◆第二部 「コーチングのポイントとストレングス&コンディショニング(S&C)の重要性」
中竹竜二 コーチングディレクター(CD)
松尾勝博 リソースコーチ(RC)
古川泰士 リソースコーチ(RC)
第一部に参加できなかった指導者が多かったため、まず、第一部の振り返りを行った。その際は、講師をつとめた中竹CDからの説明ではなく、第一部の参加者であった2名のコーチに急遽、プレゼンを行ってもらった。突然の指名にも関わらず、明快な説明をしていただき、非常に有意義な振り返りとなった。
その後、中竹CDより、5月~7月までのブロック合宿での取り組みを紹介した。
U16,17ブロック合宿の取り組み
<5月~7月での活動>
U16は、5ブロック/9ブロック中が実施済み
U17は、8ブロック/9ブロック中が実施済み
<ブロック合宿の概要>
測定:グランド測定(ビープテスト、60m走、体幹、立ち幅跳び、7分間走)、ファンクショナルテスト(バランス、関節の柔軟性)
練習:「前に出るDF」の基礎基本、ブレイクダウン基本、ポジショナルスキル
セレクションマッチ:ブロック合同合宿に向けた選考試合
*日本協会=CD、RCはエデュケーターの役割
*ブロックコーチ=「自ら考え、成長する」をベースに練習の効率化を実践
<今後の予定>
U16関東=8月26日(金)~28日(日)@立正大学
U16北海道=11月5日(土)~6日(日)@札幌
U16中国=3月19日(土)~21日(月)@未定
U16四国=11月27日(土)~28日(日)@未定
U17四国=3月12日(土)~13日(日)@未定
また、7月下旬に行われたブロック合同研修会・大会では、ユースコーチがエデュケーターとして、ブロックコーチを指導していく立場をとり、課題を提示しながら、学び合いの場を創出した。
U17ブロック合同研修会・大会での取り組み
1 目的 |
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~指導者の強化育成と日本スタイル(哲学)の浸透~ |
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「自ら考え、課題を解決し、成長しつづける」 |
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◇ |
一貫指導体制における一斉指導 (縦軸と横軸の関係) |
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⇒ブロック練習とユース練習の有効活用 |
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◇ |
同レベル指導者が学び合う体系的な環境づくり |
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(日本初の試み。高校指導者のネットワーク化) |
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⇒CD、RC、ユースコーチ、ブロックコーチの役割分担 |
2 方針 |
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CD、RC、ユースコーチ、ブロックコーチがそれぞれの立場と役割を理解、PDCA(Plan-Do-Check-Act:計画-実行-評価-改善)の展開。 |
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[課題1:練習の計画化と振り返り化] |
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(具体的な課題) |
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(1) |
練習メニュー作成 |
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(2) |
練習レビューシート作成 |
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[課題2:最高のウォーミングアップ/S&Cのテーマ] |
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(具体的な課題) |
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(3) |
ウォーミングアップ計画作成 |
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(4) |
ウォーミングアップチェックシート |
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(5) |
選手へのセルフウォーミングアップへの啓発 |
コーチングのポイントについて(古川リソースコーチより)
古川リソースコーチより、「良い練習」について説明がなされた。どんな練習メニューであれ、目的に沿った練習でなければ、意味がないという原則に基づいて講義はスタートした。そして、基本的な練習の効率化を向上させるポイントや質的向上のポイントを紹介した。その中でも、IRBが提示している下記PRICELESSの概念はとても有効である。

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目的の明確化(クリックで拡大) |
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PRICELESSの概念(クリックで拡大) |
次に、コーチングの計画化のプロセスとして、PDCA(計画、実行、分析、改善)を説明し、計画性の重要性を説き、いくつかの参考例を挙げた。

ストレングス&コンディショング(S&C)の重要性について(松尾リソースコーチより)
現在、日本協会としても力を入れているS&C分野についての説明を松尾リソースコーチから説明がなされた。これまで、S&Cはメディカル分野に偏りがちだったが、コーチング分野と連携を強化し、S&Cトレーナーという位置づけからS&Cコーチという位置づけにした。まだまだ日本国内では認知度は低いが、4Hを確立するためには最重要項目に挙げられるため、中学生世代におけるS&Cの適切な導入は、今後の日本ラグビーに大きな影響を与える。そのためにも、中学生指導者の正しい理解が必要である。
将来の有望な選手に成長するためにも、特に、中学生には、有酸素系持久力、全身柔軟性、体幹安定性の向上が、必須だと考えられている。
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各Age GradeでのS&C(クリックで拡大) |
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中学生に必要なS&C(クリックで拡大) |
今後の中学生ラグビーについて(中竹コーチングディレクター)
これからの中学生ラグビーは、日本ラグビー強化の最大発揮力の可能性を高めるために、強化を図っていくことが重要となる。そのためにも、さらに、中学生の指導者同士が交流を図り、情報交換をスムーズに行い、学びの環境を数多く作り出していくことが大切である。
<今後の中学ラグビーは?>
- これから、必ず大きな注目を浴びます。
- これから、必ず大きな課題が見えてきます。
- これから、必ず大きな波が起こります。
- これから、必ず大きな変化/進化が起こります。
キーワードは「交出流」である。
最後に、中学ラグビーが日本ラグビーの強化を担うと認識を共通理解において、講習会を終了した。 |