2010年6月5日(土) ニュージーランド~フィジー

昨日、強化試合の対ノースハーバー州代表戦を終えた日本代表チーム。試合にはたくさんのNZ在住の日本人のみなさん、そして日本代表のジャージを着た地元のみなさんが応援に駆けつけてくれ、まるで日本のホームのような雰囲気の中、JAPAN XVは試合を行うことができました。
結果は惜敗となりましたが、日本代表として今週末から始まるPNC(パシフィック・ネーションズカップ)に向け、課題をはっきりさせることができ、また手ごたえを感じることができた試合でした。
来年、ワールドカップ開催時にまたこの場所に戻ってきて、またたくさんのみなさんに応援していただけるよう、PNCでも良い結果をだせるよう決意も新たにトレーニングを重ねてゆきます。

ノースハーバースタジアム   ノースハーバーのダッグアウト   真っ青な空の下で練習   スコット・ピアスさんが遊びにきました   取材を受けるカーワンヘッドコーチ
ノースハーバースタジアム   ノースハーバーのダッグアウト   真っ青な空の下で練習   スコット・ピアスさんが遊びにきました   取材を受けるカーワンヘッドコーチ

さて、今回NZでお世話になった宿舎のスタッフのみなさんはとても温かく日本代表チームを迎えてくれました。試合終了後には特大の特製ケーキを準備してくれ、がんばった選手たちの労をねぎらってくれました。この日は日本代表総務の大村氏の誕生日ということもあり、チーム、そして宿舎スタッフが一緒になってお祝いをしました。また、スタッフのポールさんが書いたという日本代表チーム全員のイラストもプレゼントされ、選手、スタッフともに大感激しました。
日本代表は早朝6時半から荷物を出し、8時に宿舎を出発。いよいよ来週末から始まるパシフィックネーションズカップ(以下PNC)のため、フィジーへ出発しました。

NZを後にした日本代表は午後3時半過ぎにフィジーに到着。冬のNZから真夏のフィジーに到着すると、飛行機を出たとたんに湿度・気温の高い空気が。選手たちも口ぐちに「暑い・・・」と思わずつぶやいていました。

土曜日だったせいか、家族連れや観光客などで混雑するナンディ空港のカスタム通過に約1時間をかけ、日本代表はようやく空港近くの宿舎へ到着。ホテルのみなさんから「Welcome back!(おかえりなさい)」とあたたかい歓迎をうけ、移動の疲れも吹き飛んだ様子でした。

日本代表は明日午前にリカバリーセッションを行い、6月7日(月)からPNC第1戦・対フィジー戦にむけ練習を再開します。

ウォーミングアップから集中   グラウンドの芝は最高です   細かく確認します   スピードをあげて!   今ツアー初登場の特注レスリングダミー
ウォーミングアップから集中   グラウンドの芝は最高です   細かく確認します   スピードをあげて!   今ツアー初登場の特注レスリングダミー

入念にクールダウン   地元テレビの取材を英語で受ける遠藤選手   NZ留学経験のある堀江選手も取材中
入念にクールダウン   地元テレビの取材を英語で受ける遠藤選手   NZ留学経験のある堀江選手も取材中

2010年6月4日(金) ニュージーランド

<試合レビュー>
試合開始早々、前半4分にノースハーバー(以下NH)にPGを取られたJAPAN XV。その後も敵陣に攻め込み、得点するチャンスを掴むものの、ハンドリングミスやキックミスなどにより得点につなげられない。その後もJAPAN XVは、ペナルティが続き、PGを重ねられ、点差がついてきた。33分には、トライ、コンバージョンを決められ、0-13とさらに差を広げられる。早く得点して波にのりたいJAPAN XVは、13番トゥプアイレイが相手のディフェンスラインを大きくゲインし、チャンスを掴む場面も。しかし、ターンオーバーされ、相手ボールとなり、また、ペナルティを犯し、PGを決められ、0-16で前半を折り返した。

前座で行われた学生の試合   大勢の観客が集まりました   寒さで白い湯気が・・・   太鼓パフォーマンス   熱いご声援ありがとうございました!
前座で行われた学生の試合   大勢の観客が集まりました   寒さで白い湯気が・・・   太鼓パフォーマンス   熱いご声援ありがとうございました!

