■DAY8:2013年3月17日(日)

遠征の第2戦を迎えました。第1戦で目標の“4戦全勝”に向けて幸先の良いスタートをきったチーム。勢いに乗って連勝を目指します。しかし天候は生憎の雨、キックを使わずボールを動かしていくラグビーを持ち味とするジャパンに取っては少々不利な天候です。午前は早朝トレーニングでビッグストレッチ、10:00からジャージ授与式を行い心と体を決戦に向けて準備していきます。

13:00、バスにてグラウンドに到着、この頃には雨は雪へと変わり気温も低くなりコンディションは悪くなる一方です。W-upを終えて14:30キックオフ。この試合も開始から積極的にボールを継続しますが天候もありボールが手につきません。対するイタリアは初戦にアタックがことごとくジャパンDFの餌食になった点を修正し効果的なキックを多様する戦術で対抗、序盤はイタリアがやや有利な状況で進みます。

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選手入場 プレッシャーをかけるBK陣
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スクラムでプレッシャーをかけるFW ハーフタイム - FWユニットトーク

しかし均衡を破ったのはジャパン。相手のキック攻撃を適切なキック処理と粘り強いDFでしのぐと前半10分、相手反則からのPGを10番・浜岸が冷静に決め3-0とリードします。対するイタリアも負けじと反撃、13分にジャパンゴール前でこぼれ球を拾い左隅にトライ、3-5と逆転します。しかし、ジャパンは慌てません、直後のキックオフで敵陣に入ると相手の反則を誘い敵陣22mでマイボールラインアウトを得ます。このラインアウトからFWのサイド攻撃を仕掛けモールを形成、そのままインゴールになだれ込み6番・末永がトライ、10番浜岸のゴールも決まり、10-5と再びリードします。
その後も激しい攻防が続きましたが、さらに激しさを増した雪の影響もありお互い得点には至らず、ジャパンリードで前半を終了しました。

ハーフタイムで戦略を確認して迎えた後半3分、イタリア陣ゴール前中央ラックからモールを形成そのままドライブし、1番・堀越がトライ、ゴールも決まり17-5とリードを広げます。このトライでイタリアがジャパンのモールを嫌っていると確信したチームは、戦い方をシフト。連続攻撃にキックを織り交ぜ相手を自陣に釘付けにします。そして迎えた17分、敵陣右のスクラムから8-9を仕掛け9番・湯本がDF裏にキック、14番・松井が冷静にドリブルでインゴールへボールを運びトライ。難しい角度のゴールも10番・浜岸が決めて24-5とし勝負を決めました。終了間際にイタリアにトライを返されますが時すでに遅し、24-12で勝利し、見事2勝目を挙げました。

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ハーフタイム - 後半のゲームプランを確認 勝利のポイントとなったラインアウトの攻防 - JAPANの安定したラインアウト
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2トライを奪ったJAPANのモール ラインDF - 最後までJAPANのDFは崩れず
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サイドアタックから攻撃を仕掛ける湯本主将、この後松井選手のトライを生んだ 雪の中での攻防
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ノーサイド 応援に駆けつけたトリノ在住日本人の方々に挨拶する選手達

勝利の要因は、第1戦同様にシャローディフェンスと天候・相手の状態を判断したゲーム中の修正力です。雪でボールの継続がままならない状況でパニックに陥らず、モールを軸に相手の弱みをついた見事なゲームコントロールでした。

最後に、本日は天候の悪い中多くのトリノ在住・日本人の方々に応援に駆けつけて頂きました。また、チームに対しておにぎりの差し入れまで頂き本当に力強い支援でした。スタンドから大きな声で“日本頑張れ”という声援を耳にした選手達は、改めて代表選手として戦う事の喜びを感じる事が出来たと思います。ありがとうございました。

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アフターマッチファンクション - 両チームによる記念品の交換 マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた浜岸選手
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チームソング・楕円桜を歌い、感謝の意を表す選手
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応援団と一緒に - 沢山の現地在住日本人の方々が応援に来てくださいました 昨年の遠征で通訳をして頂いた、リーノさんも応援に来てくれました
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お世話になったホテルの方々
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全員で記念写真
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ミーティングルーム - ミーティング内容を掲示 ゲームレビューGood_Bad_Next
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スタッフ全員でゲームをサポート - ゲーム撮影担当の野上副団長

