2008年4月1日(火)~7日(月)、埼玉県・熊谷スポーツ文化公園熊谷ラグビー場で行われた「第9回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会」マッチリポートです。
大会概要はこちら、トーナメント表はこちらです。

●4月7日、決勝
常翔啓光学園高等学校 36-21 奈良県立御所工業・実業高等学校

激戦の近畿大会を優勝して今大会出場の常翔啓光学園。その近畿大会を5位で出場の御所工業・実業高校。常翔啓光学園はAシードとして安定した力で決勝まで駒を進めてきた。一方の御所工業・実業高校は、ノーシードながらシード校を次々と倒し、一戦一戦力をつけて勝ち進んできており、注目の決勝戦となった。
開始早々から常翔啓光学園がペースを掴む。御所工業・実業高校は、これまでの機動力に威力がない。7日間で5試合目の疲れからか、決勝戦のプレッシャーなのか本来の動きでない。常翔啓光学園は、6分、12分、17分とゴール前のドライビングモール、グランドを大きく使う積極的なオープン展開でトライを奪い突き離す。20分過ぎから御所工業・実業高校がエンジンがかかった。積極的に前に出る。21分、30分にトライを奪い、結局24対14で常翔啓光学園がリードして折り返した。
後半の立ち上がりは、御所工業・実業高校が相手ゴール前に迫る。先に得点し逆転するチャンスを窺いたい。しかし、後半も先制したのは常翔啓光学園。相手のキックを積極的にカウンターアタック。一瞬の隙をつきトライ。しかし、御所工業・実業高校も諦めない。果敢に攻め18分にトライを奪う。10点差にまで再び迫る。逆転を信じ更に猛攻が続いた。しかし、28分常翔啓光学園が右に左に揺さぶる攻撃からだめ押しとなるトライを決め、36対21と勝利を決めた。
3年ぶり3度目の常翔啓光学園の優勝。この2年間全国レベルの大会に姿を現さずにいた常翔啓光学園が復活した。今年度は、常翔啓光学園が高校ラグビー界をリードしていくことは間違いないであろう。

一方の御所工業・実業高校は、ノーシードながら1回戦から豊富な運動量で機動力を武器に、相手を圧倒してきた。この決勝戦については、本来の力が出せなかった前半の立ち上がりが悔やまれる。

●4月6日、準決勝・第一試合
奈良県立御所工業・実業高等学校 50-7 春日丘高等学校

大会前の予想では有力校と言われていたチームを次々と撃破し、準決勝へ勝ち進んだ両チームの激突。スピーディな展開の好ゲーム期待された。
御所のキックオフで試合開始。キックオフボールを奪い返した御所はSOが好判断から攻めこみ最後はFWがモールを押し込みトライ。その後もスピード豊かな攻撃で3つのトライを奪い17-0とリード。春日丘もNo8、CTBの突破力を生かし前進を図り、ゴール前のラインアウトからNo8が飛びこみトライ。後半につなげた。後半に入っても御所のスピード豊かな展開力は変わらず、春日丘陣内で試合を進めた。春日丘は御所SOの好判断に後ろへ下げられ、なかなか御所陣内へ深く攻めこむことができない。試合展開は前半と変わらず、御所が後半も4つのトライを奪い50-7で快勝。決勝進出を決めた。
両チームとも出場校の中では小柄な方であり、大型チームとの激戦を経てきたが、御所は試合毎に戦いぶりが進化してきたように思える。固いディフェンス、SOの好判断からのスピードあふれるアタックと小柄なチームに戦い方のヒントを数多く与えてくれた。この大会を盛り上げてくれた両チームの戦いに心からの拍手を送りたい。

●4月6日、準決勝・第二試合
常翔啓光学園高等学校 38-19 國學院大學久我山高等学校

快晴、春のやわらかな陽射しの中、伝統校同志の対戦は、常翔啓光ボールのキックオフで試合開始。前半開始約10分間はお互い様子を見る状態が続いた。ゲームが動いたのは10分過ぎ、常翔啓光ボールラインアウトから左オープンに展開、12番抜け出し13番につなぎトライ、ゴールも決まり7-0とした。再び常翔啓光は18分過ぎ久我山ゴール前ラインアウトから左に展開、二度ポイントを作り左ウィングを余らせトライ。ゴール成功で14-0と差を広げた。その後も常翔啓光が主導権を握りゲームを進めた。一方、久我山は25分、常翔啓光がキック処理をミスするあいだにNo8がトライ。ゴールも決まり7-21とし前半終了と思われたが、ロスタイムに入り、久我山はラインアウトからモールを押し込み左に大きく展開、最後は11番がトライを奪い久我山14-21常翔啓光で前半終了。

前半残り5分で2トライをあげた久我山は強力FWとキックを使いリズムに乗り後半21分、モールを押し込んで19-26と1トライ差に追い込む。後半に入りFWを前面に押し出した久我山ペースで試合は進んだが、27分、常翔啓光は、自陣スクラムから久我山のちょっとしたスキをつき左隅にトライ31-19とする。最後も常翔啓光はロスタイムに入りトライを加え38-19で試合終了。局面局面のぶつかり合いはお互い五分であったが、ボールを外まで運ぶ技術は常翔啓光に一日の長があったと感じた。

