U20代表および日本代表候補の混成
ジュニア・ジャパンがサモアAと対戦

17日、フィジーのスバでワールドラグビーパシフィックチャレンジ(WRPC)第3戦が行われる。
フィジー、サモア、トンガ、そして日本の第2代表相当チームによって争われている今大会、日本からはジュニア・ジャパンが参加。

すでに3月8日に第1節、同12日に第2節が終了し、日本は初戦のトンガA戦で26—8と快勝したあと、第2戦ではフィジー・ウォリアーズに14—44で敗れ1勝1敗。
17日の第3戦では決勝進出をかけてサモアAと対戦する。

第2戦ではフィジーWに敗れたもののFW陣の戦いぶりなど収穫も多かったジュニア・ジャパンphoto by Bruce Southwick RJP

第2戦ではフィジーWに敗れたもののFW陣の戦いぶりなど収穫も多かったジュニア・ジャパン
photo by Bruce Southwick  RJP

昨季はワールドラグビーU20チャンピオンシップに向けた強化のためU20世代の選手たちがWRPCで戦ったジュニア・ジャパンだったが、今季はサンウルブスがスーパーラグビーに参戦する一方、4月には日本代表として戦うアジアラグビーチャンピオンシップ(ARC) 2016が控えていることもあり、6人のオーバーエイジ枠の代表候補選手たちも加えたチーム構成で灼熱のスバでの戦いに臨んでいる。

 

「ジュニア・ジャパンとしてこの大会に出場するようになってから、この試合で初勝利をおさめたことに関してはとても嬉しく思っている」

初戦のトンガA戦後に中竹竜二ヘッドコーチがそう語ったとおり、U20グレードでの参戦だった昨季はWRPC4試合で全敗に終わったジュニア・ジャパンだったが、今回はオーバーエイジ枠の選手たちのリーダーシップもあって、幸先のいいスタートを切った格好だ。

 

続くフィジー・ウォリアーズ戦では6トライを奪われての敗戦となったものの、今季のARCでは日本代表ヘッドコーチ代行も務める中竹HCが「体が大きく、フィジーのようなオフロードパスをしてくるような相手に対しては、しっかりと低く2人がかりで当たらなければ止められない。きちんとプレッシャーをかけることが出来ている時は、それが成功しターンオーバーもたくさん生まれていた。FWに関してはよく、体の大きな相手にチャレンジしたと思う」と、高い評価を与える収穫の多い戦いぶりをみせた。

 

「今回の試合は一人ひとり、戦う意志はとても感じられ、次に繋がる良いゲームが出来たと思っている。次戦のサモア A 戦は必ず勝利して、 (最終戦で)フィジー・ウォリアーズにリベンジするというのがチームの今の大きな目標」

 

オーバーエイジ枠のひとりであり、ツアーキャプテンを務めるFL金正奎がそう代弁するとおり、最初の2試合で出た課題を克服して、サモアA戦で勝利を収め、第4節の決勝戦でフィジー・ウォリアーズと対戦する目標に向かってチームは一丸となっている。

ツアーキャプテンを務めるFL金などトップリーグ組のリーダーシップも鍵を握る

ツアーキャプテンを務めるFL金などトップリーグ組のリーダーシップも鍵を握る

U20チャンピオンシップ、ARC双方を見据え
WRPC決勝でのフィジーWとの再戦を目指す

前述のとおり、今季は6月にイングランドで行われるワールドラグビーU20チャンピオンシップに向けた U20世代の強化に加えて、ARC2016をはじめとする日本代表のセレクションという目標も兼ね備えることになったジュニア・ジャパンのWRPC参戦。

金主将も含め、以下の6人がオーバーエイジ枠で加わっている。

  • PR知念雄(東芝ブレイブルーパス)
  • HO橋本大吾(筑波大)
  • LO小瀧尚弘(東芝ブレイブルーパス)
  • FL金正奎(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)
  • SO/CTB/FB中村亮土(サントリーサンゴリアス)
  • CTB石橋拓也(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)

「U20 世代の選手だけではなく、トップリーグチーム所属選手などの年齢制限を超えた選手も加わり、新しいジュニア・ジャパンとして戦うことができている。今はお互いに学び合い、世代を超えて一つのチームになっていっている段階。これからが楽しみ」 (中竹HC)

新人ながらトップリーグでは確かな存在感を見せたCTB石橋。世界でも戦えるところをアピールしたいphoto by Kenji Demura

新人ながらトップリーグでは確かな存在感を見せたCTB石橋。世界でも戦えるところをアピールしたい
photo by Kenji Demura

ちなみに、第2節終了時点でフィジー・ウォリアーズが2戦2勝で、サモアAとジュニア・ジャパンが1勝1敗、トンガが2敗という成績となっており、第3戦で日本がサモアを破れば、第4節は決勝戦でフィジー・ウォリアーズとの再戦となる可能性が大。

決勝戦でもう一度フィジー・ウォリアーズと対戦できれば、ARC2016、そしてワールドラグビーU20チャンピオンシップに向けてもさらなるステップアップにつながることも間違いないだけに、まずは昨年対戦することのなかったサモアA戦でしっかり勝利をつかみたいところだ。

text by Kenji Demura

昨年U20チャンピオンシップ残留を果たしたU20代表。若手にとってWRPCの厳しい経験が糧になるのは間違いないphoto by Kenji Demura

昨年U20チャンピオンシップ残留を果たしたU20日本代表。若手にとってWRPCの厳しい経験が糧になるのは間違いない
photo by Kenji Demura