【選手紹介】
今回はチームの屋台骨、プロップ陣の紹介です。

鳥原貴智選手(鹿児島実業)
1) 代表に選ばれたときの気持ち: 不安がとてもあった。
2) 代表に選ばれてからの気持ち: 日の丸を背負うという事を誇りに思って自分の出来るプレーを出しきりたい。
3) 遠征の抱負・意気込み: フランス・イタリア共に強豪国だがやるべきことをしっかりやり、4戦全勝を目指していきたい。
4) 将来の自分、未来図(ラグビー選手として、それ以外も): トップリーグに進み、再び日本代表としてプレーする。
渡邉隆之選手(札幌山の手)
1) 代表に選ばれたときの気持ち: とてもうれしく、信じられなかった。
2) 代表に選ばれてからの気持ち: 代表として、皆についていけるのかなという不安もあったが、自分の全力を出して行こうと思った。
3) 遠征の抱負・意気込み: コンタクトやスクラムで外国人に当たり負けずに前にでる。味方に出来るだけ良いボールを供給できるように頑張る。
4) 将来の自分、未来図(ラグビー選手として、それ以外も): ラグビー日本代表、トップリーグ出場、大学日本一。
具智元選手(日本文理大学附属)
1) 代表に選ばれたときの気持ち: 中学の時日本に来たときから夢だったので本当にうれしかった。
2) 代表に選ばれてからの気持ち: 高校日本代表の遠征でいろいろ学び、大学・U20日本代表へと活かしたい。
3) 遠征の抱負・意気込み: イタリアとフランスの選手とスクラムを組んでも安定感のあるスクラムを組みたい。
4) 将来の自分、未来図(ラグビー選手として、それ以外も): 日本代表に選ばれたい。トップリーグ選手になってプレーする事。ワールドカップに出たい。
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左から、鳥原選手・渡邉選手・具選手
■DAY7:2013年3月16日(土)

遠征7日目、本日も早朝S&Cトレーニングからスタート、体幹と股関節の動きを意識した内容でした。午前は明日の試合に向けてコンディショニング、全員でのビッグストレッチを行いました。第1戦後のミーティングで横田監督から、遠征でのゲームパフォーマンスを維持する上で、ここから先はコンディショニングが一番重要である事が示されていて、選手達も高いモチベーションで取組んでいます。

午後は15:00から試合会場となるトリノラグビークラブのグラウンドで練習を行いました。ユニット・ジェネラルスキル・キャプテンズランとテンポ良く練習を行いました。また、練習前には会場となる地元・セッチモの連盟の方々からチームに対し記念品の贈呈式が行われました。クラブ所属の子供達も練習に来ており、選手・スタッフともにサイン攻めに合う光景も見られました。

本日は、試合前日のため会場での練習がメインとなりました。そこで感じたのは、地域の方々のジャパンチームに対するホスピタリティーの素晴らしさと高校代表に対する注目度の高さでした。日本の代表として海外で試合をする使命は、グラウンドのみならず“スポーツを通じた親善大使”としての役割である事を実感させられた1日でした。明日はイタリアでの最終戦、チームジャパンとして“記録に残る勝利”だけでなく、“記憶に残るチーム”を実現したい。その一心で全力を尽くします。

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早朝トレーニング 早朝トレーニング - 100回腹筋
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ビッグストレッチ ビッグストレッチ - 股関節のストレッチ
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第2戦の開催地・セッチモ市からチームへ記念品の贈呈
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試合会場となるセッチモ・トリノクラブ 両国の国旗がクラブハウスに掲示され、歓迎ムード
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セッチモクラブのチーム紹介
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キャプテンズラン DFセットアップ
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チームの強み・DFの確認 試合会場の風景

