2010年5月1日(土) 韓国・大邱

2010年度日本代表の初戦となるHSBCアジア五カ国対抗2010 韓国代表対日本代表の試合が5月1日(土)汗ばむような好天に恵まれたなか、韓国・【大邱】慶山生活体育公園ラグビー場で行われました。

試合に先立ち、韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事故犠牲者への哀悼の意を込め黙祷を行い、キックオフとなった韓国戦。菊谷キャプテンが「レフリングへの対応と、ゲーム勘を取り戻すのに時間がかかった」と語ったように体が動かず、韓国の攻撃に時折ディフェンスラインを突破され、外れはしたものの自陣ゴール前正面でペナルティーゴールを与えるなど、なかなかペースをつかむことができませんでした。

そんななか、8分、敵陣で得たペナルティからのラインアウトで理想的なモールを組み、HO堀江がトライし、先制。直後に韓国SOにPGを決められますが、20分、31分と連続攻撃からSH田中、WTB遠藤がトライを挙げ、19-3で前半を折り返しました。

ハーフタイムでは、菊谷キャプテンが「出ているメンバーも出てないメンバーもエンジョイできる試合をしよう」と声をかけて後半に入りました。

そして迎えた後半、爆発的なスタートで一気に試合を決めました。1分に敵陣ゴール前からBKのサインプレーでこの日初キャップのWTB長友がトライを挙げると、6分にNo.8菊谷、9分にLO大野と連続トライで試合を決めました。

その後、韓国代表で東芝ブレイブルーパス所属のFB蔡にトライを許しますが、一旦掴んだ流れは途切れることなく、多くの時間を敵陣でプレーし、18分WTB遠藤、25分WTB遠藤、28分WTB遠藤、31分HO堀江に代わって入った初キャップの湯原、41分WTB遠藤が次々とトライラインを陥れました。中でもWTB遠藤は、この日5トライと得点力の高さを見せてくれました。前半リズムに乗れない時間帯はありましたが、終わってみれば、71-13で圧勝。アジア5カ国対抗3連覇、そしてワールドカップ出場権獲得への好スタートを切ることができました。

しかし、カーワンヘッドコーチ以下首脳陣や選手たちは、この結果に満足していない様子。やはり課題として掲げていた“入りの20分”の出来が思うように行かなかったことが大きな原因であろう。菊谷キャプテンが試合後に話した「我々はワールドカップに行くために戦っているのではなく、ワールドカップで勝つために戦っている」との言葉通り、今日の試合内容ではワールドカップの強豪国と伍するのは非常に厳しいのが現実。さらなるレベルアップが期待されます。

初キャップとなったFLバツベイ、WTB長友、HO湯原、PR藤田ら期待の新戦力も緊張のせいか、硬さが残るプレーぶりでしたが、まずまずの動きを見せてくれ、選手の底上げを狙う日本代表にとっては非常に良いニュースとなりました。

この日の試合を観戦した日本協会 真下副会長・専務理事からは、「出来は65点~70点。試合から遠ざかっていたかもしれないが、細かなミスが多すぎる」と厳しい採点でしたが、「やろうとしていることは理解できるし、後半は非常に良い出来だった。あれが前半からできていれば結果はついてくるだろう」とさらなる成長を期待するコメントを頂きました。

まだまだスタートしたばかりの2010年度日本代表。来週からの東京3連戦で、日本のファンの前でさらなる成長を披露したいと思います。

2010年4月30日(金) 韓国・大邱

HSBCアジア五カ国対抗2010、そしてラグビーワールドカップ2011アジア地区最終予選の初戦、韓国戦が明日に迫りました。

試合を翌日に控えた日本代表は、午前中にリラックスした時間を過ごし、午後14時、キックオフと同時刻にキャプテンランを行いました。

各々ストレッチで体をほぐした後は、試合時と同様のウォーミングアップを行い、体と頭のスイッチを入れました。
その後、ランナーシステムやユニットプレーを確認し、コーチ陣はタクトを菊谷キャプテンに預けスタンドに上がりました。

菊谷キャプテンを中心とした円陣で集中力を高めた選手たちは、キャプテンランに入りました。約20分間の短い時間でしたが、キックオフやラインアウト、スクラムなどのセットプレーからのアタックを入念にチェックし、最後の練習を終えました。初キャップを迎えるFLバツベイ選手、WTB長友選手も軽快なプレーを見せてくれていました。

