◎日本代表
○ジョン・カーワン ヘッドコーチ
「勝ったことと課題が見つかったことに関してはHappyである。そして、その課題には、ポジティブなものとネガティブなものがある。これらをとらえて今週つめていき、次回に邁進していきたい」
○菊谷崇キャプテン 「80分間しっかりたたかえたこと、キックからのターンオーバーでトライへつなげたことなどはよかった。反対に、キックで簡単にボールを与えてしまった点や、ラインアウトなどは修正すべき点もたくさんあった。しかし、チャンスからトライへつなげたのはよい結果だと思う。今週、修正をかけてベストな状態で次に臨みたい」
──ポジティブなものとネガティブなものとはどのようなものか。
○カーワン ヘッドコーチ
「ポジティブな点は、ターンオーバーからチャンスを築けたこと、ディフェンスでのプレッシャーがよかったこと。ボールを継続することで最終的にチャンスにつなげられたので、われわれが意図していたことができた。試合前にフロントローに『ヤングサムライになってほしい』と伝えた。キャップ数の多い相手に対して彼らはよく戦った。今後の成長が楽しみである。逆に、ネガティブな点は、ラインアウトのミスが多かったこと、ボールの継続という点でもう少し辛抱してボールをまわさないといけないのに容易にはなしてしまったこと、それとストラクチャーのところです。今週その点を修正していきたい」
──ネガティブな点としてキックの使い方なども含まれるのか。
○カーワン ヘッドコーチ
「その通りです。判断の場面で、ボールの継続かキックかは、今後必要になってくるところ。前半でも、せっかくカナダを追い詰めたのにボールをはなしてしまったところがあった。今後の修正点である」
──多くのトライの中で、どのトライが今のJAPANにとって1番手応えを感じるベストトライか。
○菊谷キャプテン
「ライアン(ライアン・ニコラス)がパントでタックルして、ターンオーバーからトライへつながったもの。あれが僕の中ではやってきたことができたと思ったもの」
──ミスの後のスクラムからターンオーバーして、菊谷選手のトライにつながった。あのスクラムの前に、若手フロントローに何かいったのですか。
○菊谷キャプテン
「僕がラインアウトを選択してミスが出てしまったので、ミスは気にしないでこのスクラムが大事だから集中しようといった」
──そのスクラムはどう押したのか。
○菊谷キャプテン
「一度受けてから、レッグドライブしました」
──今日はたくさんトライをとったことを評価しますか、それともノートライに抑えられなかったことを課題に感じますか。
○カーワン ヘッドコーチ
「その通りです。本来であればノートライに抑えたかった。しかしそれはわれわれのレベルがおろそかになるという局面があったからだと思う。これに対して、カナダは最後まであきらめずにJAPANに立ち向かったために結果を出すことができた。今週、メンタル面でそういったことをなくすよう修正したい」
──素晴らしかったゴール前のディフェンスはどういうことを意識しあっていたのか。
○菊谷キャプテン
「あそこは全員が頑張ってディフェンスする場所として、言わずともみんなが意識してくれていた。また、そういう人たちの集まりなので。だから特に何かがというわけではなく、全員が盛り上げてくれた。ひとつになれたその結果がターンオーバーだったと思います」
──ラックはどうでしたか。
○菊谷キャプテン
「そうですね。リーチや北川をはじめとしてみんながボールに絡んでくれたので、相手の球出しが遅れてディフェンスのセットができ、前半は対応できた」
──1年前のアメリカ戦から比べて、どういったところでチームが成長していると感じますか。
○菊谷キャプテン
「アメリカ戦からやっている戦術が頭に入ってきている。それに新しいメンバーもなじんできてくれて、本当にやりやすい。サポートしてくれるメンバーも頑張ってくれているので本当にやりやすい。いい代表チームとしての1週間をすごせた」
──レベルが上がってきていると感じますか。
○菊谷キャプテン
「トップリーグが終わって集まって、セレクションをしてと、タイトなスケジュールだったが個人でそれぞれきちんと調整してきてくれた。みんな結構レベルが上がっていると思う」
──ヤングサムライの3人の一人一人に一言を。
○カーワン ヘッドコーチ
「まず3人に対しては、大学から高いクォリティを持っていると感じます。今日の試合の前に、ずっとタイトにいこう、押されても受けずに立ち向かっていこうと話したところ、それをその通りにやってくれた。前半はセットでのペナルティも多かったけれど、気持ちをしっかり持ってやってくれた。畠山にはシニア選手として若手を引っ張ってくれと話した。彼は8キャップということで、それをよく出して若手を引っ張ってくれた。堀江は高い才能のある選手だと思う。ですので、いつものそのままの自分でやってくれと話した。つまり、ラックでのボールへの絡みやヒットの部分です。川俣に対しては、インターナショナルサイズを備えているということで、ラックにヒットし、そして激しくボールに絡んで欲しいと話しました。まだ課題は残りますが、よくやってくれたと思います」
──ワールドカップ日本招致決定後の初のテストマッチでこのように快勝したことについて。
○カーワン ヘッドコーチ
「こういった形でサポーターの方も日本に招致されたらどういう雰囲気なのかということを感じていただけたと思う。われわれもそれに則したプレーができたことをうれしく思います。そして、JAPANとして観客の方や皆さんにチームとしてどういった方向性に向かっているかをわかってもらう非常に重要な試合だったと思います。今回こういった形で示せたが、もちろん来週もいい試合をすることが大切です。今われわれは世界ランキング10位に向かって邁進しているのですが、そのためにはまず13位になることが必要になってくるので、皆さんにJAPANが真の成長をしているという感触をもっていただけるような形にしていきたいと思います。そういったことで来週もエネルギッシュでエキサイティングな試合をしていきたいと思っています」
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