2009年5月22日(金) シンガポール

日本代表シンガポール遠征6日目。
シンガポール戦を翌日に控えた日本代表チームは、試合時間と同じ17時よりユオチューカンスタジアムでキャプテンランを行いました。
17時とは言え、厳しい暑さに包まれているシンガポールですが、日本代表としては、続くパシフィック・ネーションズカップが行われるフィジーでの暑さも考慮に入れ、このシンガポール戦でハーフタイムの過ごし方や試合日のタイムスケジュールの作り方等を、暑さ対策仕様に変えました。今日の練習中にもハーフタイムの時間を設け、試合中のロッカールームでの過ごし方を確認しました。

キャプテンランでは、菊谷キャプテンを中心に、それぞれのコミュニケーションも取れており、万全の状態で明日の試合を迎えられそうです。また、当初先発の予定だったタラント選手が練習中の負傷により今村選手が入りました。2007年以来の日本人BKラインで明日の試合に臨みます。
途中合流した豊田選手も自慢のスピードを武器に大いにアピールしてくれると思います。
いよいよ、アジア五カ国対抗の最終戦を迎える日本代表チームの応援をよろしくお願いいたします。

17時になっても日中と日差しの強さがまったく変わらない   豊田選手も気合十分   WTBで先発出場の冨岡選手。安定したプレーが持ち味   タラント選手の代わりに今村選手が入った
17時になっても日中と日差しの強さがまったく変わらない   豊田選手も気合十分   WTBで先発出場の冨岡選手。安定したプレーが持ち味   タラント選手の代わりに今村選手が入った

8人のまとまりで組むスクラム   ハーフタイムは、まず体の熱を取り除く   自分たちのやるべきことを80分間やり通すだけ   SO大田尾選手がBKラインを操る
8人のまとまりで組むスクラム   ハーフタイムは、まず体の熱を取り除く   自分たちのやるべきことを80分間やり通すだけ   SO大田尾選手がBKラインを操る

フル出場でチームを牽引する菊谷キャプテン
フル出場でチームを牽引する菊谷キャプテン

2009年5月21日(木) シンガポール

日本代表シンガポール遠征5日目。
日本代表チームは終日オフとなり、市内観光をしたり、ホテルのプールでゆっくりしたりとそれぞれの時間を過ごしました。

そんなオフを利用して、ドゥーリーアシスタントコーチと青木、川俣、安江の3選手は、練習会場でもあったユナイテッド・ワールド・カレッジに集まった小学生以下のラグビーチームの出張コーチングに出かけました。ドゥーリーコーチの友人が同チームのコーチを務めていることで実現した今日のイベントでした。
約100名を相手に行ったのは、日本代表のトレーニングで行っているスキルローテーション。パワーフット、ボールプレゼンテーション、ディシジョンメーキング、タックルスキルの4項目。それぞれ一つのスキルステーションを担当し、1グループ約20名の子供たちに身振り手振りを交えながら楽しくコーチングを行いました。

外国人の子供たちを相手にすることで緊張の色を隠せなかった選手たちも、日頃JK以下コーチ陣から言われている言葉を思い出し、徐々に自分たちのペースで指導を行っていました。子供たちも自分たちのステーションが終わると選手たちとハイタッチで次のステーションに向かったりとコミュニケーションもばっちりでした。あっという間の1時間でしたが、貴重な経験の場となりました。選手たちも口々に、「楽しかった」「本当に貴重な経験ができました」と嬉しそうでした。今日指導した子供たちは、我々の試合の前座で試合をするとのことで、「日本を応援するよ!」と笑顔で答えてくれた子供もいました。
本日、我々を受け入れてくださったユナイテッド・ワールド・カレッジの皆様ありがとうございました。そして、参加したドゥーリーコーチ以下、青木、川俣、安江の3選手お疲れ様でした。
明日は、試合時間の17時にキャプテンランを行い、試合に備えます。

子供たちに紹介されるコーチ陣   小学校低学年の子から高学年まで幅広い年代の子供たちが集まりました   指導の前に気合を入れるコーチ陣   青木選手はパワーフットを担当。まずは自らが手本を見せます
子供たちに紹介されるコーチ陣   小学校低学年の子から高学年まで幅広い年代の子供たちが集まりました   指導の前に気合を入れるコーチ陣   青木選手はパワーフットを担当。まずは自らが手本を見せます

