東西学生対抗試合61回目の対戦が秩父宮ラグビー場で行われ、東軍が西軍を圧倒、通算対戦成績を51勝10敗とした。 スカイブルーのジャージーで登場の東軍は前半、FWが優位に立って西軍に圧力をかけ、突破力あるPR畠山、LOカウヘンガ、NO8豊田、CTB今村、WTB山田らが次々にトライを上げた。特にカウヘンガはトップリーグでも通用しそうな強さを見せ、ディフェンスを寄せ付けなかった。一方イエロージャージーをまとった西軍の反撃は、敵陣に攻め込み東軍FWのペナルティが目立ってきた30分過ぎから。ラインアウト後のオープンアタックでCTB平瀬主将がラインブレイク、東軍FB五郎丸の届かない巧みなコース取りでそのままトライ。しかし西軍の得点はこの5点のみ。東軍は前半終了間際にも、HO種本がディフェンスをよく見てパスダミーで抜け出し、カウヘンガの2トライ目に繋げた。 両軍10人ずつを入替えてスタートした後半も東軍が支配。13分にはFL青貫主将の好タックルで得たPKから速攻、SO曽我部のロングパスを受けたFB山下が2トライ目を上げれば、28分には強さを発揮したFL堀江、30分にはハーフウェイから1人で走りきったHO安江の帝京大FWコンビなど、後半から登場の選手も活躍した。西軍は後半から投入の京産大FW陣によるスクラムプッシュなどでこだわりを見せたが、カウヘンガのようなインパクトプレーヤーもおらず、東軍FWを崩すには至らなかった。 東軍の矢富と成田、西軍の金と田中。この日登場した4人のSHはいずれもその実力を披露しファンを喜ばせてくれた。また前半だけの出場だったが、ディフェンスやブレイクダウンでの働きで勝利に貢献したFL竹山が "Man Of The Match"。この竹山を始め、関東学院大と早大の選手達は、来月から始まる日本選手権に向けて再びチームに戻る。(米田太郎) 長崎監督(右)、平瀬キャプテン 東軍 72-5 西軍(1月21日) ◎西軍(イエロー) ○長崎正巳監督(大阪体育大学) 「東軍のチームに絶対に勝ち抜こうと戦ったのですが、本日戦って東軍のパワープレイヤー、スピードプレイヤー、スキルの高い選手が各ポジションに揃っており、西軍チームとしては、まとまって戦おうとしましたが熟成させることができず力が及びませんでした。しかし西軍の選手たちは一生懸命やっていただき、最後に西軍の特長を生かして、スクラムトライは失敗しましたが、西軍のこだわりをもって戦えたと思います。 また、このことを教訓として個々の能力を伸ばし来年以降も東軍と戦えるようにしていきたいと思っております。本日は本当にありがとうございました」 ○平瀬キャプテン 「今日の試合は東軍の一人一人のパワーが予想した以上に強くて、ディフェンスもはずされ止めることができず、特にLOエモシ選手(大東文化大)が強烈で何もやっても止めることができず残念でした。3回生以下も数名の選手がおりますので今日の課題を頭に入れて新チームはがんばってほしいと思います。本日はありがとうございました」 春口監督(左)、青貫キャプテン 最優秀選手の竹山選手 ◎東軍(ブルー) ○春口廣監督(関東学院大学) 「早稲田と関東学院の日本選手権大会を控えていましたので、やりづらい面がありました。また他の選手は多少試合から遠ざかっていましたので選手達の集中力がどの程度いくか、怪我をしないためには、かなり緊張して試合をやらなくてはいけませんでしたが、キャプテンがチームを良くまとめてくれました。また東軍のハーフ団が、かなりリラックスさせるゲームを作ってくれました。今回は、このようなゲーム運びが大切でした」○青貫キャプテン 「今日の勝因は選手一人一人がのびのびとプレイできたことにつきると思います。試合前は西軍の選手のまとまりや一体感に脅威を感じていました。それに臆することなく一人一人が、のびのびとプレイをすることができましたので観客の皆様には満足して頂いたのではと思います。今回、他のチームと一緒にやることで、試合に対する意識の違いを感じました。勝ちに対する意欲など、まだまだ学ぶことが多かったです。本日はありがとうございます」○最優秀選手の竹山選手 「あまり目立っていなかったのではと思いますが、見てくれる人は見て頂いたと思います。ありがとうございました」 ○春口廣監督(関東学院大学) 「立ち上がり、かなり連続で良いタックルをしていたことで、一生懸命さを評価されたのだと思います」