トップレフリー海外留学制度により、ニュージーランドに3カ月にわたって滞在していた平林レフリーからのリポートです。 ● レフリー活動について ワイカト地区トップレベル試合でのレフリー担当を目標にして挑みました。最初の数週間は、アジア5カ国対抗との試合が重なり、また、ニュージーランドの生活に慣れることに苦労がありました。プレミア試合の挑戦については、当初は下位チームの試合担当から始まりました。ワイカト地区のトップ5人のチャンピオンシップレフリーに選出され、多くの重要なトップ試合をレフリー担当し、今回の遠征で大きな結果を出すことができました。 シニアのレフリー担当は、合計13試合でしたが、その他、平日にはジュニア大会にも参加し、レフリーやレフリーコーチを担当し活動しました。 主な担当試合: ワイカト選抜 対 ベイオブプレンティ選抜 (ITMカップ 最終セレクションマッチ) 1試合 ワイカトプレミアチャンピオンシップ 9試合 ワイカトプレミア入れ替え戦 1試合 ジュービリーカップ(ウェリントン) 1試合 ノースハーバー ディビジョン1 1試合 ニュージーランド7人制代表セレクションマッチ Hamilton3 0510 Hamilton3 oldboys v TA sport コーチングに関しては、ワイカト協会からレフリーコーチが割り当てられ、基本的に1人のレフリーコーチと共に活動する形式でした。 現在、ニュージーランド協会ではこのような方式が取られており、ゲームプランシートを毎週作成し、それを元に毎週のレフリーレビューを行います。また、他のレフリーコーチによるコーチングレポートが作成された場合にも、全てのレポートは自分のレフリーコーチに集約されるようになっています。私のレフリーコーチは、NZ協会レベル3コーチのスチュワートさんでした。毎週、3度のミーティングを重ね、お互いに理解を深め、レフリングの強化をしました。シニアレフリーのコーチングについては、色々なことを教わると言うよりは、自分自身で明確な課題を持って取り組み、自己修正をする過程でレフリーコーチがアドバイスをする手法でした。 NZ7s Camp Mt Maunganui0610 NZ7s Camp Mt Maunganui0610 その他の活動について ワイカト協会では、レフリー・ディベロップメント・オフィサーが一時不在の為、ワイカト地区レフリーへの指導を一部担当し、毎週のレフリー研修会や、それぞれでの地区協会のミーティングの運営をしました。 また、ワイカトの各代表チームの強化プログラムに参加し、ワイカト協会のラグビー・ディベロップメント・オフィサー(RDO)の方々と共に、練習や選手選考の運営をしました。 ワイカト代表(ITMカップ)、U18ワイカト・チーフス、U18ワイカト代表、U17ワイカト代表、16歳ワイカト代表のシナリオ練習やセレクションマッチに関わり、この経験はラグビー王国NZのラグビー強化の仕組みを理解する上でも非常に重要だったと思います。 スーパー14のチーフス、ワイカト代表のコーチングスタッフとのディスカッションや、テクニカルのトーソンさんとの業務を通じて、よりプロフェッショナルな充実した毎日を送ることができ、自分自身のラグビー理解を更に深めることができました。 Hamilton 0710 最後に 今回の長期派遣は、私の17年間になるレフリー活動で初めてのレフリー交流派遣となりました。様々な活動を通じて、日本レフリーへ情報を発信したり、多くの人脈を開拓したりと、ニュージーランドに滞在することで得られた多くの成果がありました。 3カ月間の中では、色々と難しい局面や、生活面での苦労はありましたが、大きな結果を出すことができました。今回の派遣の成果が、将来の日本ラグビー界への一歩とつながれば幸いです。 また、多大な理解とサポートをしてくれた家族に感謝し、この遠征を実現して頂き、たくさんの支援と助言を頂きました日本ラグビー協会審判委員会へお礼を申しあげます。 Wellington and Fraser 0710