第1試合 明治大学 45-7 筑波大学 マッチレポート


 第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準々決勝、明治大学と筑波大学の試合は、快晴の芝の緑が色濃く残る東京秩父宮ラグビー場で行われた。両者の対抗戦Aグループでの戦績は、明治大学が6勝1敗(勝点30)の2位、筑波大学は4勝3敗(勝点20)の4位、直接の対戦では40-21で明治大学が勝利を収めている。

 

 午前11時30分に、明治大学のキックオフで試合は始まった。ファーストスクラムは、前半3分、筑波のノックオンに因る明治ボールのスクラムだった。明治がスクラムをプッシュ、たまらず筑波がコラプシングの反則を犯してしまう。明治は、得たPGを狙わずにタッチキックで筑波のゴールラインに迫る。ラインアウトモールから明治は、2度3度とサイド攻撃。筑波も低くタックルで応じる。明治No8木戸のサイド攻撃を筑波の両センターのダブルタックルで押し返す。ボールを展開後、最後に渡った明治WTB14安田がタッチラインの外に押し出されてトライまでは至らない。

 

 一方、筑波のチャンスは、前半9分、明治のラックハンドで得た、筑波自陣内50m以上距離のあるPGをFB15高田が狙うも失敗。その後、両者一進一退の攻防が続く。スクラム優位の明治に対し、筑波は出足良くディフェンスしゲインを許さない。また、ブレイクダウン等での接点の競い合いでも、筑波は明治に対し、互角以上に渡り合い、明治に簡単に球を出させない。

 

 試合が動いたのは、前半17分。明治は、ラインアウトから出たボールを左に展開、フォワードが2度縦をついた後にバックスに展開、CTB12平がラインブレイクし、直ぐに出したボールをWTB11海老澤に繋ぎトライを決めた。(5-0)続くトライは、前半26分、筑波自陣22m内からのパントキックを受けた明治WTB11海老澤がするすると抜けだし、WTB11海老澤からHB9荻原―FW6森山と繋ぎトライ。(10ー0)

筑波が反撃に出たのは、前半32分。明治ボールのスクラムからうまくボールが出せずノックオン、筑波ボールでのスクラム再開。筑波No8谷山が、スクラムからのボールを直接SO濱島へ。センターが縦をついて出来たポイントから出たラインに谷山自ら参加しボールを繋ぐと、ボールは11ー14ー9とつながり、最後はFW5磯部が倒れこみながらトライを決めた。(10ー5,ゴール成功10ー7)

その後、前半36分。明治ラインアウトから出たボールをFW6森山がラインブレイクし、FW2松下に繋ぎ、トライを決め、(15ー7,ゴール成功17-7)前半は、明治17―筑波7で、ホーン終了となった。

 

 後半は、前半にピッチ上にかかっていたオフィスビルの陰も取れ、全面に日差しさす中、熱い戦いにも更に熱が入る。

 後半は、20分過ぎまで両者譲らず、一進一退の攻防が続き、得点が入らない。試合に動きが出たのは、後半20分過ぎだった。

 明治ノックオンから得た、筑波ボールのスクラム。明治はスクラムをプッシュし、プレッシャーをかける。筑波がコラプシングの反則を取られた後のPGを明治は狙わずにタッチキック。筑波ゴールラインに近い明治ボールのラインアウトから、明治は、ボールをキープ。FW7福田が縦をついてポイントとし、そこからボールを展開、CTB12平が内に切れ込みトライを決めた。(22-7,ゴール成功24-7)

 その後、明治は、後半27分にCTB13秋濱がトライ。(29-7,31-7)後半30分にSH9荻原がトライを決め、(36-7,ゴール成功38-7)勝負を決めた。

試合終了を告げるホーン後の1プレーで、FW7福田に替わって途中出場していたFW20利川がトライをし、43-7,その後のゴールも成功し、明治45-筑波7で試合終了となった。

 

