IRB(国際ラグビーボード)では、世界ランキング10~20位のいわゆるセカンド・ティア国の競技力向上を大きな課題としており、中でも日本(現在IRBランキング20位)に対しては、アジア諸国のリーダーとしての役割を期待、さらに日本がアジアで初のワールドカップ開催の実現に向け、さらなる競技力の向上と組織基盤の整備を図っています。
そのような中で、本年度、IRBがニュージーランドよりトニー・フィルプ氏を日本協会に派遣し、今年5月に来日、(財)日本ラグビーフットボール協会職員として勤務を開始しています。契約期間は2009年4月までの3年間です。

氏はニュージーランドU19代表を経て、NZコルツ、チーフス(Super12)などで選手として活躍、あわせてワイカトU19、U21、ワイカトBチームのテクニカル・アドバイザーなど指導者としても経験があり、直近の2003-2005年はワイカトラグビー協会のラグビーディベロップメントオフィサーの職にありました。
そして着任後この3ヶ月間は、主に代表のゲームの視察、各会議への出席などにより、まず日本ラグビーの現状を実感し把握する活動をしてまいりました。

これに対し日本協会では、フィルプ氏を、ハイパフォーマンス・マネージャーとして、競技力向上委員会所属とし、特に中・長期を見据えた代表チームの強化に資するべく、ユース層の育成強化、さらに医科学部門の活動のオフィサーとして、データの収集、分析、管理などに関わってもらう予定としています。

また、氏の幅広い内外でのネットワークにより海外からの情報収集はもとより、当協会として強化、ユース育成、エリート発掘、コーチングなどの取組みなどの情報を、積極的に海外へ向けて発信していく役割を期待しています。


◎トニー・フィルプ氏のコメント


'I believe that Japan can succeed on the world stage. What I have noticed since I have been here is that Japan rugby has some key ingredients that will allow them to reach their true potential. It has enough players, resources and passion for the game to become successful and I am excited about being part of this and offering my knowledge where appropriate.'

「私は、日本ラグビーが世界の舞台で成功することができると確信しています。

来日してから今までの間に気がついた点は、日本ラグビーは、大きな可能性を秘めており、その可能性を発揮させるための、いくつかの主要な要素を持っているということです。

日本には、競技人口、ラグビーを支える基盤、そしてラグビーをより良くするための情熱があります。

私は、日本ラグビーをさらに向上させていくことに関わり、必要に応じて私の知識を提供できることを大変嬉しく思っています」


[トニー・フィルプ(TONY PHILP)氏 プロフィール]

出身 ニュージーランド・ウェリントン
年齢 1976年4月13日生、30才
所属委員会 競技力向上委員会
担当 ハイパフォーマンス・マネージャー
■選手歴
1995 NZU19代表
1996 NZコルツ
1997-1998 NZ学生代表 キャプテン
1999 ワンガヌイ(NPC)
2001-2003 ワイカト(NPC)
2002-2003 チーフス(Super12)
■コーチ歴
1997 マッセイ大学コルツアシスタント・コーチ
1998-1999 マッセイ大学アイロン・メイデンズ アシスタント・コーチ
1999-2000 ポーリワ・ラグビー・クラブ(Pourewa Rugby Club) コーチ
2000-2001 ワイカトラグビー協会 ディベロップメントオフィサー
2003-2005 ワイカトU19、U21、ワイカトBチーム テクニカル・アドバイザー
ワイカト・リソーススタッフ・コーチ(コーチトレーナー)
■職歴
1998 マッセイ大学卒業(マネージメント/スポーツマネージメント・コーチング)
1999-2000 スポーツ・ワンガヌイ/地区コーディネーター
2000-2002 ワイカトラグビー協会/ディベロップメント・オフィサー
2001-2003 チーフス(Super14)及びワイカト(NPC)/プロ選手
2003-2005 ワイカトラグビー協会/ラグビーディベロップメントオフィサー