いよいよ2010年度日本代表のスタートが切られます。宮崎での厳しい練習を経て、精神的にも肉体的にも一回り大きくなった日本代表の活躍をご期待下さい。

◎ジョン・カーワンヘッドコーチ
「初戦ということで私も含めて皆少しナーバスになっています。この試合は最初の20分がすごく重要です。最初の試合は、いつもゲームオーガナイズがうまく機能しないことがありますので、ミスが起こることに関しては問題ありません。ただ、それを連続しないことをチームには求めます。詳しい戦術・戦略は言えませんが、11月から取り組んでいることを継続しています。11月の段階で4つのうち3つはできていました。今年は、できていることの精度を上げることと、新たなことにチャレンジしていきたいと思います」

◎菊谷崇キャプテン
「チームの状態に関しては、宮崎でしっかり追い込んできましたし、明日のキックオフからいいスタートが切れると思います。とにかく最初の20分間で圧倒する気持ちで試合に入りたい。先週の試合の映像は見ていませんが、相手チームよりもまずは自分のチームの役割、個人の役割をしっかりゲームで出すことが重要だと思いますので、その部分を明日のゲームで出していきたいと思います。韓国はアグレッシブなチーム、その勢いを受けずに、最初の20分間で圧倒したいと思います」

ロッカールームで準備する選手たち   初キャップとなる長友選手。「3トライを狙います」と力強いトライ宣言   久々のテストマッチとなるFB立川選手(中央)。「気負いはない」と試合が待ち遠しい様子   菊谷キャプテンを中心にストレッチを行う選手たち   試合会場でのキャプテンラン。セットプレーからの攻撃をチェックした
ロッカールームで準備する選手たち   初キャップとなる長友選手。「3トライを狙います」と力強いトライ宣言   久々のテストマッチとなるFB立川選手(中央)。「気負いはない」と試合が待ち遠しい様子   菊谷キャプテンを中心にストレッチを行う選手たち   試合会場でのキャプテンラン。セットプレーからの攻撃をチェックした

コミュニケーションも良くなり、チームとしての完成度も高まっている   ラインアウトを制し、攻撃のリズムを掴みたい   最後は円陣で意思統一を図り、練習を締めくくった
コミュニケーションも良くなり、チームとしての完成度も高まっている   ラインアウトを制し、攻撃のリズムを掴みたい   最後は円陣で意思統一を図り、練習を締めくくった

2010年4月29日(木) 韓国・大邱

昨日、韓国入りした日本代表チームは、本日釜山の宿舎を出発し、試合会場のある大邱に移動しました。

午前中にプールリカバリーを行い、移動の疲れを軽減した後、昼食をとり陸路で大邱に入りました。釜山から大邱までは、約2時間の距離でしたが、バスの中ではそれぞれ仮眠をとったり、本を読んだりしながらの移動となりました。

到着後の宿舎では、日本から韓国入りしている報道陣の皆様が出迎えて下さいました。宿舎には、我々を迎える横断幕と、大会のバナーが掲げられていました。

チェックイン後は、ゆっくりと体を休めました。

いよいよ、韓国戦まであと2日。練習は、明日のキャプテンランを残すのみとなりました。本日メンバーも発表され、FLバツベイ選手と、WTB長友選手の初キャップ2人が先発メンバーに名を連ねました。コーチ陣の期待も高く、素晴らしいプレーを期待したいと思います。

明日は、試合会場となる慶山生活体育公園ラグビー場でキャプテンランを行い、韓国戦に向けた最終調整を行います。
引き続き、皆様のご声援をよろしくお願いいたします。

ホテルに掲げられた歓迎のバナー
ホテルに掲げられた歓迎のバナー

こちらは大会のバナー。韓国戦の告知が掲載されているそうです
こちらは大会のバナー。韓国戦の告知が掲載されているそうです

2010年4月28日(水) 福岡~韓国・釜山

韓国戦まであと3日となった今日、日本代表チームは、日本での最後のトレーニングを終え、日本を出発、午後8時過ぎに韓国・釜山に到着しました。

コカ・コーラウエストレッドスパークスで行った練習では、しっかりと体を動かしました。
アタックやディフェンスのコミュニケーションを中心に、FW/BKのユニットに分かれ、FWはスクラム、ラインアウト、BKは各種サインプレーの確認。最後はチームランを実施し、試合を想定してアタック、ディフェンスをそれぞれチェックしました。