【選手紹介】

栄えある1回目はチームの頼れるスキッパー、チームリーダー3名の紹介です。

キャプテン・湯本睦選手(SH・東海大仰星)
1) 代表に選ばれたときの気持ち: 選ばれたからには「やるしかない」という気持ちで一杯だった。
2) 代表に選ばれてからの気持ち: 日本が勝つためにやるべき事を考えた。モチベーションを高く持ち、日本代表である事の責任感をもった。
3) 遠征の抱負・意気込み: 4戦全勝、この目標をどれだけ選手自身が考え行動できるか。それを共有し合い、実行したい。チームを上手くまとめるだけではなく、自分のプレーで持ち味を出す。勝利の立役者になりたい。
4) 将来の自分、未来図(ラグビー選手として、それ以外も): 目指すのは日本代表、この目標がぶれることなく日々成長するために、1日1日を過ごしていく事。人から愛される選手になりたい。
FWリーダー・桶谷宗太選手(No.8・常翔学園)
1) 代表に選ばれたときの気持ち: 今まで、日本代表に選ばれた事がなかったのでうれしかった。自分より上手い人は沢山いるのに自分が選ばれたので少し不安な気持ちもあった。
2) 代表に選ばれてからの気持ち: 桜のマークをつけ、日の丸を背負って試合をするので、どんな時も代表として恥じないプレーをしなければならないと思った。
3) 遠征の抱負・意気込み: 4戦全勝を目標にしているので、目標を達成できるように全ての試合で100%の力を出し切れるように頑張りたい。また、外国の代表チームと試合をする機会はほとんどないので、自分のプレーが世界にどれだけ通用するのかをしっかりと試したいと思う。
4) 将来の自分、未来図(ラグビー選手として、それ以外も): もしラグビーをしているなら、日本代表になって、2019年のワールドカップに出場して、活躍したいと思う。
BKリーダー・鈴木啓太選手(CTB・茗溪学園)
1) 代表に選ばれたときの気持ち: 高校代表は、自分の夢だったので選ばれてうれしかった。イタリアとフランスに勝つしかない。
2) 代表に選ばれてからの気持ち: 全国から様々な選手が集まるので、友達の輪を広げたい。いろいろな事を選手として吸収する。
3) 遠征の抱負・意気込み: 4戦全勝。BKリーダーとしてユニットをまとめる。チームを引っ張っていく。FWリーダーの桶谷とコミュニケーションをとり、BKとFWのパイプ役になる。
4) 将来の自分、未来図(ラグビー選手として、それ以外も): 監督として花園に出場する。
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左から、FWリーダー桶谷選手・キャプテン湯本選手・BKリーダー鈴木選手
■DAY6:2013年3月15日(金)

遠征第2戦にむけてチームの始動です。昨日のオフで心身ともにリフレッシュした選手達、今日も元気に早朝S&Cトレーニングからスタートです。上半身のトレーニングをメインに行いました。
午前はインディビジュアルの後、ユニットとS&Cトレーニングを行いました。インディビジュアルでは前日の個人面談で明確になった選手個々の課題修正を行いました。BK陣は坂田団長直々に、ステップワークの指導を受けました。ユニットではFWはスクラムとラインアウト、BKは素早いポジショニングを課題に練習を行いました。S&Cトレーニングは、ストレングスとラン系のメニューでしっかりと息を上げて練習を終了しました。終了後はあまりにも景色が美しかったので、記念写真を1枚撮影しました。

午後は第1戦のレビューで明確となった課題修正を中心に練習を行いました。ジェネラルスキルでは、1on1でのボールセキュリティー、DFブレイクダウン時のカウンターラック、DFセットアップからヒットまでを入念に行いました。最後はチームアタックディフェンスでアタックのオプションとシェイプ、ブレイクダウンの確認を行い練習を終了しました。練習後は6日間お世話になったCUSクラブのグラウンドを全員で清掃。クラブマネージャーのエニオさんにチームを代表して湯本キャプテンからお礼の挨拶と記念品を贈呈しました

夕食時には、本日誕生日を迎えた鳥原選手のサプライズ・バースデーを行いました。チームメイトからの粋なはからいに、鳥原選手も終始笑顔。忘れられない誕生日となりました。
夜のミーティングは、坂田団長のお話から。昨夜に続きご自身の現役時代の経験談が述べられました。続いて野上副団長から、“ラグビーの歴史講座”を昨夜に続き開催、なぜテストマッチと呼ばれるのか?という事をお話しいただきました。最後は横田監督から第2戦に向けてのゲームプランとゲームに向けて選手個人での準備について確認しミーティングを終了しました。
明日は第2戦に向けて心と体を準備するために大事な1日となります。また、試合会場でのキャプテンズランも予定されています。気持ちを新たに、1戦目より進化したチームジャパンの活躍に期待したいと思います。