●4月4日、3回戦・第一試合
常翔啓光学園高等学校 24-7 大分県立大分舞鶴高等学校

風もなく穏やかな快晴の下、準々決勝第一試合が行なわれた。近畿大会1位で今大会Aシードの常翔啓光学園が九州大会2位の大分舞鶴高校をむかえうつ形となった。大分舞鶴のキックオフで試合が開始された。11分過ぎに常翔啓光が舞鶴ボールをターンオーバーしラック形成後早い球出しで9番-15番-11番とつなぎ右中間にトライ(ゴール成功)。直後の15分に舞鶴が敵陣22mラインアウトより左展開し、モールを形成しドライビングモールから  が左中間にトライ(ゴール成功)前半終了。
後半も前半同様、両チーム持ち味を発揮し常翔啓光は早い展開でのオープン攻撃、一方舞鶴はFWを前に行かせるゲーム運びで後半20分過ぎ一進一退の攻防が続いたが、24分に常翔啓光ボールスクラムから左に展開ラック後13番が抜け出し連続ラック9番-15番-8番とつないでトライ。その後、常翔啓光が28分・29分に連続トライで舞鶴をつき離した。常翔啓光の残り5分間の集中力には今年の常翔啓光の期待が持てるゲーム運びであった。また、健闘した舞鶴は大型FWを生かしてのゲーム運びではあったが、モールをコントロールしきれなかった。
接点での攻防で常に優勢に戦った常翔啓光学園が勝利した。

●4月4日、3回戦・第二試合
東海大学付属仰星高等学校 19-21 國學院大學久我山高等学校

穏やかな天候の中、準々決勝第2試合が行われました。3年連続7回目出場の関東代表、関東新人大会を流通経済大学付属柏高校と両校優勝とした國學院大学久我山高校と第1回大会より9年連続9回目出場の近畿代表、近畿地区大会第2位の東海大付属仰星高校との対戦となり、試合前より好ゲームが期待されました。
定刻どおり久我山のキックオフで試合が開始され、序盤は仰星のFWがよく動きBKにボールを供給し、前半5分に先制のトライを獲得し、試合の主導権をにぎった。しかしその後は風上の久我山が敵陣で優位に試合を進め、15分、31分とトライを重ね、前半を仰星5-14久我山とリードして折返した。
後半に入るとキックオフ直後の久我山のミスに乗じて1分に仰星がトライを奪い反撃を始めた。その後も久我山の攻撃を粘り強くDFを行い、リズムに乗った仰星がトライを重ね19-14とするが、終盤に近づくにつれ、FW戦で優位に立つ久我山がポイントサイドを繰り返し攻撃し、27分にゴール正面のモールを押し込み、仰星19-21久我山とした。
このままノーサイドと思っていたところロスタイム32分にゴール正面22m上で仰星がPGのチャンスを得たが、キックが右にそれ、そのままノーサイドとなった。
両チームともチーム全員の能力が高く攻守にわたり好プレーがとびだしていた中で最後は劇的な幕切れとなった。

●4月4日、3回戦・第三試合
奈良県立御所工業・実業高等学校 31-27 常翔学園高等学校

熊谷の強風が除々に影響し始めた中、近畿大会準優勝の常翔学園と、近畿5位、御所工業・実業の対戦となった。3月に行われた近畿大会では準々決勝で対戦し、15対10の少差で常翔学園が辛くも勝利。しかし今大会、東福岡に2回戦で圧勝した御所工業・実業のDFでの集中力と近畿大会のリベンジに燃える気力が好ゲームにつながるであろう。
前半ペースをつかんだのは御所。風下の中、果敢に攻撃を仕掛けモールでトライ。低くコントロールのうまいモールが御所の強みとなる。常翔もFW・BK一体となった連続攻撃からプレッシャーをかけ続けてトライ。その後はお互いの持ち味を発揮し、攻守切り換えの早いシーソーゲームを展開。前半終了間際に御所がモールを押し込み2点差で前半を終了。両チーム共にディフェンスの適応力が、後半での戦いを左右するであろう。
後半、風上に立った御所がキックを有効に使い、敵陣でのモールで優位に立つ。ゴール前、モールを押し込み空いたサイドをSHが飛び込みトライ。ペースをつかみかけたが、常翔も風下の中、自陣から積極的にボールを動かし、連続攻撃を仕掛けトライ。お互いが持ち味を十分に発揮し、前半同様見ごたえのあるゲームが続いた。御所のクレバーな選択が随所に見られ、トライの応酬となったが、4点差の小差で御所がリベンジを果たした。全員が走り体を張ったプレーが60分間続いたことが接戦をものにした。両チーム共に勝利への執念は素晴らしく、今大会のベストゲームの1つに数えられるであろう。是非、両校の3度目の対戦を期待したい。

●4月4日、3回戦・第四試合
春日丘高等学校 31-19 佐賀県立佐賀工業高等学校

1回戦でBシードの流経大柏を、2回戦で札幌山の手を破って勝ち上がってきた春日丘。1回戦で昨年度準優勝の桐蔭学園を、2回戦でAシードの仙台育英を破って勝ち上がってきた佐賀工業。お互いにノーシードながら波に乗っているチーム同士の注目の一戦。
開始早々から春日丘が主導権を握る。No8、CTB12の双子の彦坂兄弟を中心に攻守において接点で佐賀工業にプレッシャーを掛け続ける。ドライビングモール、No8のサイド攻撃、CTB12の縦攻撃で相手DFを崩す。6分、連続ラックから右に展開しCTB12トライ。16分、テンポのある連続攻撃でWTB11トライ。21分、ゴール前ドライビングモールからサイドをSH9が抜け出しトライ。24分、ラインアウトから左に展開しCTB12がトライ。26対0と前半を一方的に春日丘が支配した。
後半、佐賀工業が意地をみせる。開始直後から、春日丘のゴール前に迫る。春日丘も低いタックルで簡単にはトライを許さない。しかし、15分執念のドライビングモール。一瞬の隙をNo9がサイドをつきトライを奪った。20分に春日丘にトライを奪われたものの、26分、28分と佐賀工業のテンポのある連続攻撃でトライを奪った。結局、31対19で春日丘が勝利。両チーム共、自分達の持ち味を十分に発揮した試合であったと思う。佐賀工業としては前半接点での攻防で主導権を握られたことが悔やまれる。また、春日丘のNo8、CTB12の双子の彦坂兄弟の攻守にわたる活躍はすばらしかった。

