無風ながら、昼間から降り出した小雨が止まぬなか、JAPANの先蹴で、ゲーム開始。雨中戦での定石通り、ゲームの滑り出しはキックの応酬。JAPANはスクラム・ラインアウトのセットプレーが安定し、接点でも力負けせず、互角の戦いを展開する。 10分、NZU陣内10mにおいてJAPAN SO10森田のキックをNZU SO10ノークスがチャージ、FB15山下が処理をもたつく間にノークスがボール奪取、CTB12マックスウェルにつないで、中央にトライ。(0-5)G成功(0-7) 自陣でも積極的にしかけるJAPANは、ターンオーバーからWTB11中浜が左ライン沿いを40m快走するも、粘り強いNZUディフェンスにチャンスの目を摘まれる。しかし16分NZUゴール前5mラインアウトから、モールを押し込み、NO.8イオンギが左中間にトライ。(G不成功5-7) その後、NZUはボール支配を優勢にすすめるものの、JAPANが接点でのダブルタックルをしっかり決め、一進一退の攻防に。(21分、26分NZUがPG成功5-13) 28分JAPAN10m付近で左展開を仕掛けるJAPANだったが、やや意図を欠いた攻撃の間隙を突かれ、NZU WTB14ヘイトンにパスをインターセプトされ、中央にトライ。(5-18)G成功(5-20) 後半、巧みにショートパントで裏のスペースへ出ようとするNZUは、43分ラックからSO10ノークスがインゴールへパント、FB15マクナレンが抑え左中間にトライ。(G不成功5-25) 前半に比べ、ボールのリサイクルが悪くなっているJAPANだが、50分NZU陣ゴール前で得たラインアウトからFL6豊田がPR16湯原にリターンパスし、そのまま左角にトライ。(G成功12-25) 58分 NZUゴール前中央のラックから右サイドへ繋ぎ、豊田からパスを受けたLO4近藤がトライ。(G不成功17-25) 勢いに乗りたいJAPANだったが、NZU陣15m付近のラックからこぼれたボールをNZUWTB14ヘイトンに拾われ独走を許し、トライ。(G成功17-32) 終了間際の79分にもラックからNZUPR3アルドウォースがトライ。(G成功17-39)ラインアウトでミスが目立つNZUに対し、安定したセットプレーと接点での執拗なタックルで健闘したJAPANであったが、プレーの精度、集中力の差が、点差に結びついたゲームであり、JAPANに終了間際に足の痙攣で動きの止まったプレーヤーが見受けられたことは、むしろNZUプレーヤー個々の強さを象徴していた。(廣島 治) 写真提供/長谷川昭男 NZUのベバン ヘッドコーチ(左)、アルドウォース キャプテン U23日本代表 17-39 ニュージーランド学生代表(4月18日(水)19:00 at大阪市鶴見緑地球技場) ◎ニュージーランド学生代表 ○ブライス・ベバンヘッドコーチ「まず勝てたことがうれしい、FW、BKともじゅうぶんなスキルでプレーしてくれたが、タックルでのミスと反則が多かった。レフリーを味方にしていない。次はうまくコンデショニングしていきたい」 ○ジェレミー・アルドウォースキャプテン「非常にタフなコンデションで勝ててよかった、雨の中でお互いに陣地の取り合いになって、そこでのミスが多かった、またラックで絶対に相手にボールを出させないという気持ちから反則が多くなってしまった、次のゲームに向け見直していきたい、雨でボールが滑って、傘をさしてプレーしたかった〈笑〉」 U23日本代表の薫田監督(右)、豊田キャプテン ◎U23日本代表 ○薫田監督「前回同様に勝てる試合を落としてしまった。1試合目はグラウンドを広く使うことを目標にし、今回は雨ということで、フィールドポジションを取ることを考えたが、やはり経験の差が出ている。 トライチャンスで取りきれていない。チャンスの前の『ここぞ!』というところでボールが出てこないし、グラウンドを広く使うためのコミュニケーション能力も不足している、しかしトライチャンスを作れたことは1戦目より収穫だった。 雨のなか応援に来ていただいたお客様に申し訳ない。明日から修正していきたい。明日はまずプールリカバリー、その後のミーティングでゲームコントロールのところをしっかり話していきたい。また今後の方向性としてランニングだけでなく全ての局面でのスピードを要求していきたい」 ○豊田キャプテン「雨ということで予想どおりキックゲームになったが、陣地を取らなければならないところでハンドリングミスやラインアウトミスをおかしたのが敗因。また相手との差を感じるのはブレイクダウン、強さより向こうの細かい部分での上手さで後手にまわってしまった」