帝京大学 55-7 摂南大学 帝京大学 55-7 摂南大学 帝京大学 55-7 摂南大学 帝京大学 55-7 摂南大学
マッチリポート

帝京大学 55-7 摂南大学

(2回戦/2008年12月28日 at東京・秩父宮ラグビー場)

帝京大、8トライ圧勝なるも、準決勝へは課題残る
関東大学対抗戦グループで初優勝し、先週の大学選手権1回戦でも慶応大に完勝、初の大学選手権優勝を狙う帝京大に対し、河瀬監督率いる摂南大学は関西大学リーグ1部に復帰した今シーズンに5位となり、いきなり大学選手権初出場を獲得、さらに1回戦ではリーグ戦3位の天理大に勝利して2回戦に駒を進めてきた。関東のラグビーファンにとって大きな大会での紺・淡い水色・青の3色の太いストライプのジャージーは初めてのデビューとなった。
下馬評では帝京大の実力が上ではあるが、摂南大のトンガ出身のNo.8シオエリとCTBリシモリの突破からの攻撃が、対帝京大でどの程度通用するのかが、関心の的である。

試合は思わぬ展開で開始した。開始早々のラインアウトから摂南大No.8シオエリが突破し帝京大ゴール前に前進した後、4分にペナルティキックから摂南大FWがモールで押し、FL前田がトライ(ゴール成功)、摂南大が7-0とリードして始まったのである。しかし、FWプレーで優位に立つ帝京大のプレッシャーに摂南大のディフェンスがほころぶことも多く、11分にはゴール前スクラムからのモールで、PR平原がトライ(ゴール成功)で、同点。結局、前半だけで帝京大が4トライを挙げ、前半を帝京大29-7摂南大で終えた。

後半開始早々にも帝京大が、摂南大のキックのカウンター攻撃からバックスで展開し、FB船津がトライ、一方的な試合になると思えたが、帝京大フィフティーンは楽勝気分になって集中力が緩んだのか、その後は、ディフェンスや個々のボールの扱いに、いまひとつ締まりがない試合運びになり、さらに帝京大の2選手に、シンビンが科され、後半35分までは両チームの得点に変化がなく推移した。最後の10分間にはスタミナが切れてきた摂南大のディフェンスの足の動きが悪くなったか、帝京大が3トライを追加し、最終スコアは55対7と大差のついた結果となった。
2年連続の準決勝進出となった帝京大は、準決勝では法大と対することとなったが、準決勝以降の相手は強豪大学ばかり。80分間、集中力の切れないプレーを続ける試合をすることが要求されよう。(正野雄一郎)

会見リポート

摂南大学の河瀬監督(右)と、小畑キャプテン
摂南大学の河瀬監督(右)と、小畑キャプテン

摂南大学

○河瀬泰治監督
「このような点差の積み重ねになるとは予想外でした。初めて大学選手権に出場し、一回戦に勝ち、自分たちの力がどこまで通じるかという試合でした。大敗して言うのも何だが、来年以降につなげられる試合だったと思います」

──通じたところは?
「ボールを動かそうというチーム作りは間違っていないと感じました。想像以上にFW戦で苦戦し、本来の意図をグラウンドで落とし込めなかったと思います。ブレイクダウンのところは、今まで簡単に出ていたボールが、いろんなところから手や足が出て、なかなか出ませんでした。ああいうのは淡白な関西にないことで、やはり関東のしつこさを感じました」

○小畑有司キャプテン
「今日はありがとうございました。最初の入りがうまくいって、あれから皆も気合が入った試合でした。やはり、途中からFW戦で不利になって獲られてしまいました。セットプレーが取れなかったのが痛いです。先生もおっしゃったように、来年につながる試合でした。後輩たちもよくやってくれました。摂南のラグビーを見せることができたと思います」

──初めての選手権の感想は?
「今日の試合に限って言えば、最初から最後まで全力が出せたと思います」

帝京大学 55-7 摂南大学 帝京大学 55-7 摂南大学 帝京大学 55-7 摂南大学
 

帝京大学の岩出監督(右)と、井本ゲームキャプテン
帝京大学の岩出監督(右)と、井本ゲームキャプテン

帝京大学

○岩出雅之監督
「摂南さんのタックルドボールへの働きかけがうまかったと思います。反則が出て、集中力をやや欠くゲームでした。学生も先週の慶應戦の高まりと比べ、少しゲームへの入り方が結果的に甘くなったと反省でき、次のゲームへの良い経験となったと思います」

──シンビンが二人出たが?
「ノット10は学生の完全なミス。たまたまヘンドリックが最後にやったので少しアンラッキーかも。学生が精一杯やった中でのペナルティなので、ビデオを見てみます。結果論だが、マイナス思考をせずにいくよう言います。学生にあえて言えば、力も入っているが、もう少しリラックスすれば得点できたかもしれません」

──法政戦に向けて?
「法政さんは、昨年はやや苦しんだが、今シーズンは立て直してこられて、東海さんや関東さんともどちらが勝ってもおかしくない、良い試合をしています。しっかりした手ごたえのあるチームです。気合を入れて臨むべき相手と認識しています。我々の強みと法政さんの強みが出せる試合です。引き締まった良いディフェンスに我々の力強さの部分が通用するか、良い意味で、うまくFWとBKの力をリンクさせ、出し切ってほしいと思います。厳しいゲームになると覚悟しています」

──間が4日間だが?
「身体を休ませることが一番です。学生に対法政戦のしっかりした戦略を落とし込みながら、一日くらいはフォーメーションをやるとは思います。何より良いイメージを学生が確認し合うことが大切です」

○井本克典ゲームキャプテン
「自分たちのラグビーをやりきることをテーマに臨んだが、プレーの甘さや軽さが出て、ミスが出て少し悔しい思いもあります。この反省を生かし、次の法政戦に向けてしっかり準備していきたいと思います」

──シンビンも二人出たが?
「レフリーは絶対です」

──法政戦に向けて?
「相手も必死で準備してくると思いますので、自分たちもタックルからブレイクダウンの激しさを出して、FW、BKともにリンクしていけるよう準備していきたいと思います」