ハーフタイムで、カーワンヘッドコーチより「ボールを持っているとき、とても良い動きをしている。あとは個々のミスだけ。アタックを我慢して、ボールをキープさえすればチャンスはある。あと100の力は出せるはず。自信をもっていこう」と送り出されたJAPAN XVは、後半始まってすぐにNHに先制されたが、その後の12分にJAPANボールのラインアウトからモールに持ち込み、2番堀江がトライ。念願の得点を決めた。その後、コンバージョンを決め、7-23としたJAPAN XVは、その勢いで攻め続け、27分にも13番トゥプアイレイが怒涛のアタックでトライ決め12-23と徐々にNHに追いついてきた。その後もJAPAN XVは、後半77分、敵陣ゴール前スクラムから20番和田がトライ。コンバージョンも決まり19-23と、あと一歩に迫る。しかし、そこでノーサイドを迎えた

アジア五カ国対抗で戦ったチームとの差を肌で感じ、前半は相手ペースにのまれ、ミスが多かったJAPAN XVだったが、後半は、相手のスピード、パワーにも順応し始め、後半日本ペースに持ち込むことができた。パシフィック・ネーションズカップ(以下PNC)に向け、パワー、スピード、スキルのあるチームとやったことにより、課題も浮き彫りになった。次のフィジーでの1週間で修正し、PNC初戦に臨む。

◎田中選手

「当たりが強くて正直つらかったです。FWがしっかり耐えてくれて、得点がとれましたが、速さが足りない。

ディフェンスも抜かれる部分もあったので、PNCに向けて確実にしないといけない。

自分としても1対1のタックルでしっかりとめて、我慢してPNCでは得点につなげていきたい」

◎和田選手

「スクラムが強く菊谷キャプテンのタイミングの良いパスによりトライをとることができた。特にスクラム1列の川俣、堀江、畠山の同期組がとても強かったと思います」

◎ノースハーバー クレイグ・ダウ ヘッドコーチ

「我々としても国代表のチームと試合をする機会がなかなかない中、選手たちもとてもシリアスに試合を考えており、我々にとってもプレシーズンのセレクションマッチとしても非常に良い試合ができたと思う。

日本はキックが良く、ラインもブレイクされることがあったし、もっとトライをとられてもおかしくなかった、とてもタフな試合だった。日本のセットプレーもとてもよかった。日本、ノースハーバーともにハッピーな試合ができたのではないかと思う。

ノースハーバーの選手もほぼベストの状態で試合をした。日本代表はPNCでも良い結果を残せる力がある。

ノースハーバーのサポーターも、地元のみんなも今日の試合をとても楽しんだと思う。来年(ワールドカップで)日本がここで試合をすることを楽しみにしている」

アフターマッチファンクション会場で、元日本代表のジャック・タラント選手と
アフターマッチファンクション会場で、元日本代表のジャック・タラント選手と

アフターマッチファンクション。菊谷キャプテンのスピーチ   毎日送り迎えしてくれたバスの運転手さん
アフターマッチファンクション。菊谷キャプテンのスピーチ 毎日送り迎えしてくれたバスの運転手さん

2010年6月2日(水) ニュージーランド

本日の日本代表の練習はオフ。朝から大変良い天気で絶好のお休み日和。午前中には約10分ほど雨がシャワーのように降りましたが、あっという間に青空が回復。まさに「1日の中に四季がある」と言われるニュージーランドらしい天気でした。

オフの過ごし方は選手それぞれ。ゆっくり休む選手や町へ出かける選手、またニュージーランド出身の選手たちの家族が遊びにきたりと、思い思いに休日を過ごしました。

さて、今回のニュージーランド合宿ではノースハーバー協会のリエゾン、テリー・クレイさん(下の写真)にお世話になっています。テリーさんはノースハーバーのラグビーに25年前から関わり始め、リエゾン歴は15年というベテランです。NZ、オーストラリア、南アフリカの州代表リーグであるスーパー14のチームをはじめ、トンガ、サモア、南アフリカ、カナダなど様々なチームのリエゾンを務めてきました。

来年ニュージーランドで行われるワールドカップでも、ノースハーバーで試合をするいずれかのチームのリエゾンとなることが決まっているそうです。昔、子供衣料品のビジネスをされていて、よく大阪に行ったとのことで、日本にとても親近感を持ってお世話をしてくれています。あと3日間お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします!