笑顔で優しく語りかける青木選手   川俣選手はボールプレゼンテーションを担当   良かったプレーには拍手で称えていた川俣選手   安江選手はディシジョンメーキングを担当。SH役を担当しコミュニケーションを図ります
笑顔で優しく語りかける青木選手   川俣選手はボールプレゼンテーションを担当   良かったプレーには拍手で称えていた川俣選手   安江選手はディシジョンメーキングを担当。SH役を担当しコミュニケーションを図ります

好プレーの際には、「ウェルダン!」と大きな声で選手たちを称えていました   ドゥーリーコーチはタックルスキルを担当。みんな真剣に聞いています   移動の際にはハイタッチで送り出した安江選手   青木選手の特別講座HO編
好プレーの際には、「ウェルダン!」と大きな声で選手たちを称えていました   ドゥーリーコーチはタックルスキルを担当。みんな真剣に聞いています   移動の際にはハイタッチで送り出した安江選手   青木選手の特別講座HO編

最後は安江選手も加わって、終了直前まで行われました
最後は安江選手も加わって、終了直前まで行われました

2009年5月20日(水) シンガポール

日本代表シンガポール遠征4日目。
今日のシンガポールも朝から気温が上がり、うだるような暑さに包まれました。日本代表は、午前中にグラウンドでのトレーニングを行い、午後はウエイトトレーニングで汗を流しました。
午前中のトレーニングは昨日同様、ユオチューカンスタジアムで行い、試合前の最後の実戦練習となりました。キックキャッチ、パスアクティビティーでウォーミングアップを行った選手たちですが、キックキャッチでの精度が悪かったため、スリーメンズロールといわれるフィットネストレーニングが加えられました。

その後、ディフェンススキルローテーションに入り、ダブルタックルスキル、タックル時のフットワーク、タックル時のコンタクトスキル等を確認し、チームディフェンスに入りました。通常は、ボールを使って行われるこのチームディフェンスですが、今回はイメージを大切にするため、ボールがない状況でパスが想定される全てのポイントにコミットできるかをチェックする形で行われました。ボールがないため、相互のコミュニケーションがより重要になり、しっかりと誰が誰を見るのかを明確にしなければなりません。この練習の前に、菊谷キャプテンが選手たちを集め「今日の練習でできなかったら試合では絶対にできない。今日の練習を大事にしよう」と話しました。選手たちは、今まで以上に声を出し、非常にいい形のチームディフェンスとなりました。
今日のトレーニングは、これで終了となり、アイスバスや水分補給を行ってグラウンドを後にしました。

午後のウエイトトレーニングでは、下半身への負担を軽減するために、上半身中心のトレーニングを行い、しっかりと戦う体を作り上げました。
また、夕食前には、急遽チームミーティングが行われ、チームドクターの宗本先生やヒューメF&Cコンサルタントから水分補給の重要性が説かれました。
シンガポールの厳しい環境にも徐々に体を慣らしながら、最終戦に臨みます。明日はチームは完全にオフ。ゆっくりと体を休めます。
残すところ、あと2日。日本代表への応援をよろしくお願いいたします。

入念なウォーミングアップを行う選手たち   ストレッチでしっかりと体を伸ばす   キックキャッチの精度が低く、スリーメンズロールのフィットネストレーニングが課された   スペースに走りこみボールを受ける
入念なウォーミングアップを行う選手たち   ストレッチでしっかりと体を伸ばす   キックキャッチの精度が低く、スリーメンズロールのフィットネストレーニングが課された   スペースに走りこみボールを受ける

キックオプションの正確性も攻撃力アップには不可欠   FWを集め意思確認をする菊谷キャプテン   様々な角度からボールにアプローチし、DFラインを惑わす   8人のコミュニケーションが取れた攻撃的なスクラム
キックオプションの正確性も攻撃力アップには不可欠   FWを集め意思確認をする菊谷キャプテン   様々な角度からボールにアプローチし、DFラインを惑わす   8人のコミュニケーションが取れた攻撃的なスクラム

常に最高到達点でのキャッチを目指すラインアウト   ダブルタックルで相手をしとめ、ボールを一気に奪う   ボールを持たない相手に対し、DFラインをコントロールする   SH役のJKの動きに合わせラインを押し上げる
常に最高到達点でのキャッチを目指すラインアウト   ダブルタックルで相手をしとめ、ボールを一気に奪う   ボールを持たない相手に対し、DFラインをコントロールする   SH役のJKの動きに合わせラインを押し上げる

