21日、関東2会場、関西2会場の計4会場で第51回 全国大学ラグビーフットボール選手権大会セカンドステージ第2戦、8試合が行われる。
第1戦では関東勢8チームが幸先のいいスタートを切ったが、関西勢の巻き返しはあるのか──。

text by Kenji Demura

第51回 全国大学選手権大会
<プールA>
1. 帝京大学(関東対抗戦A1位)=9
2. 法政大学(関東リーグ戦1部3位)=7
3. 朝日大学(ファーストステージ1位)=0
4. 天理大学(関西Aリーグ4位)=0 
※=の後の数字は勝ち点

帝京大学-朝日大学(熊谷=14:00)

前節、関西Aリーグ4位の天理大学をノートライに抑える安定した戦いぶり(43-3)で6連覇に向けて幸先のいいスタートを切った王者・帝京大学が、ファーストステージを勝ち上がった朝日大学の挑戦を受ける。
「しっかりと全員がタックルに行き、頑張って走っていた。一生懸命で真面目なチーム」
岩出雅之・帝京大監督がそう印象を語るとおり、朝日大はセカンドステージ第1戦で関東リーグ戦1部3位の法政大学に対して前半リードするなど、ひたむきなラグビーで健闘を見せた(最終スコアは54-19)。
帝京大に対しても80分間、自分たちのラグビーを貫き通してのチャレンジに期待がかかる。

法政大学-天理大学(天理=14:00)

最終的に40点差をつけられたものの、ディフェンス面では帝京大に対しても通用する部分も多かった天理大が地元に法政大学を迎える。
天理大としては、帝京大戦で「なかなかうちのアタックが継続できずにトライが取れなかった」(小松節夫監督)という攻撃面での修正が、3シーズンぶりとなる関東勢からの勝利の鍵になりそうだ。

前節、朝日大学に苦戦した法政大はアウェーゲームとなるだけに、試合の入りには注意したいところ。
両校は天理大が大学選手権決勝に勝ち進んだ11-12年シーズンに同1回戦で対戦し、天理大が39-19で勝利を収めている。

試合写真

決勝まで想定するなら残り4試合。SH流主将をリザーブに置くなど、王者・帝京大はコンディションも考えた布陣で朝日大と対戦

photo by RJP Kenji Demura
<プールB>
1. 流通経済大学(関東リーグ戦1部1位)=9
2. 慶應義塾大学(関東対抗戦A4位)=6
3. 京都産業大学(関西Aリーグ2位)=2
4. 中央大学(関東リーグ戦1部5位)=0 
※=の後の数字は勝ち点

流通経済大学-中央大学(秩父宮=14:00)

第1戦で関西Aリーグ2位の京都産業大を圧倒した関東リーグ戦覇者の流通経済大が同リーグの因縁の相手でもある中央大と再戦。
11月30日の同リーグの対戦では、試合終了直前まで中央大がリードしていたが、後半44分の逆転トライで流通経済大が劇的な勝利。苦しみながらV2を決めた。
前節の京都産業大戦では、スクラム、モールなど相手の強みを抑えた上で「しっかりディフェンスすることで自分たちの流れに持ってこられた」(CTB木村海斗主将)という締まった内容で55-7で快勝。
間違いなくチーム力が上向きの状態で因縁の相手、中央大と一戦を迎える。

対する中央大は、2週連続での秩父宮での試合となる。
34-14で敗れた前節の慶應義塾大学戦も、前半に関しては前に出るディフェンスが機能して14-14のイーブン。
関東リーグ戦では、最後に逆転勝ちを許したものの、流通経済大相手に多くの時間帯で試合を支配しただけに、自分たちの力に自信を持って臨む一戦となる。
当然、リベンジに燃えている。

京都産業大-慶應義塾大学(熊谷=12:00)

第1戦で中央大の前に出るディフェンスに苦しんだ関東対抗戦4位の慶應義塾大が、同じようにディフェンス力で関西リーグ2位となった京都産業大と対戦。
流通経済大に大敗した京都産業大がFWプレーとディフェンスをどう立て直すかがポイントになりそうだ。