 最後は点差こそ開いたものの、両者それぞれの持ち味を出し切った好ゲームであった。スクラムで劣勢であった筑波だったが、最後まで鋭いディフェンスは、衰えなかった。

明治大学は、来年の1月2日に国立競技場で、関西大学Aリーグ1位の京都産業大学と決勝進出を掛けて対戦する。

 副島 英雄(関東ラグビーフットボール協会 競技委員)


第1試合フォトギャラリーはこちら


第1試合 記者会見レポート

▼筑波大学共同記者会見
嶋﨑達也監督

 「本日は関係者の皆様、ありがとうございました。先週の日曜日から、この試合に向けてリカバリーをしながら準備をしっかりして臨めたかなと思います。前半は特にスクラムも明治さんの前へという所をはね返した、本当にやろうとしたことを凄くやれたなぁと思います。最後は予想した通り、大きな接点のところで持って行かれたのは、フィットネスを含めて少し悔しい、もっと戦えたのではないかと。ただ、本当にここまで作り上げたのは誇らしく思います。ありがとうございました」

―キャプテンの成長は?
「本当に、今年、キャプテンをやると宣言してくれた所から、キャラクターとしては自由奔放なイメージがあるかもしれませんが。チーム内では、学年同士ぶつかったりすることもありましたが、キャプテンとして、ダメなものはダメと言わなくてはならない場面もあり、どんどんキャプテンらしくなって。最後は4年生が卒論もある中で何度も何度も集まってくれて、本当にそこは大きな成長かなと。クラブ全体の象徴であったし、彼の言葉が本当に心の底から言っているのが分かったし、本当にチーム谷山だったなと思います」
 
谷山隼大主将 (NO.8)
 「秩父宮という素晴らしいグラウンドで明治さんと戦えたことを嬉しく思っています。何より結果が出なかったことが凄く悔しくて、国立に行きたかったなという気持ちです。やはり、身体を当てるところはかなりやれたかなと思ったのですが、マークでポジショニングできなかった所、タックルも含めて、まだまだやったなと残念に思います。どうもありがとうございました」
 
―もう少しこうしておけば良かったという部分は?
「怪我人が出て、シーズン中、かなり選手が出たり入ったりしていたので、一貫してトレーニングできなかったというのが宿命みたいな物ですが、方向性は間違っていないと思いますが、やはり、トータルで言うと何本かやられてしまうというところが。まあ、安定したメンバーでシーズン中、経験を積めれば良かったというのが、今の率直な感想です」


―スクラムに関しては?
「マイボールスクラムに関しては、自分が持ってハーフに繋ぐという所はあったのですけど、後半、ハーフが持っていて欲しいところで放ってしまったり、まだまだ、自分のスキルに課題があったなと思います」

―通用した部分は?
「自分の目の前の相手にしっかりワンオンワンを作れていたので。それで、周りがしっかり立っていてオプションになれていたかと。自分がしっかり1対1を作れて前に出られたかなと思います」


 ―代わりに出たメンバーは?
「かなり、メンバーが代わって、ゲームコントロールの所が変更があったと思うのですが、そこは村上ヘッドコーチから指示があって、それを信頼して、託すという気持ちでやっていました。チームのモチベーションとしては、やはり、明治さん相手ということで、FWの対決になるだろうという。FWが原動力となって前へ前へ出て行こうと声掛けをしていました。コーチ陣含めて、皆で理解して作戦を遂行しようとした所は良かったかなと思います」

―チャレンジしなくてはならないが、取り急いだ所もあったのか?
「一つ思い出したのは、(高橋)佑太朗が奥で取れなかった所で、やはり、相手が上手かったなと思う所が正直あって。まあ、焦らず行こうと声を掛けていましたが、ああいう相手が上手い所でプレッシャーを掛けられて、自分たちの良い部分を引き出せなかったというのはあります」

