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RWC2007
日本代表イタリア戦キャンプリポート
日本代表は、9月2日にフランスへ。初戦は9月8日の対オーストラリア代表戦です。

●9月7日(金)Lyon, FRANCE

オーストラリア戦前日。日本代表は試合会場となるStade Gerlandでキャプテンランを行いました。

いよいよ、我々日本代表のワールドカップの開幕が明日に迫りました。明日のオーストラリア戦に出場する22名が、試合会場のStade Gerlandのピッチに立ちました。
ウォーミングアップがスタートすると、チームのテンションは一気に上がり、グラウンドに選手たちの声が響きます。心も身体も温め、キャプテンランに入りました。
いつものように、カーワンヘッドコーチ以下、コーチングスタッフがスタンドに上がり、グラウンドには、選手たちだけが残されます。
佐々木キャプテンを中心に円陣が組まれ、キャプテンランがスタートしました。チームの中心で語る佐々木キャプテンの表情は、すべての準備が整い明日のキックオフを待つだけという清々しいものでした。
わずか20分あまりの短い時間でしたが、張り詰めたというよりは心地よい緊張感の中でそれぞれの地域でのアタックを行い、前日練習を終えました。

JKジャパンが船出してから、5ヶ月。チームはこの大会で日本独自のラグビースタイルを世界に知らしめるために、厳しいトレーニングを重ねてきました。
いよいよ集大成です。明日のオーストラリア戦、我々にとって失うものは何もありません。ただひたすら前進するだけです。サポーターの皆さんの熱い思いを背負って選手たちはグラウンドに立ちます。15:45(日本時間22:45)、世界のラグビーシーンに桜のインパクトを与えたいと思います。
ぜひとも、日本代表への声援をお願いいたします。

◎佐々木キャプテン
「明日に試合を控え、もうやり残すことはありません。明日の試合では特別なことをするのではなく、今まで僕たちがやってきたことを信じて試合で出すだけです。誰も我々の勝利は信じないかもしれませんが、僕たちは信じています。日本の皆さんに我々の熱を感じさせるような試合をしたいと思います」

大型ビジョンには明日の対戦カードが 木曽選手と共にラインアウトの中核を担う熊谷選手 チームの中で最もワールドカップを知る男、渡邊選手 すべてのプレーを入念にチェックした
大型ビジョンには明日の対戦カードが   木曽選手と共にラインアウトの中核を担う熊谷選手   チームの中で最もワールドカップを知る男、渡邊選手   すべてのプレーを入念にチェックした

より安定感が増してきたSO小野選手 試合会場のStade Gerland。1998年FIFAワールドカップサッカーの日本対ジャマイカ戦が行われた
より安定感が増してきたSO小野選手   試合会場のStade Gerland。1998年FIFAワールドカップサッカーの日本対ジャマイカ戦が行われた

●9月6日(木)Lyon, FRANCE

リヨン滞在2日目の今日は、午前中の練習をキャンセルし、オフとしました。
午後は、チームAUSのみグラウンドでトレーニングを実施。熱のこもった集中したトレーニングが行われました。
練習が行われたのは、Lyonの隣町Bronという場所にあるスタジアム。陸上競技場に囲まれたフィールドでした。昨日からは、報道陣のIDチェックなどのセキュリティも強化され、ワールドカップ初戦に向け緊張感が感じられました。

午後3時から行われたトレーニングでは、ウォーミングアップから選手全員が声を出して盛り上げ、一気にチームのテンションが上がりました。その後の、ランナーシステムやディフェンスラインの確認も、流れるように行われ、選手たちの好調さが目に付きます。
ユニットに分かれても、FW・BKとも完成度の高い練習が行われました。特にFWのスクラム、ラインアウトに関しては、連携も取れ大きな期待を抱かせました。BKも日ごろの細かなミーティングの成果によりコミュニケーションが取れ、オプション選択にも迷いがありません。
その後のチームランでは、一糸乱れぬディフェンスラインや、厚みのあるアタックなどを見せ、ほとんどミスなく終わりました。それでも、プレーの合間に佐々木キャプテンが選手を集め、細かな修正を図るなど最終調整に余念がありません。
最後は、JAPANボールのアタックからトライで締めくくりトレーニングを終えました。