特にチームランでは、アタック、ディフェンス共にチームのコンビネーションも高まり、非常にいい形で練習を締めくくることができました。攻撃のオプション選択も迷いがなくなり、良いテンポのアタックが何度も見られました。また、ディフェンスでは、ファイヤー&アイスコールの浸透もあり、一糸乱れぬディフェンスラインが構築されました。

選手たちは、昨日の練習の反省を生かし、最初から良い集中力を保ちながらウォーミングアップを行い、非常に精度の高いトレーニングとなりました。

さらに、練習後には選手それぞれがインディビジュアルスキルトレーニングを行い、さらなるスキル向上に努めました。

午後は、韓国への移動となり、16時に軽食を摂った後、ホテルを出発し福岡空港から韓国・釜山に降り立ちました。ホテルまでのバスの中では、"日本代表チームツアーコミッティ"から韓国の紹介があり、韓国の歴史や、食事の際のマナーなどを本当に詳しく説明してくれました。
チームは、今夜は釜山に一泊し明日のオフを利用し、試合会場がある大邱に入ります。

いよいよ、韓国戦まで3日となりました。チームの状態は練習を重ねるごとに良くなり、韓国戦では2010年度日本代表の素晴らしいスタートが切れると思います。
アウェーでの初戦となりますが、ファンの皆様、引き続き温かいご声援をよろしくお願いいたします。

練習を前に今日の目的を日本語で話すJK   腕を大きく振ってしっかり加速する   SOはボールを持つ位置を常に一定にし、パス、キック、ランをチョイスする   歩きながらサインプレーを確認   どの選手がキープレーヤーになっても的確なプレーを目指す
練習を前に今日の目的を日本語で話すJK   腕を大きく振ってしっかり加速する   SOはボールを持つ位置を常に一定にし、パス、キック、ランをチョイスする   歩きながらサインプレーを確認   どの選手がキープレーヤーになっても的確なプレーを目指す

世界の強豪国を押し切るスクラムを目指す   相手ボールのラインアウトも、プレッシャーをかける   アングルをつけて走りこみ突破を図る   韓国戦を前に厳しい表情を見せる選手たち   ニコラス選手の右足にも期待がかかる
世界の強豪国を押し切るスクラムを目指す   一人目が下へ、そして二人目がボールをロックする   アングルをつけて走りこみ突破を図る   韓国戦を前に厳しい表情を見せる選手たち   ニコラス選手の右足にも期待がかかる

リラックスした表情を見せる東海大学の木津、リーチのコンビ   空港からホテルまでのバスの中で韓国の紹介をしてくれた畠山選手
リラックスした表情を見せる東海大学の木津、リーチのコンビ   空港からホテルまでのバスの中で韓国の紹介をしてくれた畠山選手

2010年4月27日(火) 福岡

日本代表韓国戦直前合宿4日目。今日のトレーニングは、午前中のみ。そして、選手たちの疲れを考慮し、コンパクトな練習をしようということで1時間弱で終了しました。

前日の天気予報では、今日の午前中まで雨の予報でしたが、選手が到着するころには、日差しも出始め、一気に気温も上昇しました。この福岡合宿は本当に天候に恵まれた中でトレーニングができています。

そんななか行われたトレーニングですが、今日はアタックを中心に、ランナーシステムといわれるサインプレーのチェックと、キックオフなどのキックからのゲームマネジメント、そして最後にチームランを行い、練習を終えました。

ただ、今日の練習では、選手たちに蓄積された疲労の影響か集中力が途切れることが多く、非常にミスが多い内容となってしまいました。さらに、チームランを行ったのがこの合宿はじめてだったこともあり、選手たちの気持ちが前に出てしまい、チームとしてちぐはぐな部分が時折見られました。

練習後の円陣では、カーワンHCから「今日の練習は、我々のレベルではない。今日の皆のプレーを受け入れることはできない。個人個人でやるべきことをもう一度整理して欲しい。今日の午後はゆっくり休んで、明日の練習をしっかりやり遂げ、韓国に入ろう」と厳しい指摘を受けました。

その後は、菊谷キャプテンと選手だけの円陣が組まれ、「韓国戦まであと4日。日本代表としてやるべきことをもう一度再確認しよう。チームよりは、まず個人。自分の役割を確認しよう。まずは、明日良い練習をして韓国に入れるよう、今日の午後リラックスしてゆっくり休もう」と締めくくりました。