―四年間を振り返って?
「チームを勝たせることができなかったというのが、一番悔しい所なのですが、1年生の時から試合に出させていただいて、本当に、最後の最後でラグビーというものを理解して、最後の何試合かはやり切れたと思うので、本当に筑波に来て良かったなと思います。これからもラグビーを続ける予定なので、この経験を活かして、次は勝てるようにしたいと思います」

嶋﨑達也監督、 谷山隼大主将


▼明治大学共同会見
神鳥裕之監督
 「本日はどうもありがとうございました。負けたら終わりという選手権の中で、筑波大学さんのコンタクトエリアでの気迫というか、その辺りの激しさというのを上から見ていても感じました。その中でも、しっかりと我慢強く戦えたというのが、僕は選手の成長かなと非常に感じました。80分間のトータルパフォーマンスを成長の実感にしようと言って来たので、最後の最後、相手が出て来た所でトドメを刺したというゲーム展開も含めて、次につながるかなと思います。去年、ここで負けて非常に悔しい思いをしましたので、しっかりと良いスタートが切れたと思います。ありがとうございました」

―後半、ペナルティゴールを狙わなかった選択については?
「上から見ていても、ゴール前の勝負は恐らく相手も嫌だろうと思っていたので、選手の判断を尊重したいと思います」

―明治もライン攻撃が多くなった気がするが?
「そうですね。やはり、明治のラグビーというのはこうあるべきというのは、皆さんを含めて我々も大事にしていきたいと思います。身体の大きいFWが、前へ出ていくという、推進するラグビーは継承していきたいと。強みを生かすラグビーをしていきたいと思う一方で、BKの選手にもタレントが揃っていますし、彼らを上手く使っていくという考えですね。現代ラグビーにしっかり合わせて行くという考えで、強いFWとスピードのあるBKで現代版の明治のラグビーをしっかり見据えるようなチームを作っていきたいなと思っています」

―キャプテンの広瀬君を出さなかった理由と復帰の見込みは?
「状況としては、本当に良い状態で、ゲームのメンバーに入ってもおかしくない所まで回復して来ています。我々の目指す所を考える時に、より良い形で彼を戻したいということで、今回は補欠にも入れないということになりました。ただ、何としてもキャプテンを国立に連れていきたいという、強い思いが選手にもありますので、きっとその気持ちに応えて、次のゲームには戻って来てくれるものと信じています」

―キャプテンの練習の状態は?
「まあ、同じくらいの強度の練習に入っていますので」

―海老澤琥珀選手のパフォーマンスは?
「度胸がいいですね(笑)。本当に。前の試合でもトライを取っていますし、大舞台でものおじしない性格で、そういった所がプレーの良い面に出ています。堂々とプレーしている所が彼の強みなんじゃないかと思います」

山本嶺二郎ゲーム主将 (LO)
 「本日はありがとうございました。前半、特に筑波大学さんのファイトに少し引いてしまったのですが、後半、修正できてトライを取り切る形ができたので、良い収穫ができたなと思います。今後、今日出た課題を修正してやっていけたらと思います」

―後半、60分辺りで、ゲームが停滞していた時に、ペナルティゴールを狙わなかったが?
「あの時はキッカーの伊藤とも短いやりとりをしたのですが、まず、敵陣に入り続けていたので、3点というよりも、5点、7点取りに行くという判断をしました。FWもボールを取れるという自信をもっていましたので、ゴール前のコンタクトエリアで戦おうと自信をもって選択しました」

―接点で上回ったという実感は?
「力関係は明治の方が有利と思っていましたが、どちらかと言うとメンタルの面で筑波大学さんの方が勝ちたいと言う気持ちが上回っていたのかなと。そこで、明治も貪欲に一つ一つのプレーをやろうと修正しました」

―筑波大学に対する対策はしっかりできたという手応えか?
「そうですね。相手のアタックのところとブレイクのところはしっかりと分析できていたので。まあ、一本決められてしまったのですが、そこは一本くらいは取られるだろうという想定だったので、特に焦ることもなく、それ以外でも良いセットが組めたと思います」

