マッチリポート 第50回 全国大学選手権大会

筑波大学 44-22 大東文化大学
【セカンドステージ 2014年12月14日(日) /東京都・秩父宮ラグビー場】
対抗戦グループの最終戦で同グループ5位の大学選手権キップを手にした筑波大学が、リーグ戦グループ4位の大東文化大学から6トライを奪って勝利。所属リーグでの成績によるアドバンテージポイントのない筑波としては、セカンドステージ突破に向けた第一関門を突破した。

前半風上の筑波は、敵陣で圧力をかけて大東文化の反則を誘い、5分、7分とPGの機会を得る。この日15番を付けてプレーした、怪我からの復帰2戦目となる山沢拓也が2つ目を決めて先制した。アタックではほとんどSOの位置でプレーした山沢は、多彩なキックと、怪我のブランクを感じさせないランで再三チャンスを生み出し、自身も2トライと4G2PGを上げる活躍だった。前半半ばからは大東文化に2連続トライを許した筑波だったが、31分SO亀山宏大が敵陣ゴール前のラックから出たボールを受けて抜け出し、ゴール正面にトライして同点(10-10)とした。さらに前半の終り、中央付近から山沢が流れるような一連の動きで次々にタックラーを交わして中央にトライ。ゴールも決めて17-10で筑波がリードを奪い返し、ハーフタイム。

後半は筑波がボールをキープする時間がさらに長くなった。HO村川が、3分にはラインアウトモールから、続く11分には右タッチライン際でボールを受けて連続トライを上げる。13分には大東文化のキックを自陣から切り返し、WTB山内がゴール直前で捕まるも山沢が拾って楽々と中央へ回り込んだ。このあたり、筑波はボールを左右に、または縦に大きく動かして大東文化を翻弄した。終盤、大東文化の突破を許して2トライを献上するが、最後は亀山宏大のトライでダブルスコアまで得点を積み重ねた。

一方敗れた大東文化も、4トライを上げてボーナスポイント1を獲得。前半、いずれもPKからSH小山大輝が速攻を仕掛け、LO森下雄太とWTB戸室達貴のトライを引き出し、攻撃力の高さを示した。WTBホセア・サウマキがラインや密集周辺でも筑波ディフェンスをブレイク、後半には自身でも1トライを上げるなど奮闘した。しかしスクラムでの劣勢とタックルミス、またはチャンスでのハンドリングエラーなどで、その攻勢は長続きしなかった。

両チームともキックを多用せず、ボールがよく動き、よく繋がった好ゲームであった。

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(c) JRFU 2014, photo by H.Takami
会見リポート
 

監督・キャプテン
筑波大学の古川監督と松下キャプテン

筑波大学

○古川拓生監督

「今日はありがとうございました。選手のけが人も戻って、どこまで力を出せるか未知数で、一発勝負と臨んだ試合でした。大事なところで、選手が意識してくれて、まず1勝を挙げることができました。選手は良くやってくれました」

──山沢選手は?

「10,15はアタック、ディフェンスでいろいろなポジションを取りますが、チームとして一番良い形での配置を考えています。山沢はキックでFWを前進させることができると思って起用しましたが、今日は思いのほか、ランプレーで前へ出てくれて、今後楽しみです。ゲーム感が戻らない中、実戦の中で取り戻してくれています」

──規律の部分は?

「カードが出たのは反省点です。ただ、大東大さんは迷いなく出てくるアタックで、波に乗った大東大さんの強さは素晴らしいです。決して規律低くプレーをしたわけではありませんが、しっかり受け止めていきたいと思います」

──福岡選手のコンディションは?

「代表チームのメディカルスタッフとも話しながら、本人の状態を見極めています。僕としては、だましだましやらせたくないです。完全な肉離れにはなっていませんが、練習中の違和感もあり、大事を取っています」

○松下真七郎キャプテン

「お疲れ様です。ディフェンスで前に出て、止めようと話しました。前半の最初に行かれる時もありましたが、全員がタックルして相手を止めたので、今日は勝てたと思います」

──戦力的に整ったか?

「当初、怪我人が多く、勝てなかったが、選手が戻ってくれたので、もっとゲーム感を取り戻してくれれば、全体も良くなると思います」

試合写真 試合写真 試合写真 試合写真

 

(c) JRFU 2014, photo by H.Takami
 

監督・キャプテン
大東文化大学の青柳監督と篠原キャプテン

大東文化大学

○青柳勝彦監督

「本日はありがとうございます。大東文化としてはアタックもディフェンスも攻撃的に攻めようと臨んだ試合でした。ちょっとミスが立て続けにあって、良いペースがつかめませんでした。前半、ペナルティを貰って速攻して得点できたので、今後も継続的なアタックをしていきたいと思います。今日はミスが多かったので、時間は短いですが、しっかり修正して次の相手にぶつかっていきたいと思います」

──前半良かったが?

「攻撃的なアタックをするため、テンポ速く球を出していこうとして良い形でゲインできました。この試合もテンポが遅くなると相手にディフェンスを揃えられたので、修正していかなくてはいけません」

○篠原祥太キャプテン

「お疲れ様です。アタックもディフェンスも、ガンガン攻めていこうと臨みました。前半はアタックが良く入れて、後半の最後も速くアタックが仕掛けられましたが、筑波さんのプレッシャーで自分たちのアタックができない場面があったのが反省点です」

──プレッシャーとは?

「試合中のブレイクダウンが激しくて、アタックも外へ運ばれました。こちらが受けてしまったという反省点がありました」

──前半の後半から向こうのペースになったが?
「1対1の場面で、止められませんでした。ブレイクダウンで人数を掛け過ぎて、FWの内側を狙われたりしました」

──山沢選手は?
「チャンスの時に顔を出して来るなと。ステップも良い選手です」