全国大学選手権大会組合せ
12月16日の大学選手権開幕まで、1回戦の見どころをまとめてみました。
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全国大学選手権大会レビュー

<第6回>
12月16日(日)午後2時キックオフ・秩父宮ラグビー場
早稲田大学 vs 中央大学
"王座奪回"を狙う早稲田は24年連続、41回目の出場。これは同志社大学に続く連続・通算記録だ。
NO8豊田、SO山中、FB五郎丸をはじめ、ハイレベルの選手達の活躍が光るが、特に滝沢・畠山の両プロップが鮮烈に復帰して、万全の体制へ。12月の早明戦では対抗戦50連勝の記録を樹立した。「昨年は決勝で、『ラグビーには何が起こるかわからない』ということを勉強させてもらった」という中竹監督。1回戦で対戦するチームを研究するために、わざわざ仙台の代表決定戦まで足を運ぶなど、今のところ「死角」は見えない。

5年ぶりの出場となった中央大学は、ロックの主将・小山田が中心のチーム。もうひとりのロック真壁は191センチ。この春、ATQに選ばれ、ニュージーランドのワイカトで、修行してきた。FWが健闘し、1年生SO松下(福岡高)のゲームメークにより、WTB長友を走らせる流れを作りたい。伝統のタックルに中央の意地を賭ける。(徳増浩司)

 

<第5回>
12月16日(日)正午キックオフ・秩父宮ラグビー場
東海大学 vs 関西学院大学
3年連続5回目の東海大学が今年は第1シードで登場。チームモットーは「ディフェンスからアタックへ」。その核となるのが、宮本主将、荒木、マウの第3列だ。一方、フッカーの岸は関東リーグ戦のトライ王、FB森は得点ランキング3位と、得点力も申し分ない。セットプレーも安定しており、上位を見据えて1回戦からエンジン全開か。

一方の関西学院大学は2年連続3回目。機動力が勝負。WTBの主将・西尾、高校日本代表・U19日本代表でもあった長野の両WTBが光る。フッカーの緑川は関西リーグのトライランキング3位という逸材だ。昨年は、1回戦で早稲田大学に7対85で完敗したが、今年もチャレンジ精神でぶつかる。(徳増浩司)

 

<第4回>
12月16日(日)午後1時キックオフ・博多の森
福岡大学 vs 京都産業大学
九州勢で唯一の参加となる福岡大学。4年連続となるが、大会目標はあくまで「1回戦突破」(村上監督)。かつて、九州勢が1回戦を突破したのは福岡工業大学の一度だけに、新しい歴史を作りたい。OBには、日本代表のプロップ西浦がいる。

注目選手は、セブンズ日本代表のゴールドメダリストでもある主将のロック桑水流(くわずる)、走れるロックだ。BKではCTB山下の器用な動きがチームを引っ張る。昨年は、法政大に1回戦で0対33で完敗したが、今年は、プレッシャーをかけ続けてホームグランドでの総力戦で臨む。

対する京産大は、昨年は接戦をものにし、1回戦では帝京に10対7、2回戦では法政に36対28でせり勝って、見事ベスト4に駒を進めた。今年も、まだまだ可能性を秘めたチームだ。天性のキック力をそなえたWTB徐は関西リーグの得点王。機動力のある125kgのプロップ山下もボールプレーに参加する。大西監督は「関西のメンツにかけても、今年も上位を狙っていきたい」と虎視眈々だ。(徳増浩司)

 

<第3回>
12月16日(日)正午キックオフ・近鉄花園ラグビー場
大阪体育大学 vs 慶應義塾大学
今年は花園の1回戦に東西の名門校がそろった。

第1試合では、古豪・慶應義塾大学が、大阪体育大学のチャレンジを受ける・・・という表現がこれまでの常套句だったが、昨年は大体大がベスト4、慶應がベスト8だったから、今年のチャレンジャーはむしろ慶應か。

昨年、総合力の高かった大体大も、今年は関西リーグではやや苦戦。同志社にも12対29でパワー負けしてチャンピオンの座を明け渡してしまった。注目は主将SOの大川、「練習の虫」といわれるNO8の板垣、そして関西リーグトライ王のWTB壇辻ら。ホームでの試合だけに、昨年、ベスト4まで作り上げたレジェンド坂田監督の手腕に期待がかかる。

対する慶應は林雅人新監督を迎え、インテリジェントなラグビーを目指す。天才ウイング山田が注目されがちだが、対抗戦で12トライをあげてトップの座に輝くのは左WTBの出雲。そして、この両WTBを活かす技巧派のCTB中浜。早慶戦での完敗原因を徹底分析し、フォワードが健闘すれば、ゲームの流れを大きく変える潜在力を持っている。