今日、パリでは、明日の開幕に先立ち盛大なセレモニーが行われ、フランスのシンボル、エッフェル塔にはラグビーボールが掲げられました。いよいよワールドカップの開幕です。
オーストラリア戦まであと2日。明日は、午前中にチームFIJI、午後はオーストラリア戦出場メンバーが、試合会場となるStade Gerlandでキャプテンランを行います。

◎ジョン・カーワンヘッドコーチ
「オーストラリアは、トップチームで臨んできますが、我々もそれを望んでいました。我々は失うものはないので、勇気を持って、自分達を信じて、試合に挑んでいきます。勝てる試合をしていきたいです。ボールをキープするためには、立ち上がりを良くしなくてはなりません。またボールを使っていく時間が大切になってきます。
練習でやってきたことすべてを出し切ることが、大切だと思います。勝つために選手には『信じる』ということを伝えたい」

ラックへは厳しく入り、ボールをプロテクト 両サイドにしっかりとサポートに入る 試合で生きる基本スキル セットプレーは正確・確実に
ラックへは厳しく入り、ボールをプロテクト   両サイドにしっかりとサポートに入る   試合で生きる基本スキル   セットプレーは正確・確実に

水を入れながら修正点を確認 キックオフから仕掛けるFL渡邊選手 乱れることのないDFライン 最後にチーム全員で円陣を組み、練習を終えた
水を入れながら修正点を確認   キックオフから仕掛けるFL渡邊選手   乱れることのないDFライン   最後にチーム全員で円陣を組み、練習を終えた

●9月5日(水)Toulouse-Lyon, FRANCE

トゥールーズ滞在4日目。今日は午前中の練習の後、オーストラリア戦の試合地であるリヨンに移動しました。

午前中は、チームFIJIがグラウンドでのトレーニング、チームAUSはウエイトトレーニングを行いました。チームAUSは、試合に向けた体作りを行いました。
グラウンドでトレーニングを行ったチームFIJIは、ウォーミングアップからしっかりと体を動かし、ラックスキルのトレーニングで激しく体を当てました。ラックでは、コンテストの部分で負けないように、しっかりと相手に体を当て、ボールをプロテクトするトレーニングを繰り返し行いました。

アタックは素早く仕掛ける ラインアウトの確認を行うFW 走りこむFWにボールを返す 朝から強い日差しが照るつけるなか練習が行われた
アタックは素早く仕掛ける   ラインアウトの確認を行うFW   走りこむFWにボールを返す   朝から強い日差しが照るつけるなか練習が行われた

その後、ユニットに別れ、FWはラインアウト、BKはラインムーヴを確認しました。それぞれ、ここまで取り組んできたものが浸透し、精度が増してきました。
そして、最後にチームランを行い、ディフェンス・アタックを確認し、トレーニングを終えました。

昼食後、リヨンに移動となりましたが、今回は陸路での移動となり、TGVを使用してトゥールーズからリヨンに入りました。トゥールーズでは、ホテルから駅まで通常であれば45分の距離を警察先導のおかげで20分弱で到着。しかも、到着後はホームぎりぎりまでバスが入り、改札を通ることなく専用車に入ることができました。
改めて、フランスの国を挙げてのワールドカップに対する受け入れ態勢に驚くと共に、ワールドカップという大会の大きさを思い知らされました。

リヨン・ペルシェ駅到着時には、市民の皆さんの盛大な歓迎を受けました。駅からホテルに移動し、選手全員プールリカバリーを実施し、移動の疲れを取り除きました。

いよいよ試合地であるリヨンに入り、ワールドカップが直前に迫ってきました。オーストラリア戦まで残すところ3日。明日は、午後にこちらのグラウンドで練習を行います。

セットプレーからのアタックを確認 BKの攻撃もさらに厚みを増してきた キックを有効に使ってチャンスをつくる バスからTGVまでは、オールスルー
セットプレーからのアタックを確認   BKの攻撃もさらに厚みを増してきた   キックを有効に使ってチャンスをつくる   バスからTGVまでは、オールスルー