練習の合間に氷水で体の熱を取り除く   素早い球出しから自分たちのリズムを作る   キックボールを競り合うウェブ選手とニコラス選手
練習の合間に氷水で体の熱を取り除く   素早い球出しから自分たちのリズムを作る   キックボールを競り合うウェブ選手とニコラス選手

2009年5月19日(火) シンガポール

日本代表シンガポール遠征3日目。今日の日本代表チームは、午前・午後とグラウンドでのトレーニングを行いました。
午前中は試合会場となるユオチューカンスタジアムでの練習となりました。曇り空ながら熱帯性モンスーン気候特有の湿度が高く、まとわりつくような暑さに包まれ、選手たちはウォーミングアップの時点で汗が噴出し、したたる汗をぬぐいながら練習がスタートしました。
ビジョンドリル、キックキャッチ等のW-Upで体を温めた後、ユニットトレーニングに移りました。FWはラインアウトの精度を上げ、より高い位置でキャッチできるよう重点的にチェックしました。最後は、相手ボールのラインアウト対策を確認。BKは、パスアクティビティーでパンチパスや、ディシジョンメーキングの要素を取り入れた5対3などを行った後、カウンターアタックのフォーメーションをチェックして終了しました。
練習後は、そのまま隣接したユオチューカンスイミングプールで疲れを残さぬようプールリカバリーを行いました。

午後は、ユナイテッド・ワールド・カレッジのグラウンドで練習を行いました。午後3時からの練習となりました。この頃には、太陽が顔を出し、強い日差しが容赦なく照りつけ、気温も一気に32℃まで上がりました。まさしく灼熱のグラウンドでの練習となりました。
練習前の円陣で菊谷キャプテンから「暑いと言い訳せず、しっかり声を出して集中して練習をしよう。楽しもう」と選手全員に声をかけて練習をスタートしました。
ウォーミングアップは、フィジカルトレーニングとハードルを使ったラックの入りの低さを意識したドリルを行い、合間にしっかりとストレッチをしながら体を温めました。
その後、スキルローテーションを行い、パワーフット、ボールプレゼンテーション、ボールキャリアーへのサポートという3つのステーションを順に回り、日本代表召集時から取り組んでいる日本代表のベースとなるスキルをチェックしました。

そのまま、アタックアクティビティーを行い、3つのステーションでベースとなるディシジョンメーキング、タックル時のボールコントロール等のスキルを確認し、5対5+1のアタックディフェンスを行いました。
最後は、チームアタックを行い、より試合に近いシチュエーションでの日本代表のアタックパターンを確認しました。昨日の韓国戦のレビューミーティングでの反省を活かし、積極的に仕掛ける姿が見られ、時には汗でボールが滑る場面も見られましたが、サポートの選手がしっかりフォローし、ミスを最小限に抑えるなど、選手全員が状況を把握し、チーム全体に安定感が見られました。

選手たちは、全体練習を終えても、個人練習を行い自らの課題克服に積極的に取り組みました。
シンガポール戦に向けた練習も残すところ明日1日。暑さに負けず、自分たちのターゲットを見失わないゲームを行い、PNCに向かいたいと思います。
日本からの応援をよろしくお願いいたします。

また、本日夕刻、追加召集となった豊田将万選手が無事シンガポールに到着し、チームに合流しました。明日の練習でしっかりとアピールしてくれると思います。

どこへ行ってもベースは揺るがずビジョンドリルでW-Up   ラインアウトのポジションスキルを行うリフター   こちらはスローワーのスキルトレーニング   BKはパンチパスを繰り返す
どこへ行ってもベースは揺るがずビジョンドリルでW-Up   ラインアウトのポジションスキルを行うリフター   こちらはスローワーのスキルトレーニング   BKはパンチパスを繰り返す

パスアクティビティーの応用編でディシジョンメーキングドリルを実施   常に最高到達点でのキャッチを目指すラインアウト   キッキングゲームにおいてカウンターアタックの重要性は高い   W-Upで一気に汗が噴出した
パスアクティビティーの応用編でディシジョンメーキングドリルを実施   常に最高到達点でのキャッチを目指すラインアウト   キッキングゲームにおいてカウンターアタックの重要性は高い   W-Upで一気に汗が噴出した