午後2時キックオフ
同志社大学 vs 筑波大学

第2試合では"関西の覇者"に返り咲いた同志社が、"関東のダークホース"筑波大学のチャレンジを受ける。

主将のロック前川が引っ張る同志社は、セブンズ日本代表のWTB宇薄(うすずき)、FB才口らスピードのあるプレーヤーをBKに控えたバランスの取れたチーム。昨年は大学選手権1回戦で慶応に完敗しているだけに、今年は関西チャンピオンの名にかけても、2年ぶりの"国立"への切符をめざす。

一方の筑波も、選手層では同志社にまったく引けを取らない。主将のFL島のタックル、攻守に渡って活躍の目立つWTB大野、FB吉廣ら試合巧者に恵まれた今年の筑波は、どのチームもあなどれない。ロック陣が190センチを超えるラインアウトも魅力だ。早稲田大学に対しての21得点は、対抗戦では最高得点。大学選手権1回戦屈指の好カードだ。(徳増浩司)

 

<第2回>
12月16日(日)正午キックオフ・瑞穂公園ラグビー場
法政大学 vs 立命館大学
今年は名古屋の瑞穂公園ラグビー場で好カードが2試合並んだ。

第1試合には、関東リーグ戦4位の古豪・法政大学が勇姿を見せる。一昨年までは6年連続ベスト4進出の法大は、昨年は2回戦で京産大に惜敗。今年は1回戦からエンジン全開で行きたい。

法政の特長は伝統の早い展開。前半にSH日和佐を起用し、後半の勝負どころでランナーでもある主将・和田を投入するパターンか。東福岡コンビの両FL有田と光安の攻守に渡る活躍も目立つ。前回全国優勝した92年当時にコーチを務めていた駒井監督が今年から指揮を執り、シーズン後半にはぐんぐん力をつけてきた。

迎え撃つは、関西リーグ4位の立命館。今年は吉田監督が復帰、ヤマハから中林コーチを迎えて、スピードのあるBK陣がグラウンドを広く使って展開する。関西リーグでも22対12で京産大に快勝。負けた試合も接戦で、大体大に27対29、天理大に27対31と、同リーグ2位になってもおかしくないチーム。FW陣が健闘すれば、得意のバックスラインを走らせ、法政のお株を奪う展開もあり得る。

午後2時キックオフ
明治大学 vs 大東文化大学

第2試合では、関東の両雄が激突。去年の1回戦と同じカードとなり、因縁対決。昨年は、明治が29対17で大東文化大学を下している。

関東対抗戦2位の明治は、早明戦の敗戦から立ち上がっての再出発。チームの中心はNO8の宇佐美。シーズン公式戦で10トライという記録はFWでは群を抜き、対抗戦チームのトライ数で3位に名前を連ねる。ロックの雨宮らと形成する強力FW陣は相手チームの脅威。ここから安定したボールを出し、SH茂木が巧みなボールさばきを見せる。

一方の大東文化大学は、去年のリベンジ、「打倒明治」に奮い立つ。トンガ勢の活躍がキーとなるが、今年はCTBラトゥイラを中心に、試合に応じてはFBにテアウパを置いて、BKの2枚看板で勝負に出るパターンが目につく。元々はFWのパワーが光るチームだけに、いざという時のBKの突破力は勢いに乗ると手がつけられない。「トークバトル2007」での村上晃一氏の予想では、「後半20分に走っている方のチームが勝利」とか。(徳増浩司)

 

<第1回>
12月16日(日)午後2時キックオフ・熊谷ラグビー場
帝京大学 vs 拓殖大学
今大会注目カードのひとつ。関東対抗戦4位の帝京大学が関東リーグ戦2位初出場の拓殖大学のチャンレジを受ける。

まずは初出場の拓大。昨年の2部から1部に昇格した勢いのまま一気にリーグ2位まで昇りつめ、創部78年目にして全国初出場の栄冠を。
注目は横山兄弟。主将・伸一(CTB)と健一(WTB)はともに山形中央高校時代から花園大会にも出場している双子兄弟。高一で花園経験のあるニコラス(CTB)と安定感のあるバックスラインを築く。ここに、バツベイ、ピータースら外国人選手が加わり、"昇り竜"の勢いで初出場1回戦突破がなるかどうか。
対する帝京大学は、昨年はけが人に見舞われ、大学選手権1回戦で京都産業大学に7対10で敗れて涙をのんでいる。今年はどうしても1回戦の壁を破って、同志社・筑波大学の勝者と争う2回戦に駒を進めたい。
戦力の中心は主将でNO8の堀江。U19日本代表での活躍も光るパワフルプレーをフランカーのツイが強力にサポートする。ここを基点に副将のSH猿渡からタイミングのいいボールがバックスに供給できれば帝京ペースになりそう。(徳増浩司)