第46回 全国大学選手権大会
12月20日から開幕する「第46回 全国大学ラグビーフットボール選手権大会」。一回戦の見どころについて、日替わりでご紹介していきます。
全国大学選手権大会組合せ
全国大学選手権大会プレビュー12月20日(日)at 大阪・近鉄花園ラグビー場
12:00キックオフ 第1試合
天理大学 vs 摂南大学

関西大学リーグ2位・天理大学、3位・摂南大学の対戦となったこの試合、奇しくも昨年の1回戦と同一カードとなった。昨季の1回戦は摂南に軍配が上がり、今年のリーグ戦では天理が勝利を収めている。天理大学は、U20日本代表の中心選手として活躍したCTBハベアが攻守のキーマン。SOに入る副将・伊藤にも期待がかかる。
対する摂南大学は、脅威の突破力を誇るNo.8イオンギと体に似合わず柔らかいプレーもできるCTBリシモリが攻撃の軸になる。彼らがボールを持つ機会が多ければ多いほど摂南ペースになっていくだろう。選手権でのリベンジを果たしたい天理か、リーグ戦の雪辱を晴らす摂南か、両チームリベンジをかけた戦いになるだろう。

12月20日(日)at 大阪・近鉄花園ラグビー場
14:00キックオフ 第2試合
関西学院大学 vs 同志社大学

第2試合も関西リーグ同士の対戦となった。リーグ戦2連覇を果たした関西学院大学は、攻守ともに安定感がある。FWは、LO小原主将、FL西川ら痛いプレーができる選手が軸となる。一方、BKはタレントが揃う。7人制日本代表のスピードスターWTB長野をはじめ、高校日本一を経験したSH芦田、高校日本代表のFB小樋山らがゲームを組み立てる。3年ぶりの関西勢の国立進出への一番手として勢いのある試合を見せたい。
対する同志社大学は、ここ数年不振が続いているが、TLを経験した指導者が入るなど新たな変革期を迎えている。選手を見ても村上主将をはじめ他校が羨む人材が多くチームの自力はある。リーグ戦の屈辱を選手権で晴らすべく初戦にすべてを賭ける。
関西学院・長野、同志社・大久保と50mを5秒台で走る両WTBのマッチアップも必見!

(12月18日掲載、了)

 

12月20日(日)at 愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場
12:00キックオフ 第1試合
法政大学 vs 流通経済大学
SH日和佐、SO文字の大学屈指のHB団を擁するリーグ戦3位の法政大学は、伝統の高速ラグビーで王座を狙う。HB団の他にもBKはタレント豊富でCTB宮本、WTB竹下と個人技に優れた選手を軸に仕掛けていきたい。
対するリーグ戦4位の流通経済大学は、4連敗を経験した後、2連勝と右肩上がりで手に入れた大学選手権のキップだけに勢いはある。法政とは、リーグ戦で24-32と敗れてはいるものの決して届かない差ではない。
シーズン2度目の対戦となり手の内が分かっているだけに、勝利への強い執着を見せたチームに勝利の女神は微笑むだろう。

12月20日(日)at 愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場
14:00キックオフ 第2試合
早稲田大学 vs 立命館大学

同志社大学以来の3連覇を目指す王者・早稲田大学の初戦は、立命館大学との対戦となった。昨年までのインパクトはないが、HO有田、No.8大島、SH榎本、SO山中、FB田邊と縦のラインが充実しているのが強み。中竹監督が「一戦一戦を大事に戦う」と語る通り、初戦突破に全力を尽くす。
対する立命館大学は、13日に中京大との第5代表決定戦を制して手に入れた選手権だけに思いは強い。王者へのチャレンジとなるが、世界大会を経験しているSH東出、BKリーダーSO大嶌のHB団を中心に思いきったプレーを見せて欲しい。
順当か波乱か、一発勝負の大学選手権、予想もできないことが起こるかもしれない。

(12月17日掲載)

 

12月20日(日)at 埼玉・熊谷ラグビー場
14:00キックオフ
明治大学 vs 拓殖大学昨季、23年続いた選手権の連続出場が途絶え失意のシーズンを送った明治大学だが、今シーズンから、主将として大学選手権を制し、日本代表WTBとして世界の舞台で活躍した偉大なるOB吉田義人氏が監督に就任。伝統を取り戻すべく厳しいトレーニングを重ねてきた。対抗戦の結果だけを見ると3勝4敗の5位と苦しんだが、最終戦の早明戦で見せた戦いぶりは選手権での大化けを期待させる内容だった。12回の優勝を数える伝統校の復活をファンは待っている。

