校中等部 3 NO.8 181 75
3 北林 佑介 岬町立岬中学校 3 SO 171 77
4 高橋 慶大 東大阪市立小阪中学校 3 WTB 173 78
5 福岡県選抜 鶴田 馨 つくしヤングラガーズ 3 SO 175 66
6 東川 寛史 つくしヤングラガーズ 3 CTB 174 74
7 長崎県選抜 岩永 健太郎 長崎ラグビースクール 3 PR 169 70
8 前田 土芽 長与ヤングラガーズ 2 FB 173 70
9 京都府中学校選抜 古田 凌 亀岡市立亀岡中学校 3 PR 181 86
10 小鉢 竜太郎 京都市立洛南中学校 3 HO 163 70
11 北村 洋介 京都市立洛南中学校 3 CTB 173 65
12 吉田 陸央 京都市立洛南中学校 3 WTB 167 54
13 神奈川県スクール選抜 増田 智佳朗 田園ラグビースクール 3 LO 177 80
14 東京都中学校選抜 大貫 豪斗 國學院大學久我山中学校 3 LO 167 66
15 伊藤 大地 世田谷区千歳中学校 3 FB 168 62
16 奈良県中学校選抜 水野 健 天理中学校 3 PR 178 95
17 君塚 祐也 天理中学校 3 PR 177 80
18 愛知県中学校選抜 牛丸 直樹 名古屋市立北陵中学校 3 PR 172 76
19 群馬県スクール選抜 堀越 康介 高崎ラグビークラブ 3 PR 175 98
20 東京都スクール選抜 佐々木 敬太 昭島RS 3 LO 175 74
21 山田 雄大 ワセダクラブ 3 CTB 170 62
22 大阪府スクール選抜 竹中 太一 岬ラグビースクール 3 SH 164 55
23 米村 龍二 豊中ラグビースクール 3 SO 173 63
24 岸本 雄介 大阪ラグビースクール 3 WTB 174 78

 

第16回全国ジュニア・ラグビーフットボール大会 優秀選手 総評

(財)日本ラグビーフットボール協会
コーチングディレクター 中竹 竜二

全てのチームがそれぞれの特色を活かし、且つ、全ての選手が自らのスタイルを持って、果敢にチャレンジし、全力で闘ってくれたことに、日本ラグビーフットボール協会として敬意を表したいと思う。
特に、フロント、スタンドフ、センターに体格的、身体的、技術的、リーダーシップの点においても、レベルの高い選手が多く、将来の日本代表を担う可能性を強く感じた。

試合の内容に関しては、多くのチームが、そうしたチームのキーマンに頼りがちなゲームメイクになってしまったような印象を受けた。特に、ゴール前でのチャンスどころの攻撃では、キーマンが一人二役を演じるような場面が多くみられた。そのため、ボールを持つ選手に偏りがうまれ、スピーディーでダイナミックなアタックへと発展する機会が少なかった。

一方で、優勝した京都選抜チームは、少数のキーマンに頼ることなく、ひとりひとりのディフェンスの意識の高さや敵ボールをターンオーバーした後の反応の早さ、展開の早さで、他チームを上回り、チームの総合力を武器に、勝利をおさめることができた稀なチームであった。指導者のコーチングの成果といえるだろう。

選手のパフォーマンスにおいては、スピードや俊敏性を活かした「はやい」プレーは随所にみることができた。しかし「低い」プレーに関しては、まだまだ改善の余地が残されているだろう。特に、タックル、モールやラックに入る際に、身体が浮いてしまう選手も少なくなかった。また、いくつかのチームでは素早いパスを活かした華麗なラインアタックも見られたが、全体的には、片手でボールを持つ選手が多く、ノックオンを含めたハンドリングミスが多かった。今後、日本ラグビーが、日本協会が提示している「日本スタイル=4H(はやく、ひくく、はげしく、はしりかつ)」を体現するためには、上記のような個々人の基本スキルの習得が重要課題となる。

日本ラグビーの将来を担うジュニアラグビーでは、今後も、選手はよりハードルの高い挑戦を怠らず、指導者は選手の可能性を最大限に広げるためのコーチングを行うことを強く期待したい。