トーナメント表


早稲田大学 94-7 大阪体育大学

【一回戦/2010年12月19日(日) at 東京・秩父宮ラグビー場】

3校が同じ勝数で並び得失点差で対抗戦を制した早稲田大学と、関西4位の大阪体育大学の対戦。関西のラグビーファンは坂田監督率いる大体大の善戦を期待していただろうが、実力の差は大きく94-7という結果であった。
大体大のキックオフでゲームが始まり、立ち上がりは大体大のペースであった。記者席の横に陣取る同校の学生席からも「おー」「よし」といった声が続いた。いくつかのラックを連取しFB有村が抜け出てゴール前に迫り、ラックから1番隅内が先制のトライをあげ、14番李のゴールキックも成功し0-7とした。(前半3分)
しかし大体大の善戦はここまでで、6分には大体大がタッチに逃れたボールをクイックスローした早稲田が右ラインに回し12番坂井がトライ(ゴール不成功)、9分にはゴール前ラインアウトモールから、6番中村が左に抜け出てトライ(ゴール不成功)、あっという間に10-7と逆転した。
その後も早稲田は、13分25m中央付近のモールから出たボールを10番山中が内側にフォローした7番山下にパス、そのままトライ。24分ゴール前スクラムを押し込み8番有田がトライ。31分大体大ボールのスクラムにプレッシャーをかけ、その後獲得したラックから出たボールを10番からシザース気味にパスを受けた12番坂井がそのままトライ。36分ハーフウェイライン付近からの連続攻撃、最後はタックルされた15番からパスを受けた6番中村がトライと、6トライ4ゴールをあげ前半のスコアは38-7となった。

後半も終始早稲田ペースで、自陣からも早い仕掛けでボールを繋ぎトライを重ねた。大体大はセットプレーやブレイクダウンで大きく崩されるようなことは無いが、早稲田のペースと巧みな攻撃についていけない感じであった。早稲田が大体大の攻撃を、確実なタックルによりその芽を摘んでいたことも大差になった要因であろう。
最終的に早稲田は前後半で16トライ7ゴール、94-7になったところでノーサイドとなった。

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会見レポート
 

大阪体育大学

○坂田好弘監督
「早稲田さんとは10年ぶりの試合で、10年前は接戦で良いゲームでした。去年は入れ替え戦に出て、今年の大体大は春から難しいチームでした。関西で3勝4敗で入れ替え戦もあり得るシーズンでしたが、立命大さんと京産大さんに勝つことができてチャンスを得ました。シーズン前考えていた以上に伸びたシーズンでした。
早稲田さんとの試合、良い相手に当たったと思いました。名前のあるチームで、大体大としては、心・魂だけは負けずに最後まであきらめずやろうと臨みました。得点差が開いても最後まで向かって行った選手たちを、監督としては嬉しく、誇りに思っています。キャプテンを中心に選手たちは秩父宮で早稲田さんと試合をして、大きな財産と思い出を手にしました。良くやってくれたと思います」

──選手の強化について?
「4年前、流通経済大、明治大に勝ってベスト4に入り国立で試合しましたが、戦える選手層が厚いシーズンは成績も付いてくると感じています。わずか2500人の学校ですので、強化というと平等にしなければいけないわけですが、去年からラグビーを強化拡大してくださる方針になり、来年の1年生からそうした枠で入学してきます。しかし、高校日本代表レベルはゼロですし、1クラブだけの力ではとても難しい話です。その点でも、今日は次のステップへ行く試合でした。できるだけ、関西の選手は関西に残ってもらって、精神や魂のところは鍛えることができるので、良い選手が来たらまた国立へ行けると思います」

○山本健太キャプテン
「まず初めに、大体大関係者、OB会、父母の会に感謝申し上げます。大学選手権という大きな舞台で早稲田さんと当たる抽選を引いたときは、皆、喜んでくれました。日本一を目指すチームとやりたくてもやれないチームが多いのに、やれることを嬉しく思ってこの3週間準備してきました。早稲田さんのフィジカル・メンタルの強さは、すべてが大体大より上でした。しかし、大体大の良さは点差以上に出せたと思います。僕自身も負けたことは悔しいけれど、‥‥スッキリしています」

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早稲田大学

○辻高志監督
「ありがとうございました。今日は一番始めのプレーでトライを獲られたところです。すべて、そこに凝縮されていると思います。選手自身が感じているはずです。そこを見つめて、しっかり練習していきます」

──最初のトライはどうして獲られたのか?
「どうしてですかね。選手に聞いてみます」

──早明戦から2週間で?
「ディフェンスをずっとやって来ました。初めのトライを除き、タックル自体は評価できることが多かったと思います」

──今後、競った試合でのコンバージョンを不安に思うことはないか?
「ありません」

○有田隆平キャプテン
「まず、勝てたことはすごく良かったと思います。辻さんがおっしゃったように、最初の5分、10分のところが、まだまだ課題かなと思いました」

──最初のトライはどうして獲られたのか?
「1対1で負けたことです。タックルだと思います」