法政大学 21-24 関東学院大学

法政大学の山本寛監督(左)、大隈隆明キャプテン
法政大学の山本寛監督(左)、大隈隆明キャプテン

◎法政大学
○山本寛監督

「何が何でも、今回勝たなくては前回リーグ戦で勝った意味がなくなってしまうとの思いで臨みました。試合は3点差まで追い込むことができたが、一度もリードできずにノーサイドを迎えてしまい、非常に厳しいゲームだったと思います。大隈、穂坂たち4年生が精一杯ここまで引っ張ってくれて、結果を残してくれましたが、越えられない相手がいました。ラインアウトを関東さんは良く研究しており、こちらの精度がなかったことと、ラック周辺の攻防で遅れをとったことで劣勢に立たされてしまいました。(シンビンで相手が14名になった際は)10分間にペナルティから3点を取れる場面もありましたが、前回の対戦での教訓から、大隈以下リーダーが5点、7点を取ろうと選択したことですし、チームの方向性は間違っていなかったと思います。むしろ、他のトライが取れる場面で取りきれなかったのが、アタックに関してまだ出来上がっていない部分でした」

○大隈隆明キャプテン
「今日の試合はリーグ戦でうちがやったことを関東さんにそのままやられたという感じです。油断はありませんでしたが、関東さんの気持ちが僕らを上回っていた結果だと思います」

関東学院大学の春口廣監督(左)、有賀剛ゲームキャプテン
関東学院大学の春口廣監督(左)、有賀剛ゲームキャプテン

◎関東学院大学
○春口廣監督

「何よりも決勝に残れてよかったです。ほっとしています。(何が良かったかと尋ねられて)気持ちでしょう。二度と負けるわけにいかないぞという。シンビンで14名で相手の攻撃を凌ぎきったときは『ここでトライを取られなくて良かったな』という思いでした。学生たちを誉めてあげたいですね。
彼らの春からの頑張りがありましたが、やってきたことへの不安が出てしまったのが前回のリーグ戦での法政戦の負けです。毎日の練習で地道に積み重ねてきたことが大事で、それが今日の勝利につながったのであり、必ずしも新しいチームになったわけではありません。FWもここに来てやっとまとまってきました。このチームがそのまま来年につながってくるので、来年も良いチームになるでしょう。後半の最初のノーホイッスルトライは去年の法政戦前半と同じで、集中力も本当に誉めてあげたいですね。今シーズンは僕がまとめきれなかったけれども、有賀には本当に苦しい思いをさせ、皆のまとまりが出てきたからこその勝利です。後は早稲田にどのくらいやれるか(笑)。若いチームですから楽しみです」

○有賀剛ゲームキャプテン
「ほっとしています(監督とまったく同じ答えに記者席から笑いがこぼれる)。正直、嬉しいです。シンビンで14名のときは皆が藤井の抜けたところをカバーしたから守れたと思います。リーグ戦で勝っても負けても、ここで再戦することは分かっていましたので、リベンジしようと言って練習してきました。ただ、先週の帝京戦が一つのヤマで、それに備えてきたという印象のほうが強いですね。(ここまで強くなったのは?という質問に)僕はFWがよくなったという印象があります。FWの頑張りが大きいです。僕はラグビーは100%気力だと思っているので、今日は気力で法政さんを上回ったから勝てたのだと思います。あと1試合残っているので、今日勝ったことは置いて、頭の切り替えをして臨みます。決勝を戦えることに幸せを感じています。帝京、法政の分まで頑張ります」


同志社大学 17-45 早稲田大学

同志社大学の中尾晃監督(左)、仙波智裕キャプテン
同志社大学の中尾晃監督(左)、仙波智裕キャプテン

◎同志社大学
○中尾晃監督

「セットプレー、特にラインアウトの精度が悪く、スクラムも受けてしまいました。それが今日のゲームのすべてです。ラインアウトで、もう少しディフェンスのプレッシャーをかけて前で倒そうとしましたが、やはり圧力を受けてしまいました。昨年は、まず国立へ来ること、そして今年は国立で早稲田に勝つことを意識してきました。早稲田さんはノータッチでライン際に落としてチェイスをかけてくるので、もう少しセットとキック力含めてしっかりしたものを作り上げてきたいと思います。ただ、接点に関しては昨年より十分に通用することが分かりました。ベスト4の中で早稲田さんと関東さんがもう一つ上のレベルで、結果として4年連続の決勝戦になったということでしょう。早く2強を崩して最終的にベスト2に残ることが大学ラグビーのレベルアップにつながると思います」

○仙波智裕キャプテン
「試合前から接点が早稲田の強みであり、ボール争奪戦で絶対に受けないことを目指してやってきました。その部分でなかなか80分間、自分たちの思うような球出しができず、特にこの1年やってきたことが出せなかったのが残念です。去年は前半に受けに回って後半はキックオフから追い上げることができたので、今年はゴール前以外は繋いでいこうとしました。しかし、早稲田さんの倒れてから起き上がるまでの速さ、ディフェンスをそろえる速さは今まで戦ってきたチームとは違いました。攻めてもなかなかオーバーラップできず、意図したことができませんでした。本気で崩すためにやってきたことが通用しなかったので、頭の中は整理できていませんが、圧倒的な差は感じませんでした。強いなあというイメージは湧いてくるのですが絶対届かないというところではありません。自分たちが絶対優勝しようと思ってやってきたことを後輩たちがきっと継いでくれると思います」

早稲田大学の清宮克幸監督、諸岡省吾キャプテン
早稲田大学の清宮克幸監督(左)、諸岡省吾キャプテン

◎早稲田大学
○清宮克幸監督

「我々の強みであるFWを前に出すことを目指し、特にスクラムを支配できました。選手一人一人の力では同志社は何人も早稲田より強い選手がいると思いますが、唯一の差は、スクラムでした。ラグビーはスクラムだとつくづく思いました。良いバックスを持つチームに対してセットプレーで上手くボールを出させないという機能を果たしてくれました。2回戦で課題であったゲームコントロールも9番、10番のところで充分やってくれました。ゲームをつくるのは10番だけじゃないと、そこのところを練習してきました。
関東さんはここに来て2試合、ベストゲームを続けています。あなどれない、さすがだなと思います。待っていた相手なので、いわゆる「舞台が整った」と感じています。この2強はサポート、スタッフ、施設を含めて安定していて、高校生もこの2校に進みたいと目標になっています。うちは相手のタイプに合わせて戦い方を変えられるチームです。相手に勝つだろうというところを前面に出して戦います。それがFWなのかBKなのかは決勝戦のお楽しみというところですね(笑)」

○諸岡省吾キャプテン
「去年は追い上げられて無様な悔しい思いをさせられ、今日は借りを返すつもりで臨みました。特にFWは相手バックスがどんなに良くても負けないぞという気持ちでした。同志社さんをFWで崩していこうという意図どおりできました。スクラムはもう少しプレッシャーをかけたかったのですが。今日の関東さんの試合はまったく観ていないので、帰ってビデオを見て研究します。関東さんは良いチームを作って決勝に残るだろうと思っていたので、清宮さんがおっしゃったように「舞台は整った」と感じています。後はやるだけです」