TGVでの移動時の様子 リヨン到着後、出迎えてくれた人々と記念撮影 リヨン到着。ここでも盛大な歓迎を受けた 本日28歳の誕生日を迎えた松原選手
TGVでの移動時の様子   リヨン到着後、出迎えてくれた人々と記念撮影   リヨン到着。ここでも盛大な歓迎を受けた   本日28歳の誕生日を迎えた松原選手

●9月4日(火)Toulouse, FRANCE

トゥールーズ滞在3日目の今日は、我々の滞在しているトゥールーズが属するミディ・ピレネー州が主催するウェルカム・セレモニーが実施されたため、変則的なスケジュールとなりました。

トレーニングは、午前中のみとなり午前8:30スタートで行われました。今日のトレーニングは、一般公開日となり、トゥールーズ、コロミエ市民の皆さん約100名が見守る中での実施となりました。朝早くから、練習を見学に来てくれたサポーターの皆さんに、お礼を込めて、チームから桜のロゴが入ったうちわを贈らせて頂きました。今日はうちわの必要がない涼しい気候でしたが、非常に喜んでいただきました。うちわのおかげが、練習中には、多くの声援をいただき、好プレーが生まれた際には、会場が拍手に包まれました。

練習は、ウォーミングアップからスキルローテーションを行い、アップフィールドラック・ディフェンスメーク・ディフェンススキルの3つのステーションでしっかりと基本スキルの向上に努めました。
その後は、ラックのアタック・ディフェンスを実施。ラックスキルは、我々、日本代表が世界と戦う上でもっとも重要なファクターとなります。ラックの攻防を制し、世界に勝つために骨身を削る激しいトレーニングとなりました。
さらに、チームランに入る前にランナーシステムを実施し、ラインムーヴを確認し、FW・BKユニットに分かれ、ラインアウトとラインアタックをそれぞれ確認しました。
そして、行われたチームランでは、両チームともFWが、骨惜しみなく激しいプレーを繰り返せば、BKは卓越したラインアタックを仕掛けるなど非常に集中した質の高いものとなりました。

時間にして、約1時間半のトレーニングでしたが、内容はとても充実したものでした。日に日にチームが仕上がっていくことが感じられるトレーニングでした。

練習後は、トゥールーズ市内のミディ・ピレネー州庁舎に移動してウエルカムセレモニーに参加しました。このセレモニーには、我々と同じくトゥールーズをベースキャンプとして活動するフィジー代表チームも出席。山田在仏日本大使館公使や多くの関係者が集う中、お互いの健闘を称えあいました。このセレモニーでは、ワールドカップメンバー30名のみに与えられるワールドカップキャップが贈呈されました。
こういったセレモニーに参加することで、よりワールドカップの開幕が近づいていることを実感します。キャップを被る選手たちの表情も引き締まっていました。
明日は、午前中にトレーニングを行い、午後、オーストラリア戦の会場地リヨンに移動します。オーストラリア戦まで、あと4日‥‥。

市民が見守るなか、激しい練習が行われた 素早くボールキャリアーに寄り、ボールをプロテクト ラインアウトもミスがなくなり精度が増した 迫力あるバツベイ選手の突進
市民が見守るなか、激しい練習が行われた   素早くボールキャリアーに寄り、ボールをプロテクト   ラインアウトもミスがなくなり精度が増した   迫力あるバツベイ選手の突進

グラントコーチの指示を聞く選手たち 箕内キャプテンを中心に確認を行うFW陣 大会ではすべて白バイ先導での移動 ゴールポストをイメージしたモニュメントの前で記念撮影
グラントコーチの指示を聞く選手たち   箕内キャプテンを中心に確認を行うFW陣   大会ではすべて白バイ先導での移動   ゴールポストをイメージしたモニュメントの前で記念撮影

