●6月25日(月)

トライリージョンズ最終日。朝食後、宿舎の片付けをしてチームでゲームに向けての最終ミーティング。終了後バスに荷物を積み込みグラウンドへ。ウォーミングアップ中に元木スキルアドバイザーが個別に指導している場面も。

ゲーム
Aチーム(シルバー) 27-0 Bチーム(ブラック)
Cチーム(レッド) 31-0 Bチーム(ブラック)
Aチーム(シルバー) 14-21 Cチーム(レッド)

高校日本代表セレクション「トライリージョンズ(三地区対抗戦)」レポート 高校日本代表セレクション「トライリージョンズ(三地区対抗戦)」レポート
ゲームの様子 ゲームの様子
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ゲームの様子
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ゲームの様子 コーチ陣
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ゲームの様子

ゲーム終了後、更衣を済まして集合。高野先生より合宿のテーマ・目標が達成できたか。この合宿で何をするかと言われたか。ポジショニングの「前」ができたか。4日間では、なかなか習得は難しい。だから合宿と合宿の間のこれからが大切な期間になる。
コーチからの指示は、スキルとアクティビティー(動作)を次の合宿までにできる様に取り組んで欲しい。次は「前」から「中」にいけるように、「いい癖」をつけて。またフィットネスデータの2012スタンダード値が示され、次の合宿までにオール5を目指して、トレーニングを実践すること。そして、一回りも二回りも大きくなった姿を見せてくださいと、この合宿の講評がのべられた。

閉講式では、地元教育委員会代表より、「世界で通用する、見た人に感動を与える選手になってください。そして、ワールドカップで日本を盛り上げてください」と、今後の活躍に期待が寄せられた。また、高崎先生からは、「昨日1日の練習で今日のゲームが前回よりレベルアップできた。この合宿の後、トレーニングを積むなど、次までに多くのことに取り組んで欲しい。そして、世界と対等に戦うために、高校で満足せず、『JAPANになり勝つこと』を目標にし、この合宿を機に、切り替えて各チームでトレーニングに頑張ってください」と全体講評。
最後に、この合宿でサポートして頂いた熊野高校ラグビー部へ、代表で湯本選手(東海大仰星)が感謝の気持ちを伝え、閉講式が終了。各選手が解散し、トライリージョンズ全日程が終了した。

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和歌山県スポーツ課 星課長の表敬訪問 4日間お世話になった熊野高校の選手諸君へお礼

 

●6月24日(日)

起床後、3チームに分かれてチームセッション。
シャッフルされた新しいチームでFWはラインアウト動作、BKはラインアタックの動作の確認をし、朝食。

出発前に各チームコーチによる練習前ミーティング。まず外国人を意識した練習、海外に通用するためにという言葉が始めに伝えられた。3チームの共通点は、「フラットアタック」「ブレイクダウンでのスキル(ハンマードライブ)」「シャロー(前へ出るディフェンス)」
また、チームCの「C」はConfidence(信用・信頼・自信)の「C」にするなど、各チームが様々な方法で練習への意識付けを行った。斎藤先生(チームC担当コーチ)からは、「他のチームとどこで差をつくるか?」という言葉が選手に投げかけられ、「メンタル、精度。相手に屈せずやりきるスキルをいかに、正確にできるか。これがラグビーアスリートである。成功への近道は、当たり前を当たり前にやりきること。確認・実践のサイクルに集中して練習に取り組もう!」と選手の意識を高め、宿舎を出発した。

練習後のスタッフミーティングでは、「全体的に姿勢が高い」「低い姿勢とハンズアップを強調して欲しい」。姿勢が低いことが日本の強みである。修正点を確認し、午後の練習に向けて各チームレビューを行った。

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スクラム
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恵まれた環境で
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元木スキルアドバイザーによる和歌山の選手指導

午後は、午前の精度を高める、チームランを中心に練習が行われた。
「A」:「すべての動きに低さを」「初動作:前。1歩を大切に」
「B」:やりきる雰囲気を作る!!チームトークを取り入れ、選手が練習に対し自分たちで考え、意識し、どう取り組むかという姿勢を大切にした。
「C」:南條リソースコーチにアドバイスをもらうなど、アタックを中心に、チームの強みを引きだした。

夕食後、全体ミーティング。山根トレーナーから「栄養について」の講義が行われた。たんぱく質に特化し、体に必要なタンパク質の量・摂取時間などの説明があり、筋肉はトレーニング+栄養+休養。強化が傷害予防につながる。ラグビーアスリートのために自分を高め、正しいものをいっぱい食べて、いいプレーヤーになって欲しい。という話に選手も真剣にメモをとる姿が見られた。
その後、横田先生から今日までの3日間の振り返りを個人ですること、と指示があった。

