RWC2007アジア地区最終予選 日本代表香港遠征リポート

11月17日(金)

香港遠征5日目。翌日に控えたアジア最終予選(第1戦)香港戦に備え日本代表は、試合前最後の調整を行いました。

ウォーミングアップから集中して行われた ディフェンスの精度も徐々に上がってきた
ウォーミングアップから集中して行われた ディフェンスの精度も徐々に上がってきた

練習前の円陣で大畑キャプテンが、「短い時間集中してやろう。明日の試合も最初の20分で決める。そのためにも今日の練習を最初から集中してやろう」と話し、練習がスタートしました。
ウォーミングアップからディシジョンメーキング、そしてディフェンス・アタックの確認と大畑選手の言葉通り最初から集中した非常に良い雰囲気の中で行われました。
全体練習は、40分程度で終了し、その後FWはラインアウト、BKはムーヴの確認を行い前日の練習を終えました。

いよいよ、明日、ラグビーワールドカップ2007の出場権をかけたアジア地区最終予選がスタートします。日本代表は、この予選を圧倒的な力で制して日本に帰りたいと思っています。日頃より、日本代表を応援していただいている多くのサポーターの皆様が安心する試合をしたいと思いますので、引き続き応援をよろしくお願いします。

1対1のディフェンスは確実に止める JKアドバイザーも厳しい視線で見守る
1対1のディフェンスは確実に止める JKアドバイザーも厳しい視線で見守る


◎太田治GM兼ヘッドコーチ

「前半20分ぐらいで勝負をつけるような戦い方をしたい。具体的なターゲットは設けていないが、前半で勝負を決めたい。特にセットを意識してセットで圧倒していきたい」


◎ジョン・カーワン アドバイザー

「出だしが大事。最初の20分で全力を出し切る。自信を持って最初から強い気持ちで戦うことが大事。香港に入って、環境も変わり、人工芝のグラウンドも慣れないこともあり、ちょっと疲れが出ている。今日の午後、明日の午前中をあけているのは、試合で体が最高になるように、自分で作り上げる時間が必要だからです」

◎大畑大介キャプテン
「前半で勝負を決める。韓国も見ていると思うので、力を見せ付けて"JAPANは強い"という印象を与えたい。ただ勝つだけではだめな試合。はじめから気持ちを入れて100%で臨む。ファーストコンタクトから相手が嫌がること、痛いプレーをしていく。ディフェンスに関しては、精度も上がってきているので完封したい」

◎有賀剛選手(※香港代表との試合で、日本代表初の親子キャップホルダーに)
「気持ちも盛り上がってきた。初のテストマッチなのでいい思い出に残るような試合にしたいと思っています。特に緊張はしていません。いつも通りです。試合では、アタック・ディフェンス共に課題がありますのでクリアしていきたいと思います。また、キッカーも任されていますので思い切って蹴っていきたいです。親子代表に関しては、あまり実感はありません。ただ、同じ土俵には乗れました。僕にとっては、これからが大事なので結果を出していきたいと思います」

セットプレーから仕掛ける キックオフの確認を行う香港戦メンバー
セットプレーから仕掛ける キックオフの確認を行う香港戦メンバー

低く強いモールで押し込む 状況に合わせて判断していく
低く強いモールで押し込む 状況に合わせて判断していく

トライ記録更新を続けるか大畑キャプテン
トライ記録更新を続けるか大畑キャプテン

11月16日(木)

香港遠征4日目は、終日オフ。選手たちは、街の散策に出たり、部屋でゆっくり過ごしたりと、それぞれの過ごし方で体を休めました。中には、ウエイトトレーニングなどで体を動かした選手もいたようです。

夕食後には、有賀選手・正面選手が香港フットボールクラブで実際の試合時間と同じ状態でキック練習を行いました。また、後藤選手は、自分の納得がいくまでパス練習を繰り返していました。