W杯に出場する選手のみに与えられる栄光のW杯キャップ。左から渡邊・北川・佐々木・平 フィジーチームと合同で写真撮影 いよいよワールドカップへ
W杯に出場する選手のみに与えられる栄光のW杯キャップ。左から渡邊・北川・佐々木・平   フィジーチームと合同で写真撮影   いよいよワールドカップへ

●9月3日(月)Toulouse, FRANCE

アレジ選手もフランスから合流。元気な姿を見せてくれた
アレジ選手もフランスから合流。元気な姿を見せてくれた

 

トゥールーズ滞在2日目。当地での練習をスタートしました。
午前中は、全員がウエイトトレーニングを行いました。ヒューメコンサルタントと太田正則フィットネスコーチのプログラムのもと、試合で100%の力を発揮できるよう各選手ともしっかりとメニューをこなしました。

午後は、チームトレーニングを実施。ウォーミングアップでビジョンドリル、タックルドリルを行い体を温め、FWはスクラム、BKはラインアタックに移行しました。FWのスクラムは、8対8のライブスクラムを実施。お互いのチームの長所を生かした凌ぎ合いになり、一本一本のスクラムが気迫溢れるものとなりました。BKのラインアタックでは、両チームともコミュニケーションが図られ、完成度の高さが伺えました。

そして、最後はチームランを実施。50%でのプレーになりましたが、どちらも質の高いプレーを随所に展開し、チームとしての一体感、試合に向けた準備の順調さを見ることができました。アタックにおいては、アングルやオプションの選択、ディフェンスでは、DFラインスピードやDFコミュニケーション等、我々が目指す日本スタイルのラグビーが完成しつつあります。プレーの合間には、チームFIJIは箕内キャプテン、チームAUSは佐々木キャプテンがチームを集め、チームの一つの方向に向け、カーワンHCやドゥーリーコーチ、ギブスコーチが的確なコーチングを行い、チームの修正点をクリアにして、さらなる効果的なトレーニングが生まれていきます。

これまでもチームの一体感は感じられていましたが、トゥールーズに入って、その一体感が増してきました。一日一日のトレーニングを大切にし、試合でピークになるようチーム一丸となって取り組んでいます。オーストラリア戦まで、あと5日。やるべきことをやり遂げ試合を迎えたいと思います。引き続き、日本代表の応援をよろしくお願いいたします。

初日の練習はビジョンドリルから 倒した後は、ジャッカルまで 激しく組み合ったスクラム チームFIJIのセンターコンビ大西・今村。彼らからチャンスが生まれる
初日の練習はビジョンドリルから   倒した後は、ジャッカルまで   激しく組み合ったスクラム   チームFIJIのセンターコンビ大西・今村。彼らからチャンスが生まれる

乱れることのないチームAUSのディフェンスライン 切れ味鋭いランニングを見せるマキリ選手 トンプソン選手の突進を2人がかりで止める
乱れることのないチームAUSのディフェンスライン   切れ味鋭いランニングを見せるマキリ選手   トンプソン選手の突進を2人がかりで止める

●9月2日(日) Toulouse, FRANCE

いよいよ日本代表チームは、3週間のイタリア合宿を終え、本日、ラグビーワールドカップ2007のベースキャンプとなるフランス・トゥールーズへと入りました。

トゥールーズ空港到着時には、日の丸の旗を振る地元の子供たちや多くのサポーターの盛大な歓迎を受けました。そこから、ホテルまでのバス移動は警察の警護が付き、白バイが先導。約30分の距離でしたが、ノンストップで走り抜けることができました。この警護は、我々が行うすべての移動に適用されるとのこと。改めて、ワールドカップという大会の持つ存在の大きさ、プライオリティの高さを感じさせられました。