高校日本代表「イタリア・フランス遠征」レポート
早朝トレーニング
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早朝トレーニング 早朝トレーニング
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インディビジュアル - 坂田団長からステップを伝授されるBK陣 SCトレーニング
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SCトレーニング・見事なワニウォーク
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アルプスを背景に集合写真
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修正練習 - 1on1 DFブレイクダウン - ボンバーの修正
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ブレイクダウン修正練習 チームラン
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お世話になったエニオさんに湯本キャプテンから記念品の贈呈 エニオさんを囲んで記念写真
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6日間お世話になったCUSクラブ
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CUSクラブハウス内の写真
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バースデー・サプライズ 本日の主役・鳥原選手
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バースデーケーキ
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ラグビー歴史講座・講師の野上副団長
■DAY5:2013年3月14日(木)

昨日のイタリア戦勝利から一夜明けた朝、選手達は疲れも見せず元気に早朝トレーニングに集合しました。昨日までとは打って変わって非常に寒い朝です。トリノに来て初めてのアルプスからの冷たく、強い風も吹いています。風のおかげで今まで見えなかったアルプスの山々も今朝はくっきりと見る事が出来ました。

午前はリカバリー。9:00から近隣のスポーツクラブにてプールリカバリーを行いました。昼食の後、14:00からはトリノ市街の観光に出かけました。イタリアでは4番目の都市、歴史の古い町並みがあちらこちらに見られます。市街中心の世界遺産を全員で見学し、その後は自由行動をとりました。選手達は地図を片手にそれぞれ自由な時間を楽しみリフレッシュしました。

夜のミーティングは、坂田団長の話から。今回お世話になっている地元ラグビークラブの方々のホスピタリティーについて触れ、これらの方々に対する感謝の念を持って常にプレーしようと言う事が述べられました。続いて野上副団長からは代表選手として知っておきたいラグビーのルーツについて、話がされました。最後は横田監督説明の後、FW・BKに分かれて選手ミーティング。昨日の試合の「Good」「Bad」と次への課題、「Next」を選手で共有し、ミーティングを終了しました。
本日はコンディショニングとトリノ市街観光がメインで選手・スタッフともにいつもよりリラックスした時間を過ごしました。明日からは遠征第2戦目に向けて気持ちも新たに練習に取組んでいきます。

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早朝・アルプスの絶景 トリノ市街にて
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トリノのシンボル・モーレアンテリアーナ
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イタリアでもどや顔
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中世の香り漂う街並 古代ローマの遺跡
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選手達も興味津々 マダマ宮殿内
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王宮前広場にて集合写真
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夜のミーティング・坂田団長 野上副団長のラグビーのルーツ講座 - ユーモアたっぷりの楽しいお話でした
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第2戦に向けて 第1戦ゲームレビュー
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映像をみながらレビュー FWユニットミーティング
■DAY4:2013年3月13日(水)

第38期高校日本代表、イタリア・フランス遠征の初戦を迎えました。午前は早朝トレーニングで体に刺激を入れ、朝食後選手ミーティングを行い試合に向けての最終確認を行いました。12:00からビッグストレッチで体をほぐし、午後の試合に備えました。

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ビッグストレッチ1 ビッグストレッチ2

午後は14:00からジャージ授与式を行いました。国歌斉唱の後、横田監督が一人一人選手の名前を読上げ坂田団長からジャージが授与されました。普段は非常に明るい選手達も授与式の厳粛な雰囲気もあり皆、引締まった表情をしておりゲームに臨む決意が感じられました。授与後は坂田団長の言葉、桜のジャージに袖を通す事の意味と使命が選手達に向けて語られました。最後に横田監督からチーム結成来取組んで来たラグビーを信じて戦う事を確認し、授与式を終了しました。

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ジャージ授与。団長から選手一人一人へ
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坂田団長の言葉 横田監督から試合に向けて
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ゲーム前W-up - ハンズ W-up - ディフェンスセットアップスタート
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W-up - バッグタックル

15:00バスでグラウンドに到着、W-upを終えて16:30いよいよキックオフです。コイントスでキックオフを選択したジャパンのキックで試合開始、開始から積極的にボールを継続しますが初戦の堅さからかハンドリングミスが目立ちます。対するイタリアもジャパン同様キックを使わずに積極的にボールを動かすラグビーでお互いに激しい攻防が続きました。