―セットもそこそこ良かったのに、点差が開かなかったのは?
「ブレイクダウンの所が主になってくるのですが、特にスローボールになってしまって、相手のアタックにさせてしまいました。トライを取られたのはピックオフのできる所だったので、まずはブレイクダウンを修正しようと言って、ああいう形でトライを取り切れたので、良い修正だったかなと思います」

―欠場が続いているキャプテンへの思いは?
「雄也が離脱して1ヶ月と1週間とちょっとになりますが、雄也ももう一度プレーしたいと言っていますし、僕自身も雄也がキャプテンで試合をしたいと思っていますので。今日の試合でも、全員が雄也ともう一度試合をしたいという気持ちがあったので、こういう試合ができたと思います」

―ウォーターボーイとしてキャプテンが働いていたが?
「やはり、キャプテンですし、相手のディフェンスが集まっている所にぶつかっているので、もう少し散らして行った方が良いとか的確なアドバイスをくれるので、そういう意味では精神的に力になってくれたのかなと思います」

―海老澤琥珀選手のパフォーマンスは?
「琥珀は一年生と思えないほど堂々としていますし、もちろん、上級生の僕たちが引っ張って行くべき存在なのですが、琥珀自身が プレーで凄く引っ張ってくれるので、僕らもそれについて行こうという気持ちになるので、頼り甲斐のある一年生です」

神鳥裕之監督、山本嶺二郎ゲーム主将


第2試合 帝京大学 78-15 関西学院大学 マッチレポート

 快晴の秩父宮ラグビー場での準々決勝第2試合は、関東大学対抗戦A1位の帝京大学と関西大学Aリーグ3位の関西学院大学との対戦なった。大学選手権でのこの対戦は、第50回大会以来、10年ぶりである。

 試合立ち上がりから帝京大は秋季対抗戦と同様に強力なFWキャリーを全面に出し、フェーズを重ねてからバックス陣の展開力でアタックを組み立ててゲーム主導権を得ようとした。前半12分に帝京大がPGの3点で先行したものの、関西学院大もAリーグ戦終盤からの充実した「ひたむきな攻守」を武器に13分に同点PGを決めて20分過ぎまで拮抗した展開となる。

 試合後の共同記者会見でも江良主将が「選手権ではトーナメント制になるので「1点でも確実に得点したい」とコメントしていたが、帝京大は1人ひとりのスキルや経験を最大限に活かし、目標を達成出来るチームビルディングが確立されていると感じる。

20分過ぎから帝京大のエリアを大きく、広く使うアタックに対して関西学院大の防御網が対応出来なくなり、帝京大が立て続けてトライを奪う(20分、31分、34分、40分)。前半終了して帝京大31-3関西学院大。後半に入ると、帝京大バックロー3人がその仕事量が対戦チームには脅威に思える位の献身的な仕事を行い、FW&BKの澱みないアタックに結びつき、後半には7トライを奪った。

 帝京大の選手は、体の強さとコンタクト時の身体の使い方も秀でていて、ラックやモール周辺でのボディコントロールも関西学院大に勝っていた。

関西学院大は、前半中盤までのディフェンスは健闘したが、アタックのチャンスも少なく、16、26分の2トライのみとなった(最終スコア 帝京大78-15関西学院大)。

 

この日の試合結果により準決勝戦の対戦カードが、

明治大学 対 京都産業大学

天理大学 対 帝京大学

と東西の上位校対戦となり好試合が期待されると同時に選手権覇者にいちばん近いのは「帝京大学」と感じた。

(武田守久)