  1. 世界で戦えるプレーヤーになるために何を意識したか。
  2. この合宿の目的であるゲームの構造「前」「中」を実践できたか。うまくいかない原因は何か。
  3. フェイズアタックの練習で、ハンズアップができたか、当たる前の動き・動作ができたか、改善が見られたか。
  4. 成長サイクルを理解し、実践できたか。「プラン」「ドウ」「レビュー」

「振り返りの方法はコーチからのフィードバック、自分の練習から、試合でのパフォーマンスからなど、自分で具体的にする習慣を身につけることが大切。レビューからしっかり明日のゲームに向けて、個人のプランニングをたててください」と成長サイクルの重要性が伝えられ、全体ミーティングは終了。各チームに分かれ、最終ミーティングを行い、3日目が終了した。明日のゲームでは、レベルの高いゲームが期待できる。

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横田コーチによる和歌山の選手指導 高崎コーチによる和歌山の選手指導
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松井コーチによる和歌山1年生へのパス指導田コーチによる和歌山の選手指導

 

●6月23日(土)

起床後、3ブロックに分かれてランニングスキルやサインプレー・動きの確認などのチームセッションを行った。
朝食後、ブロックごとに練習前のプレゼンを行い、バスでグラウンドへ移動。移動後すぐセルフアップ。スローワーは南條リソースコーチから、ゲームを意識したスローイングの練習の仕方までを練習開始までに教わった。

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ゴルフ場をつかって朝のセッション 朝のセッション 西日本
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朝のセッション 中日本 朝のセッション 東日本
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上富田町記念品贈呈式 町長から歓迎の挨拶・記念品贈呈

チーム練習に入る前に上富田町記念品贈呈式があり、町長から歓迎の挨拶・記念品をいただいた。チーム練習では、昨日のパフォーマンスの3段階「前」を意識した練習に「中」の部分を加え、各チーム昼からのゲーム準備を行った。練習には元木スキルアドバイザーをはじめ、松尾・南條リソースコーチも積極的に指導に参加していただき、選手に意識すべきことを落とし込んでいただいた。途中、FWは合同でスクラム・ラインアウトを行い、最後はチームランや今まで取り組んだ練習の積み重ねを狙ったメニューなどで、午前中の練習を終えた。

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元木スキルアドバイザーによる指導
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スクラム練習 和歌山国体マスコット「紀伊ちゃん」と元木氏、南條氏
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全員集合!

午後、各チームテーマを持ってウォーミングアップを行いゲーム。
東日本 21-19 西日本
西日本 0-45 中日本
東日本 33-10 中日本
終了後、各チームで疲労を残さないためのクールダウンをして宿舎へ。

夕食後の全体ミーティングでは、山根トレーナーより「ベストパフォーマンス獲得のためのあらゆる取り組み」として、コンディショニングづくりについて説明があった。ケガの予防のためにどうしたらよいか?今回テーピングをする選手が多く、テーピングを巻かずに思い切りラグビーをするためには、ケガをしないラグビーができる体づくりと、同じケガをしないトレーニングに取り組むことが必要であり、それがコンディショニングづくりである。その方法をいかに自分で学び、考え、実践していくか。そのためには、自分の体に興味を持つことが大切(セルフケアがすべての土台)であり、プロ意識を持って取り組んで欲しいとまとめられた。

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東VS西 東VS西
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コーチの話をよく聞く
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東VS中

続いて、高崎先生より本日のゲームについて「このメンバーでは世界で戦えない」と厳しいお言葉をいただいた。そして、「短期間でどれだけチームとしてまとまってゲームができるか」を目的としたチームシャッフル。そこで自分のパフォーマンスを発揮できるかが試されるという今回の新しい取り組みについて説明があり、そのためにも今日のチームでリーダーを中心に反省し、発表する場が設定された。
ミーティングには地元でサポートしていただいている熊野高校から4名も参加し、外から見ている側の意見も取り入れられた。各チームリーダーからの発表では、「良かったところ」「悪かったところ」「次はどうするか」が言わなくても話し合われていた。高崎先生からは、「今日のゲームはもう戻ってこない。トーナメントでは1戦・1秒が大切であり、反省したこのチームでもう一度ゲームはできない。シャッフルしたチームで、与えられたチャンスに力を発揮できないということは『力がない』ということ。明日から3コマの練習がゲームに向けてある。反省とは後悔しないゲームをするためにするものである」
それぞれの課題を改善するために、真剣に取り組む重要性を選手に伝え、チームミーティングが終了した。

新チーム選手・コーチ発表後、チームごとに自己紹介や明日までにできること、自分たちでやりたいこと、自分の強みや弱みなどグループでの話し合いを各チームさまざまな方法で行い、並行してチームスタッフによる個人面談が行われ、明日からの準備をして2日目が終了した。