いよいよ、韓国戦に向けた練習は明日のみ。2010年初戦に向け、万全の調整をして韓国に入りたいと思います。

サインプレーの確認を繰り返した   デコイランナーを生かしスペースにボールを運ぶ   キックオフ後のディフェンスラインを早急にセットアップする   短いキックオフでマイボール獲得を狙う   ラックからの球出しを早くし積極的に仕掛ける
サインプレーの確認を繰り返した   デコイランナーを生かしスペースにボールを運ぶ   キックオフ後のディフェンスラインを早急にセットアップする   短いキックオフでマイボール獲得を狙う   ラックからの球出しを早くし積極的に仕掛ける

攻撃的なキックを有効に使う   FWの集散にも速さを求める   ボールキャリアーの後ろから走りこみ、攻撃を継続する   最後の円陣で気を引き締めた菊谷キャプテン   本日の昼食の様子
攻撃的なキックを有効に使う   FWの集散にも速さを求める   ボールキャリアーの後ろから走りこみ、攻撃を継続する   最後の円陣で気を引き締めた菊谷キャプテン   本日の昼食の様子

2010年4月26日(月) 福岡

3日目を迎えた日本代表韓国戦直前合宿、今日は、午前・午後とコカ・コーラウエストレッドスパークスのグラウンドでトレーニングを行いました。
今回の合宿では、午前・午後のトレーニングを行う際には、昼食をクラブハウス内で取らせて頂いています。グラウンドやジムなどを含め、素晴らしい環境をお借りしています。

今日は、向井監督や、東福岡高校の谷崎監督、先日の高校日本代表フランス遠征で副団長を務められた小城先生らもグラウンドにお越しいただき、選手たちに温かい激励の言葉をかけてくださいました。

今日のトレーニングは、ディフェンスを軸に進められ、アタックドリルを入れながら、ユニットトレーニングを行いました。
練習の中では、歩きながらチームとしてのサインプレーの確認を行い、チーム内での浸透を図りました。また、ディフェンスドリルの際には、ポイントからの攻撃のバリエーションに対してのディフェンスシステムについて、SHが持ち出した場合の対処の仕方や、スペースをどうやって埋めるかに焦点を当てて行われました。

アタックドリルでは、ボールキャリアーの後ろから湧き出るようなアタックを目指すためのドリルや、3対2の局面でディフェンスの状況に適応したアタックができるよう判断力とビジョンを磨くドリルが組み込まれました。

ユニットトレーニングでは、FWはスクラムとラインアウト、そしてラインアウトモールを行い、激しさの中で正確性を求め、しっかり取りきることを目的にメンバーを入れ替えながら繰り返し実施しました。
BKは、セットプレーからのアタックパターンを確認しました。一本一本をビデオに収め、映像を見ながら良かった部分や修正点を全員で共有し、より精度を高めるべく行われました。

最後は、グラウンド全部を使ったチームアタックで日本代表の攻撃パターンをチェックし、午前の練習を終えました。

午後は、ジムでウエイトトレーニングを実施。ATSや体幹トレーニングを入れながら、筋力強化に努めました。

昨夜、現在ウェールズでプレーするジェームズ・アレジ選手が無事合流し、今日から早速トレーニングに入りました。本人は、「今日は、ちょっと時差ボケで眠いですが、どんどんチームの皆とコミュニケーションを取っていきたい。Dragons(所属するNewport Gwent Dragons)では、ファイナルまでは進めませんでしたが、昨シーズンよりもいい成績で終えることが出来、私自身もSOとして長い時間プレーできているので、いち早く日本代表のラグビーに適応していきたいと思っています。サポーターの皆さん、応援よろしくお願いします」と語ってくれました。

アレジ選手の合流で韓国遠征メンバー全員が揃いました。韓国戦まであと5日です。

アレジ選手が昨夜合流し、韓国遠征メンバー全員が揃った   歩きながらサインプレーの確認を行い理解を深めた   自ら仕掛けてスペースを作る   キックキャッチはほとんどミスが出なくなり、ハンドリングが向上した   ハンズアップし、しっかりと体を当てる
アレジ選手が昨夜合流し、韓国遠征メンバー全員が揃った   歩きながらサインプレーの確認を行い理解を深めた   自ら仕掛けてスペースを作る   キックキャッチはほとんどミスが出なくなり、ハンドリングが向上した   ハンズアップし、しっかりと体を当てる

