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●6月1日(金) オーストラリア・コフスハーバー

トンガ戦直前合宿レポート6日目。本日は、試合会場となる「International Stadium」にてキャプテンランを実施し、明日の試合に向け最終調整を行いました。

太田正則コーチがウォーミングアップをリードし、短時間で体を温めました。その後、グラントコーチによるディフェンスストラクチャーでDFコミュニケーションを確認し、コーチ主導のトレーニングを終了。そこからは、箕内キャプテンがリードする形で、グラウンド全体を使って、地域ごとの戦術や攻撃オプションを確認しました。試合に向けたほどよい緊張感に包まれたスタジアムで、熱のこもったトレーニングが行われました。約20分間のキャプテンランの後は、FWはラインアウト、キッカーは、ゴールキックなどの感触を確かめました。フィジー戦の敗戦から一週間、いい準備はできました。明日13:30、トンガ戦にすべてをぶつけます。
明日のトンガ戦も熱い応援をよろしくお願いいたします。


◎ジョン・カーワンヘッドコーチ

「試合に向けた準備は万全です。トンガは、フィジカルを前面に押し出してくることが予想されます。明日の試合は、ディフェンスがキーになると思います。1対1の局面でしっかりタックルに入ることが大切です。
フィジー戦を経て修正した部分は、メンタル面。ビデオを見ながら、大事な局面を理解させ、戦術部分の指摘をしました。今週は、それを踏まえ、非常にいい練習ができたと思っています」


◎箕内拓郎キャプテン

「足首のケガは、日に日に良くなっています。普段テーピングを巻かないので、なれませんが問題ありません。気合と根性で乗り切ります。
100%かと言われれば、100%ではありませんが、誰もが100%ではありませんので、動く限りは100%出すだけです。
フィジー戦は、全体的に受けていたので、僕自身もアグレッシブに行きたいと思います。トンガ代表は、強力な3列を持っているので、まずは彼らの足を止めること、低く刺さって足を止めることが大切だと思います。攻撃の起点となるセットプレーをしっかり抑えたいと思います」

試合会場となるInternational Stadium 二人一組でしっかりと体をほぐす
試合会場となるInternational Stadium 二人一組でしっかりと体をほぐす

密集からの素早い球出しを 8人一体となったスクラム
密集からの素早い球出しを 8人一体となったスクラム

フィジー戦から安定しているラインアウト 箕内キャプテンを中心に円陣を組んで
フィジー戦から安定しているラインアウト 箕内キャプテンを中心に円陣を組んで

●5月31日(木) オーストラリア・コフスハーバー

トンガ戦直前合宿5日目。本日は、終日オフ。束の間の休日を各々自由に過ごしました。

宿舎近くを散策するもの、ショッピングモールに出かけるものなど、さまざまでしたが、各自リラックスできたようです。また、ウエイトトレーニングや、軽い運動をこなすものもいたりするなど、自分なりの調整を行いながら試合に向けて準備を進めています。

メンバーも発表になり、心も体も戦う準備ができました。明日、最後の練習を試合会場で行い、トンガ戦に臨みます。

応援をよろしくお願いします。

●5月30日(水) オーストラリア・コフスハーバー

トンガ戦直前合宿4日目。午前中にウエイトトレーニングを実施し、午後グラウンドでのトレーニングを行いました。

ウエイトトレーニングは、FW・BKともにポジションごとに定められているメニューを消化。ワールドスタンダードのストレングスを目指し、トレーニングに励みました。

FWは、その後ラインアウトの確認を近くの公園で行いました。試合を重ねるごとにコミュニケーションもとれ、精度も上がっていますが、それをさらに上げるべく、細かな部分の確認をしました。

キッカーは、グラウンドに場所を移し、ゴールキックを1時間以上蹴り込みました。

午後は、グラウンドでのトレーニングとなり、ビジョンドリル、ディシジョンメーキングのウォーミングアップで体を温めました。その後のチームランでは、2チームに分かれ仮想トンガチームと対戦。トンガ代表の攻撃オプション、ディフェンスシステムを理解し、それに対応し、打開することで日本代表のゲームプランに持っていけるかということを目的としています。練習が進むにつれて、日本代表のアタックのキレが増し、何度もラインブレイクするシーンが見られました。トンガ代表戦に向け、いい状態に仕上がってきています。