明日の午前中、香港戦へ向けた最後の練習を行い試合に臨みます。

また、本日、香港戦の日本代表メンバーが発表となりました。現時点でのベストの22名です。応援をよろしくお願いいたします。


◎太田治GM兼ヘッドコーチ

「第1戦は、ラグビーワールドカップに向けた大事な試合になる。課題であった1対1でのタックル、簡単なミス、激しく低いラックも徐々に良くなってきた。課題としては、JKの言うゲームセンス(中盤の戦術)ができればと思います。

香港は、No.8、SOにキープレーヤーを配置している。彼らを中心にゲームを組み立ててくるだろう。ただし、スリランカとの試合のVTRを見るとセットプレーで差し込まれている場面も多々あった。セットで優位に立てればゲームをコントロールできると思う」


◎ジョン・カーワン アドバイザー

「先週までの二週間ですべての選手をチェックしました。その中で第1戦のゲームプランに相応しい選手を選びました。今回、選ばれなかった選手には、なぜ出られないかを話しました。

選んだ選手たちは、課題であった低く激しいラック、1対1のディフェンス、ディフェンスの上がりの早さをクリアした選手たちです。私は、ジャパンスタイルを作っていきたい。そのためには、試合毎に成長してほしいと思っています。
香港に関しては、No.8とSOが強く、フィジカルなプレーをしている印象がある。日本代表としては、早くリズムを作ってゲームの前半でゲームを支配したいと思っています」

初キャップとなる有賀選手
初キャップとなる有賀選手

11月15日(水)

香港遠征3日目。本日は、午前中はウエイトトレーニングを行い、午後にグラウンドでのトレーニングとなりました。

香港は、あいにくの雨。気温は21~24度でしたが、湿度が90%を超えるというじめっとした中でのトレーニングとなりました。

雨天のため入念に体を温める ウォーミングアップのひとコマ。このまま体のまわりを一周します
雨天のため入念に体を温める ウォーミングアップのひとコマ。このまま体のまわりを一周します

午後のトレーニングのフォーカスはディフェンス。ウォーミングアップからディフェンスを意識したメニューが組まれ徐々に体を温めていきました。

5対5、5対3の局面を意図的に作り出し、前に出るのか、それとも待つのかという判断を養うドリルや、3つのポイントを6対6でアタックディフェンスを行い局面局面でのディフェンスを確認するドリルを経て、グラウンドを大きく使った13対13のアタックディフェンスに移りました。

カーワン アドバイザーが示すポイントからのディフェンスをチェック。ブレイクされた場面は一旦プレーを止めて入念にチェックするなど問題を解決してから次のステップに進みます。選手たちのディフェンスの意識も非常に高く、世界一早いディフェンスラインの上がりを目指し妥協はありません。

最後に、15対11に分かれてのアタックの確認。ラインアウトやスクラムからのアタックを確認しました。特にゴール前でのラインアウトはミスが起こるたびに何度も繰り返し行われました。カーワン アドバイザーが常々口にする「ラストパス」の重要性を認識し、トライラインまで集中した練習が行われました。

練習後の円陣では、大畑キャプテンが「今日は集中したいい練習ができた。常に高い意識を持って練習に取り組もう」としめて練習を終えました。明日は、完全にオフ。試合に備えて体を休めます。

世界一低いラックへ タックルは激しく・低く
世界一低いラックへ タックルは激しく・低く

内から外へ押し出す 厳しいディフェンスが勝利を呼ぶ
内から外へ押し出す 厳しいディフェンスが勝利を呼ぶ

人数が揃っていれば一気に前に出る ボールキャリアーには必ずサポートする
人数が揃っていれば一気に前に出る ボールキャリアーには必ずサポートする

アタック側の人数が多ければ待つ
アタック側の人数が多ければ待つ

11月14日(火)