第2試合 記者会見レポート

▼関西学院大学共同記者会見

小樋山樹監督

「本日はこのような素晴らしい会場で、帝京大学さんという本当に素晴らしいチームと戦えたことを光栄に思います。ありがとうございました。結果、スコアとしてはかなり離されてしまいましたが、1人1人のプレーや、体を張るという部分で特に4年生たちが本当に体を張ってやってくれたので、この悔しい気持ちとか、4年生の思いをしっかり来年に引き継いでこの選手権の舞台に帰ってきて、帝京大学さんや他の強豪大学にしっかり勝っていけるようにこの子たちの分まで来年に向けてしっかり準備していきたいと思います。」

 

―関西のチームは、以前はややスローテンポの試合が多かったと思いますが、今日の関学大はかなりはやいテンポでの攻めができていたと思います。このあたり、関東の大学を意識した強化をしてきたのでしょうか?

「我々のチームはディフェンスを強みとしたチームなのですが、それだけでは勝てないので、コーチがいいアタックシステムを作り、特にアタックをしっかり遂行しようとやってきました。今日もチャンスをたくさん作れた部分はあったと思います。しかしボールポゼションの部分ではなかなか難しかったと感じました。」


兪瑛士主将 (FL)

「本日はありがとうございます。この試合に向けてチームには自分たちの4年間は遊びも控えバイトもして部活に4年間全て捧げていた4年間なので、この一戦に命賭けて戦おうと挑みました。やはり、スコアに出たように、本気さがまだまだ足りなかったのだと思っています。それには僕たち4回生の甘さもあったと思いますし、たくさん後悔が残る試合となりましたが、最後に関学のプレーを全国の観客の皆さんに見せることができて良かったと思います。チームにはまだ後輩たちが残っているので、来年は必ず帝京大学をBEATしてくれると思っています。」

 

―関西大学リーグが終わってから、この帝京大戦に向けてどのような準備をしてきましたか?

「福岡工大に勝つと準々決勝で帝京大学さんに当たるという組合せが決まってから、チームのスローガンを“BEAT帝京”に決めて、この2-3週間やってきました。自分たちがこの1年積み上げてきたブレイクダウンの部分やアタックのシステムとか当たり前のグラウンドワークの部分とかを絶対にしないと相手にターンオーバーされるシーンが増えると思うので、その辺を徹底しようと声掛けしながら練習をしてきました。」

 

―今日、関西で行われた準々決勝では、第1試合では天理大が勝って、第2試合ではまだ結果は出ていませんが京産大が早大に大きくリードする試合経過となっており、関西勢がベスト4に行く可能性が非常に高そうになっています。これを聞いて、一緒に関西リーグでやってきた仲間としてどのように思いますか?また、今日、帝京大と対戦しましたが、関西での他大学とやってきた感じにくらべて、帝京大とやってどのように感じましたか?

「今、試合結果を初めて聞きましたが、チーム関西の一員として、必ず関東に勝ってほしいという気持ちがあり、素直に嬉しいと思います。帝京大のスクラムの圧力は、組み方も特殊だったので、今まで受けたことのないもので、手こずりました。しかし帝京大のアタックに関しては、天理大に似ている部分もあると思いました。」

 

―関西のチームは以前はややスローテンポの試合が多かったと思いますが、今日の関学大はかなり速いテンポでの攻めができていたと思います。このあたり、関東の大学を意識した強化をしてきたのでしょうか?

「関東を意識していると言うより、関西のレベルが上がっているのでディフェンスだけでは勝てないチームが増えていると思います。今年はウチもアタックにとても力を入れました。」

小樋山樹監督、兪瑛士主将


▼帝京大学共同会見

相馬朋和監督

「本日はどうもありがとうございました。関西学院大を分析して本当にいいチームだと思っていました。それに向けてキャプテン始め学生たちが一生懸命準備した結果、こういったゲームをすることができて本当に嬉しく思います。12月らしい寒さの中、たくさんのファンの方々に見守られて大学選手権の初戦をこういったかたちで勝つことができて嬉しく思います。次の準決勝に向けて、また、江良キャプテン中心にいい準備をしていきたいと思います。」

 

―今日は関西学院大が結構頑張ったと思います。関西のチームで今日は天理大が勝ち次戦で帝京大と対戦することになり、また京産大も今日早稲田大に勝ったようです。今日試合をしてみて、関西のレベルがかなり上がっていると感じましたか?

