C:2010, JRFU(Photo by A. HASEGAWA / T. INOUE) 天理大学 101-0 大東文化大学 【一回戦/2010年12月19日(日) at 大阪・近鉄花園ラグビー場】 安定した戦力で関西大学Aリーグを制し、35年ぶりの覇者となった天理大学と、関東大学リーグ戦1部ではなかなか勝ち星があがらなかったものの、実力十分、リーグ5位の大東文化大学の対戦。 前半から天理はSO立川(理)、CTBハベア、バイフを中心に攻撃を組み立て、大東文化のタックルを受けながらも少しずつゲインを奪い、トライとゴールのラッシュで45-0と前半でほぼ試合の勝敗を決する。 後半も8トライ8ゴールを奪い、終わってみれば101-0と記録的なスコアで大東文化大を零封、2回戦に駒を進め、関東リーグ戦1部優勝の東海大学に挑む。関西Aリーグでの勢いそのままに天理大学は大学選手権でその実力を今後も発揮できるか、2回戦以降が関西ラグビーファンにとっての楽しみとなった。(大阪府協会 山林右二) 大東文化大学の青木監督(右)と濱口キャプテン 大東文化大学 ○青木忍監督 「完敗だ。FWでもBKでも押し込まれ、特に天理大の両外人選手に翻弄され、何もできなかった。正直言って三桁の失点での敗戦にはショックを受けている。大学選手権まで来られたことには感謝しているが、今日の試合では大東大の実力を出させなかった、天理の上手さが勝っていたのだと思う」 ○濱口佳人キャプテン 「来シーズン後輩たちにいい形で引き継ぎたかったが、三桁の敗戦で終わったことは悔しい。前半、トライで先行され、そこで気力を失ってしまった選手が何人か目に付いたが、後半もそこから立ち直ることができなかった。気力で負けた試合だったと思う」 ──天理と対戦してどう思ったか? ○濱口キャプテン 「実際に試合をしてみて強くて、出足が早いとは感じたが、むしろ、大東大の精神的な弱さが出て自滅した試合だった」 ──来シーズンに向けてどうして行くのか? ○青木監督 「もともと波の大きなチームで、今日は悪いところが全て出てしまった。来シーズンに向けては、まず精神的な面の強化を図ることが必要だろう。また、同じ場所で、同じ相手に対して今度は、リベンジを果たしたい」 天理大学の小松監督(左)と立川キャプテン 天理大学 ○小松節夫監督 「関西のリーグで一位になったが、関東とどれだけ差があるのか分らなかった。今日の結果を見ると、いいゲームができたし、点数でも相手を圧倒した。次の試合に向けては、打倒関東という意気込みで挑戦していきたい」 ○立川直道キャプテン 「今日はBKの展開ラグビーという目標とするラグビーができてうれしい。しかし、FWでももう少し点をとりたかった。そのような反省を踏まえて、次の試合にチャレンジしていきたい」 ──リーグ終了からどのような準備をしたのか? ○小松監督 「リーグ戦の終了から二週間ほどしかなかったが、関西での優勝は一つの通過点として、今度は関東に通じるかどうか、プレイ全般に関して再点検を行った」 ──来週に向けての課題はどのようなものか? ○小松監督 「依然としてミスが多い。今日の試合、特に前半では相手DFの裏へ蹴ったキックがたまたま良かったとか好運に恵まれていたことは否定できない。しっかりと相手DFを崩してそれを得点に結び付けていくことが必要である。またDFでも相手にオーバーラップされるといった局面が見られた。こういった点を修正していきたい」