下記にご案内したとおり、緑生園ラグビーチームはニュージーランド遠征を行い、歴史的勝利を挙げました。

・NZ遠征第1戦(8/13)
緑生園 12-17 SAK(サウスオークランドキウイーズ)

・NZ遠征第2戦(8/14)
緑生園 29-17 SAK(サウスオークランドキウイーズ)

(2005.8.15)

日本で唯一の知的障害者ラグビーチームを持つ、岩手県盛岡市の知的障害者更正施設「緑生園」が、8月11日より、2回目のニュージーランド遠征を行います。

■遠征期間
平成17年8月11日(木)~15日(月)
■遠征場所
ニュージーランド・オークランド
■スケジュール

8月11日(木)
午後
成田発
8月12日(金)
午後
ニュージーランド、オークランド着
到着後、地元の学校による歓迎式典→ポンソンビークラブ訪問→ウェルカムパーティー
8月13日(土)
ぜんかいビアーズ vs タマキクラブ
緑生園 vs South Auckland Kiwis
試合終了後、州代表試合観戦

8月14日(日)
緑生園 vs South Auckland Kiwis
緑生園+South Auckland Kiwis vs ぜんかいビアーズ
試合終了後、さよならパーティー

8月15日(月)
午後
オークランドから日本へ帰国
■緑生園園長 畠山文裕より緑生園についてと今回の遠征について

知的障害者更正施設(入所)である緑生園は、昭和41年5月10日の開設以来、知的障害をもつ人たちの就労と社会生活、いわゆる社会自立の道づくりを歩んでおります。平成16年度末現在、当園を退所し、一般企業への就職を中心に、就労、そして社会生活に踏み出した人たちは366人に達しております。

その原動力の一つとして存在し、大きく成長していったのが、ラグビーです。就職は、知的障害者だから、との特別扱いはなく、賃金に見合う仕事をこなさねばならず、その基礎的能力を身に付けねばならないのです。それは、まず体力をもち、飽きずに我慢しながら集中力を失わずに作業に打ち込まねばならない。また、障害者の方の弱さでもある人間関係の体験の積み重ねで嫌な辛い体験に崩れない気持ちを維持、反対に積極的な友達づくり、協調心を培う、助け合いの精神を養うことなどが、身に付けて覚える理解する「体解」にまで持っていかねばならないのです。

この役割を担ってくれているのが「ラグビー」です。ラグビーの粘り強い指導を基に、加えてラグビーを仲立ちとする一般社会人の色々なチームとの交流、親交などによって、社会自立への道をしっかりと歩み続けてもらうのです。

緑生園OBクラブチームは、平成8年6月に結成いたしました。毎週日曜日に集まり、練習、交流試合のほか、色々なレクリエーションも企画しています。結成の動機は、働く社会人となった卒園生たちの社会生活支援です。まだ若い人たちなので、その人たちの支援に当園独自に立ち上がったのですが、そこでも手を貸してくれたのが、ラグビーでした。

さて、今回のNZ遠征ですが、目的はラグビーの国際交流試合です。試合なので、勝敗にこだわることも自然ですし、緑生園側にしては、過去4戦全敗ですので、1勝する念願があります。この念願の裏に、2002年冬からの緑生園ラグビーの指導面での立て直しがあります。なぜ、勝てないのか。この問いと、答えを見出す挑戦です。これが今回の試合の内面と考えています。

また、知的障害をもつ人たちの社会自立は、当園に限らず、全国、全世界の仲間の願いでもあり、希望です。ラグビーを通して、ラグビーの力を取り入れてその願いを実現していきたいです。その輪を広げていくのは、当園の役割と認識しており、このNZ遠征による園生たち、働くOBたちの国際親交、交流そして国際参加は、その基盤づくりになります。