●4月3日、2回戦・第一試合(Aグランド)
佐賀県立佐賀工業高等学校 5-0 仙台育英学園高等学校

東北ブロック優勝の仙台育英学園に九州ブロック3位の佐賀工業の対戦となった試合は、2回戦屈指の好カードであった。1回戦桐蔭学園を34-5で勝利をつかんだ佐賀工業のFWBK一体となった攻撃に期待がもたれた。
佐賀工のKOで試合が開始され、双方チャンスがありながらも、厳しいタックルで相手の攻撃を断ち、こう着状態が続いた。試合が動いたのは、15分過ぎ。相手反則からゴール前ラインアウトを得た佐賀工は、モールから9番-No8とつなぎトライ(ゴール不成功)を奪った。仙台育英は、この場面の時だけ、やや、SO周辺のDFが甘くなった事がくやまれる。佐賀工は、ラインアウトのクイックスローやペナルティからも速攻を仕掛けるなど積極的な攻撃が功を奏した感のする前半であった。仙台育英はハーフ団のハイパント攻撃が中心であった前半から後半はどのような攻撃を仕掛けるのか興味ある所であった。
後半に入っても佐賀工の勢いは衰えず、KOからも積極的にボールを動かしリズムを作っていった。対する仙台育英は、細かいミスや、反則で、うまく攻撃が仕掛けられず、受けに回り苦しい状況であった。仙台育英は自陣でのピンチを激しいDFでしのぎ、佐賀工もチャンスを生かせず残り10分の勝負となった。この時間は仙台育英が相手ゴール前で、モールで攻勢をかけたが、トライを奪えず、そのままノーサイドとなった。予想にたがわぬ好ゲームであったが、仙台育英は、反則の多さが勝ちを逃してしまった結果となった。


●4月3日、2回戦・第二試合(Aグランド)
春日丘高等学校 19-12 札幌山の手高等学校

春日丘のキックオフで試合が始まった。札幌山の手が風上、春日丘が風下となった。試合開始早々春日丘はRMからチャンスを作った。モールによってディフェンスのうすくなったブラインドを攻め前進する。この様にFWの近いところで右に左にポイントをつくりボールをキープし前進しゴール前まで攻めこんだ。しかし、22Mに入って反則でチャンスをのがしてしまった。チャンスのあとにはピンチ有。山の手ペナルティーのタッチ、ラインアウトモールで圧力をかけ同じくうすくなったブラインドでトライ。5対0と山の手が先手をとった。その後山の手はボールを積極的に動かすがもう一歩でカントリーにボールがはこべず一進一退の攻防がつづく。前半20分にゲームが動いた敵陣5M付近の相手ボールラインアウトのこぼれ球をNo8が右中間で押さえ春日丘トライ。今度は25分に敵陣22M付近の相手ボールスクラムのこぼれ球をキープし連続ラック9番-15番とまわり中央にトライ7対12で山の手リードで前半が終了した。
後半は山の手のキックオフで開始された。両チームとも一歩もゆずらぬすばらしいゲームがつづいたが16分に春日丘が敵陣ゴール前左ラインアウトのボールを確保し、ラックの後1番が右サイドをつき左中間へトライ。ゴール成功14対12逆転成功。18分にはまた、春日丘がキックオフのボールをモールをつくり右へ展開。連続ラック9番-7番-8番とつなぎ右中間へトライ。19対12とした。ゲームはこのまま終了した。両チームの健闘をたたえたい。

●4月3日、2回戦・第三試合(Aグランド)
尾道高等学校 14-21 常翔学園高等学校

常翔学園高校のKOで始まった試合は序盤から激しいぶつかり合いとなり、出血する選手が続出した。常翔学園は重量FWを生かしたラインアウトモールを軸に攻撃を仕掛け、それに対し尾道はBKの激しく、するどいプレッシャーディフェンス、接点でのまとまったオーバーでターンオーバーからの小気味よいボール回しで対抗した。前半6分、モールから9番がハイパントをあげ、するどいキックチェイスでターンオーバー、そこからテンポある攻撃を仕掛け、常翔学園はたまらずペナルティーをする。常翔陣22m内に入っていたが、ゴールを狙わず展開し、4番長野君がトライ。ゴール成功で7対0となった。
その後も尾道がテンポあるラグビーで前半25分にもトライ。そしてゴール成功により14対0と差をひろげる。前半終盤になり、常翔学園の重量FWがセットプレーを中心に圧力をかけ常翔BKも尾道BKに対抗するようにすばらしい連続攻撃を仕掛ける。前半30分、常翔のFW・BK一体となった攻撃により尾道陣ゴール前までせまる。常翔ボールスクラムから8番がサイドをつき、4番古川君がトライ、ゴール成功により14対7となる。
後半に入ってからも両チームの持ち味をいかしたラグビーが続き互角の戦いが展開される。後半11分、常翔学園がトライをし、ゴールも成功で14対14。試合終了直前、常翔学園がトライをし、ゴールも決まり14対21で逆転する。両チームともすばらしいパフォーマンスを見せてくれた良い試合であった。