テリー・クレイさん

2010年6月1日(火) ニュージーランド

ニュージーランド合宿3日目。日本代表は昨夜から降り続く雨の中、午前中にグラウンド練習を行いました。
菊谷キャプテンの「楽しんで、自分たちでスピードを上げてテンションを上げていこう」との言葉で始まった練習は、約30分のウォーミングアップののち、ラックのトレーニングを中心に約1時間半程度行われました。
その間、雨はやむことなく降り続きましたが、選手たちは集中力を切らさず、最後までテンションを上げてトレーニングを行いました。

ウォーミングアップ   手作りハードルでラックの練習   集中力を高めて   ヒットの速さとタイミングを意識   大粒の雨が降りしきるグラウンド
ウォーミングアップ   手作りハードルでラックの練習   集中力を高めて   ヒットの速さとタイミングを意識   大粒の雨が降りしきるグラウンド

午後は15時30分より、ホテルからバスで15分程度のスポーツジムにて、ウエイトトレーニングを実施。スポーツセンター内にあるウエイト場を1時間ほどお借りしました。設備が整ったスポーツセンターで、隣にあるプールや体育館では小さな子供たちがバスケットボールや水泳で一生懸命汗を流していました。
選手たちは、ヒューメ コンディショニングコンサルタントと、太田コンディショニングコーチの二人体制のもと、ポジションごとに与えられたメニューをこなし、トレーニングを行っていました。

また、本日はノースハーバースタジアムにて、ノースショアカウンシル主催のレセプションが行われ、カーワンヘッドコーチはじめコーチ陣と菊谷キャプテン、大野選手が参加しました。
レセプションにはノースショア市長のアンドリュー・ウィリアムズ氏やノースハーバーラグビー協会の会長であるウェイン・シェルフォード氏らが参加。元ニュージーランド代表キャプテンで、キャプテンに就任してから4年間負け知らずという伝説を持つシェルフォード氏は「ノースバーバー州代表にとって、インターナショナルマッチは2005年のサモア戦以来です。我々にとってもプレシーズンマッチとして大事な試合になります。日本代表にとっても、来週から行われるパシフィックネーションズカップ前のウォーミングアップマッチであり、多くの方々が注目している試合です。今年ここで試合を行うことが、来年のワールドカップのホームアドバンテージとなることを祈っています」と温かい歓迎の言葉を日本代表に贈りました。

また、金曜日の試合でキャプテンを務めるマイク・リード選手は「日本を代表して来ているチーム。バックスのスピードにも警戒しています。PNC直前ということもあり、我々にとって非常にハードな試合になると思っています」とコメントしました。
明日は終日オフ。充分にリフレッシュをして、木曜日に行われるキャプテンズランに臨みます。

雨の日の練習後もしっかりアイスバスでリカバリー   ウエイトメニューの確認   ウエイト仲良し二人組み(遠藤選手と金澤選手)   僕も一生懸命やってます
雨の日の練習後もしっかりアイスバスでリカバリー   ウエイトメニューの確認   ウエイト仲良し二人組み(遠藤選手と金澤選手)   僕も一生懸命やってます

カーワンヘッドコーチ、ウィリアム市長、シェルフォード会長   ウィリアム市長と英語で会話   対戦相手のキャプテンと
カーワンヘッドコーチ、ウィリアム市長、シェルフォード会長   ウィリアム市長と英語で会話   対戦相手のキャプテンと

2010年5月31日(月) ニュージーランド

ニュージーランド滞在2日目の日本代表は本日から本格的な練習を開始。
練習の前には宿舎で今遠征初めてのチーム全体でのミーティングが行われ、カーワンヘッドコーチが「“Intensity(インテンシティ=熱さ、激しさ)”を強く持ち、相手がショックを受けるような試合ができるよう、自分たちにプレッシャーをかけて、精度を上げて練習しよう。これから対戦するチームはパワーもスピードもプレッシャーがあります。しかし、我々はこれからの4試合も勝てるチームです。日本人としてのプライドを持って戦いましょう」と話し、選手たちの気合いも高まった様子でした。

チームミーティング   君が代練習中   歓迎の儀式   ポウヒリで重要な役割を務めた子供たち   歓迎のハカ
チームミーティング   君が代練習中   歓迎の儀式   ポウヒリで重要な役割を務めた子供たち   歓迎のハカ

「君が代」でお返し   ホンギをしてご挨拶   精度をあげて練習します   細かい確認をしながら   プレッシャー!
「君が代」でお返し   ホンギをしてご挨拶   精度をあげて練習します   細かい確認をしながら   プレッシャー!