試合写真

前節、中央大のディフェンスに苦しんだ慶大は京産大と対戦。関西2位のパワープレーをはねのけて流経大との決戦に持ち込めるか

photo by RJP Kenji Demura
<プールC>
1. 明治大学(関東対抗戦A3位)=6
2. 筑波大学(関東対抗戦A5位)=6
3. 関西学院大学(関西Aリーグ1位)=3
4. 大東文化大学(関東リーグ戦1部4位)=1 
※=の後の数字は勝ち点

関西学院大学-筑波大学(花園=14:00)

第1戦では多くの時間でボールをキープしながらテンポよくアタックし続けたものの、あと一歩明治大ディフェンスを破れなかった関西王者の関西学院大。
「粘り強くディフェンスするということに関してはよくできていた」と、野中孝介監督も守りに関しては合格点を与えているように、セットプレーでプレッシャーをかけられた点や多くのチャンスをつくりながら取りきれなかった点を修正して、3年連続大学ベスト4の筑波大に臨む。
対する筑波大は対抗戦時にはケガのためプレーできていなかった、多くの主力が復帰。中でも、SO山沢拓也がどうFW陣を生かすプレーをするかが、鍵を握ることは間違いないだろう。第1戦の大東文化大戦に続いてWTB福岡堅樹は欠場する。

明治大学-大東文化大学(秩父宮=11:40)

多くの時間帯で関西学院大に攻められながらも、後半39分までトライを許さない堅守を披露して、幸先いいスタートを切った明治大学。
今季、関東リーグ戦前半を盛り上げた大東文化大のアタック力を封じられれば、「早明戦で出た課題を克服した」という丹羽政彦監督の言葉がより説得力を増すことになり、4年ぶりの正月越えに一歩近づくことになる。

時折、いいアタックも見せたものの、ブレイクダウンで筑波大にプレッシャーをかけられ、持ち前の連続攻撃を寸断される場面も多かった大東文化としては、まずはセットプレーも含めたコンタクトエリアで、いかに対等に戦えるかが明治討ちの条件となる。

試合写真

前節、明大の守りを崩しきれなかった関西学大。関西王者の意地にかけて攻撃ラグビーで筑波大撃破を目指す

photo by RJP Kenji Demura
<プールD>
1. 東海大学(関東リーグ戦1部2位)=8
2. 早稲田大学(関東対抗戦A2位)=8
3. 同志社大学(関西Aリーグ3位)=1
4. 立命館大学(関西Aリーグ5位)=0 
※=の後の数字は勝ち点

早稲田大-同志社大(花園=12:00)

復活したFB藤田慶和が快走を見せ、司令塔の小倉順平をCTBに入れる布陣も機能して、いい内容で早明戦勝利をものにした早稲田大だったが、大学選手権初戦では立命大のしつこいプレーに苦戦。
後半15分で15-15の同点。終盤4トライを重ねて、39-15にまでスコアを広げたものの、課題が残る内容となった。
「アタックのサポートとディフェンスの押し上げ」(後藤禎和監督)あたりが修正ポイント。
ポテンシャルの高い関西勢に今度こそいい内容で勝利を収めて、第3戦、さらにその先のファイルステージへとつなげていきたいところだろう。

同志社大としては自信を持って臨んだセットプレーで東海大に力負けしたが、早稲田大に対しては何としてもスクラム、ラインアウトで優位に立ちたいところ。
「敗れはしたが昨年よりは手応えも感じている」(山神孝志監督)という成長した部分を関東の雄にぶつけたい。

東海大学-立命館大学(天理=12:00)

第1戦で関西3位の同志社大学をFWのパワープレーで圧倒した東海大が、再び関西の雄とのアウェー戦に臨む。
早大を苦しめた立命館大のブレイクダウンとディフェンスがパワフルな東海大にどこまで通用するか。
東海大としては同志社大戦同様、セットプレーで優位に立って、主導権を握りたいところだろう。

試合写真

同大をパワーでねじ伏せた東海大は再び関西でのアウェー戦で、前節早大を苦しめた立命大と対戦

photo by RJP Kenji Demura