その後は、タックルスキルを実施。1対1のタックルシチュエーションから3対3のコンテストになるというもの。このドリルでは、激しいタックルが繰り返され、トンガ戦への意気込みがヒシヒシと伝わってきました。コーチ陣からも賞賛の声が上がっていました。

練習後は、インディビジュアルスキルを黙々とこなし、練習を終えました。

いよいよ31日はトンガ戦のメンバー発表です。チームの練習はオフ。疲れた体を休ませます。

トンガ戦まで残り2日。何としてでもトンガ戦に勝って、次のタウンズビルへ乗り込みたいと思います。引き続き、応援の程よろしくお願いします。

ビジョンドリルで視野を広げる 瞬時の判断が必要になるディシジョンメーキング
ビジョンドリルで視野を広げる 瞬時の判断が必要になるディシジョンメーキング

アングルをつけて、デコイに入る キックを上手く使う
アングルをつけて、デコイに入る キックを上手く使う

キック処理もキャッチしたプレーヤーに素早くサポート モールはしっかりと固めてとりきる
キック処理もキャッチしたプレーヤーに素早くサポート モールはしっかりと固めてとりきる

しっかりと前に出る 激しいタックルが繰り返された
しっかりと前に出る 激しいタックルが繰り返された

練習の合間に応援してくれた子どもたち
練習の合間に応援してくれた子どもたち

●5月29日(火) オーストラリア・コフスハーバー

3日目を迎えた日本代表トンガ戦直前合宿。今日は、午前中のみグラウンドでの練習となりました。

練習前に全体ミーティングを実施し、まだまだ自分たちの殻を破っていない、もっと自分をさらけ出そうということで、ニックネームストラクチャーを実施。これは、まだまだ所属チームや先輩・後輩という枠組みの中で自分を捕らえてしまっているのではないかということを踏まえてのものでした。今日のミーティングでは選手同士ニックネームを付け合い、日頃の練習や日常生活においてもニックネームで呼び合おうというものです。このミーティングのおかげか本日の練習では、よりコミュニケーションの取れたいい練習ができたと思います。

ウォーミングアップでしっかり体を温める 体を当てて強い姿勢でタックルに入る
ウォーミングアップでしっかり体を温める 体を当てて強い姿勢でタックルに入る

世界一低いラックへ 激しい練習となったラックドリル
世界一低いラックへ 激しい練習となったラックドリル

練習では、ウォーミングアップでグリッド、タックルドリルやディフェンスコミュニケーションの要素を組み込みながら体を温めました。ウォーミングアップ中も、太田正則コーチから「ニックネームで呼び合おう」との声があり、ニックネームで呼びかけあいました。その後のタックルスキルでは、しっかり前に出て体を当てることを体に覚え込ませつつ、しっかりと相互のコミュニケーションを取ってディフェンスラインが乱れることなく一直線で出られるようなドリルをこなしました。

その後は、ディフェンスストラクチャー、ラックテクニックに移行しました。ラックテクニックでは、さらにラックの精度を上げるために、今まで取り組んできた世界一低いラックを目指すドリルを引き続き実施、また、トンガ戦を見据え密集周辺の激しさも要求されました。

ディフェンスストラクチャーでは、組織ディフェンスをしっかり強固なものにするために、しっかりとプレッシャーをかけ、前に出るということを確認しました。

その後は、FW・BKに分かれ、FWはスクラム、BKはアタックオプションを確認しました。FWのスクラムでは、トレーニングの前にギブスコーチが全員を集めて円陣を組み、選手たちに「すべてに全力を尽くそう。隣のやつ、今肩を組んでいる全員のために全力を出して戦おう。男として絶対に負けるな」と語りかけました。その言葉にスイッチが入った選手たちは、何度も激しくシャープなスクラムを組んでいました。トンガ戦では、スクラムから相手にプレッシャーを掛け続けてくれるでしょう。

BKは、2チームに分け、アタックオプションを確認。数種類のオプションをさらに確実なものにするため、繰り返しトレーニングを行いました。

動きの中でディフェンスを確認 8人一体となって世界に通用するスクラムを目指す
動きの中でディフェンスを確認 8人一体となって世界に通用するスクラムを目指す

円陣を組んで一体感を強めるFW陣 キックオフからチームランがスタート
円陣を組んで一体感を強めるFW陣 キックオフからチームランがスタート

練習の最後に、チームランを実施。キックオフやスクラム、ラインアウトなどのセットプレーからのアタックを確認しました。今までの課題であった、キッキングゲームへの対応もなされ、BK3を中心としたカウンターアタックも鋭さが戻り、効果的なアタックを何度も見せてくれました。