●4月3日、2回戦・第四試合(Aグランド)
東福岡高等学校 7-31 奈良県立御所工業・実業高等学校

1月の花園で優勝し、新チームも九州を制した優勝候補の東福岡と、近畿大会で昨年度の全国選抜優勝の伏見工業を破り、5位で出場の御所工業・実業の対戦は、東福岡の攻撃を御所工業・実業がどうとめるかが焦点となりそうな試合であった。
前半5分、東福岡が12番猿楽の突破からテンポの良いボールを9番中村が演出し、15番小川が仕留め、東福岡の流れかと思われた。しかし、徐々にDFが機能し始めた御所工業・実業が、ゴール前スクラムからサインプレーで同点とし、自陣からも積極的に攻撃をしかける東福岡に対し食い下がる。前半終了間際、自陣のPKからの速攻をかける東福岡のミスをつき、御所が逆転し前半終了。
後半も御所はPKからPGを狙わずトライを狙う選択、東福岡も自陣インゴールから攻めるなど、両チームとも積極的に攻める姿勢が見られた。御所は10番吉井の移動攻撃など小気味のよい動きから何度かチャンスを作りだし、LOからサインプレーでトライを奪い、東福岡を突き放した。逆に東福岡は接点で焦り、不用意な反則をとられ、御所にモールにより2つトライを追加され、花園の覇者が2回戦で早くも姿を消した。東福岡の攻撃する意欲の高さ、御所工業・実業のDFの集中力が、この試合の質を高めた。東福岡は今後、秋から冬に向けスケールの大きなチームへと、御所工業・実業は次の試合で近畿大会のリベンジの相手、常翔学園とのさらなる好試合に期待したい。

●4月3日、2回戦・第一試合(Bグランド)
青森県立青森北高等学校 5-19 國學院大學久我山高等学校

風もあまりなく、穏やかな快晴の下、試合が行われた。4月1日に修猷館を破り勝ち上がった青森北と、シードで今日が初めての試合となった國學院久我山との試合は、終始押しぎみの久我山が、落ちついた試合運びで勝ち上がった。
久我山が、前半終始相手陣内で試合を展開した。しかし、青森北の粘り強いDFの前になかなか得点できない。前半終了間際に、待望のトライを上げ5対0で久我山がリードして、折り返した。
後半に入り、青森北の粘り強いDFにあったが、久我山は9分、15分とトライを重ね、19対0になった。しかし青森北は、後半20分モールから抜け出し、トライをとり、19対5で一矢を報いゲームは終了した。青森北はFW中心でモールプレーを多用し攻めたが、堅い久我山のDFをくずすことができなかった。久我山は、FW、BK一体となり、モール、ラックで押し込み、最後はBKに展開しトライをとり、落ちついたゲーム運びで勝利をとり、次回戦へ駒を進めた。


●4月3日、2回戦・第二試合(Bグランド)
東海大学付属仰星高等学校 26-5 江の川高等学校

穏やかな快晴の下、第二試合が行われた。前半開始から互いにキックで地域の取り合いが続いたが、18分に江の川が自陣から展開したところ仰星の13番にボールを奪われ、そのままトライ。ここからゲームが動きだし、江の川9番がラックサイドをぬけトライし7対5となった。ここから仰星がボールを大きく動かし始め、FW、BKが一体となった攻撃で、25分、28分とトライを上げ19対5で仰星リードで前半が終了した。
後半に入っても仰星が大きくボールを動かしながらトライを狙いに行くが、江の川の粘り強いディフェンスにあい、なかなか得点できなかった。江の川は、FWでなんとかチャンスを作ろうと何度もサイド攻撃をこころみるが、仰星FWの低いタックルにあい、なかなかゲインを切ることができなかった。16分になり、江の川が自陣からキックでのがれようとしたところ、仰星FWのするどい出足でチャージされ、12番がひろいトライされ26対5となりこのままノーサイドとなった。両チームともすばらしいディフェンスで、簡単にはトライをゆるさなかったが、仰星バックスの長くて速いパスとスペースへ走り込む判断の速さで、少ないチャンスをものにし勝利した。

●4月3日、2回戦・第三試合(Bグランド)
名古屋市立西陵高等学校 14-29 大分県立大分舞鶴高等学校

風があまりなく、穏やかな快晴の下、試合が行われた。初戦で日本航空第二高校を破り勝ち上がった西陵高校とシードで本日が初めての試合となった大分舞鶴高校との試合は、両校ともディフェンスが厳しく、一進一退の緊迫した試合になった。
試合は、前半開始3分大分舞鶴高校が攻め込み、敵陣22m右スクラムからBKが展開しラックサイドをFWが押し込んでトライを奪った。一方西陵高校は前半15分モールを組んでゴール中央にトライし反撃する。その後、大分舞鶴高校が前半26分、30分に連続トライで引き離した。
後半に入り先にトライを奪った大分舞鶴高校がペースを掴むと思われたが、西陵高校がマイボールをしっかり継続し後半14分ペナルティーから攻め込んでトライを奪い食い下がる。しかし後半24分に大分舞鶴高校がFWで執拗に攻めて意地のトライを決めて試合を決めた。西陵高校は小さいFWが必死にタックルして接点で圧力をかけシード校相手に素晴らしい戦いぶりであった。大分舞鶴高校は西陵高校の鋭いタックルに手を焼いたが、シード校らしく安定した試合運びで勝利をとり次回戦へと駒を進めた。

●4月3日、2回戦・第四試合(Bグランド)
常翔啓光学園高等学校 32-3 茗溪学園高等学校

第3試合までの晴天とはうってかわり、第4試合は肌寒く風も出てきた曇り空の中行われた。近畿大会1位で今大会シードの常翔啓光学園が、関東大会4位、1回戦で貞光学園を破った茗溪学園をむかえうつ形となったこの一戦。立ち上がり初戦の硬さからか、なかなか流れにのれない常翔啓光学園に対し、茗溪学園はキャプテンのSO川島を中心にロングパスを駆使した持ち前の展開力でペースをつかむ。2分、敵陣22m中央付近のラックからDGを決めると、その後も常翔啓光学園の反則の多さもあり、茗溪学園のペースで試合が進む。しかし、15分すぎ中盤ラインアウトのクイックリスタートから、常翔啓光学園15番国定が個人技で相手をかわしゴールへ。最後はノックオンとなりトライにはならなかったが、このプレーで落ちつきを取り戻した常翔啓光学園がその後流れをつかむ。しかし、茗溪学園の粘り強いディフェンスもあり、29分にPGを1本決めただけで前半は終了した。
後半は開始から前半の流れのまま常翔啓光学園がペースを握る。3分、FWの連続攻撃からトライを奪うと、9分にはPGも決め、13対3とリードを広げる。その後もFWとBKが一体となり攻め続けた常翔啓光学園は、19分、29分、31分と立て続けにトライを決め、最終的に32対3と大差で勝利をおさめた。
前半こそ茗溪学園の素早い展開と粘り強い防御に苦しめられた常翔啓光学園だが、前に出るディフェンスとそこからのFW、BK一体となった実力は本物。準々決勝以降の試合にも大いに期待したい。


