●4月4日(火)
フランス合宿5日目。午後にコニャック選抜との試合を控えているため、午前中の練習は試合出場メンバーがチームラン、メンバー外がウェイトトレーニングに分かれて行われました。試合に出場しないメンバーは午後フリーとなり、休養にあてました。
試合出場メンバーは、11時15分に昼食を取り12時10分試合会場であるコニャック地方に向かいました。時間にして3時間強かかるため、1時間おきに停車し、ストレッチなど体が固くならないよう解しておきます。午後4時前、コニャックに到着。サントリーが所有する「Louis Royer」の工場でプレマッチミールを取りました。少々時間があったので川沿いを散歩したり、1800年代のコニャックが貯蔵されている工場を見学したりとリラックスした時間を過ごしました。
その後、15分ほどバスに揺られスタジアムに到着。試合開始までの準備に入りました。各自でテーピングを済ませ、ウォーミングアップに備えます。ウォーミングアップでは、太田コーチのメニューにより徐々に体を上げていきます。
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試合前には国歌も演奏された |
試合開始10分前、ロッカールームに戻りジャージを纏います。エリサルド ヘッドコーチから「感情を高めて、ファイトしてください。一人ではなくて全員でやりましょう。チームとして機能してください」との言葉が。続いて円陣が組まれ、伊藤護ゲームキャプテンから「ファーストタックル、ファーストコンタクトからしっかり前へ出よう。勝ちに行こう」との声を合図に気持ちを高めてロッカールームを後にしました。今回の試合前には、両国国歌も演奏され、練習マッチながら試合の雰囲気を引き締めます。
そして前半キックオフ、風下に位置した日本代表はキックミスもありなかなか前に出ることができません。接点でも相手に上回られ開始7分に先制トライを許します。その後、一進一退の攻防が続きますが、なかなか修正できず25分にもトライラインを割られてしまいます。終了間際40分には、タッチミスからドロップゴールを許し0-17で前半を終えました。
ハーフタイム、エリサルド ヘッドコーチから「接点で受けている、もっとファイトしろ。気持ちを込めろ」と激しい激が飛びます。
気持ちを入れ替えて迎えた後半、キックオフ直後の2分、相手14番に走られトライを献上してしまいます。その後、風上の優位性を生かしキックで前進し着実に陣地を稼いでいきます。7分、日本代表にチャンスが訪れます。ゴール前ラインアウトからモールを一気に押し込みHO山岡がトライをあげ反撃ののろしを上げます。続く、13分にもラインアウトモールからFLマキリがトライをあげて10-24とします。課題だった接点でも受けることなく激しくファイトし、ディフェンスも下がることなく前に出続けました。19分に相手にPGを決められリードを広げられましたが、日本代表はHB団を入れ替えます。SH伊藤にかわり矢富、SO曽我部から大西へとチェンジ。2人の投入で流れを引き戻し、連続展開からゴール前に進みSH矢富が相手のスペースに上手く飛び込みトライを上げ17-27。一気に攻め込みたい日本代表でしたが、30分にPG。そして、37分一瞬の隙を相手WTBにつかれ突き放されて17-35のスコアでノーサイドとなりました。
前半の課題を後半にうまく修正できた試合でしたが、今後世界と戦っていく上でテクニック・スキル以前にある"気持ち"の部分の重要性を再認識させられた試合でした。この経験を必ず次戦以降に生かしていきます。
明日は、ダクスにてバスク選抜との試合が行われます。
◎エリサルド ヘッドコーチ
「我々はここにチームを作りに来ている。追い風の試合もあるし向かい風の試合もある。今日は非常に勉強になった試合である。ただ、もっともっとファイトしなければだめ」
◎大西将太郎選手
「厳しいいい方をすれば、若い選手たちに代表としてのプライドがない。今日は試合の入り方は温かった。気持ちの部分をヘッドコーチからハーフタイムにいわれたらダメ。代表として一つのクラブチームに負けたことは本当に恥ずかしいし悔しい。僕の役割は、今日の反省を明日の試合でしっかりと伝えること。最初から飛ばしていきたい。いい経験になったと思う」
◎熊谷皇紀選手
「日の丸と桜を背負ってこの結果は本当に情けない。日本代表としての自覚、日本を背負っているという自覚を全員が持たないといけない。本当に悔しいです」
◎三宅敬選手
「まず、この試合に敗れたことは、反省しなければならないし情けない。最初のトライは僕の所のミス。個人的にはプレーは修正できたがゲームの流れまでもってこれなかった。チームとしてのスキルはやっていないので、気持ちの部分だけは常に100%を保たなければならない」
◎矢富勇毅選手
「自分の課題が浮き彫りになった試合。球捌きの部分でいいボールが供給できずリズムを作れなかった」
◎笠井建志選手
「国の代表として一クラブチームに負けたことは恥ずかしいこと。やればできることを最初からやってない。選手全員がここに代表として来ているという自覚を持たなければならない」
◎相馬朋和選手
「何も無い。国を代表するチームとして言い訳ができない、情けない結果でした」
◎木曽一選手
「不完全燃焼。心・気持ちの部分はラグビーをやる以前の問題。たくさんの事を考えて、大切な基本を忘れていた自分が腹立たしい」
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コールの違いに戸惑った前半のスクラム |
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接点で受けてしまった前半 |
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ラインアウトは試合を通して安定していた |
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試合を見守るエリサルド ヘッドコーチ |
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ハーフタイム、気合を入れ直す選手たち |
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大きなパスで好機を作ったSO曽我部 |
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ゴール前でのスクラム |
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試合後、伊藤護ゲームキャプテンに記念品が贈られた |