■2014年3月19日(水)
遠征10日目。
いよいよ最終戦の19日を迎えました。
今朝も早朝からウェイトで身体にしっかりと刺激を与えました。トレーニング終了後、CNR(国立ラグビーセンター)内で朝食をとり、ホテルへ戻りました。
フランスのホテルは近代的ではありませんが、ベランダやテラスがついていたり、広い芝生の中庭があり非常にゆったりと過ごせます。食事も美味しく、日本から持参した補食に頼ることはほとんどありませんでした。
本日19日のU19フランス代表戦との試合は19時キックオフなので、プレマッチミールにと天理教ヨーロッパ出張所の方がおにぎりや日本茶などを差し入れしてくださいました。久しぶりのお米に100個近くあったおにぎりもあっという間になくなってしまいました。ホテルからもフルーツやパン、シリアルなどの差し入れをしていただきました。本当にありがたいです。
最終戦のジャージープレゼンテーションは監督から行われなした。君が代を斉唱し、監督から一人ひとりジャージーを受け取り、握手を交わし、監督とキャプテンから決意表明をして心一つになって出陣です!
日中は暑いくらいでしたが、キックオフの19時頃にはちょうど良いくらいになりました。前半は開始1分でトライをされましたが、その後20分過ぎまでは点数の動かない膠着した試合となりました。23分、34分とトライを奪われ0-19で前半を折り返しました。
後半は5分、7分、15分、16分と立て続けにトライを奪われましたが、21分テビタ選手のトライとモエアキオラ選手のゴールキックで7点を返しました。その後29分にフランスに追加をされましたが34分、堀米→井関→藤井とつなぎ、最後は中央まで回り込んでトライを返しました。その後堀米のゴールも決まりましたが、終了間際にさらに追加点を加えられ終わってみると14-61と大差がついてしまった結果でした。
試合後のアフターマッチファンクションはイタリアのカジュアルで家族的な雰囲気とは異なり、少しフォーマルな雰囲気でした。フランス協会の方、団長挨拶の後、両チームのキャプテンスピーチを行いました。特に東川キャプテンのスピーチはゲームやラグビーの事のみならず東日本大震災の援助に対するお礼なども含め、非常に素晴らしいスピーチでした。
本日の選手紹介は中村選手と佐野選手です。
1 自己紹介をお願いします
2 高校代表に選ばれた時の気持ち
3 チームにどのように貢献したいですか?
4 遠征の抱負
5 5年後どうしていますか?
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中村選手(左)・佐野選手(右) |
中村大志選手(大阪桐蔭)
1 大阪桐蔭高校3年の中村大志です。ラグビーは幼稚園のころから続けています。寝ることが大好きです。
2 とても驚いたと同時にとても嬉しかったです。選ばれたからには自分のこれからのラグビー人生にプラスになるような合宿にしたいと思います。
3 LOとしてセットプレーを安定させることと、一生懸命走ってボールを持ったら少しでも前に出られるように頑張りたいです。
4 自分より大きい選手がたくさんいるという経験は日本の中ではできないので、その中で海外の選手のプレーを吸収し、自分の精一杯のプレーをしたいです。
5 実業団でラグビーしてます。
佐野瑛亮選手(東京)
1 高校ではNO8でプレーしていました。物心つく前からラグビーをしています。
2 自分よりも能力の高い選手が多かったので最初は信じられませんでした。しかし、選ばれた以上は決意と覚悟を持って頑張りたいと思います。
3 誰よりも走り、あらゆる場面で激しいあたりをしてチームを盛り上げたいです。
4 高いレベルの試合で自分のベストを尽くし、自分より体が大きな選手に対して戦術やスキルを学んで、世界で戦える選手に成長したいです。
5 ラグビーで成長し続けていき、日本代表チームの一員としてプレーしていたい。
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早朝トレーニング |
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試合前におにぎりの差し入れいただきました |
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天理教ヨーロッパ出張所の方と おにぎり・日本茶ありがとうございました |
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国歌斉唱 |
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いよいよKO! |
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ゲーム |
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ノーサイド |
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ホテルの中庭で |