練習が行われたのは「シルバーデールラグビークラブ」のグラウンド。到着後、地域のマオリコミュニティ「Herenga Waka O Orewa(ヘレンガ ワカ オ オレワ)」のみなさんを中心とし、マオリ族の伝統的な歓迎の儀式「Powhiri(ポウヒリ)」が行われました。儀式では地域のマオリの酋長や年長者の方々を始め、地域の高校生達や子供たちも一緒に日本代表が無事、良い練習ができるよう、願いを込めて言葉や歌を贈ってくれました。

日本代表はお返しに「君が代」を全員で合唱。最後にふるまわれた食べ物や飲み物を口にして厳かに儀式が終了しました。

そして、日本代表選手たちを一目見ようと集まった約100名のみなさんが注目するなか、いよいよ日本代表は遠征最初のグラウンド練習をスタート。

練習中はあちらこちらで「プレッシャー!」という声が響き渡り、ミーティングで確認された「自分たちにプレッシャーをかけた」練習がしっかりできている様子でした。

また、来年ニュージーランドで開催されるRWCの際に、ここノースハーバーで試合をする日本代表は大きく注目されており、多くの地元メディアの取材もありました。

地元メディアの取材を受けるJK   練習終了後サイン攻めに   NZで人気の子供番組スモールブラックスTVから「RAGGA」くんが応援に   たくさんサインをもらいます   ハエレマイの皆さん
地元メディアの取材を受けるJK   練習終了後サイン攻めに   NZで人気の子供番組スモールブラックスTVから「RAGGA」くんが応援に   たくさんサインをもらいます   ハエレマイの皆さん

日本のサポートを約束してくれました   レセプションでもサイン攻め
日本のサポートを約束してくれました   レセプションでもサイン攻め

練習終了後にはクラブハウスにてレセプションが行われ、6月4日(金)に行われるノースハーバー戦のセレモニーでも演奏する「HAERE MAI(ハエレマイ)」のみなさんの大太鼓演奏、またRWC開催までに2011年のラグビーワールドカップに深く関係する人々限定24名に手渡される限定のラグビーボールのプレゼンテーションが行われました。

限定ボールはNZ代表として第1回RWCにも出場した日本代表のカーワンヘッドコーチがプレゼンターとなり、来年のRWCで日本をはじめ参加各国の練習会場となるシルバーデールラグビークラブのチェアマン、ジョン・マーシャル氏に贈られました。

マーシャル氏は「ラグビーを愛する同朋として、みなさんを迎えられることを大変光栄に思っています」と日本語でスピーチをし、来年も日本代表を歓迎し、強くバックアップすることを約束してくれました。

地元の温かい歓迎に選手・スタッフ一同期待に応えられるよう明日からもトレーニングに励んでいきます。日本からご声援もどうぞよろしくお願いいたします!


怪我から復帰し、久々の練習参加となった小野澤選手のコメント。

「久しぶりの練習参加で緊張しました。チームの動きは事前にコーチたちと確認していたので、基本的には大丈夫ですが、ビデオを見ながらこれからもっと精度を高めていきたいと思います。
おじさんウイングがまた日本代表に選ばれたので、みなさん応援どうぞよろしくお願いします」

小野澤選手

2010年5月29日(土)・30日(日) 東京~ニュージーランド

先週、アジア五カ国対抗の優勝と同時にラグビーワールドカップ2011の出場を決めた日本代表は、次の目標であるパシフィックネーションズカップ(PNC)に向け、気持も新たに5月29日(土)、東京・成田空港に集合。
PNCの大会の前にニュージーランド州代表であるノースハーバーとの強化試合を行うため、ニュージーランドへ向け出発しました。

成田空港にて。1か月分の荷物です   オークランド到着。どんどん積み込みます   移動バスの中。朝早いので少し眠いかも   NZの説明をする堀江選手。笑いも忘れずにとります   宿舎外観
成田空港にて。1か月分の荷物です   オークランド到着。どんどん積み込みます   移動バスの中。朝早いので少し眠いかも   NZの説明をする堀江選手。笑いも忘れずにとります   宿舎外観

平島選手と菊谷キャプテン
平島選手と菊谷キャプテン

日本代表は30日(日)早朝、ニュージーランド・オークランドに到着。

オークランド空港から宿舎までは、オークランドの象徴であるスカイタワーを眺めながらハイウェイを北に1時間ほどバス移動。バスの中ではニュージーランド留学経験のある堀江選手からチームメンバーに"ニュージーランド情報"が伝えられました。

堀江選手はニュージーランドの人口や気候、国の歴史などを説明。そして「オークランドのクラブラグビーは大変強く、その中でも一番強いのはポンソンビークラブ」と紹介するとすかさずJKから「(自分が所属していた)マリストも強いよ!」と突っ込まれる場面も。

また、6月4日(金)にノースハーバースタジアムにて行われる強化試合について「ノースハーバーは出場するのはレギュラーメンバーがほとんどだと聞いています。我々も気を引き締めていきましょう」と気合いの入ったコメントもありました。

到着後、昼食を済ませた選手たちはプールリカバリーで30分ほど軽く体をほぐし、明日から始まる本格的な練習に備えました。

怪我から復帰の小野澤選手   小さな見学者です
怪我から復帰の小野澤選手 小さな見学者です