●4月2日、敗者戦・第一試合(Cグランド)
大阪朝鮮高級学校 21-17 桐蔭学園高等学校

強い風が吹く中、試合が開始された。共に花園出場の経験を持ち、特に桐蔭学園は、最近メキメキと力を着けてきたチームである。大阪朝鮮高校は近畿大会で4位という実力を持ったチーム同志の対戦となった。
前半は風上に大阪朝鮮が位置し、桐蔭のキックオフで開始された。序盤は共に堅さが見られ一進一退の攻防が見られたが、10分過ぎには大阪朝鮮が桐蔭ゴール前ラインアウトよりモールを押し込み、トライを奪った。しっかりとしたバインディングにより形成されたモールはとても威力があった。桐蔭も果敢に攻めるが大阪朝鮮のしぶといディフェンスに得点のチャンスが訪れない状況であった。20分に桐蔭は大阪朝鮮ゴール前のペナルティーよりボールを継ぎ、トライを取る。前半終了間際大阪朝鮮もハーフウェイライン付近ペナルティーよりボールを継ぎトライを奪い、ゴールも決めて大阪朝鮮14点桐蔭5点で前半を終えた。
後半に入ると8分に大阪朝鮮は強力なモールで桐蔭を押し込み、トライを取る。12分には、桐蔭もゴール前でのペナルティーを持ち込みトライを取ると、22分にもトライを重ね、追い上げるかに見られたが、無情にも敗戦という結果となった。
桐蔭はスクラムハーフを3名入れ替えるなど戦術的な新たな試みが見られたが、大阪朝鮮の堅いディフェンスに勝利を掴むことが出来なかった。トライ数では3本と共に同数であったが、ゴール2本差は、中央にトライをさせないディフェンス力の大阪朝鮮の勝利であった。


●4月2日、敗者戦・第二試合(Cグランド)
愛媛県立三島高等学校 7-67 流通経済大学付属柏高等学校

新規チャレンジ枠での出場の三島高校と関東ブロック第2位の流経大柏高校の戦いは、昨日、お互いに実力を出し切れずに敗れてしまった両校がどれだけ力を発揮できるか注目された。戦前の予想では、花園の常連校の流経大柏に三島が挑む形になると思われた。前半流経大柏のキックオフがノット10mとなり、立ち上がりペースをつかめなかった。三島はタックルと、早い展開でボールを動かし、前半10分までは、互角の試合内容となった。10分に流経大柏はラインアウトからのモールをゴール前まで押し込んでからBKに展開し15番がDFラインの裏へ出てトライを奪った。その後、ペースをつかんだ流経大柏が、16分、18分、24分にトライを重ね、26-0で前半を折り返した。
後半は、風上になる三島高校の奮起が期待された。後半立ち上がりに流経大柏は、BKとFWが一体となり、ボールを動かしペースを握りかけるが、ハンドリングエラーや反則でこう着状態が続いた。この局面を打開したのは、やはり流経大柏であった。モールからペースをつかみ、サイドアタックから13番が7分にトライを奪い、12分、20分、22分、24分とトライを重ねた。三島も、28分に相手反則からNo8がうまく抜け、4番につなぎ1トライを返した。最終的には、大差のゲームになってしまったが、三島高校の最後まであきらめずに戦う姿勢は、今後このチームが伸びる可能性を感じさせた。

●4月2日、敗者戦・第三試合(Cグランド)
福岡県立修猷館高等学校 57-20 明治大学付属中野高等学校

昨日の強風も和らぎ、暖やかな天気の中で2日目第3試合が明大中野のキックオフで行われた。開始1分修猷館は連続ラックから右へ広く展開し、13番がトライ。このまま修猷館ペースで試合が進む様に思えたが、明大中野も連続攻撃から右へ展開し、ディフェンスの間を抜け出してトライ。その後も明大中野はボールを支配するが修猷館の堅いディフェンスに阻まれゴールラインを割る事ができず21分ペナルティからPKを選択し3点を追加した。その後、修猷館もペナルティから同点とした。更に28分堅いディフェンスからボールを奪い、素早く展開しトライ。ゴールも決まり修猷館リードで折り返した。
後半に入ると修猷館のテンポの良いプレーが目立ち、5分7分9分とトライを重ね36-8と一方的なゲームになり始めた。しかし明大中野も13分にモールから力とスピードの噛み合った見事なトライを決め意地を見せた。その後も修猷館の優位は変わらず19分、24分とトライを決め勝利を決定づけた。明大中野も1トライを返すが、終了間際、修猷館がトライ。ゴールも決まり57-20で修猷館の勝利で終わった。
この試合を通してゴール前のディフェンス力とボールへの執着心の強さを感じた。今後の成長が楽しみなチームであった。

●4月2日、敗者戦・第四試合(Cグランド)
埼玉県立熊谷工業高等学校 5-58 秋田県立秋田中央高等学校

敗者戦第4試合、秋田中央高校対熊谷工業高校の試合は、おだやかな風の中、熊谷工業のキックオフで始まった。
開始4分、秋田中央が、ラインアウトモールからサイドを突破し、左に展開、相手ペナルティから速攻でフォワードがトライを取り先制。その後、接点での強いプレッシャーと安定したセットプレーの秋田中央と積極的にボールを展開し突破を試みる熊谷工業の一進一退の攻防となったが、16分のトライを皮切りに秋田中央が積極的にボールを動かし、トライを重ね、31対0で前半が終了。
後半に入ると、開始直後、互いにラインアウトモールを起点に1つずつトライを取り、再び一進一退の攻防となった。しかし、セットプレー及び接点での攻防で優位に進めてきた秋田中央が、15分にトライを取ると、その後も、20分、23分、ロスタイムにと、トライを重ね、最終的には、58対5というスコアで試合終了となった。
両チームとも、積極的に展開し、よくボールが動くいい試合であったが、終始、接点での攻防で優勢であった秋田中央が勝利を収めた。

