2006年の活動予定を発表、スコッドには56人を選出
日本ラグビーフットボール協会は7日、東京・青山の同協会において2006年7月までの日本代表の活動予定と、日本代表スコッド56人(FW/BK)を発表しました。また代表チームのサポーター背番号「23」の決定と、代表情報を発信する太田ジェネラルマネージャーの公式ブログの開設も発表。ジャン-ピエール・エリサルド ヘッドコーチも出席した記者会見の模様をお知らせします。
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エリサルド ヘッドコーチと太田ジェネラルマネージャー |
◎太田治ジェネラルマネージャー
「いよいよ本格的に日本代表のシーズンがスタートします。今年のターゲットは、何といっても11月にスリランカで行われるアジア地区の最終予選を勝ち抜いて、ワールドカップの出場権を獲得することです。目標に向かいチーム一丸となって戦っていきたいと思います。
今回のスコッドの選考にあたっては、私を含めスタッフがトップリーグと日本選手権、そして大学選手権、すべての試合をみてきました。そして我々がめざす『アダプタビリテ(適応力)』を体現できるであろう選手たちを選考したつもりです。今後、若干の追加や入れ替えがあるかもしれません。
(前年より約1カ月早い)この時期に発表した一番の理由は、モチベーションの維持です。すでにシーズンの終わった選手もいますが、3月末に予定しているフランス合宿にはベストの状態で集まってもらいたいと思います。選ばれた56名は、ワールドカップのための代表スコッドの一員、という自覚をもってトレーニングに励んでいただきたい。フランス合宿に帯同するメンバー32名は、日本選手権決勝の翌日(2/27)に発表する予定です。
ワールドカップまで、あと17カ月。今回選出された選手は、2007年に向けた3つの柱である
- 『ワールドカップ予選プールで2勝』
- 『世界ランキング10位以内』、そして
- 『JAPANサポーター10万人』
という目標の達成ため、しっかり準備をしてほしいと思います。
今後とも情報交換もふくめ、トップリーグと一緒に日本代表の強化を進めていきます。引き続き、日本代表にあたたかいご支援をよろしくお願いします」
日本代表スコッドについて
◎ジャン-ピエール・エリサルド ヘッドコーチ
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エリサルド ヘッドコーチ
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「今回のスコッドは56名です。塚越選手と立川選手(ともに、東芝府中ブレイブルーパス)は、ケガが回復したらメンバーに入れる予定です。さらに数名加わる可能性もありますが、この約60名のメンバーで、次のワールドカップ出場をめざします。
今回のセレクションは、1年間、代表アドバイザーとして実際に試合をみたり、試合にいけない場合も何度もDVDの録画をみたりして、熟考した結果です。私のプレイのイメージに合うか、そして潜在能力の高さが感じられるかどうか、が選考基準になりました。
私のラグビーに対するイメージの説明は難しいのですが、私自身が代表選手だったことや、コーチとしての経験によるものです。
たとえば、スクラムで右側に位置する5番や7番には体重のある選手を、そしてセンターにはフィジカルが強く、パスやキックができる選手を選びました。
フランス合宿では3つの練習試合を予定しています。そこで、各選手がトップリーグと同じようなパフォーマンスができるかを試したいと思います」
2006年度のスケジュールについて
◎太田治ジェネラルマネージャー
「まず当初予定していたセレクションマッチは、トップリーグや大学選手権などの試合をみて、各選手とも高いパフォーマンスができると判断して、またリスクも伴うことも考え、行わないことにしました。
2月、3月はコンディショニング作りの講習会を予定しています。例年どおり3月はメディカルチェックを3日間行い、またストレングス(筋力強化)の講習会も実施します。現在、詳しいスケジュールは調整中です。
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太田治ジェネラルマネージャー
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3月30日からは、フランス合宿を行います。スペインとの国境に近いダックスという街で、地域選抜レベルとの練習試合を3つ予定しています。
5月は予定していたポルトガル戦が、先方の都合で中止となったため、世界ランクが日本のひとつ下である19位のグルジアと戦うことになりました。グルジアとは、フランス合宿に参加しない選手たちによるA代表の試合も予定しており、パフォーマンスのチェックを行い、結果によっては代表との選手の入れ替えも考えたいと思っています。
その後、6月からはIRBのパシフィック・ファイブ・ネーションズもはじまり、5週連続で試合を行います。これまでにないタフなシーズンになります。会場等は、決まり次第発表します。
なお5月14日のグルジア代表戦と、6月11日のイタリア代表戦は、日本代表オフィシャルスポンサーである(株)大正製薬様のスポンサーにより『リポビタンDチャレンジ2006』として開催することが決定しました」
今シーズンのファンサービスについて
◎太田治ジェネラルマネージャー
「日本代表は、サポーターに夢や感動を与えることも大きな使命だと考えています。そして『JAPANサポーターを10万人に』という目標を掲げ、ファンサービスの拡大に努めていきます。
その一環として、今回『23番』を代表サポーターナンバーに決めました。このジャージやTシャツを多くのサポーターの皆様に着ていただき、スタジアムを赤く染め、サポーターの皆さんと一緒にワールドカップに向けて、共に戦っていきたいと思います。今後、日本代表のシンボルとして『23番』が多くのサポーターに認知され、支持されていくことを願っています。
またサポーターとのコミュニケーション、情報発信のツールとして2月7日から、私のブログが始まります。毎日更新するつもりです。気合いを入れ、がんばっていきますので、よろしくお願いします」
記者からの質問に答えて
――もう試合がない選手は、今後の選考に不利では。
◎エリサルド ヘッドコーチ
「各選手には3月までのトレーニングや講習会で個々に課題を課します。その達成の状態をみて、判断・評価できると思います」
――キャプテン(チームリーダー)は決めないのか。
◎エリサルド ヘッドコーチ
「プレイを決めるスクラムハーフがキャプテンだと、考えています。リーダーは私です。私の考えをみんなに伝えるのがスクラムハーフの役目であり、今回選んだ4名のスクラムハーフには全幅の信頼をおいています」
――フランス合宿での練習試合で期待するものは。
◎エリサルド ヘッドコーチ
「戦う姿勢は、トップリーグと同じでいいと思います。ファイティングスピリッツや1対1の強さ、速さなどは日本の良い点です。地区選抜レベルの相手とは、トップリーグと同じようなパフォーマンスができれば、十分に戦えると思います。
ただしスクラムの組み方や、グラウンドの地域をとるのに有効な手段であるキックの使い方などには課題があります。これらは世界のスタンダードに戻す方向で、修正が可能だと思います」
――6月からの5週連続のテストマッチの意義は。
◎エリサルド ヘッドコーチ
「ランキングは、すべて相手が上です。毎回違う相手と戦うわけですから、非常に難しい試合になるのは間違いありません。相手に応じた戦い方も必要になります。しかしワールドカップの予選に向け、日本の選手たちに、そうした経験を与えることは、とても重要だと思います」
――今後のヘッドコーチの滞在予定は。
◎太田治ジェネラルマネージャー
「まず、2月いっぱいは日本にいます。その後は未定です」
◎エリサルド ヘッドコーチ
「かなりの確率で日本にいますから、皆さんに何度も会えると思います(笑)」