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7月22日


48回ユースアカデミーが行われました。

男子選手、女子選手合同でのセッションは今回が2回目です。そして今回のテーマは『考える』ということで、4人で1グループになり3つの内容でディスカッションを行いました。



最初は緊張をほぐすためのアイスブレイク。

自分の名前、ラグビーのポジション、得意なプレー、ラグビー以外の特技について話しました。少し緊張しているようでしたが、時間が経つにつれ、表情も少しずつほぐれていっているように見えました。あるグループでは、『緊張しないようにいきましょう』と声掛けをする選手の姿もあり、このアイスブレイクの意味を理解しているなと、感心する場面もありました。選手の自己紹介を聞いて、ラグビーに対する想い、そしてラグビー以外の選手の一面を知ることができました。


2つ目は【ラグビーに必要な力】について。

3分間という限られた時間の中で、ラグビーに必要な◯◯力をより多く見つける、というゲーム形式で行いました。結果14個出したチームが優勝しました。コミュニケーション力、チーム力、努力、などたくさんの意見を出してくれました。各グループ、力を合わせてラグビーに必要な力を出してくれました。


ウォームアップが終わり、これまでの学習を深めた後、最後に本題である【レガシー】についてディスカッションを行いました。

この内容は、スタッフが考えても、なかなか答えが出るものではありません。特に今回のオリンピックは、史上初の開催延期、感染症など難しい課題が多くありました。その中でもオリンピックを開催することで、何を得ることができるのか、どんなレガシーになるのかについて、男女選手・スタッフともに意見を出し合いました。スポーツを通じて種目、男女関係なく仲良くなれることや、夢・感動を与えられること、平和と国内の団結力などプラスの面だけでなく、感染症への懸念、社会経済の影響などマイナスとなってしまう部分も含めてたくさんの意見を出してくれました。



総括として、女子ユース兼松ヘッドコーチより來田享子先生(中京大学教授)のコラムを用いてレガシーについてまとめていただきました。レガシーについては、有形の部分のみに目が行きがちですが、無形の部分でとても大事なレガシーが隠れていること、日々の生き方、オリンピック出場にたどり着くために積み重ねて準備をしてきたこと、これこそが大切なレガシーであるということを教えていただきました。


選手はトップを目指していく過程の中で、数えきれないほどの苦労や困難、壁にぶつかってきたと思いますが、これをいかに社会に生かすかが大事です。

男子セブンズ代表のキャプテンである松井千士選手が壮行会でこのようなことを言っていました。

『望まれた大会ではないかもしれない。ただ僕たちにできることはラグビーしかない』

オリンピック開催延期が決まってから、選手達はこれまでとは異なった困難を経験したと思います。この松井選手の発言は、懸念を理解しつつも、ラグビーを通じて、これまでに積み重ねて準備してきたことや、学んだことを伝えていくという意思のように感じられました。


今後、日本代表として活躍する選手が今回参加してくれたユースアカデミー生の中から出てくるかもしれません。日本代表選手たちが日の丸を背負って戦うことにどういう意味があるのか、何を遺していくのか、遺すことができるのかを考えてもらいたいです。女子ユース兼松ヘッドコーチ、今回も素晴らしい内容の講義をありがとうございました!