「第19回 全国ジュニア・ラグビーフットボール大会」
優秀選手の選考実施報告

普及育成・競技力向上委員会

  • 事業名:
    第19回全国ジュニア・ラグビーフットボール大会の優秀選手の選出」
  • 目的:
    中学生年代プレーヤーの競技力等の実態調査と、優秀選手を発掘するとともに、選手・指導者のモチベーション高揚の一助とする。
  • 「優秀選手」の選考方針:
    ■評価項目: (1)「本大会中の試合での活躍度が高い選手」
    - 流れを変えたプレー。チームへ貢献したプレーをした選手 -
    (例)ピンチをチャンスに変えたプレー。ビッグタックルなど
    (2)将来性が高い選手
    ■評価方法: チームより事前に提出される推薦情報を参考とし、大会期間中の試合での活躍度をセレクターがチェックして選考する。
  • 優秀選手の選考に際して今年の大会は選手のコンタクト、タックルのスキルがより高くなった結果、スピードあるアタックよりも激しいディフェンスのシーンが目立っていました。各地域の予選を勝ち抜いた強豪チームの集まる第1ブロックでは、全12試合の総得点が353点となり、これは昨年の大会の526点を150点以上も下回りました。その中で優勝した福岡県選抜はチーム一丸となった激しいディフェンスを見せ、決勝戦では大阪中学選抜に10-7の僅差で勝利しました。一方で第2ブロックでは、12試合の総得点が505点となり、昨年よりも75点上回りました。第1ブロックに比べると、選手個々のスピードやステップワークでトライを取るシーンが目立ち、これからの育成によっては将来がとても楽しみなプレーヤーが多かったです。その中で優勝した京都中学選抜はチーム全体が走り回り、アタックでもディフェンスでも相手にプレッシャーをかけ続けていて、決勝戦では昨年の第2ブロック優勝チームである茨城中学選抜を相手に15-7で勝利しました。大会を通じては、選手たちのゲーム理解度が高く、エリアマネジメントを意識したゲームメイクや、ディフェンスでのターンオーバーからの切り返しで一気にトライを奪うなど、チャンスを活かす高判断が見られました。また自陣からもキックを蹴らず、フェイズを多く重ねて継続したアタックを意識するチームもあり、日本代表のプレーの影響も感じることが出来ました。

    今回は31名の大会優秀選手を選出しましたが、選手の個々のスキルでは、大柄なFWの選手でも力任せにぶつかるのではなく、ショートステップからタックルをずらして前に進んだり、ドライブして少しでも前に出ようとする意識が目立ちました。またロックの選手でも高いワークレートでブレイクダウンに駆けつけ、目立たないところでチームに貢献しているプレーが多かったです。BKの選手では、SHは素早いパス捌きだけでなく時にはFWの密集サイドを素早く駆け抜けるプレーもありました。またWTB,FBではチームのエースとして、ライン際を一気に走り抜けたり、最後の砦として抜けてきた相手をしっかり止めたり、カウンターアタックからチャンスを作り出すなど、サイズやスピードに優れたポテンシャルを秘めた選手が多かったです。
    今後に向けて選手に期待したいのは、FWの選手はラインアウトのスローイング、サポーティングのスキルをしっかり高めること、スクラムをしっかり組むことなど、セットプレーを安定させることです。セットプレーは日本代表でも課題の1つなので、中学生の頃から意識して習得してほしいです。BKの選手はキャッチングとパスのスキルをしっかり身につけて、広いスペースを有効に使ってアタックできることです。またSOの選手にはDFに仕掛けてアタックラインを前に出し、相手と接近してパスを放るプレーを身につけて欲しいです。それとスクラムでのセットプレー時にサイズのあるFWの選手がBKにポジション変更してアタックするシーンも目立ってきましたが、各ポジションのスキルを高めるためにも、キーマンに偏らないチーム作りを、指導者の方々には目指して欲しいです。

    中学生指導者の方々の熱心な指導のおかげで、この大会のレベルは毎年高まっており、選手のプレーからも伝わってきます。また大会運営も非常にスムーズに進行し、大会関係者のおかげで今年も素晴らしい大会になりました。この場を借りて、感謝の意を表します。この大会に参加した選手が高校でもラグビーを続けて、U17日本代表、高校日本代表、U20日本代表、そして日本代表に選ばれてワールドカップやオリンピックの舞台で活躍することを期待しています。

    (日本ラグビーフットボール協会リソースコーチ 白馬悠)

平成25年度 全国ジュニアラグビーフットボール大会 優秀選手

大会チーム 氏名 ポジション 所属チーム 学年 身長 体重
1 大阪府中学校選抜 山本 浩貴 FB 東海大仰星中学校 3年 165 60
2 梅川 太我 SH 大阪私立柴島中学校 3年 161 53
3 谷口 祐一郎 PR 東海大仰星中学校 3年 173 75
4 竹内 海斗 SO 大阪市立巽中学校 3年 166 70
5 兵庫県スクール選抜 古賀 由教 FB 芦屋ラグビースクール 3年 176 74
6 神奈川県中学校選抜 山田 雅也 CTB 桐蔭学園中学校 3年 169 67
7 渡邉 晃生 FB 桐蔭学園中学校 3年 169 57
8 奈良県中学校選抜 久保 清悟 WTB 天理中学校 3年 170 70
9 長崎県選抜 岡崎 航大 SH 長崎ラグビースクール 3年 169 66
10 河添 貫太郎 CTB ゆのきラグビースクール 3年 172 65
11 東京都スクール選抜 アサエリサミソニ LO 世田谷ラグビースクール 3年 180 78
12 本堂 杏虎 SH 府中Jrラグビースクール 3年 164 56
13 古田 勇作 CTB 世田谷ラグビースクール 3年 180 76
14 疋田 大河 CTB 練馬ラグビースクール 3年 175 75
15 神奈川県スクール選抜 原 朋輝 CTB 横浜ラグビースクール 2年 173 74
16 中西 亮太朗 CTB 横浜ラグビースクール 2年 172 65
17 福岡県選抜 森 勇登 WTB 筑紫丘ラグビークラブジュニアスクール 3年 173 70
18 糸山 諒 LO 城南スポーツクラブ 3年 177 65
19 若林 良樹 PR 鞘ヶ谷ラグビースクール 3年 173 78
20 京都府中学校選抜 小川 寛大 PR 京都市立上京中学校 3年 178 78
21 土橋 源之助 CTB 京都市立西陵中学校 3年 169 61
22 長野県スクール選抜 安藤 諒 CTB 上郷ラグビースクール 3年 167 58
23 愛媛県中学校選抜 山田 生真 LO 宇摩ジュニアラグビースクール 3年 177 79
24 ウィリアムズ 海 FB 松山市立北条北中学校 3年 180 68
25 群馬県スクール選抜 高橋 広大 FB 高崎ラグビースクール 3年 183 78
26 大谷 陸 CTB 東毛ワイルドナイツラグビースクール 3年 173 74
27 愛知県中学校選抜 花村 海斗 FB 私立名古屋中学校 3年 167 59
28 仲根 和也 PR 名古屋市立矢田中学校 3年 165 76
29 秋田県中学校選抜 佐藤 心 WTB 男鹿市立男鹿東中学校 3年 168 58
30 猿田 湧 FB 秋田市立秋田北中学校 3年 183 70
31 茨城県中学校選抜 山田 昂弥 SH 清真学園中学 3年 160 55