低く入って一気に突き上げる   相手をスイープすることをイメージして   強豪チームとの対戦になればなるほど重要になるボールプレゼンテーション   相手のパワーを利用して走るコースを変える
低く入って一気に突き上げる   相手をスイープすることをイメージして   強豪チームとの対戦になればなるほど重要になるボールプレゼンテーション   相手のパワーを利用して走るコースを変える

ボールキャリアーにコミットするのではなく、タックラーに入る   スペースを自分たちで作り出す   タックル後のボールの活かし方をチェック   スペースにしっかりアプローチする
ボールキャリアーにコミットするのではなく、タックラーに入る   スペースを自分たちで作り出す   タックル後のボールの活かし方をチェック   スペースにしっかりアプローチする

安定したラインアウト   DFの裏に出たら一気に外へ   FWがインパクトプレーヤーとして突破を図る   SHのオプションを増やすためにFWが仕掛ける
安定したラインアウト   DFの裏に出たら一気に外へ   FWがインパクトプレーヤーとして突破を図る   SHのオプションを増やすためにFWが仕掛ける

ボールキャリアーに素早くサポートに入る   今日のアイスバスは大盛況   一気に氷水をかぶった川俣選手   練習後のつかの間の休息‥‥
ボールキャリアーに素早くサポートに入る   今日のアイスバスは大盛況   一気に氷水をかぶった川俣選手   練習後のつかの間の休息‥‥

2009年5月18日(月) シンガポール

日本代表シンガポール遠征2日目。日本代表チームは、終日アクティブリカバリーとして移動の疲れを癒しました。あいにく、朝から雨が降り出し、時折、雷が鳴るなど荒れた天候だったため、ホテルでゆっくり過ごす選手がほとんどのようでした。

夕食前には、FW/BKに分かれてユニットミーティング、その後チームミーティングを行い、先日の韓国戦のレビューを行いました。カーワンHCからは、「点数的には10点中10点のゲームかも知れないが、内容をみれば10点中5点。これが、PNCや世界ランキング上位チームであったら命取りになりかねない。もっと精度を上げていこう」と締めくくりました。
明日は、午前・午後とグラウンドでトレーニングを行います。

チームミーティングで韓国戦のレビューを行った
チームミーティングで韓国戦のレビューを行った

2009年5月17日(日) 大阪~シンガポール

日本代表シンガポール遠征1日目。昨日、韓国代表を下し、アジア五カ国対抗2連覇を飾った日本代表チームは、本日、最終戦の会場となるシンガポールへ出発しました。

昨日の試合後のホテルでは、韓国戦で50キャップを獲得した小野澤選手をチーム全員で祝福し、ホテルのご好意で花束の贈呈がありました。小野澤選手からは、「まだまだチャレンジし続けます」という新たな決意表明もあり、大きな拍手で小野澤選手の記録を称えました。

そして、今朝、午前10時にホテルを出発した日本代表は、新型インフルエンザ対策でマスクを着用して関西空港からシンガポールチャンギ空港に向かいました。
約6時間のフライトを経てシンガポールに無事到着しました。選手たちを待ち受けたのは、東南アジア特有の蒸し暑い気候。荷物を積み込むだけで大量の汗が流れ出る気候の洗礼を受けました。
ホテル到着後、夕食をとり、早速プールでフライトリカバリーを行い移動日の一日を終えました。
明日は、終日アクティブリカバリーを行い、移動の疲れを積極的休養で取り除きます。
最終戦をいい形で勝利し、次のPNCに繋げていきたいと思います。アウェーでの試合となりますが、引き続き、温かいご声援をよろしくお願いいたします。

小野澤選手に、チームからジャージーとホテルから花束が贈られた   マスク着用でチェックイン
小野澤選手に、チームからジャージーとホテルから花束が贈られた マスク着用でチェックイン

空港からホテルまでの車内では、日本代表エンターテイメントコミッティより田中選手が代表してシンガポールの基本情報を披露   ホテルのプールでリカバリーを行う冨岡選手
空港からホテルまでの車内では、日本代表エンターテイメントコミッティより田中選手が代表してシンガポールの基本情報を披露 ホテルのプールでリカバリーを行う冨岡選手

6時間のフライトをものともせず、みんな元気です   プールサイドでリラックスする田中選手と前田テクニカル
6時間のフライトをものともせず、みんな元気です プールサイドでリラックスする田中選手と前田テクニカル