練習を見守ったカーワンヘッドコーチも、集中したトレーニングに満足げ、トンガ戦への手ごたえを感じていました。

午後は、チームはオフとなりましたが、地域の学校訪問を実施。2人ずつ3組のグループに分かれ、3つの学校に訪問しました。参加したのは、山本正人、青木佑輔、大野均、佐藤剛、矢富勇毅、大東功一の6選手。それぞれの学校で子供たちとの交流を深めました。

中でも日頃から練習場としてグラウンドをお借りしている「ビショップ・ドゥーリースクール」では、13歳から16歳の男女30名が集まってくれました。実施メニューは、同行したNSW州のデベロップメントオフィサーがアレンジし、そこに代表選手たちが入っていくというもの。パススキルや3対2などの基本スキルからコンタクトスキル、タッチゲームまで短い時間ながらも内容の濃いドリルをこなしました。この学校を訪問した佐藤剛・矢富勇毅選手の2名も終始笑顔を絶やさず子供たちに交じって、それぞれのメニューをこなしました。最後に参加してくれた子供たちに、NSW州からは、週末の試合のポスターが贈られ、日本代表選手たちからはトレーディングカードを手渡して終了しました。

また、夕食時には、本日29歳の誕生日を迎えたPR山本正人選手にチーム全員でバースデーケーキを贈り、全員でお祝いしました。山本選手は全員を前に「今日はありがとうございました。残り4戦全力で頑張りましょう」とスピーチして大きな拍手が贈られました

アタックで前に出続ける 地域の子供たちとの交流を楽しんだ
アタックで前に出続ける 地域の子供たちとの交流を楽しんだ

参加してくれた子供たちといっしょに 大人気だった佐藤・矢富の両選手
参加してくれた子供たちといっしょに 大人気だった佐藤・矢富の両選手

この日、29歳の誕生日を迎えた山本(正)選手
この日、29歳の誕生日を迎えた山本(正)選手

●5月28日(月) オーストラリア・コフスハーバー

27日にオーストラリア・コフスハーバーに入った日本代表は、28日より、トンガ戦に向けた練習をスタートしました。

午前中は、チームミーティングでフィジー戦のレビューを実施。フィジー戦の修正点を洗い出しました。カーワンヘッドコーチは、何度も「自分たちのやるべきことをやろう。プレッシャーのなかで練習どおりのパフォーマンスをしよう」と語りかけました。選手たちの頭の中もすでに、トンガ戦に切り替わっています。フィジー戦の結果を受け止め、しっかりとトンガ戦で結果を出していきたいと思います。ミーティング後は、FW・BKに分かれてウエイトトレーニングを行い、しっかりと体幹から体を鍛えました。

午後は、地域の私学のグラウンドをお借りしてトレーニングを実施。ウォーミングアップで体を温めつつ、ハンドリングスキル、パススキル、ディフェンスコミュニケーションなどのドリルを入れていきます。その後は、タックルドリルを実施。アタックのオプションにあわせながらディフェンスはシステムで動き、激しくタックルに入るドリルを繰り返し実施しました。フィジー戦で課題となったタックルの精度をさらに上げ、これからの強豪チームのアタックを封じ込めるべく、激しい練習が行われました。

全体のトレーニングの後、FW・BKユニットに分かれ、FWはラインアウト、BKはアタックオプションの確認から、キック処理・カウンターなどの練習を行いました。

FWは、ポジションスキルの後に、ジャンパー・サポーターのコミュニケーションドリルを実施。コーチの掛け声にあわせ、前・後と移動しながら声が掛かったところで、素早く最高到達点に届くようなトレーニングを行いました。その後、実践トレーニングに移行。アタックの精度アップはもちろんのこと、ディフェンスでもしっかりとコンテストできるよう相手ボールを想定したトレーニングも行われました。

