レフリーアカデミー 前田 輔
(九州協会公認・福岡県所属)

●はじめに
ワイカト協会との交換研修、第1号として、(財)日本ラグビーフットボール協会の皆様に、多大なるサポートとともに派遣の機会を与えて頂いたこと、大変感謝しております。
また、所属協会である、九州協会、福岡県協会の皆様にも、温かく応援して頂き、本当に嬉しく思っています。
ワイカトでは、10日間というタイトな日程ながらも、非常にオーガナイズされた研修を受けることができました。以下、現地での研修を、まとめさせて頂きます。

  • 研修目的:ラグビー強豪国、ニュージーランドにおけるレフリー研修を通じて、現地のラグビー文化を体感する。
    また、2019年のワールドカップに向け、レフリーの立場から日本ラグビーの競技力やゲームの質の向上に寄与できるよう、ラグビー競技の特性の理解を深める。
  • 自己目標:ラグビーの競技特性に関する理解の深化・英語によるコミュニケーションの上達
グラント・スチュアート氏(27歳・2009ワイカト・プレミア決勝のレフリー) グラント・スチュアート氏(27歳・2009ワイカト・プレミア決勝のレフリー)

 

ワイカト協会のレフリーミーティング ワイカト協会のレフリーミーティング
ワイカト協会のレフリーミーティング

 

●スケジュール

3月13日(土) 日本時間午後、NZへ
14日(日) NZ到着・ワイカト協会宮浦氏と合流 スティ先へ移動・夜S14観戦
15日(月) 午前:トレーニング
午後:ワイカト協会アカデミー&ハイパフォーマンス選手の練習を見学
夜:ワイカト協会シーズン1stミーティングに参加
16日(火) 午前:トレーニング
ワイカト協会・ブレアコリアー氏とともにラグラン港へ
午後:ワイカト協会レフリーによる チームへの新ルール伝達を見学
17日(水) フリー(オークランドへ)
18日(木) 午前:ワイカト協会:ブレア・コリアー氏によるレフリング理論など研修
午後:ハミルトンオールドハイスクールのU15セレクションマッチ
19日(金) 午前:S14ワイカトチーフスのトレーニング見学
午後:ハミルトン市内&新しいスティ先へ移動
20日(土) Fraser Tech vs. Manurewa (U21/Elliot Park)
21日(日) St Johns Hamilton vs. St johns Hastings (Marist Club)
22日(月) ハミルトン空港~オークランド空港~成田空港~福岡へ

 

協会内に掲示されたレフリー委員長&決勝担当レフリーのボード。レフリーのステイタスが確立されているようです 協会内に掲示されたレフリー委員長&決勝担当レフリーのボード。レフリーのステイタスが確立されているようです
協会内に掲示されたレフリー委員長&決勝担当レフリーのボード。レフリーのステイタスが確立されているようです

 

●おわりに

今回NZで3試合レフリーを担当して、一番印象に残った点は、プレーヤー個々人の持つ規範に対する意識の違いです。
個々人の常識、人間文化が多種多様で、レフリーがゲーム内での基準を、明確に示すことの重要性を痛感しました。

ゲーム中のマネジメントにぶれがあったり、甘かったりすると、すぐにそこを突かれ、ゲームの流れが乱れてしまいます。
日本国内であれば、プレーヤーの側がある程度、ゲームとレフリーに同調し、ミスマッチを解消してくれる場合もありますが、NZでは、レフリーが適切な行動をとらなければ、ゲーム全体のマネジメントは、ますます難しくなる、という感覚です。
2つの家庭にホームステイさせて頂きましたが、どちらも、ワイカト協会のトップレベルを担当するレフリーの家で、現地のレフリーの生活スタイルや取り組む姿勢も知ることができました。

文化や習慣、生活環境も違う、海外でのレフリング経験は、今後、国内でのゲーム担当をする際、基準の示し方、ゲームのスムーズな進行について、大いに役立つことと思います。

派遣させて頂いたことに対する、感謝と責任をしっかりと胸に刻み、日本のラグビー界に貢献できるよう、今後も努力を続けます。
この研修派遣に際し、機会を与えていただいた日本ラグビーフットボール協会、現地ワイカト協会の関係の皆様、そして、ワイカト協会の宮浦さんの尽力、大変感謝しています。

また、勤務先(九州朝日放送(株))の理解のもと、今回の派遣が実現できたことは、私にとって大変幸運なことでした。皆様、ありがとうございました。

オークランド中心部のワールドカップストア オークランド中心部のワールドカップストア
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