IRBパシフィック・ファイブ・ネーションズ
ニュージーランド遠征
リポート‥‥2

6月16日(金)

本日、日本代表は明日のサモア戦に向けた最後の練習を行いました。
今日のニュープリマスは、この地方では良くあるという、強い雨が降ったかと思うと急に晴れ間が覗いたりの天気でした。幸い、我々の練習時間中は、強い雨は降りませんでしたが、早朝~練習前と練習後は雨足の強い横殴りの雨が降っていました。

練習前にミーティングを行うメンバー   スタジアム内ウォーミングアップルームで体を温める
練習前にミーティングを行うメンバー スタジアム内ウォーミングアップルームで体を温める

SO安藤選手が攻撃を組み立てる   スクラムからは素早くパスアウト
SO安藤選手が攻撃を組み立てる スクラムからは素早くパスアウト

今日の練習は、試合出場メンバーを中心としたチームランとなりました。まずは、自陣ゴール前から敵陣ゴール前までのアタックを確認しました。自陣ではしっかりと地域を取るキックを使いながら前進を図ります。敵陣に入れば、日本代表の強みであるBK3のスピードを生かしたアタックに切り替え、伊藤・安藤のHB団を中心に、深いラインを取った吉田・守屋のCTB陣から繰り出されるパスを爆発力あるオト・今村・三宅のBK3で仕留めます。
もちろん、FWも久富・松原・山村が最前列で体を張り続け、大野・佐藤の両LOは骨惜しみせず痛いプレーを率先して行い、確保したボールを菊谷・マキリ・木曽の第3列が、果てぬことなき運動量でグラウンドを走りまくりボールをリサイクルし続けます。

セットプレーは100%に   ディフェンスはしっかり上がりプレッシャーをかける
セットプレーは100%に ディフェンスはしっかり上がりプレッシャーをかける

ラインは深く取り勝負する   一糸乱れぬディフェンスが攻撃の芽を摘む
ラインは深く取り勝負する 一糸乱れぬディフェンスが攻撃の芽を摘む

続いて行われたディフェンスの練習では、地域に関わらず時間とスペースを埋めるためにしっかりと前に出ることを確認しました。選手の意識も非常に高く、ディフェンスのキーとなる選手から一糸乱れぬディフェンスラインを構築し、相手のディフェンスに向けてプレッシャーをかけ続けることに重きをおいて確認しました。ディフェンスのコミュニケーションも良くとれ、激しいディフェンスを期待させる練習となりました。

チームランの後は、FWはラインアウトの確認をして最後の練習を終えました。
練習後は、明日の試合会場となるYarrow Stadiumの芝生の感触を確かめて前日練習を終えました。

チームは夕食前にメンバーのみでミーティングを実施。サモア戦に向けて最終確認をしました。試合に臨むにあたり、チームのキーワードは"プレッシャー"。ここでいうプレッシャーは決してネガティブワードではなく、アタック時には精度の高いプレーをすることで相手にプレッシャーを与える、ディフェンス時には時間とスペースを埋めるためにプレッシャーを与えるなど、プレッシャーを与え続ける、そして相手のプレッシャーに立ち向かうということです。全員がこのプレッシャーというキーワードを心に刻み明日の試合に備えました。
明日のサモア戦はこの遠征に来ているすべてのプレーヤーが、一つになって戦います。出場するメンバーは自分の責任を全うしチームの勝利を目指します。
サポーターの皆さんの応援よろしくお願いいたします。

ラグビバにて明日の出場前メンバーのメッセージを掲載しています。

自陣からはキックを有効に使い敵陣へ   試合会場のYarrow Stadium。芝生の感触を確かめる
自陣からはキックを有効に使い敵陣へ 試合会場のYarrow Stadium。芝生の感触を確かめる

6月15日(木)

ニュージーランドに入って2日目。試合会場であるYarrow Stadiumのサブグラウンドで午前・午後と練習を行いました。

NZは初冬のためウォーミングアップでしっかりと体を温める   上空には虹が
NZは初冬のためウォーミングアップでしっかりと体を温める 上空には虹が

出発前にはチームミーティングが行われ、イタリア戦のレビューとこのシリーズに向けた意思統一を図りました。エリサルドヘッドコーチが繰り返し口にすることは、"プレッシャー"。「すべての局面におけるプレッシャーは、アジア予選とグルジア戦以降の試合では、大きく異なり、さらに、これがワールドカップになるとより一層厳しいプレッシャーになる。一人一人がこのプレッシャーに打ち勝ち、その中でどれだけ精度の高いプレーができるかが重要。中でも日本の選手は一対一の場面で非常にネガティブであるので、一対一の場面でも自信を持って取り組んでほしい。そのための実力は備えている」