BKは、選手を入れ替えながら誰が入っても同じことができるよう、アタックオプションの確認を繰り返し実施。その後、キッキングゲームを展開するために必要な、キック処理やカウンターアタックを確認しました。カウンターアタックでは、BK3のコミュニケーションが重要となります。FBと両WTBがしっかりとイメージを共有し、相手ディフェンスを見ながらアタックオプションを選択しなければなりません。アンダープレッシャーで的確な判断ができるようゲームシチュエーションを作っての確認となりました。

トンガ戦に向けていいスタートが切れました。残り4日間、時間はありませんが、しっかりと調整して、何としてもトンガ戦の勝利を手にしたいと思っています。

引き続き、ご声援をお願いいたします

ストレッチで体をほぐす ハンドリングスキルでは、途中からPR・HOがキッカーに
ストレッチで体をほぐす ハンドリングスキルでは、途中からPR・HOがキッカーに

アングルをつけてしっかりと走り込む ディフェンスコミュニケーション、一気にラインを押し上げる
アングルをつけてしっかりと走り込む ディフェンスコミュニケーション、一気にラインを押し上げる

タックルドリルでは、激しいタックルが何度も ジャンパーとサポーターのコンビネーションを再確認
タックルドリルでは、激しいタックルが何度も ジャンパーとサポーターのコンビネーションを再確認

●5月27日(日) オーストラリア・コフスハーバー

26日のフィジー戦は、カーワンヘッドコーチ、大野均ゲームキャプテンの言葉通り、前半40分は日本らしい戦い方で非常に良い形で終えることができました。しかし、そこからのゲームマネジメントが思い通りにいかず、相手にペースを握られフィジーの強みを真っ向から受けてしまいました。終わって見れば、15-30という結果。前半リードしていただけに非常に悔しい敗戦となりました。

しかし、我々は、これから4週続けて行われるリーグ戦を戦い抜かねばなりません。フィジー戦の結果を受け止め、次に向けて修正しなければなりません。まずは次戦のトンガ戦に向けて、しっかりと準備していきたいと思います。

26日のフィジー戦では、フィジー日本人会の皆様のお声掛けにより、会場に多くの方がいらしてくれました。苦しいときにずっと応援していただき選手たちにとっては、心強い励みになりました。この場を借りて御礼申し上げます。

また、遠征中は、二人のリエゾンの方に大変お世話になりました。一人は、フィジー在住の大室さん。大室さんは、埼玉・熊谷工業で花園に出場経験もある方で、12年前からフィジーでお仕事をされています。今回は、我々の滞在期間中、昼夜問わず様々なリクエストに応えていただきました。もう一人は、フィジー・ナンディラグビー協会のワキさん。元フィジー代表のプレーヤーです。ワキさんのおかげで練習用具から水の手配、そして、グラウンドの手配などが、混乱なくできました。

お二人とも日本代表のために、全力を尽くしサポートいただきました。お二人に厚く御礼申し上げます。

フィジー戦を終えた日本代表は、27日、トンガ戦の試合会場となるオーストラリア・コフスハーバーに移動しました。

ホテル出発は、早朝6時。フィジー・ナンディ空港からオーストラリア・ブリスベンに飛び、ブリスベンからコフスハーバーまではバスの旅。途中、昼食をとりながらの移動でしたが、今回滞在するホテル到着は夕方6時。12時間の移動となりました。

到着後、選手たちはホテルでプールリカバリーを行い、移動の疲れを取りました。

いよいよ、明日からトンガ戦に向けた練習がスタートします。

引き続き、温かい応援をよろしくお願いいたします。

以下、写真は、5月26日の対フィジー戦のものです。

フィジー日本人会の皆さんを中心に結成された大応援団。日本代表に力を与えてくれた 国歌斉唱で一気に気持ちが高まる
フィジー日本人会の皆さんを中心に結成された大応援団。日本代表に力を与えてくれた 国歌斉唱で一気に気持ちが高まる

ラインアウトも修正された 早い出足で前に出続けたディフェンス
ラインアウトも修正された 早い出足で前に出続けたディフェンス

このプレーの後、トンプソン選手のトライが生まれた 難しい角度のゴールを決めたSO安藤
このプレーの後、トンプソン選手のトライが生まれた 難しい角度のゴールを決めたSO安藤

アフターマッチファンクションではフィジーチームの選手たちが素晴らしいゴスペルで迎えてくれた
アフターマッチファンクションではフィジーチームの選手たちが素晴らしいゴスペルで迎えてくれた