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アフターマッチファンクション キャプテンスピーチ |
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アフターマッチファンクション |
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最後にチームソングを披露 |
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CNR内のオブジェ よく見るとラグビーのポールなんです |
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ホテルの中庭でストレッチ |
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少しリラックス |
第3戦 U19フランス代表戦 戦評
試合前に横田監督から日本ラグビーの未来を切り拓け、と檄を受け、大変良い集中で試合に入った。相手はサイズで大きく上回っていたが、恐れることなくタックルに入り続けた。連続タックルで相手を押し戻した矢先に相手SHがハイパントを蹴った。何とかキャッチしたがブレイクダウンの中でノックオン、自陣10M付近でのリスタートとなった。8サイドアタック、FWサイドアタックを2回シャローDFでこらえたが、BK展開でCTB間をブレイクされそのまま展開しトライを奪われる。ゴールも成功し、0-7となった。大量失点がよぎる試合展開だったが、集中力を切らすことなく、相手のキックカウンターから連続攻撃し、10番アタアタのオフロードパスで13番鹿尾がビッグゲインに成功する。しかし、ラストパスがスローフォワードになった。その後は約20分間均衡状態が続いた。前半21分フランス陣10M付近でのフランスボールスクラム、ジャパンは連続シャローDFで相手を押し込んだが、裏に小パントを上げられる。何とか確保したが、そのままからまれて相手ボールスクラム。リスタート後もシャローDFでフランスを押し下げたが、ラインの裏に小パントを蹴られ、再確保される。そのままゴール前からFWがサイドアタックでトライ。ゴール失敗し、0-12。実は、フランスはこのトライに至るまでに4回ラインの裏に小パントを試み、失敗していた。この4回の中で微調整していた様子であった。34分、相手の7回目の小パントをすれちがいで確保しカウンターするも、ブレイクダウンでターンオーバーされ、またもやライン裏に小パントをあげ再確保されてトライを許した。ゴール成功で0-19。その後もライン裏にキックパスを狙われるが、失敗してハーフタイム。(0-19)
後半5分、フランスボールラインアウトから展開、ジャパンの連続タックルミスからトライを奪われる。ゴール成功し0-26。同様に7分フランスボールラインアウトから3連続タックルミスでトライを許した。ゴール成功し0-33。7分フランス陣22M付近でジャパンがブレイクダウンの反則でシンビンになる。直後フランスはタッチキックを蹴らずにそのまま攻め、連続攻撃からトライを奪う。ゴール成功し0-40。ジャパンは虚を突かれる形になり、常に後手のDFになってしまった。さらに直後のキックオフからジャパンは4連続タックルミスでトライを奪われる。ゴールも成功して0-47。21分、フランスゴール前ジャパンボールスクラムから8番テビタがゲインラインを大きく突破、FWの連続サイドアタック最後はテビタが飛び込みトライ。難しい角度のキックを10番アタアタが決め7-47。その後はフランスの連続攻撃からトライ・ゴールを許し、7-54。34分フランスハンドリングエラーから展開し、15番井関が抜け出し途中出場の22番WTB藤井にパスそのまま相手を振り切りトライ。ゴール成功し、14-54となった。藤井はツアー全試合途中出場ながら全試合でトライをスコアした。その後ロスタイムにインターセプトからトライを奪われ14-61でノーサイドとなった。
フランスの状況判断力が際立った試合だった。相手の出足が鋭いときには小パントを繰り返し、その中でDFの足が止まったときには突破をはかるといった判断力が、常にジャパンのDFを混乱させ、後手のDFを強いられた。結果、後半のタックルミスは22回を数えた。対するジャパンは7番占部を中心としたシャローDFで一時フランスアタックを混乱させたが、その次の手を打つことができなかった。アタックにおいてもペネトレーターのテビタ、アタアタから井関が仕掛けて突破するといった得意の形を見せることができたが、状況を判断して相手の弱みを攻撃するまでには至らなかった。S&Cの強化、強度の強い練習で、決めたことに対するプレー精度は向上したが、試合中の状況判断や駆け引きが不足している。今後の練習でその部分を積み上げることができれば、さらにチーム力があがると考えられる。(佐々木陽平)
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