到着後、選手たちは移動の疲れをホテル内でのプールを使い癒しました。
太田団長、カーワンヘッドコーチ、箕内キャプテンほか、ドゥーリー、ギブスの両コーチ、大野、佐々木、渡邉、小野澤、大西、ロビンスの6名の選手はトゥールーズ主催の到着記者会見を行いました。まず、トゥールーズ市長から日本代表チームへ温かい歓迎の言葉を頂き、大会期間中のサポートをお約束いただきました。続いて行われた日本チームの記者会見では、まず、チームを代表して太田GMが、「到着からこの場に至るまで、本当に温かい歓迎を頂きましてありがとうございます。この歓迎に応えるべく、市民の皆様に感動を与えられるような試合をしたいと思います。ここトゥールーズには約10日間ほどの滞在となりますが、滞在中は、ラグビーを通じて、日本の文化・フランスの文化の交流を図りたいと思います。本日はありがとうございました」とお礼の言葉を述べました。

続いて、カーワンHCが、「我々のゴールは、日本のスタイルでワールドカップを戦うことです。フランスに来ることができて嬉しいことは、日本と同じようにフランスの人々はラグビーを愛し、ラグビーに対して熱い気持ちを持っていることです。日本代表チームをホストして下さるトゥールーズの方々に対し、我々をホストするにあたり多大なるご協力を頂きますことに感謝の意を表したいと思います」と語りました。

さらに、選手を代表して箕内キャプテンが「素晴らしい歓迎を受けたことに選手を代表してお礼を申し上げます。まずは、この場所に居ることができることを選手と共に喜びたいと思います。そして、ワールドカップの成功と日本ラグビーの発展のために全力を尽くして大会に臨みたいと思います」と大会への意気込みを語りました。

その後、出席した6名の選手が一言ずつスピーチ。6選手のスピーチは下記の通りです。
大野均選手
「ワールドカップでは、日本ラグビーのスタイルを世界に発信できるよう精一杯頑張ります」
佐々木隆道選手
「この場に選手として立つことができることを嬉しく思います。我々は、この大会を日本ラグビー史に残る素晴らしい大会にするために、ここに来ました。すべてにおいて100%出し切って帰りたいと思います」
渡邉泰憲選手
「ワールドカップでは、トゥールーズの皆さん、世界の皆さんに感動を与えられるような素晴らしい大会にしたいと思います。自身3度目のワールドカップになりますが、最高の結果を残して帰りたいと思っています」
ブライス・ロビンス選手
「今までのワールドカップの中で最高のワールドカップになるように、我々選手は多くの試練を乗り越えてきました。ワールドカップでは、ベストを尽くして良いプレーをしたいと思います」
大西将太郎選手
「素晴らしいコーチングスタッフが、最高のコーチングをしてくれました。後は、それをグラウンドで僕たちが結果を残すだけです。自分を信じて、チームを信じて頑張りたいと思います」
小野澤宏時選手
「見ている皆さんに、日本代表の発する熱を感じさせるような熱い試合をしたいと思います」

以上のように、大会への思いを熱く語ってくれました。いよいよ、ワールドカップモード突入です。小野澤選手が語るように、ここフランスから日本代表の熱を感じていただけたらと思います。代表チームは、水曜日までトゥールーズに滞在し、トレーニングを行います。

空港では多くの子供たちが出迎えてくれた 記者会見に向かう太田団長、箕内キャプテンら 会見前の記念撮影 チームを代表して挨拶する太田団長
空港では多くの子供たちが出迎えてくれた   記者会見に向かう太田団長、箕内キャプテンら   会見前の記念撮影   チームを代表して挨拶する太田団長

●9月1日(土) treviso, ITALY

低く一体感のあるスクラム
低く一体感のあるスクラム

 

トレビゾで行われている日本代表合宿14日目。約3週間滞在したイタリアでの練習も今日が最後となりました。この3週間、ほとんど雨が降らなかったイタリアですが、最終日の今日も汗ばむくらいの好天に恵まれました。

今日の練習は、午前・午後と2度の練習が組まれました。
午前中は、完全にチームを2つに分けての練習となりました。最初にチームAUSが、グラウンドでのトレーニングを行い、続いてチームFIJIが練習を行いました。内容は、基本的には同じで、ユニットを中心にFWはラインアウトとスクラムのセット。BKはサインプレーの確認を行いました。本戦が近づくにつれ、練習にも緊張感が溢れ、選手たちの集中力も非常に高くなっています。ミスに厳しく、納得するまで練習が繰り返されました。