前に出て仕留める   ボールキャリアーにはしっかりサポート
前に出て仕留める ボールキャリアーにはしっかりサポート

練習でのフォーカスも"プレッシャー"。午前の練習では、ユニット別の8対6から14対12のゲームデザインを実施。ユニット別に分かれた8対6では、FWは密集周辺のディフェンスを中心に、はじめの一歩で前に出ることに注力して行われました。ポイントができた時点でしっかりとディフェンスの準備を整え、自分のゾーンの相手選手をノミネートし、ライン全体を押し上げるトレーニングが行われました。回数を重ねるごとに激しさを増し、アタック・ディフェンス共にプレッシャーをかけ続けた非常に良い練習となりました。

BKは、コードプレーやキックパスを使いながらディフェンスを崩そうとするアタックを、FWによって押し上げられたディフェンスラインをさらに前に出してスペースを消していくディフェンスを繰り返し実施しました。

午前の練習は、すべて局面での1対1を想定したトレーニングを行いました。

昼食後もFW・BKそれぞれコーチを中心にミーティングが行われるなど少ない時間を最大限に使い、課題を克服するために集中して取り組んでいます。

午後は、14対13のゲームデザインからFW・BKユニットに分かれました。

人数が増えてもグラウンドが広くなってもすることは同じ。アタックは、ラインを深く取り、SO中心に仕掛けていくこと。ディフェンスは、前に出ること。一対一の局面でもしっかりとファイトすることが指示されました。

この練習終了後、土曜日のサモア戦のメンバーが選手たちに伝えられました。

その後、ユニットに分かれ、FWはスクラム。BKはコードプレー・キックドリルを実施しました。スクラムは、今まで取り組んできた以上に、コンパクトにセットし、低く当たることを意識して行われました。HOを中心に少しでもJAPANが優位に組むことができるようしっかりと組み込みました。ライブスクラムからマシーンに移りフッキングの確認とラインアウトを合わせて終了しました。

BKは、これまでのコードプレーを一通り確認。ラインの深さ、ポジショニング、コース取りを再確認しました。この遠征から参加している三宅選手も積極的にラインに顔を出したり、最後尾から声を出してチームを盛り上げるなど、コミュニケーションに不安はありません。

16日、Yarrow Stadiumにて最後の練習を行い、試合に備えます。17日のサモア代表戦、この選ばれた22名の選手たちが低く突き刺さるタックルで相手の攻撃リズムを狂わし、決定力あるモールやBK3のランで勝機を見出したいと思います。

日本から遠いNZでの試合となりますが、皆様の応援よろしくお願いいたします。


◎大野均キャプテン

「ここに来たくても来れなかった大畑選手や浅野選手たちのためにも、ニュージーランドでいい結果を残して帰りたいと思います」

PR山本選手も力強いプレーでチームを盛り上げています   BKラインは深い位置から走り込む
PR山本選手も力強いプレーでチームを盛り上げています BKラインは深い位置から走り込む

フッキングのチャンネルを確認するFW   回を重ねるごとに精度が増したスクラム
フッキングのチャンネルを確認するFW 回を重ねるごとに精度が増したスクラム

6月14日(水)

13日、日本を発った日本代表は、丸一日の移動時間をかけて、今週末にサモア戦を迎えるニュージーランド・ニュープリマスに到着しました。選手たちは移動の疲れを見せながらも、早速、ホテル近くのスペースを利用して軽く体を動かしました。

夕食後、フロントローがミーティングを行うなど、次戦のサモア戦に向けた準備に取りかかりました。明日から現地での練習がスタートします。

厳しい試合が続きますが、ファンの皆さんの応援が力となります。引き続きご声援の程よろしくお願いいたします。

オークランドからは、50人乗りのプロペラ機で移動
オークランドからは、50人乗りのプロペラ機で移動

ニュープリマスに到着
ニュープリマスに到着