スピードを生かしギャップを効果的に攻める   SHのボールタッチと同時に、前に出るディフェンス   激しくヒットし、レッグドライブでセンターラインを超える   ディフェンスを引きつけポップパスで攻撃を継続する。ボールはセンターラインを動くイメージで   SHの持ち出しに対するディフェンスの確認を行った
スピードを生かしギャップを効果的に攻める   SHのボールタッチと同時に、前に出るディフェンス   激しくヒットし、レッグドライブでセンターラインを超える   ディフェンスを引きつけポップパスで攻撃を継続する。ボールはセンターラインを動くイメージで   SHの持ち出しに対するディフェンスの確認を行った

セカンドタックラー、サードタックラーはスペースを埋める意識を持つ
セカンドタックラー、サードタックラーはスペースを埋める意識を持つ

2010年4月25日(日) 福岡

日本代表韓国戦直前合宿2日目の今日も、コカ・コーラウエストレッドスパークスのグラウンドをお借りしてトレーニングを行いました。
晴天に恵まれた日曜日ということもあり、多くのファンの皆様、そして先の選抜大会で優勝を飾った東福岡高校ラグビー部の皆さんが見学に訪れるなかでのトレーニングとなりました。

2日目の今日は、ディフェンスにフォーカスしたものとなり、ディフェンスにおける個人スキルから、組織ディフェンスまでの落とし込みを行いました。

内容としては、ディフェンス時のコールの確認をしながらミスマッチを防ぐためのシャッフルを行うディフェンスのコミュニケーションドリルや、ダブルタックル時の役割を確認するドリル、そして今シーズンスーパーラグビーのレフリングに見られるタックルからジャッカルまでの一連の動作における解釈を実践の中で確認し、今後のテストマッチでパニックにならないよう早めに取り組みました。

その後は、FWとBKに分かれ、FWはラック周辺のディフェンスシステムを確認。ポイント成立時にいち早くポジショニングを取り、相手をノミネートして前に出るドリルを何度も確認しました。BKは、相手アタックに対するチームディフェンスを確認。攻撃の起点である相手SOを軸にディフェンスラインをセットアップし、相手の攻撃に対し前に押し上げるようなディフェンスラインを目指し、こちらも繰り返し実施されました。

最後は、2チームに分けチームディフェンスをチェック。時折、コミュニケーション不足から、エアポケットのようなギャップができてしまうこともありましたが、練習後の円陣で、菊谷キャプテンから、「まだまだコミュニケーションができていない。チームの前にまずは個人。しっかり自分の役割を果たそう。そしてもっともっとコミュニケーションを取ろう」と気を引き締めなおしました。

今日のトレーニングは、午前中のみのため個人練習をしっかり行ってグラウンドを後にしました。
午後はフリーとして、選手それぞれの過ごし方で休養にあてました。

昨日行われたHSBCアジア五カ国対抗2010 香港対韓国戦で韓国が敗れました。それを聞いた吉田選手は、「韓国も香港もそんなに実力差はないし、ホームで戦う両チームは全然出来が違う。おそらく来週の韓国は、まったく別のチームになるでしょう。日本代表としては、自分たちの目指すものを見失わないことが一番」と話してくれました。

我々の宿舎の壁には、今日から「韓国戦まであと6日」というカウントダウンボードも登場しました。相手どうこうではなく、日本代表が目指す次のステージに向け、常に向上心を持って戦うことをチーム全員が認識しています。
引き続き、温かいご声援をよろしくお願いいたします。

東福岡高校ラグビー部の皆さんが見学に来てくれました   肩周りのストレッチを兼ねたゲーム   ギャップを作らず全員一直線で前に出る   2対2で、クロスプレーなどのディフェンスコミュニケーションを確認した   ボールの出所をしっかりと見極め、前に出る
東福岡高校ラグビー部の皆さんが見学に来てくれました   肩周りのストレッチを兼ねたゲーム   ギャップを作らず全員一直線で前に出る   2対2で、クロスプレーなどのディフェンスコミュニケーションを確認した   ボールの出所をしっかりと見極め、前に出る

タックル時のインパクトをイメージする   一人目が下へ、そして二人目がボールをロックする   激しい攻防の中で、タックル後のボール争奪の局面を確認する   内側の選手が決まった時点で、自分のノミネートする選手を素早くチェックする   チームを2つに分け、組織ディフェンスを確認した
タックル時のインパクトをイメージする   一人目が下へ、そして二人目がボールをロックする   激しい攻防の中で、タックル後のボール争奪の局面を確認する   内側の選手が決まった時点で、自分のノミネートする選手を素早くチェックする   チームを2つに分け、組織ディフェンスを確認した

