photo by RJP Kenji Demura
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「スコットランド戦、グロスター戦と少しずつアタックは良くなってきている」
試合前にWTB廣瀬俊朗が語っていたとおり、立ち上がりから圧倒的にロシアに対して攻め続けた日本代表。
それでも、前半終了時のスコアは13対13。
「今日はスクラムもラインアウトもキックオフも良かった」(スコット・ワイズマンテルヘッドコーチ代行)という安定したセットを起点に自分たちのテンポで攻め続けて、何度もロシアゴールに迫ったが、奪ったトライは14分に敵陣深くのラインアウトからモールを組んでFLヘンドリック・ツイが押さえた1本のみ。
この秋、対戦してきたニュージーランド、スコットランド、グロスターという相手からすると、やや力が劣ると言わざるを得ないロシアに対して、「コンタクトで勝てるし、そこで個人技でいってしまった」(FB五郎丸歩)。
その結果、「ハンドリングエラーが7回」(ワイズマンテルHC代行)など、トライラインに迫りながらミスを連発。
「軽いミスが多かった。スペースがあったので、みんながみんなボールキャリーしに行こうとしてしまっていた」(SH田中史朗)
「ランク上のチームだとなかなかボールを動かせないし、ゲインできないのが、今日は行けちゃったので、甘いオプションを選択してしまった」(SO小野晃征)
ゲームコントロールの役割を担うハーフ団が試合後、そんなふうに振り返ったとおり、前半は不完全燃焼な内容に終始した。
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「後半は我慢して、いい攻撃ができた」(廣瀬主将)
ハーフタイムにコーチ陣から激しい言葉が出ることもあったようだが、「あれで目が覚めた」(LO大野均)という後半は、前半とは見違えるように、しっかりジャパンウェイを続けて、4トライを重ねた。
「ハーフタイムで主に伝えたことはボールコントロールしようということ。パスをする相手が見えなかったらパスをしないように。そして、ロシアに対してリスペクトを持って戦おうということも。選手たちはしっかり対応してくれたし、後半に関しては、成長した姿が見えた」(スコットワイズマンテルHC代行)
後半開始早々の2分に敵陣深くのラインアウトからモールを押し込んだ後、CTBマレ・サウがロシアゴールに迫り、最後はラックからFLブロードハーストが飛び込み勝ち越し。
7分にFB五郎丸がPGを加えるなど堅い試合運びを取り戻した日本は、10分にも敵陣10mのラインアウトから再びCTBサウがロシアDFを打ち破り、今度は自らインゴールへ。
試合開始直後からも何度もラインブレイクをしてチャンスをつくっていたサウだが、「集中力の続かない時間があった」と本人が語ったとおり、ビッグゲインした後のパスミスやノックオンでチャンスを潰す場面も。後半しっかりしたプレーを取り戻し、17分にもトライを重ねたことで、「修正できた」チームの象徴ともなった。
後半27分にキックパスからのトライで試合を締めたかっこうのWTB廣瀬キャプテンは「前半、少し自分勝手なプレーが見えた。もう少しお互いを信じられるようにプレーできれば良かったけど、それも一生懸命やっている中でのこと。後半、『ミスがあってもミスをした人を責めるのではなく、盛り立てるようにもう一回ラグビ―しよう。もうワンフェイズという気持ちを持てばトライにつながる』という意思統一ができて、みんなで我慢して、いいアタックできたのは良かった」と総括。
IRB世界ランキング19位という格下の相手からとはいえ、移動しながら7日間で3試合を戦うという厳しい条件の中、試合中に修正してリポビタンツアー2013初勝利を挙げた日本代表。
ハードな日程だった英国での3試合を終えて次なる目的地マドリードに移動することになるが、ツアー最終戦となるスペイン代表とのテストマッチが行われるのは23日。
日程的に余裕のある試合となるだけに、ロシア戦の後半に修正できた内容=ジャパンウェイを80分間続ける完璧なパフォーマンスを見せて、リポビタンツアー2013を締めることが期待される。
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