前日に香港入りした日本代表は、本日から本格的なトレーニングを開始しました。今日の香港は28℃。グラウンドでは、30℃を超える酷暑のなかでの練習となりました。

午前中は、試合会場となる香港フットボールクラブでの練習となりました。香港フットボールクラブのグラウンドは、3年前に天然芝を人工芝に改装したとのこと。素材は、神戸製鋼コベルコスティーラーズやNECグリーンロケッツなどが使用しているものと同様だそうです。

ウォーミングアップを行う選手たち リラックスした表情で体をほぐす
ウォーミングアップを行う選手たち リラックスした表情で体をほぐす

ビジョンドリルで視野を広げる ラインブレイクする木曽選手
ビジョンドリルで視野を広げる ラインブレイクする木曽選手

日頃、人工芝に慣れていない選手たちは、スパイクも含め感触を確かめながらウォーミングアップなどをこなし練習に入っていきました。ウォーミングアップも移動の疲れや環境の変化に慣れるために、ラダーやグリッド、ビジョンドリルなどでしっかりと行いました。その後は、2チームに分かれてサポートプレーを実施。以前から取り組んでいる、ボールキャリアーに必ず二人のサポートプレーヤーが入り、ボールをリサイクルしていくことを目指したトレーニングです。その他にも、ムーヴを効果的に使いながら相手を崩していくことも目的にしています。時折、ミスも出ていましたが、先週もよりもいい状態になってきています。

最後は、FW・BKとユニットに分かれ、FWはスクラム、BKは3対2、3対3のアタックディフェンスを行い午前の練習を終えました。

仕掛けて抜く 世界に通用するタックル
仕掛けて抜く 世界に通用するタックル

午後は、場所をKing's Parkのグラウンドに移し、練習が行われました。

ウォーミングアップ後、FW・BKに分かれ、FWはラインアウト、BKは3対2から4対4までのアタックディフェンス、ムーヴの確認が行われました。

FWのラインアウトは、AUS首相XV戦、レッズ戦で課題が残った部分です。世界と伍するためにはセットプレーの安定は不可欠。スクラムと共に日本代表の武器にするために細かなチェックが行われました。BKは、アングルやスペースを作り出していくような動きを重点的に確認しました。日本が誇るバック3を有効に生かすために徹底して行われました。

香港戦まで後4日。明日は、午前中にウエイトトレーニングを実施し、午後グラウンドでトレーニングを行います。

細かな確認を行う沢木・吉田・大西の3選手 ラインアウトの安定は不可決
細かな確認を行う沢木・吉田・大西の3選手 ラインアウトの安定は不可決

プレッシャーを与えられたなかでも正確なラインアウトを 日本の大きな武器となりつつあるスクラム
プレッシャーを与えられたなかでも正確なラインアウトを 日本の大きな武器となりつつあるスクラム

11月13日(月)

13日、日本代表チームは、来年のワールドカップの出場権を獲得すべく決戦の地・香港に入りました。

レッズ戦の後、一度解散した日本代表は、成田・関空・中部・福岡からそれぞれ現地入り。皆元気に香港に到着しました。

到着後、すぐに試合会場である香港フットボールクラブのプールにてプールリカバリーを実施し、移動の疲れをとりました。香港では、今も屋外のプールに十分は入れます。リエゾンの方のお話によると昨日までは30度近くあり非常に暑かったそうです。アジア特有のじめっとした空気に包まれた中での初日となりました。

夕食後には、チームミーティングを実施し、レッズ戦を振り返りながら、さらなる成長を誓いました。明日から、本格的な練習が開始されます。

プールリカバリーで体を癒す選手たち ホテルから会場までは徒歩5分の距離
プールリカバリーで体を癒す選手たち ホテルから会場までは徒歩5分の距離

会場となる香港フットボールクラブの入口 会場の香港フットボールクラブのグラウンド。少年サッカーが行われていた
会場となる香港フットボールクラブの入口 会場の香港フットボールクラブのグラウンド。少年サッカーが行われていた

高層ビルが立ち並ぶ香港
高層ビルが立ち並ぶ香港