午後は、チーム全体でのトレーニングを実施。ビジョンドリルやランニングスキルを取り入れたウォーミングアップの後、スキルローテーションで、ディシジョンメーキング・ディフェンスライン・アップフィールドラックを確認し、ラックからのアタック・ディフェンスとラックテクニックを行いました。ラックテクニックでは、世界の強国との対戦を見据え、ボールを保持するために必要なスキル習得を目指しました。我々が目指すジャパニーズスタイルのラグビーを行うためにラックでのボール保持は必須です。一人一人が自分の役割を理解し、どんな局面でもしっかりとラックにアプローチできるようトレーニングを重ねました。

チームFIJIのラインアウト。日に日に完成度を増している 広い視野を持つために行われているビジョンドリル 相手のステップに惑わされることなく、体を当てる 一人目はしっかりと相手にコミットする
チームFIJIのラインアウト。日に日に完成度を増している   広い視野を持つために行われているビジョンドリル   相手のステップに惑わされることなく、体を当てる   一人目はしっかりと相手にコミットする

その後は、チームをAUS/FIJIに分け、チームランを実施。今日もペースは「30%」。スローペースで行われました。キックオフやゴール前のスクラムなど、その局面局面で必要なオプションを選択し、しっかりと遂行できるかを入念にチェックしました。また、アタックでは、チャンスは必ずゴールラインを陥れるまで取りきることを目指しました。両チームともアタックでは数多くのチャンスを作り出していましたし、ディフェンスにおいても要所要所は安定したディフェンスができています。これを80分間途切れることなくやり続けることを目指し、集中力を持った練習に励みました。

約2時間半の練習となりましたが、イタリア最後の練習は非常にいい形で終えることができました。いよいよ、日本代表は明日、決戦の地、フランスに入ります。
我々、日本代表は応援していただいているサポーターの皆さんと共にワールドカップに向かいたいと思います。引き続き、応援をよろしくお願いいたします。

最高到達点でキャッチする木曽選手 得意のキックでチャンスを生むSO小野選手 チーム一の仕事人LO大野選手 ラックからの素早い球出しでBKに展開
最高到達点でキャッチする木曽選手   得意のキックでチャンスを生むSO小野選手   チーム一の仕事人LO大野選手   ラックからの素早い球出しでBKに展開

●8月31日(金) treviso, ITALY

トレビゾで行われている日本代表合宿13日目。ポルトガル戦とのトレーニングマッチの後、5日間のオフとなった日本代表は、本日から、ワールドカップへ向けて再スタートを図りました。

ポルトガル戦のトレーニングマッチでは、これまで不動の司令塔だった安藤栄次選手(NECグリーンロケッツ)と世界に誇る日本の翼、大畑大介選手(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)の両選手を負傷で失うという大きなアクシデントに見舞われ、両選手はワールドカップを前に帰国することになりました。さらに、イタリア戦前日の練習で負傷した山本貢選手(三洋電機ワイルドナイツ)も日本での治療・リハビリに専念するために帰国となりました。チームにとって大きなアクシデントでしたが、負傷した選手が、自分たちが一番つらいはずなのに、チームを離れる最後の時まで一切そんな顔を見せず、笑顔であり続けたことは、チームを元気にしてくれましたし、勇気をもらいました。三人の帰国は、本当に残念でなりませんが、彼らが残してくれた熱い気持ちを持ってワールドカップを戦いたいと思います。一日も早い復帰を願っています。

JK宅でパーティー。ホストとして動き回ったカーワンHC(8月26日) リラックスした時間を過ごした(8月26日)
JK宅でパーティー。ホストとして動き回ったカーワンHC(8月26日)   リラックスした時間を過ごした(8月26日)