●4月2日、敗者戦・第五試合(Cグランド)
貞光工業高等学校 12-17 日本航空第二高等学校

四国代表の貞光工業と北信越代表の日本航空第二との対戦。共に1回戦敗戦したチーム同士の対戦であったが熱く激しい試合が展開された。
開始早々から日本航空第二が波に乗った。2分ラインアウトからポイントサイドを攻撃しゲインを突破しラック形成、すばやくBKに展開し12番トンガ人留学生トニシオ・バイフがトライ。5分にもゴール前ラインアウトからモールを押し込み最後はトンガ人留学生のレオンハード・アケが押えてトライを奪い12点のリード。一方的な試合になるかと思われたが、貞光工業も必至に反撃をする。日本航空第二のトンガ人留学生を中心とした縦攻撃を低いタックルで止める。そして、自陣からも積極的に展開しチャンスをつくる。24分には、ハーフライン中央のPKから素早く展開し12番森長が中央にトライしゴール成功し7対12で折り返した。
後半も両校共、自分達の持ち味を十分に発揮する。日本航空第二はトンガ人留学生を中心に相手を崩し、貞光工業は早いテンポで展開し相手を崩す。12分には貞光工業が積極的に展開したがミスし、そのボールを日本航空第二NO8レオンハード・アケが拾い再びトライした。7対17となったが貞光工業は勝負を諦めない。最後まで攻め続け、ノーサイド寸前に13番藤川がトライを奪った。ここでノーサイド。12対17の大熱戦。
敗者戦ではあったが、お互いに力を出しきった見ごたえのある試合であった。今後の両チームの活躍に期待したい。

●4月1日、1回戦・第一試合(Aグランド)
茗溪学園高等学校 34-0 貞光工業高等学校

晴天ながら北風の強い中、開会式直後のメインAグラウンドの第一試合、茨城県代表茗渓学園対徳島県代表貞光工業高校の対戦より幕が開けた。前半風上を選択した貞光工業のKOで始まった。両チーム共オープンにボールをまわすも、ミスやディフェンスに阻まれチャンスをものにできなかった。しかし、茗渓学園が地力を発揮。13分貞光工業ゴールポスト5m前にて茗渓学園ペナルティーをもらい、12番佐藤が飛び込んでトライ、15番木村のゴール成功。25分自陣22m付近スクラムより展開、ボールをしっかりコントロールし、敵ディフェンスを翻弄、最後は12番佐藤が左中間にトライ、ゴールならず。貞光工業も何度となくゴール前までは攻めるも、かたいディフェンスとミスによりゴールをわることが出来なかった。
後半8分貞光工業ゴール前スクラムより茗渓学園サイド攻撃、4番宮島トライ。その後も16分バックスの展開、21分・27分にはフォワードのモールでトライを取り、チャンスをしっかり得点に結び付けるところはさすがであった。貞光工業も相手ディフェンスに対し、オープンへ展開し攻めるも、ミスが多く、特に後半10分でのインゴール・ノッコンが響き最後まで自分達のリズムに乗ることが出来なかった。しかし、勇気を持って攻め続けたことは今後の成長を期待するものである。

●4月1日、1回戦・第二試合(Aグランド)
日本航空第二高等学校 7-79 名古屋市立西陵高等学校

大会初日、メイングラウンド第2試合、愛知県代表西陵高校対石川県代表日本航空第二高校の試合は晴天ながら北からの強風の中、西陵高校風下からのキックオフで始まった。
日本航空第二はNO8レオンハート、NO12トニシオを中心にゲームを組み立てるが、前半2分西陵はハーフウェイのラインアウトから右サイドに9番10番13番とつないで22mまで前進し、その後モールを押し込み6番三好がトライ。このトライを皮切りに前半8分にもPKからモールで押し込みトライ。9分にはBKへ展開し、連続攻撃でボールを繋ぎ、11番柴田が左隅へトライ。前半12分に攻守で中心となっていた日本航空第二CTBトニシオが危険なタックルによるシンビンとなった。人数の一人少ない日本航空に対して西陵は攻撃の手を緩めず、14分、17分、19分と立て続けにトライ。30分には自陣15m付近のラインアウトから70m押し切りトライを取るなどFW優位のまま前半を終了した。日本航空第二はタックルが高く、西陵の攻撃を前で止める事ができなかった。
後半は風下の立った日本航空第二が3分に連続攻撃で敵陣10m付近のラックからSO早野がライン裏にショートパントを上げ、西陵FB羽野がキャッチできず、ルーズボールを日本航空第二のWTB山下が拾ってそのままトライ。後半先制した日本航空第二だが、西陵のFW、BK一体となった攻撃を止めきれず立て続けに5本トライを許して、終了間際にも自陣ゴール前からキックをチャージされ、こぼれ球を拾われトライ。
西陵が巧みな攻撃で日本航空第二を圧倒し、79-7で勝利した。

