■2010年5月1日(土) 韓国・大邱
2010年度日本代表の初戦となるHSBCアジア五カ国対抗2010 韓国代表対日本代表の試合が5月1日(土)汗ばむような好天に恵まれたなか、韓国・【大邱】慶山生活体育公園ラグビー場で行われました。
試合に先立ち、韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事故犠牲者への哀悼の意を込め黙祷を行い、キックオフとなった韓国戦。菊谷キャプテンが「レフリングへの対応と、ゲーム勘を取り戻すのに時間がかかった」と語ったように体が動かず、韓国の攻撃に時折ディフェンスラインを突破され、外れはしたものの自陣ゴール前正面でペナルティーゴールを与えるなど、なかなかペースをつかむことができませんでした。
そんななか、8分、敵陣で得たペナルティからのラインアウトで理想的なモールを組み、HO堀江がトライし、先制。直後に韓国SOにPGを決められますが、20分、31分と連続攻撃からSH田中、WTB遠藤がトライを挙げ、19-3で前半を折り返しました。
ハーフタイムでは、菊谷キャプテンが「出ているメンバーも出てないメンバーもエンジョイできる試合をしよう」と声をかけて後半に入りました。
そして迎えた後半、爆発的なスタートで一気に試合を決めました。1分に敵陣ゴール前からBKのサインプレーでこの日初キャップのWTB長友がトライを挙げると、6分にNo.8菊谷、9分にLO大野と連続トライで試合を決めました。
その後、韓国代表で東芝ブレイブルーパス所属のFB蔡にトライを許しますが、一旦掴んだ流れは途切れることなく、多くの時間を敵陣でプレーし、18分WTB遠藤、25分WTB遠藤、28分WTB遠藤、31分HO堀江に代わって入った初キャップの湯原、41分WTB遠藤が次々とトライラインを陥れました。中でもWTB遠藤は、この日5トライと得点力の高さを見せてくれました。前半リズムに乗れない時間帯はありましたが、終わってみれば、71-13で圧勝。アジア5カ国対抗3連覇、そしてワールドカップ出場権獲得への好スタートを切ることができました。
しかし、カーワンヘッドコーチ以下首脳陣や選手たちは、この結果に満足していない様子。やはり課題として掲げていた“入りの20分”の出来が思うように行かなかったことが大きな原因であろう。菊谷キャプテンが試合後に話した「我々はワールドカップに行くために戦っているのではなく、ワールドカップで勝つために戦っている」との言葉通り、今日の試合内容ではワールドカップの強豪国と伍するのは非常に厳しいのが現実。さらなるレベルアップが期待されます。
初キャップとなったFLバツベイ、WTB長友、HO湯原、PR藤田ら期待の新戦力も緊張のせいか、硬さが残るプレーぶりでしたが、まずまずの動きを見せてくれ、選手の底上げを狙う日本代表にとっては非常に良いニュースとなりました。
この日の試合を観戦した日本協会 真下副会長・専務理事からは、「出来は65点~70点。試合から遠ざかっていたかもしれないが、細かなミスが多すぎる」と厳しい採点でしたが、「やろうとしていることは理解できるし、後半は非常に良い出来だった。あれが前半からできていれば結果はついてくるだろう」とさらなる成長を期待するコメントを頂きました。
まだまだスタートしたばかりの2010年度日本代表。来週からの東京3連戦で、日本のファンの前でさらなる成長を披露したいと思います。
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