対する拓殖大学も、リーグ戦は5位と苦しんだ。それでも、大東文化大学を破ってからは徐々にチーム力が安定。関東第5代表を決める試合を大差で制し、選手権まで歩を進めてきた。肉体的疲労は別として他のチームが選手権までに2~3週間空いているのに対し、先週試合を行なったことで試合感を失わずに大舞台に入ることができるのは十分にアドバンテージと言えるだろう。

会場の熊谷ラグビー場は、時折、激しい風が吹く。当日はどちらに勝利へ導く風が吹くのだろうか。

(12月16日掲載)

 

12月20日(日)at 福岡・レベルファイブスタジアム
14:00キックオフ
慶應義塾大学 vs 福岡大学
10年ぶりの覇権を狙う慶應義塾大学は、初戦を福岡・レベルファイブスタジアムで迎える。FL松本主将を中心とした伝統のタックルに加え、PR川村、HO金子、竹本、増田の両CTBなどタレントも豊富。優勝候補の一角であるのは間違いない。林監督が目を細める活躍を見せたチームトライ王のWTB三木の走りにも注目したい。福岡の地で足場を固めて国立への準備を整えたいところだろう。
対するホームで迎え撃つ福岡大学は、華やかな経歴を持つ選手はいないが、松井主将を軸に全員が80分間走り続けるフィットネスに裏づけされた、スピードラグビーで勝負をかける。第4回大会以来遠ざかっている九州勢の勝利を虎視眈々と狙っている。
当日の福岡の天気予報は、現在曇り時々雪。両校の熱気で雪を溶かすような試合を期待したい。

(12月15日掲載)

 

12月20日(日)at 東京・秩父宮ラグビー場
12:00キックオフ 第1試合
関東学院大学 vs 帝京大学一回戦、屈指の好カードとなった両校の対戦は、白熱した熱戦が繰り広げられるだろう。

関東大学リーグ戦2位の関東学院大学は、試合を重ねるごとにブレイクダウンの激しさやグラウンドを大きく使った本来のカントーらしさが出てきた。桜井監督も密集周辺の激しさが生命線と語り、徐々にチーム力は整ってきた印象だ。どこにでも顔を出すFL安藤主将を中心に、BKにはSH大島、CTB笹倉、WTB夏井とU20日本代表、7人制日本代表として国際試合を経験した選手を擁し、攻撃力も高い。

対する昨年のファイナリスト帝京大学は、関東大学対抗戦は4位と不本意な成績であったが実力は折り紙つき。No.8野口主将、LOボンド、FLツイを軸にした大学屈指のFWと、ケガからの復帰を目指していたSO徳永も選手権には間に合う見込みでSH滑川とのHB団が機能すれば他校にとって脅威になることは間違いない。

ゲームの分岐点となるのは、やはりブレイクダウンの攻防だろう。FWの強力な推進力で前進してくる帝京を関東学院がいかに自分たちのペースに引き込むことができるかに注目したい。

12月20日(日)at 東京・秩父宮ラグビー場

14:00キックオフ 第2試合
筑波大学 vs 東海大学
関東大学リーグ戦王者の東海大学に挑むのは、対抗戦3位の筑波大学。東海大学は、木村監督が徹底的にFWを鍛えたという言葉の通り、日本代表FLリーチ、HO木津を中心として大きなFWが攻撃の起点となるセットプレーを支えている。モールの巧さにも定評があり、ゴール前でのラインアウトには絶対の自信を持つ。BKには、リーグ戦トライ王・FB豊島を中心に、CTB吉田真吾ら仕掛けて仕留めることができる選手を多数擁し、バランスを含め総合力はかなり高い。

対する筑波大学も、早稲田、慶應義塾には敗れたものの、帝京、明治と伝統校を退けての3位と力はある。中鶴、彦坂ら1年生の活躍もチームにいい刺激を与えている。粘り強いディフェンスを身上とするチームだけに、低く突き刺さるタックルからリズムを作りたいところ。

注目は、セットプレー。両校とも局面を打開できるタレントは豊富に揃えている。自分たちのペース、リズムを掴むためにもキックオフ、スクラム、ラインアウトを安定させたい。

(12月14日掲載)