マッチリポート
トーナメント表


関西学院大学 29-62 明治大学

【2回戦/2009年12月27日(日) at 愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場】

明治大学のキックオフで試合開始。天気は快晴で、絶好のコンディション。開始早々から明治の出足のよさが目立ち、ブレイクダウンでの集散も速い。5分、スクラムでのPKから明治がPGを決めて先制。その後、関学が敵陣に攻め込み、強固なモールを武器に前進を繰り返す。そして10分、敵陣ゴール前のラインアウトからのモールを押し込んでトライし、逆転。しかしその後は明治が効果的なキックとそのチェイスから、強力FWが個々のパワーを生かし前進。BKも長いパスを使いながらグラウンドを大きく使った攻撃を連続し、4トライ4ゴールを奪い、31-5と大きくリードして前半を終了。キック処理の差が前半のスコアの差に出てきている。

後半は開始直後から関学が明治陣でモールを中心に攻撃。2本のトライを奪い、点差を縮める。しかし、明治もキックのカウンター攻撃からPG、さらにはトライを決め、突き放しにかかる。それに対して関学もFW・BK一体となった連続攻撃からトライを決め、食い下がる。しかし、30分過ぎからの関学の果敢なアタックに対する、明治の厳しく執拗なディフェンスからの3トライの追加で点差は広がり、終了間際に関学が1トライをあげるも62-29でノーサイド。明治が準決勝に駒を進めた。明治のFW・BK一体となったグラウンドを大きく使うラグビーと、関学のモールを中心としたFWの強さが印象に残る試合だった。

関西学院大学 29-62 明治大学 関西学院大学 29-62 明治大学 関西学院大学 29-62 明治大学 関西学院大学 29-62 明治大学 関西学院大学 29-62 明治大学
会見リポート
 

明治大学の吉田監督(左)と西原キャプテン
関西学院大学の大崎監督(左)と小原主将

関西学院大学

○大崎隆夫監督
「1年前の法政大学戦の敗戦からスタートして、関東の大学に勝つ準備をしてきた。しかし、結果が出せなかったということを真摯に受け止め、また一からやり直したい。ただ、1年間やってきたことは間違ってはいなかったし、関学の意地も見せられたので、今後後輩たちに受け継いでいってもらいたい。そして、関東の大学に勝ちたい」

○小原主将キャプテン
「前半、明治の速いテンポとうまさに翻弄され、何もできなかった。やはり強いチームは何もやらせてくれない。後半は自分たちが信じてやってきたモールが通用してよかった。今後は後輩たちが引き継いで頑張ってくれたら、この関東の壁は乗りこえることことができると思う」

──今日の試合でのFW勝負の感触は?
○大崎監督

「前半最初のプレーで明治のほうが上だった。しかし、後半はあきらめず前へ出てくれ、選手たちに感謝している」

明治大学 19-12 拓殖大学 明治大学 19-12 拓殖大学 明治大学 19-12 拓殖大学 明治大学 19-12 拓殖大学
 

明治大学の吉田監督(左)と西原主将
明治大学の吉田監督(左)と西原主将

明治大学

○吉田義人監督
「明治の伝統・プライドをもって、関学に対して正々堂々と、関学のラグビーをさせないようにした。関学はFWも強いしBKの展開力もある。その関学の強みを消せるように、FWから崩していき、1対1のディフェンス・アタックで負けず優位に立てるようにということを確認した。ボールの継続・エリアマネージメント・ディフェンスで前へ行くという3点が前半しっかりできて、主導権を握ることができた。関学が後半強みを出してきたことと明治のタックルの甘さが出たことで4トライを奪われた。これは次への課題である」

○西原忠佑主将
「勝てて素直によかった。完璧とは言えないけれど、次の試合では自分たちの弱みを見せず、80分間戦えればいいと思う」

──関学というチームの印象は?
○西原主将

「モールはこだわりがあって強かった。しかし、自分たちはフィールドで戦うスタイルなので、その部分では勝つことができた。それぞれのフェーズでは強さは感じなかった」

──選手たちの成長については?
○吉田監督

「自分が監督に就任してから、『前へ』というスタイルを貫いてきて、選手たちも日々成長している。特に早明戦で選手は大きく自信をもち、前向きになってきた。FW・BKともに意識が高くなってきており、精度も上がってきている。我々はチャレンジャーなので、次は思い切り自分たちを出したい。次の試合はとても楽しみである」