アジア理事会のひとコマ(右から2人目がジェイミー・スコットアジアラグビー協会事務局長)
アジア理事会のひとコマ(右から2人目がジェイミー・スコットアジアラグビー協会事務局長)

理事会終了後、カザフスタンとマレーシアの間で「アジア3か国対抗」第3グループの試合が行われた
理事会終了後、カザフスタンとマレーシアの間で「アジア3か国対抗」第3グループの試合が行われた

5月15日から16日にかけて、カザフスタン共和国アルマティにて第36回アジア・ラグビー協会(Asian Rugby Football Union)の中間理事会が開かれました。以下は、日本協会から出席した徳増事務局代理の報告です。

アジアラグビー協会では毎年2回、持ち回りで理事会を開催し、今回で36回目を数えます。現在、次の14協会がアジアラグビー協会に加盟しています。
アラビアンガルフ、中国、中華台北、香港、インド、カザフスタン、韓国、マレーシア、パキスタン、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、日本

また、2002年には、カンボジア、ラオス、マカオ、キルギスタン、ウズベキスタンの5協会が準会員として加盟しました。準会員は、まだ正式加盟が認められるほどの活動歴はありませんが、普及発展に努力している国々です。

ラグビー史上初の15人制国際大会として始まったアジア大会

アジアラグビー協会は1968年に、タイ・ラグビー協会クマラクール会長(当時)が、メキシコオリンピックの帰りに来日し、日本ラグビーフットボール協会・金野滋専務理事(当時)に相談し、「ぜひアジアでラグビーの国際選手権を開催しよう」と提案したことから誕生しました。
金野専務理事はこのアイディアにすぐ賛同し、香港協会ロバーツ会長(当時)とも話を進め、史上初のラグビー国際選手権をアジアで開催するために、8か国によるアジア・ラグビー協会(Asian Rugby Football Union)を組織する運びとなりました。これがアジアラグビー協会の始まりです。

同年12月、タイ・バンコクで第1回の準備委員会が開催され、歴史的な第1回大会は日本の秩父宮ラグビー場で行われることが決定しました。各協会とも参加資金を集めることに苦労しながらも、香港、タイ、中華台北、韓国、日本の5か国が参加し、1969年3月8日「第1回アジアラグビーフットボール大会」が行われました。大会の途中で大雪に見舞われ、韓国とタイの試合が中止。また、ブルドーザーで除雪しようとして芝がはがれてしまい、泥沼状態の中で大会が継続するなどのハプニングがありましたが、無事に大会は終了し、日本代表が優勝を飾りました。
その後、アジア大会は隔年でアジア理事国が持ち回りで開催し、創設8か国を2巡して2000年には、青森で3回目の日本大会(第17回アジア大会)が行われました。

カザフスタンで初めて開催されたアジア理事会

今回のアジア協会理事会では、1999年に加盟したカザフスタンが、初の女子7人制大会を開催し、その時期にあわせてアルマティで開催されることになりました。

理事会での報告・討議内容
今回の理事会では、次のような報告や討議が行われました。

◎2004年(第19回)アジア大会(10月香港開催)に関する中間報告
本年10月には、香港で「第19回アジア大会」が開催されます。今回は12協会が参加し、レベルによって「カップ」「プレート」「ボウル」の3グループに分かれて開催されます。日本は香港、中華台北、韓国と同様、「カップの部」に出場します。(バンコクで開催された前大会では韓国代表が優勝)

◎2007年ワールドカップアジア地区予選方式について
第6回ワールドカップのアジア代表を決定するための方式が協議されました。昨年のアジア理事会で、下位のチームにも出場チャンスを公平に与えるために、現在行われている「アジア3か国対抗」と兼ねて行うことが承認されましたが、その後、第7回ワールドカップの組み合わせが発表されたことに伴い、敗者復活戦を行うためには、どうしても2006年秋までにはアジア予選を終了することが確認されました。しかし、具体的なスケジュールはIRBとも調整し、次回のアジア理事会にて決定することになりました。

◎2006年(第20回)アジア大会についての提案・・・スリランカ協会
香港大会に続き、2006年にはスリランカでアジア大会が開催されます。2004年大会でのランキングに応じて4チームずつ3プールに分けて試合を行う。各チームとも準決勝と決勝(3位決定戦)を行う。各チームとも6泊7日の滞在とする、などの提案が出されました。

◎2005年セブンズワールドカップ・アジア予選(9月10~12日)についての報告・・・スリランカ協会
2005年3月下旬に香港で開催される2005年セブンズワールドカップアジア予選プールが下記のように決定しました。開催協会の香港は無条件で参加資格を得、上位3チームが本大会に出場します。

    <A>韓国・シンガポール・アラビアンガルフ
    <B>中華台北・マレーシア・グアム
    <C>タイ・スリランカ・カザフスタン
    <D>日本・中国・インド

◎2004年U19アジア大会(12月11日~18日)の開催について
本年は初めて中国で開催されます。開催地は昆明(クンミン)。詳細は次回のアジア理事会にて中国協会がプレゼンテーションを行うことになりました。(今回は欠席のため)

◎2006年女子ワールドカップについて
イングランドにて開催予定。12月9日~13日にかけて中国にてアジア女子ラグビー普及セミナーが行われることが発表されました。

◎IRBアジア地区普及育成担当ジャラッド・ギャラハー氏からの報告
これまでオセアニア地区に所属していたグアム協会が今年からアジア協会へと所属を変え、2005年ワールドカップセブンズアジア地区予選から正式に参加することが発表されました。

◎アジアラグビー協会事務局長からの報告
U19日本代表が世界選手権で7位を飾ったことに対して、ジェイミー・スコット事務局長から賞賛の言葉が送られ、参加理事からも大きな拍手が寄せられました。
日本協会からは、特にアジアU19大会の継続開催がこの快挙につながったことに対してもアジア協会加盟協会に対し感謝の言葉を表しました。
また、2011ワールドカップを日本に招致することについても説明し、各アジア理事から強い関心が寄せられました。

◎その他
韓国協会より、2006年のアジア大会より、選手の出場資格をIRB資格ではなく、「パスポートホルダー」にすべきであるという提案あり、次回の理事会で協議することになりました。

次回の理事会は10月31日(日)に香港にて開催される予定です。