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2日目夜のミーティング トレーナーより 選手ミーティング
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選手ミーティング 面談

 

●6月22日(金)

前日からの大雨で選手の集合に影響が出る中、予定通りトライリージョンズが始まった。
開講式では、前田・日本協会高校担当理事から会場をお借りしている和歌山県の方々に感謝するとともに、基礎体力を高める、基本プレーを忠実にやりきる大切さとここに集まったメンバーが互いに鍛え厳しい中で気を抜かない、高校代表が戦ったイタリア・フランスとの差は基本プレーの差、2016年7人制オリンピック、2019RWCに向けて君たちの力が試されると激励があり、上野・競技力向上委員会委員長からは、僅差の勝敗の訳は何か考えるとわかる、負け癖のついた日本を何とかしないといけない、負けたら悔しいと思えることが大事、我々はいいゲームを求めているのではない、選ばれてきた選手は甘えずプロ意識を持って取り組んで欲しい、とお話をいただいた。また、2011年U18代表監督松井先生から、この合宿でしっかりとアピールし個人の強みを出して欲しい、そして一人でも多く日本代表やジュニアジャパンなどのエリートプログラムへつながる選手が出ることを期待するとお話をいただいた。

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開講式 前田担当理事挨拶 開講式 上野競技力向上委員会委員長挨拶
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和歌山県体育協会局長より激励品の贈呈 開講式の様子

開講式後の全体ミーティングでは、ユースコーチ斉藤先生よりトライリージョンズの目的が伝えられ「目指すべきプレーヤー像」「世界で戦うためのプロジェクト」「日本ラグビーの目指すプレースタイル」「パフォーマンスの3段階」の説明があり、自分より大きなプレーヤーに負けないためには「自ら考え課題を解決し成長し続ける態度」の必要性が強調された。さらに、それぞれの選手が代表になるイメージを持ち、選ばれた責任を自覚し、高いレベルで取り組み、みんなで成長する時間にして欲しいと選手に伝えられた。

選手も全員集合し、グラウンドに移動。マルチなどの測定し、その後チーム練習。
東日本は測定後のコンディショニングを考え、コミュニケーションを大切にし、リードアップゲーム(タッチフット)の動きの中でフラットアタックなど選手がどれくらいできるかアタックを中心に、ポジショニング・ポイント予測・次の動きの意識づけ・ボールを見て相手を見る必要性を強調した練習を行った。

中日本はディフェンスに特化し、「前」の部分の精度を高める、対外国人を意識した出足、姿勢で仕掛けることを考えさせることに重点を置き、ポジショニングからのアップ練習を繰り返した。また、早いポジショニングのための動作(体の向きや顔の向き)の大切さについても細かく指導されていた。

西日本はアタック(シェイプ)で相手に的を絞らせない、1stレシーバーが相手と常に1対1をつくり差し込み、ボールを下げないドリルを繰り返し確認した。

練習後にはグラウンドレベルでチームスタッフがレビューを行い、宿舎に移動。
夕食後の全体ミーティングに石渡先生・天野先生・松尾RC・元木スキルアドバイザーも合流。東日本ブロック坂本先生から開講式の復習、「プレーヤーの育成指針」について説明があり、質問形式で「自ら考え課題を解決し成長し続ける態度」をゲーム終了後、やっているか? 今日の練習では、パフォーマンスの3段階の前を意識したか? など、大事なことは、それぞれが県・日本・世界どのレベルで戦うことを考えて取り組むかで判断し、自己成長サイクル「プラン・ドゥ・レビュー」では大切なのは、やらされているより自分で選んでやる、だから自分のものになる。成長サイクルをどのような場面(生活の部分)でもやることがラグビーのためにつながり、身につくことになる。自分の未来は自分で選ぶ。やり方も自分で選ぶ。それが仲間のためになり、ラグビーのいいところと選手自身の取り組む大切さが伝えられた。

また、S&C見山さんは測定結果よりマルチは昨年より数値が上がっている(走れている)。試合よりキツイ(強度の高い)量で練習すれば、昨年より強いチームになれる可能性をがあることを選手に伝えた。

高校代表報告(松井先生)では、外国人に勝つための選手選びの根幹、練習での鉄則と前に出るディフェンス、アタックの継続。遠征はハードである:時差や移動時間、テストマッチの重要性。遠征のVTRを見た後、桜を咲かそうという気持ちでチームがひとつになった。来年も感動できるチームになって欲しいとの想いが伝えられた。

2日目は、本日のレビューをもとに、午後からのゲームを意識したチームづくりのための練習が行われる。

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シングルレッグスクワット【測定】 7minテスト
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揃って アップ!! 夜のミーティング
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チームミーティング