先に均衡を破ったのはイタリア、前半8分ジャパンゴール前のラインアウト・モールから右に展開し、最後は12番がタックルを振りほどきトライ、ゴールも決まり7-0とします。シャローディフェンスから前でタックルする事を狙ったジャパンディフェンスのギャップを個人技で突破されたトライでした。しかし、このトライでジャパンも目が覚めます。下に飛び込むタックルを修正すると徐々にシャローディフェンスの効果が出始めリズムをつかむと12分、連続攻撃からゴール前に迫り最後は13番・中西が飛び込みトライ、ゴールも決まり7-7の同点としました。その後は両チーム得点を重ね10-14のイタリアリードで前半を終了しました。リードは許したもののディフェンス・アタックともにジャパンが目指すラグビーが、大きな外国人相手にも通用する事が実践できた前半の戦いでした。

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相手を苦しめたジャパンのシャローディフェンス シャローディフェンス2
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勝利に大きく貢献したFW陣
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相手に圧力をかけたジャパンの低いスクラム
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ハーフタイム

ハーフタイムで修正点を共有して迎えた後半、ジャパンのスピーディーなラグビーが徐々に相手の体力を奪っていきます。前半からの執拗な連続攻撃で足が止まった後半21分、イタリア陣ゴール前スクラムから8番・桶谷が右にサイドアタックで大きくゲイン、ラックから素早く18番・桑野が持ち出しトライ、ゴールも決まり17-14と逆転に成功。この得点で自信を深めたジャパンは、その後も執拗に攻め続け31分・35分にもトライを奪いノーサイド。27-14で見事勝利をおさめました。

勝利の要因は、今年のチームが目指してきた、シャローディフェンスとリロードを意識した分厚くかつ速いテンポの順目への連続アタックが機能した事です。特にDFは前に出るプレッシャーに加えタックルの精度も高く、ターンオーンバーを連発(トータル9回)、後半はイタリアを0点に抑えました。アタックではハンマードライブに象徴されるように相手よりも常に数的優位でブレイクダウンを制圧しました。何より後半の20分過ぎに3トライを奪い相手を突き放したフィットネスは、新たに取組んだS&Cトレーニングの賜物でした。

今日の勝利で、チームは取組んできた戦術・戦略とトレーニングに自信を深める事ができました。しかし、遠征は始まったばかり。2戦目以降も厳しい戦いが続く事は間違いありません。この勝利におごる事なく今日よりも一歩上をめざし、“プラス・One”を忘れずに進化の足を止めません。

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ラインアウトの攻防 ノーサイド。お互いの健闘をたたえ合う両チーム
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全員で記念写真
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アフターマッチファンクション 団長からの祝福
■DAY3:2013年3月12日(火)

遠征3日目、昨夜からの雨の影響でどんよりとした曇り空、すこし肌寒い朝です。本日も早朝SCトレーニングからスタート、強化合宿から新しく取り組んでいるセッションですがチームの定番として定着してきました。選手の日々のコンディション日誌のコメントでも“体のキレが出て来た”という声が多く、徐々にトレーニングの効果が現れています。

午前は明日の試合に向けてコンディショニングにターゲットを絞り活動。全員でのビッグストレッチの後、FWはホテルの駐車場でラインアウトオプションの確認をスローで行いました。BKはホテル内でのユニットミーティングを行いましたが、選手間での活発な意見交換がありユニットとしての成長を感じさせる内容でした。

午後は14:30から試合会場での前日練習。チームリーダーを中心に選手達自ら考えたキャプテンズ・ランを行いました。また、練習終了後には選手・スタッフ全員でグラウンド内外のゴミ拾いをして試合会場を後にしました。

夜のミーティングでは、スタッフ一人一人から選手達に向けてエールが送られました。それぞれの立場から送られた言葉をまばたき一つせず聞き入る選手達の姿に“成長”と“決意”を感じた瞬間でした。

最後に“プラス・ONE”を実践できたエピソードを一つ、午後の練習は試合会場となる地元ラグビークラブの関係者も多数見学にこられました。その関係者からチームが行った清掃活動に対して驚きと賞賛の声を頂きました。チームとしての成長を確認できた出来事でした。明日はいよいよ第1戦、チーム結成から取り組んで来たラグビーを信じて、全力で勝利を目指します。