ポルトガル戦の翌日は、プールリカバリーを行った後、カーワンHCの自宅でホームパーティーが開催されました。ラグビーフィールドができそうな広大な敷地には、今回の滞在でお世話になっている方々と我々、日本代表とその家族が集まり、100名ほどの盛大なパーティーとなりました。ホスト役をかってでたカーワンHCは、自ら肉を切り分けるなど休む間もなく、動き回っていました。選手たちも、おいしいバーベキューに舌鼓を打ちながら楽しい時間を過ごしました。

翌日からの4日間は、選手たちは完全にオフ。ローマやフィレンツェ、ミラノなどへ足を伸ばす選手などもいて、各々、リラックスした休日を過ごしたようです。昨日の夕食会場では、土産話に花が咲き、興奮冷めやらぬ様子でした。
また、昨夜は、新たにチームに加わることになった久住辰也選手(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)と北川智規選手(三洋電機ワイルドナイツ)がイタリア入りし、無事、チームに合流しました。

そして、ワールドカップまで、残り8日となった今日。日本代表チームは、気持ちを切り替え、新たなスタートを切りました。
今日の日本代表は、午前中にウエイトトレーニングとグラウンドトレーニングをユニットに分かれて交互に実施し、午後に全体練習を行いました。
午前中のトレーニングでは、FWのPR/HO/LOがスクラム・ラインアウトを行い、セットプレーのさらなる安定を図りました。スクラムでは、早いセットから低く・一体感のあるスクラムを目指し、ビデオなどを使い確認しながら行われました。
BKとFL/No.8は、パス等の基本スキルとサポートプレーヤーを入れた形でのラインアタックを実施。歩きながらの実施で、サインプレーの再確認を行いました。

トレーニングを見守るカーワンHC(右)と、ドゥーリーBKコーチ(左) ギブスFWコーチが細かい部分を指導 しっかりハンズアップして、蹴られたボールを走り込みながらキャッチ 内側圧力をかける
トレーニングを見守るカーワンHC(右)と、ドゥーリーBKコーチ(左)   ギブスFWコーチが細かい部分を指導   しっかりハンズアップして、蹴られたボールを走り込みながらキャッチ   内側圧力をかける

午後の練習前には、チームミーティングを実施し、ワールドカップを再認識させる秋廣テクニカルが編集したビデオを選手たちに見せ、残り少ない時間を大切にし、練習の質を高めていくことを意識させました。

そして行われたトレーニングは、オフ明けとは思えないくらい非常にいい練習となりました。ウォーミングアップの後には、7ミニッツテストを実施。ほとんどの選手たちが、ワールドスタンダードをクリア。意識の高さを伺わせました。
その後、スキルローテーションで、ラインディフェンス、ディシジョンメーキング、アップフィールドラックを行い、スキル向上を目指しました。
そして、チームAUS・チームFIJIに分かれ、チームアタック・ディフェンスを実施。30%で動きを確認しながらのはずでしたが、気づけばほぼ100%でお互いの意地がぶつかり合うトレーニングなりました。カーワンHCも、「時としてこういう練習は必要。今日の練習内容には非常に満足しています」と語り、リスタート初日の練習に及第点を与えました。

イタリア滞在も残り2日。明日も午前・午後とトレーニングを行います。
ワールドカップに向け、最後のステージを迎えた日本代表に、熱い応援をよろしくお願いいたします。

パンチパスは、日本代表のベーシックスキル 黙々と個人練習に励むSH金選手 7ミニッツテストではほとんどの選手が世界標準をクリア 久住選手(左)、北川選手(右)も待ちきれずにグラウンドに飛び出した
パンチパスは、日本代表のベーシックスキル   黙々と個人練習に励むSH金選手   7ミニッツテストではほとんどの選手が世界標準をクリア   久住選手(左)、北川選手(右)も待ちきれずにグラウンドに飛び出した

アップフィールドラックの精度を上げる 再スタートの初日ながら、質の高い練習が行われた SOに入ったロビンス選手。ダイナミックなプレーが持ち味
アップフィールドラックの精度を上げる   再スタートの初日ながら、質の高い練習が行われた   SOに入ったロビンス選手。ダイナミックなプレーが持ち味