第54回全国大学ラグビーフットボール選手権大会
準々決勝 記者会見リポート 2017年12月23日 秩父宮ラグビー場
慶應義塾大学 対 大東文化大学 慶應義塾大学

 

慶應義塾大学

金沢篤監督

「率直に、悔しいばかりです。大学選手権なので、勝ち負けしかないのですが、途中逆転するなど、選手は精一杯やってくれたと思います。大東文化さんはキャプテンのタックルに象徴されるように素晴らしいディフェンスをされました。選手は100パーセントやったと思います」

ー前半から短めのキックやタッチに出さないことが目立ったが?
「大東文化さんはかなり前へ出て来るディフェンスなので、裏のスペースは意識していました。ただ、1回もそこでマイボールになっていないので、精度が良くなかったと思います」

ー先制され、回すようになったが?
「前半の最初もそうでしたが、自陣まで攻め込まれてロングキックを蹴って、簡単に相手にボールを渡してしまいました。自分たちがボールを持ってアタックするようになってから、慶應義塾に流れが来て、見事に相手のディフェンスを崩して追いついてくれました」

ー後半は?
「そこでミスが重なりました。ただ単に回せば良いものではなく、もう少し良いところへ運べたかなというところもありました」

ーハンドリングエラーが目立ったが、プレッシャーによるものか、自分たちの問題か?
「両方ともあります。良いプレッシャーを大東文化さんがしてきたこともあるし、何でもないところでの自分たちのミスもありました」

ー相手の5番、8番の外国人選手対策は?
「良いボールキャリアーだと、当然分かっていましたが、特別に人数を掛けるのでなく、いつもどおり行こうと言いました。そこが高く行ってしまって、僕が選手に勇気を持たせてやれなかったと思います。慶應義塾のプレーとして、良くない部分がありました」

 

佐藤大樹キャプテン

「自分たちもスクラムが強みと思っていましたが、スクラムで何回か取られたのが残念です。後半、自陣からのアタックでミスが出て、そこでスクラムで取られたところが反省点です」

ー最初にスクラムを組んだ感触は?
「大東文化さんは僕たちより体重があって重いですが、ファーストスクラムの印象では、押せるかなと思いました。組んでいる間に相手にやられたと思います」

ー後半の中盤は?
「あの時間帯は、大東文化さんにやりたいアタックをされました。もっと自分たちらしいラグビーをやろうと声を掛けました」

ー相手のディフェンスのプレッシャーは?
「最初のところで、少し簡単にキックとかでボールを離してしまったと思います。でも、前へ出ていたので、ディフェンスのプレッシャーに負けたとは思っていません」

ー大東文化のタックルの印象は?
「試合前から大東文化さんのタックルもディフェンスも良いと分かっていました。避けたり、小手先でかわそうとしたりすると、危ないと臨みました。しかし、いつもどおりのアタックの立ち位置でなく、狙われてしまう立ち位置だったと思います。大東文化さんのディフェンスが良かったのも、もちろんですし、だんだんポイントに近い立ち位置になってしまいました。いつもなら、もっとワイドに立っているのですが。きちんとアタックのセットをして球を出せなかったので、立っている選手が狙われたと思います」

 

大東文化大学

青柳勝彦監督

「今日はありがとうございました。本日の試合は本当にしんどい試合でしたが、何とかモノにできてホッとしています」

ーしんどい試合はチームにとって良い経験になったのか?
「プラスに考えています。今シーズンは流通経済戦も東海戦も接戦をモノにしてきました。ウチは去年のチームより得点能力は低いので、僅差の試合になると分かっていました。慶應義塾さんは安定していたと思います」

ー単純なノックオンが見られたが?
「細かいミスはしょうがなくはないが、むしろ、今日の試合はノーペナルティを目指していましたが、それが出てしまいましたので、練習で言い続けます」

ー2年ぶりのベスト4で、今年のチームの良さは?
「攻撃力では落ちるが、全体として、ディフェンスは失敗が少ないと思います。FWはスクラムです。監督5年目ですが、一番強いスクラムを組んでいます。ここがウチの武器です」

ースクラムが強くなったわけは?
「もちろん、選手の頑張りがあって、ウェイトで身体を大きくするのと、木川コーチが基本的な細かい部分で、口では伝わらない部分をしっかり身体を当てて教えてくれています。少しずつ成果が出て、自信に繋がっています」

ーディフェンスで、入れ違われるシーンがあったが?
「コミュニケーションの部分で、横との繋がりで、単純に行き過ぎていたと思います。横とのコミュニケーションの精度をもっと上げたいと思います」

ーキャプテンの最後のタックルは、監督直伝か?
「ははは(笑)。本人のスキルがすごいので、教えることはないです」

 

河野良太キャプテン

「タフな試合になると思っていましたが、思ったとおり、前半、良いトライが獲れて流れをつかんだと思いましたが、慶應義塾さんも良いアタックで追い付かれたのが反省点です。修正していきたいと思います」

ー最後のタックルは思い切り行ったが?
「最後は本当に苦しくて、あそこで獲られたら負けると思って、思い切り行きました」

ーセットから、狙っていたのか?
「はい、そうです。残り10分で、もう1回ノーペナルティで、ディフェンスからしっかりプレッシャーを掛けようと声を掛けた結果でした」

ー肩は外れたのか?
「右肩が外れかけました。痛みはありましたが、まあ、大丈夫です。」

ー改めて、キャプテンにとってタックルとは?
「タックルは自分の武器、持ち味です。自分が率先して持ち味を出せればと思ってプレーしています」

ーしんどい試合はチームにとって良い経験になったのか?
「しんどいゲームをモノにして、チームとして自信になります。前半、立て続けに3トライ獲られたところは、修正したいです。こちらが3トライ連続で獲って、もう1回気持ちを引き締めようとしましたが、自分たちのペナルティから獲られたので、ノーペナルティを意識していきたいです」

ーどうして、ペナルティが出たのか?
「激しくディフェンスに行こうとしてのプレーでした。ブレイクダウンのプレーでもう一度、冷静にやりたいと思います」

ースクラムから多彩なタイミングで球出ししていたが?
「基本的にはどのスクラムも押し続けますが、レフリーとのコミュニケーションもあり、今日の試合はユーズイットの声が掛かった場面で出しました」

ーアマト選手のシンビンの場面は? 「連続してトライを獲られて、チームとして雰囲気が良くなかったのですが、まだ前半ということもあり、もう一度、気持ちを切り替えて、自分たちのラグビーをやろうと声を掛けました」

ー次の試合は?
「次の試合もFW勝負になってくるので、少しでもBKが走れる状況を作っていきたいと思います」

ーリーグ戦では多くて2トライ、今日は4トライされたが?
「選手権が始まって緊張感もありました。今日の失点は自分たちのペナルティからなので、ノーペナルティを意識していけば問題ないと思います」

ー慶應義塾は100点勝利ゲームが続き、心配はなかったのか?
「慶應義塾さんは勢いに乗っていましたが、しっかり練習から意識して、監督にも選手に話していただいたので、そこは問題なかったです」