●4月1日、1回戦・第三試合(Aグランド)
埼玉県立熊谷工業高等学校 0-44 大分県立大分舞鶴高等学校

空は快晴ながら嵐を思わせるような強風の中、前半風上に立ったのは熊谷工。キックを中心に舞鶴陣内に攻めこむ。対する舞鶴も大型FWの突進を軸に対抗、互いに得点チャンスをうかがった。強風のせいかミスが多くボールがつながらず、両チーム得点を奪えないまま時間が経過してゆく。熊谷工は相手陣深く攻めこみながらもターンオーバーやパスミスでチャンスを逃がす。舞鶴は縦から横へのアタックが得点チャンスで機能せず、このまま両チーム無得点で前半終了かと思われたロスタイム、相手ゴール前に攻めこんだ舞鶴はPKからFWがモールを押し込みトライを奪って前半終了。
舞鶴は良い形で風上の後半を迎えた。
陣が変わり、風上に立つ舞鶴はキックを利用し熊谷工陣内深く攻めこんだ。熊谷工も奪われた地域を取り戻そうとボールを動かし、ポイントを作ってからはFWがサイドを突き前進を図るが、なかなか敵陣まで相手を押し返すことができなかった。風を利し有利に試合を進める舞鶴は熊谷工のアタックをターンオーバーしたり、大型FWがモールを押しこんだりと陣地の優位性をそのまま生かし7つのトライを奪い44-0で快勝。強風を利した舞鶴が初戦を突破した。


●4月1日、1回戦・第四試合(Aグランド)
江の川高等学校 10-5 秋田県立秋田中央高等学校

全国選抜大会初日Aグランド第4試合は強風の中、江の川高校のキックオフで開始された。
前半は強風の中で風上に立った秋田中央高校が敵陣で試合を進め、相手陣ゴール前まで何回も攻め込むも江の川高校の必至のディフェンスで得点できない。江の川高校は前半は風下の中ディフェンスを頑張り少ない攻撃で敵陣に入るも得点する事が出来ず前半を0対0で終了する。
後半も強風の中の試合で後半15分までは前半同様、一進一退の攻防が続きお互い得点できないまま試合が進んでいく。しかし後半16分秋田中央高校が連続攻撃から大きくゲインし相手陣ゴール前まで一気に攻め込み相手ペナルティーからFWで押し込みトライ、5対0と先制する。しかし後半19分江の川高校が風上を利用してキックしたボールがインゴールに入り相手選手がインゴールでファンブルしたボールを押さえて5対5の同点とする。更に後半28分に江の川高校は連続攻撃から相手ゴール前まで攻め込み、相手ペナルティーからSH茂野がクイック攻撃を仕かけてそのまま右中間にトライ。10対5と逆転する。その後秋田中央高校が連続攻撃をするも江の川の堅いディフェンスに阻止されそのままノーサイドで江の川高校が勝利した。
お互いに強風の中、よくボールを動かして展開ラグビーで反則も少なく締まった良い試合であった。

●4月1日、1回戦・第一試合(Bグランド)
福岡県立修猷館高等学校 19-29 青森県立青森北高等学校

Bグラウンドの開幕第一戦は、チャレンジ枠出場による九州福岡の古豪修猷館と東北新人大会準優勝の青森北との対戦となった。BKの攻撃能力の高い修猷館に対し重量FWの青森北というフレッシュな南北対決は、好天ながらも強い北風の吹く中、青森北のKOによって開始された。
風上に立った修猷館は前半1分にスクラムからの展開から14番が独走し先制トライ、続いて8分にもスクラムから10番がゲインし、連取したラックから6番がトライしてリードする。対する青森北は23分に自陣ラックからFW・BK一体となってボールをつなぎ、ゴール前で得たPKからラックを連取してNo8がトライして対抗する。しかし修猷館は27分にゴール前モールよりBKのサインプレーで15番がトライ、リードを保ってハーフタイムを迎えた。
後半は青森北のFWが力を発揮した。4分にゴール前ラックより1番が中央にトライ、その後も青森北はキックを巧みに用いて敵陣に攻め込む。14分には同様にゴール前ラックから1番がトライし、27分にはスクラムからショートサイドを突いて13番がトライを挙げ、ついに逆転した。終了間際にも3番がトライしてノーサイド、青森北が勝利を得た。
FW力に屈したとはいえ、修猷館の果敢なアタックと粘り強いディフェンスは賞讃に値するものと言えよう。青森北はFWの機動力を生かして次戦に期待したい。

●4月1日、1回戦・第二試合(Bグランド)
奈良県立御所工業・実業高等学校 45-5 明治大学付属中野高等学校

今年度関東ブロックよりチャレンジ枠で初出場する明大中野高校は、今大会最高齢の大和監督が率いる。兄貴分の明治大学がモットーとする「前へ」を信条としているチームである。一方、対する御所工業・実業高校も初出場ではあるが、近畿大会の初戦で前年度選抜大会で優勝した伏見工業を破り、代表決定戦では、天理高校に勝利し、この全国選抜大会への出場を手にした。
熊谷特有の強風の中、まず風上を選択した明大中野のキックオフで試合が開始された。一進一退の攻防が続く中、9分過ぎに明大中野22m付近のモールから御所工業・実業スクラムハーフがサイドを抜け出しトライを奪う。ゴールも決まり御所工業・実業のペースで試合が進んだが、26分には明大中野がゴール前モールからNo8がサイドを突破しトライを決めた。
御所工業・実業7点、明大中野5点で前半を折り返し後半の試合展開が期待された。後半風上に立つ御所工業・実業は、キックオフでボールが良く飛び、明大中野ゴール前5mの地点でタッチを切った。明大中野はラインアウトのミスから、御所工業・実業のスクラムとなり、右オープンへ展開し右スミにトライを奮うと、立て続けに5本連続トライを重ね、結果38点を追加し、終わってみると45対5というワンサイドゲームとなってしまった。
明大中野はスクラムでは御所工業・実業を圧倒していたが、総合的にバランスの取れたスピードがある御所工業・実業に軍配があがった。

