日本代表の萩本光威監督(左)、箕内拓郎キャプテン ◎日本代表 ○萩本光威監督 「目標の二連覇を達成できず、本当に残念としかいいようがありません。ですが、後退する敗戦とは思っていません。ランキングが上のチームに、これだけ体をはって、ふつうならたたみかけられて点差が開くところを耐えてくれました。この戦いは選手の経験値を上げましたし、課題も出ました。次はアイルランドという本当の強豪と戦いますが、整理するところは整理し、勝つ気でチャレンジしていきたい。選手もぼく自身も期待しています」 ○箕内拓郎キャプテン 「たくさんのサポーターの方が応援しに来てくれたなかで、勝つことができずとても残念です。最後の最後でトライがとれましたが、できればもっと早い段階でトライをとり、もっと競った勝負をしたかった」 ――課題が出た、とは。 ○萩本監督 「グラウンドいっぱいに、うまくポジショニングはできているんですが、そのあいたスペースに走り込む、突く動きがたりなかった。それから相手がキックを警戒して後ろに下がっているところを、それを動かして相手を上げてからキックを蹴ろうというプランがあったのですが、相手を動かしきれなかった。攻め方、キックの使い方にちぐはぐなところがあったということです」 ――五郎丸選手に対する評価は。 ○萩本監督 「よくやってくれたと思います。ただ若さゆえか、ボールを離すべきところで離せなかったり、ポジショニングもまだまだ成長の余地がある。いい経験になったと思います」 ――ラックからの球出しがうまくいかなかったのでは。 ○箕内キャプテン 「もちろん、ボールキャリアのスキルが球を出すための第一の条件になると思いますが、グラウンドいっぱいを使うものですから、ひとりひとりの間隔が広くなり、サポートが遅れてしまう場面が何度がありました」 ○萩本監督 「去年はとにかくポイントに集まるということを強調していました。しかし今年はボールキャリアのスキル、サポートのつめの早さ、そういったことは個々でできる、いわば自己責任という前提でいかないと、発展がないと考えています。攻撃をどの地点に絞り込むか、ということで(球出しの問題点は)カバーできると思います。 たとえば、きょうは比較的ワイドにふれていたと思います。すると中央のスペースがあいていくる。そこを突く、そのことによってフォワードが走る距離が少なくなったり、一線でなく二線でラインを組んで、あいたところに人をうまく配置していくことで、サポートの間をつめ、ボールキャリアのボディコントロールを助けるという狙いです。むやみに外に仕掛けるということではないということです」 ――カナダの戦い方は予想通りでしたか。 ○箕内キャプテン 「やってくることは予想通りでしたが、接点での強さ、しつこさという部分では、去年よりも一枚も二枚も、レベルが上がっている感じがしました。ルーマニアよりもしつこさはありました」 カナダ代表のリック・スギット ヘッドコーチ(左)、マーク・ローソン キャプテン ◎カナダ代表 ○リック・スギット ヘッドコーチ 「まったくスタイルの異なるチーム同士の試合でしたね。我々はモールを中心にゲームを進めようとし、日本はキックを効果的に使い、左右に大きく展開する戦法でしたが、我々が勝利をものにすることができました」 ○マーク・ローソン キャプテン 「肉体的にタフなゲームでした。日本が大きく展開してきたところを、我々15人がなんとか止めることができたのが勝因ですが、日本はとてもとてもタフに戦いました」 ――前半の段階で、プロップふたりを入れ替えたのは。 ○スギット ヘッドコーチ 「ルーマニアと日本の試合をみて、日本のフロントローが強いと感じました。始めは若手のフロントを出し、経験のある選手を後で投入するというプランでした」 ――日本のプレーで嫌だったところは。 ○スギット ヘッドコーチ 「日本のバックスはスピードがあり、フィットしていた。特に後半、ボールを大きく展開されましたが、もっと日本がボールを獲得していたら止めにくかったと思う。相手のミスに助けられました。 私たちが気をつけたのは、局面を一瞬に変えてしまうような大畑選手、キック力のある森田選手、若いフルバックの五郎丸選手です」