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帝京大学の岩出監督(左)と吉田キャプテン |
帝京大学
○岩出雅之監督
「今日のゲームは、帝京の良さを前面に出すことができたことに尽きます。最後はどちらが辛抱強く行けるかだぞと、アドバイスしてきたとおりの戦いでした。今日のテーマは『ポジティブ』で、スタートからスイッチオンで激しく行こうと、ヒートアップと冷静さを持って戦おうといってきました。ゲーム中、劣勢になってもポジティブにやって行けるか、しぶとくやれるかと臨みましたが、最後までタックルして相手の良いところを出させなかったのが勝因です」
──前半、ゴール前PGを狙わなかったが?
「大学選手権の慶應戦から、あの位置は攻めようと言ってきました。この大舞台で実証できる勝負どころだから、意地を見せようと。結果的に失敗したが、正しい選択だったと思います」
──完全にノーマークでのノックオンの場面は?
「失敗や劣勢のときもあるが、そのことに留まらず、目の前に集中していこうと言ってきました。チームメイトはお互い励ましあっていたのではないかと思います」
──スコアのポイントは?
「まずディフェンスですね。キックをむやみに蹴らないで、ディフェンスは相手のペースに合わせ、アタックは今シーズンの自分たちのペースでやろうと言ってきました。アタックもディフェンスも同じテンポで行くと後半の集中がなくなります。そういう要素が大きかったですね」
──連覇の思いは?
「昨年同様に今年も嬉しいです。今年の違いは、最高の舞台で早稲田さんに勝てたところです。ラグビー界の盟主の早稲田さんに、どれだけ多くのものを学んだか、その存在がなければ我々もなかったと思います。ゲームの厳しさを教えてもらい、決勝という大舞台で最高の相手に最高の勝利を収めてくれました。これから学生が地に足を張って、厳しい練習をしてモチベーションを積み上げてくれることを望める最高の試合でした。実のある優勝です」
──去年も今年も対抗戦4位からの優勝だが?
「対抗戦もしっかり勝ちに行っていますが、残念ながら上がっていません。敗戦の不安が選手にあればと危惧しましたが、練習メニューを淡々と、ばさっと代えてもキャプテン以下4年生が、厳しい練習を受け止めてくれたおかげです。僕は正直、迷いはありませんでした。練習の後、その意味を説明するスタイルにしました。4年生が本当にまとまってくれて、2年、3年の練習台になってくれて、選手は皆、熱いものを感じながらプレーしてくれたと思います」
○吉田光治郎キャプテン
「お疲れ様です。どんなプレーでも、小さな成功を大きな喜びに変えていこうと80分やり切れました。今年最後の学生相手で、最高の試合ができたと思います。強みであるディフェンスでこの結果を得ることができました。帝京ファンの皆様の多さに感激して、それをパワーに変えることができました。ありがとうございました」
──(優勝記念)Tシャツは勝利する自信の表れか?
「自分たちに自信がつき始めたのは正直に言って、大学選手権に入ってからです。対抗戦ではチャレンジしても勝てなくて、なぜ勝てないのか迷った時期もありました。大学選手権に入り、関東学院、慶應、東海戦と、毎回ベストゲームを更新して負ける気持ちがまったくなくなり、強い気持ちで臨めるようになりました」
──素晴らしいキャプテンのパフォーマンスだったが?
「本当に試合に集中できました。この80分に4年間やってきたことを出そうと、本当に楽しもうとして、没頭できたおかげだと思います」
──ノックオンの場面は?
「富永には『もう、捨てろ、次のプレーに集中しろ』と言いました。ちょっと何で、と思ったけれど、自分も直ぐに次のプレーのスクラムで『取り返そう』と前5人に声を掛けて、プレッシャーをかけられました」
──早稲田にトライを返された場面は?
「前へ出る気持ちを切らないようにしようと、足が千切れても、足がつっても走りきろうと、ディフェンスしてターンオーバーして最後まで集中しようと声を掛けました」
──スコアのポイントは?
「早稲田さんからペナルティをもらって、少しずつ刻んで、刻んで、得点に結び付けられたことです」
──ガッツポーズの意味は?
「前3人の練習はしんどいのですが、文句も言わずに頑張った1日1日の積み重ねがターンオーバーに出たので、心からホンマに頼りになる奴らだなと思い、出てしまいました」
──ブレイクダウンでのターンオーバーが多かった理由は?
「ブレイクダウンとタックルは帝京の一番の強みです。練習でも一番やっているプレーで、今日はセカンドプレーヤーの判断が良かったです。カウンターラックに入るのか、捨てるのか、全員がはっきり判断できていました」 |