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早朝トレーニング1 早朝トレーニング2
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ビッグストレッチ1 ビッグストレッチ2
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ビッグストレッチ3 ペアで FWユニット ラインアウトの確認
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練習風景 タックルバッグヒット
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練習の締めは楕円桜を全員で イタリアでの試合球
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トリノ在住日本人の方々からおにぎりの差し入れ おにぎりは日本人のソウルフード
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夜のMTG 野上先生から選手達にエール
■DAY2:2013年3月11日(月)

本日から遠征の本格始動です。トリノは日本に比べ気温は低いですが、風もなく体感温度は高く過ごしやすい天気で気持ちの良い朝でした。昨日の疲れも見せず皆元気な顔で、早朝練習に集合しました。遠征のスタートもやはり早朝SCトレーニングから、大石トレーナーの指導のもと室内で自体重を用いたトレーニングを行いました。

午前はユニットとリカバリーを兼ねたSCトレーニングを約90分行いました。ユニットはFW・BKともにセットプレーのスキルを中心に行いました。SCトレーニングは、ストレングスとラン系のメニューでしっかりと息を上げて練習を終了しました。

午後はチームディフェンスを中心に練習を行いました。特にDFでは体格で勝るイタリア選手を想定して、強いヒットを意識したタックルとタックル後のリロードの動作確認を入念に行いました。最後はチームADでアタックのオプションとシェイプ、ブレイクダウンの確認を行い練習を終了しました。

夜のミーティングでは、まず坂田団長から初戦に向けての心構えについて、ご自身の代表経験を踏まえてお話しいただきました。次に横田監督から初戦のゲームプランとそのプランを実践するために選手一人一人が“プラス・ONE”の仕事を貫徹する事を全員で確認し、ミーティングを終了しました。

本日は遠征2日目で、時差ぼけ等のコンディションも心配されましたが、選手・スタッフともに元気にスケジュールを消化する事が出来ました。また、イタリアでのグランド練習を終えたことで、選手達も普段の生活リズムを取り戻すきっかけとなりました。明日は第1戦の前日、試合に向けて心と体を準備するために大事な1日となります。本日よりも一歩上をめざし、一人一人が“プラス・ONE”を合い言葉にがんばります。

高校日本代表「イタリア・フランス遠征」レポート 高校日本代表「イタリア・フランス遠征」レポート
早朝トレーニング1 早朝トレーニング2
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早朝トレーニング3 BKユニット
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FWユニット SCトレーニング
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SCトレーニング2 遠征の必需品~ミネラルウォーターの買出し
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練習開始の円陣~気持ちを一つに セルフW-up
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2on1ハンマー タックルブレイクダウン
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チームAD 練習後チームトーク
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坂田団長とイタリアでお世話になっているリエゾン・通訳の射場さん 練習を見学する地元の学生
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夕食風景 本日のメニュー
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ミーティング 坂田団長のお話
■DAY1:2013年3月10日(日)

3月9日・21:55に成田から出発、約12時間のフライトで現地時間の3:00にパリに到着。4時間のトランジットの後、空路でリヨンへ、最後は4時間のバス移動で滞在地トリノに到着しました。

トリノはイタリア北部、アルプス山脈の麓にある街で2006年冬季オリンピックの開催地にもなった所です。リヨンからの移動バスでは、雄大なアルプスの景色を目の当たりにする事ができ、日本とはおもむきの違う景色に“遠征に来たのだな”と身も心も引き締まります。

ホテル到着後は遅めの昼食をとりました。本場イタリアのパスタを口にした選手からは“美味しい”の声があちらこちらで聞こえました。その後は各自部屋に入り荷物の整理をし、ホテルの敷地内でリカバリー中心のトレーニングを行いました。夜は遠征最初のミーティング、時差ぼけと移動の疲れから目をこすりながらのミーティングとなりましたが、選手達は意欲的に取組んでいました。

明日からは、いよいよ第1戦に向けた練習が始まります。コンディションを整え、新たな気持ちでがんばります。

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成田出発 いよいよ搭乗です リヨンからトリノへバス移動 バスの者車窓からアルプスの雄大な眺め
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国境の長いトンネル イタリアの拠点となる練習会場 歴史を感じさせる更衣室