一人目はボールキャリアーに激しくヒット   宿舎に登場したカウントダウンボード
一人目はボールキャリアーに激しくヒット   宿舎に登場したカウントダウンボード

2010年4月24日(土) 福岡

昨日、福岡入りした日本代表は、本日よりFL豊田将万、SOショーン・ウェブ両選手が所属するコカ・コーラウエストレッドスパークスのグラウンドをお借りして、5月1日に迫ったHSBCアジア五カ国対抗2010韓国戦に向けた直前合宿をスタートさせました。

晴天に恵まれた初日は、1週間のブレイク明けということもあり選手たちの動きは軽く、宮崎合宿で負傷していた選手も徐々にグラウンドに戻るなど、いよいよ始まる初戦に向け好スタートが切れました。

練習も、ビジョンドリルやキックキャッチの従来から取り組んでいる基本スキルを軸に、ボールプレゼンテーションや、レッグドライブなどのコンタクトスキルを織り交ぜ、最後は、フルコンタクトのラックドリルを行うなど、初日から強度の高いトレーニングが行われました。その後は、FW・BKに分かれ、ユニットトレーニングを行い、FWはラインナウトとスクラム、BKはパス、キックの基本スキルとラインアタックを確認しました。

ただ、一つ一つのプレーの精度の部分では、日本代表が目指す水準からは遠く、韓国戦に向け気持ちのスイッチを入れるようコーチ陣が厳しく指摘する部分もあり、明日以降の練習でチームのさらなる完成度を高めていく必要がありそうです。

チームは、午前の練習後、コカ・コーラウエストレッドスパークスのクラブハウスで昼食を取り、そのままジムでウエイトトレーニングを行い初日のトレーニングを終えました。

明日は、午前10時より今日と同じくコカ・コーラウエストレッドスパークスのグラウンドで練習を行います。

◎ジョン・カーワンヘッドコーチ
「宮崎キャンプでチームの成長を感じ取ることができました。そして、一週間のブレイクを経て、いよいよ今日からがアジア最終予選へのスタートです。
今日の練習で選手たちを見ると、体力的にはフレッシュのようですが、精度の部分では、やはり休み明けということもあり、満足いく内容ではありませんでした。ただ、これが明日も続くようであれば、到底受け入れられません。今シーズンのターゲットであるW杯の出場権獲得のためにしっかりと準備をしたいと思っています。
韓国に関しては、毎年戦う相手ですが、彼らのアグレッシブさは脅威です。それに今年は相手のホームで戦いますので、彼らにとっては大きなアドバンテージになるでしょう。日本代表は、相手よりも早く正確なゲーム運びをしていく必要があり、そのための準備をここ福岡でしていきます」

入念なストレッチからトレーニングがスタート   ハードルを使って低さを意識し、一気に駆け抜ける   相手の重さを感じて体の向きを変える   激しさの中でも、しっかりとしたボールプレゼンテーションで攻撃を継続する   サポートプレーヤーは、タックラーを剥がしに行く
入念なストレッチからトレーニングがスタート   ハードルを使って低さを意識し、一気に駆け抜ける   相手の重さを感じて体の向きを変える   激しさの中でも、しっかりとしたボールプレゼンテーションで攻撃を継続する   サポートプレーヤーは、タックラーを剥がしに行く

ボールキャリアーは、一歩でも前に進む   ディフェンスは、タッチラインへ押し出す   ミスの多い内容に、カーワンHCが一喝   より高く、そして正確性を求めるラインアウト   キックのスキルトレーニングを行うBK陣
ボールキャリアーは、一歩でも前に進む   ディフェンスは、タッチラインへ押し出す   ミスの多い内容に、カーワンHCが一喝   より高く、そして正確性を求めるラインアウト   キックのスキルトレーニングを行うBK陣

ディフェンスを引きつけ、スペースにボールを運ぶ   体幹強化に積極的に取り組む   ATSトレーニングとウエイトトレーニングを交互に行い心肺機能を高める
ディフェンスを引きつけ、スペースにボールを運ぶ   体幹強化に積極的に取り組む   ATSトレーニングとウエイトトレーニングを交互に行い心肺機能を高める