●4月1日、1回戦・第三試合(Bグランド)
尾道高等学校 54-5 愛媛県立三島高等学校

新規チャレンジ枠として出場の四国三島高校と、中国ブロック優勝の尾道高校との対戦は、強風が吹くものの抜けるような明るい青空のもと、三島高校のKOにて開始された。尾道は開始からFWのモールや早いディフェンスで三島にプレッシャーを与えながら良くボールを動かし意欲的に攻撃し、4分強いスクラムからターンオーバーし左中間にトライ、その後もFWからのサイド攻撃で圧力を掛け継続プレーからのBKの展開によりコンスタントにトライを重ねる。三島高校もBKからの早いアタックでゲインしたり鋭いディフェンスで尾道高校にプレッシャーをかけ続けるが得点にはつながらず前半が終了した。
後半開始3分、尾道高校のペナルティーから三島高校の早い展開で左隅にトライを取った。だが尾道高校もラックやモールの強さを生かし、またFBを中心としたBKの展開で5分左中央にトライを取り返す。益々勢いを増した尾道高校はその後もFWとBKの連携でトライを重ねた。結果的には点数も離れ終了したが、両チームとも強風という悪コンディションの中での試合内容は非常に評価できる。

●4月1日、1回戦・第一試合(Cグランド)
流通経済大学付属柏高等学校 5-17 春日丘高等学校

開会式後の一回戦は、強風の中でおこなわれた。前半風下に立った流経大柏はモールを中心にFW周辺を攻めゴール前までせまったが、春日丘は激しいDFでトライを許さず、逆に16分流経大柏ゴール前のモールから春日丘のNo.8が強引に持ち込みトライ、ゴールも決まり7点を先制した。続く27分にもNo.8がゴール前のペナルティーからトライを奪い、前半を12-0春日丘のリードで折り返した。
後半に入ると風上にまわった流経大柏はキックで主導権を握り有利にゲームを進めたが、ここでも春日丘の執拗なDFにあい、トライをとり切れなかった。粘り強いDFでしのいだ春日丘は、15分敵陣モールから絶妙なタイミングでサイドを抜け出たNo.8が3つ目のトライを決めた。流経大柏は28分FWのドライビングモールからNo.8がサイドを突きトライ、一矢を報いたが結局17-5で春日丘が流経大柏を退けた。
春日丘はNo.8の際立った決定力と、強固なDFの光る好ゲームであった。一方、何度もゴール前まで攻め込んだもののあと一歩決め手を欠いた流経大柏は、ペナルティの多さと強風の影響によるハンドリングエラーが悔やまれる。

●4月1日、1回戦・第二試合(Cグランド)
札幌山の手高等学校 24-5 大阪朝鮮高級学校

北海道新人大会を制した札幌山の手高校と近畿大会で活躍した大阪朝鮮高級学校の対戦は、咲き始めた桜も舞い散ってしまいそうな強風のもとではあるが、熱い戦いが期待された。
前半、大阪朝鮮のキックオフで始まり、強風の風上を取った札幌山の手が蹴り返すも直接インゴールを割りボールデッド。大阪朝鮮は直後のスクラムからNo.8-10番-11番とつなぎ、ゴール前に迫るがノックオンでトライチャンスを逸する。逆に札幌山の手は9分、自陣から大きくキックを蹴り、カウンターを仕掛けた相手ウイングをハーフウェイ付近で止め、ターンオーバーに成功。すぐに右へ展開してFWでつなぎ、No.8斉藤が最初のトライを取った。続く17分には敵陣22m内スクラムからブラインドサイドをFWで攻め、7番ジョシュア・モエマロがトライ。更に20分、自陣ゴール前での相手ボールスクラムから、No.8がサイドアタックを仕掛けてきたが、鋭いタックルによりターンオーバーし、そのボールをすばやく処理して15番福津へつなぎ、約60mの独走トライを奪った。
後半も両チームともFW周辺での攻撃を徹底し、一進一退の攻防が続いた。26分、札幌山の手が敵陣22m内スクラムから前半同様、No.8がサイドをつき、15番へつないで後半最初のトライを奪った。それに対し、大阪朝鮮は試合終了間際、FWが意地を見せ、執念のトライをもぎ取った。大阪朝鮮高校は、低く鋭いタックルで良くピンチをしのいでいたが、今一歩及ばなかった。

●4月1日、1回戦・第三試合(Cグランド)
桐蔭学園高等学校 5-34 佐賀県立佐賀工業高等学校

得点板が倒れるほどの強風の中でCグランド第3試合は、佐賀工のキックオフ、風上を桐蔭学園という状況で始まった。メンバーの中で7人が2年生と若い桐蔭学園は、スクラムでの劣勢がひびく。佐賀工は、モールラックサイドをFWで攻め、桐蔭DFの穴があくのを待ち、風下から積極的な攻撃を仕掛ける。佐賀工は9分コンパクトなモールからNo.8と15番で相手にプレッシャーをかけ15番がそのまま抜け出してトライを奪い、ゴールも成功した。佐賀工は、21分、26分にも、ラックサイドをしつこく攻め、相手のDFの甘くなった瞬間にゲインをして、トライを奪った。桐蔭学園は9番のパスワークとサイドアタックを軸にチャンスを作り、相手ゴール前に攻めこむが、佐賀工の守りを崩すまでには至らず、前半を終了した。後半に入ると、桐蔭学園は、集中力を切らさず、佐賀工のサイドアタックを激しいタックルでよく防ぎ、風下を感じさせないラグビーを展開した。しかし、佐賀工は、ラインアウトからのモールからトライを奪うと、13分には、PGを10番が成功させるなど、攻撃の手をゆるめず、桐蔭学園の反撃を1トライに押さえ、勝利を手にした。
両校とも、強風を感じさせない戦い方であり、どのようなラグビーを展開するか全員が意志統一できていて、見ている観客を引きつけるゲームであった。佐賀工は2回戦以降期待の持てるチームであり、桐蔭学園は、若いチームなので経験を積み今後の伸びが期待できるチームであると感じた。