「関西の大学のレベルを語れる立場にもありませんし、知識もありませんが、今日の関西学院大を見ていても接点でのしつこさやそこでの厳しさを持ち合わせていると感じています。それに負けないように準備をしていきたいと思います。」

 

―次の試合で当たる天理大については今の時点ではどのようなイメージを持たれていますか?

「夏合宿に天理大と試合をさせていただいて、それまでに試合した中では一番苦戦した相手だったと記憶しています。まだ分析できていないので、これからじっくり見てどこで自分たちの強みを生かしていけるかを考えていこうと思います。」

 

江良颯主将(HO)

「対抗戦を終えてから、選手権に向けていい準備ができたと思います。それも決勝、準決勝を考えながらプレーするのでなく、先のことを考えずにこの1試合に対して一つのことを取りに行こうと、1週間詰めてきました。その中で、関西学院大の分析ではすごく真面目でひたむきなプレーを愚直にやり続けるチームだなと感じ、僕たちはそこに対して危機感があったので、このようないいゲーム運びができたのかなと思います。来週の天理大戦に向けて、一つ一つ積み重ねて勝っていきたいと思います。」

 

―前半12分、敵陣でPKを得たときに(初得点となる)ペナルティゴールを狙いましたが、それについては?また、相手の分析をしたとのことですが、どのようなところで分析結果を感じましたか?
 「大差で勝つとは思っていませんでしたし、そのような準備もしてきませんでした。『1点差でも勝つ』というのをイメージしてやってきました。(結果として)気づいた頃にはあのように点差が開いているといったイメージでした。まずノックアウト制ですので、モールやスクラムも強みですが、山口(FB)といういいキッカーがいるので3点を積み重ねていくようにしました。関西学院大の分析では、まず、一番の強みはディフェンス・接点のしつこさという点が分析で出ていました。これに対して逃げることなくフィジカルの強さを出していこうというところの話と、CTBでの2枚ディフェンスなどディフェンスの勘がいい選手が揃っているので、また、フォワードにもしっかり圧力かけていいタックルをしてくるプレーヤ-がいるので、逃げることなく立ち向かっていけば後半に相手の足が止まってくるだろうと、やっていました。」

 

―次の試合で当たる天理大については今の時点ではどのようなイメージを持たれていますか?

「まだ分析できていませんが、夏合宿で試合をしましたし、少し映像は見ています。強みはスクラムやセットプレー、外国人選手のフィジカルなど僕たちのチームに似ているところがあると思います。そこの強みに逃げることなく戦い続けて、どちらが勝つかというイメージを持っています。」

 

―江良選手は関西学院大の選手たちの多くとは高校時代に対戦した経験があると思います。対戦した選手が関西学院大でどのように強くなったか、関学のチームカラーで高校の時からどのように変わっていたかなどの印象はありますか?また、前半、なかなか得点できませんでしたが、選手たちにはそれに対して動揺はありませんでしたか?

「高校時代にあまり関西学院の試合を見ることがなかったのですが、今日試合をしてみて、すごく根性があるというか、ひたむきな、対戦相手としてリスペクトできるチームだと感じました。そこは勉強する点もありました。今日の関西学院大の力を借りて、今度は天理大にチャレンジしたいと思います。(前半なかなか得点できなかったことには)全く動揺はありませんでした。『どこのチームでも、簡単に得点が取れる相手はない。僕たちのラグビーを続けていく』ということはチーム全員の頭の中にあるので、(今日の前半でも)『点差が開かないなあ』と思うことは全員なく、『1点差でもいいから勝ちに行く』、『その1点のためにプレーの質を上げる』ということで全員やってきました。」

相馬朋和監督、江良颯主将