4月26日、大阪・近鉄花園ラグビー場にて行われた強化試合(第8回関西ラグビーまつり)日本代表(JAPAN XV)アジア・パシフィックドラゴンズ戦後に行われた記者会見の様子です。

アジア・パシフィックドラゴンズからは二リ・ラトゥキャプテン、タナ・ウマガヘッドコーチが、日本代表からはリーチマイケルキャプテン、エディー・ジョーンズヘッドコーチが登壇しました。

■トンガ代表

◎タナ・ウマガヘッドコーチ

「嬉しい結果でした。
今回、日本代表も今後の試合に向けて激しい試合を求めていたので、良かったです。日本ラグビーにとって、ラグビーを展開していく中でいい広告になったと思います。」

◎二リ・ラトゥキャプテン

「今回の試合は、準備期間が短く難しかったです。素晴らしい経験のあるタナ・ウマガヘッドコーチに率いられてチームもいい準備が出来ました。日本も勝ちに行っていたが我々も勝とうと臨みました。試合に向けて、チームと話し合いをして気力でも負けないと全選手で臨みました。この選手の一員になって出場出来たことを誇りに思います。」

-日本代表の印象は、気になる選手は?

「今回の日本代表のFWは強かったです。前々からそういった印象がありました。若手のBKを経験させていると感じていました。今後のアジア五カ国対抗でもいい結果が出せるでしょう。
今日は、インサイドCTBの選手がいいプレーヤーと思いました。攻撃でもバックスリーが若い選手でしたので、未来に向けて正しい道に添って動いていると思いました。」

■日本代表

◎エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ

「フィジカルな相手とそして速いBKの相手と試合を行う、練習試合として完璧でした。
いくつか学ぶことが出来ました。ディフェンスラインのセットは良かったが相手に十分なプレッシャーを与えることが出来なかったので、相手にやりたい放題やられてしまいました。アタックに関しても9番が起点としたプレーが出来なかったですし、10番からのオプションも悪かったです。新しいSOとして廣瀬選手が入りましたが、この状況で良く頑張ってくれました。新しいキャプテンも良い仕事をしてくれました。新しいキャプテンにも感想を聞いて下さい。」

-経験の少ない選手を起用したが、評価は?

「若い選手に関しては良いプレーをしてくれました。特に中村は良いプレーをしてくれました。大学からでもこの様な試合でいいプレーをしたと思います。昨年、サントリーでもCTBの経験が少なかった村田も良かったです。石井と藤田の学生もボールを持っている時は良いプレーをしていましたが、持っていない時のプレーでの更なるレベルアップを期待したいです。若い選手がこの様な試合に出場出来たことは、ジャパンの未来に良いことだと思います。」

-リーチのキャプテンシーと試合後のミーティング内容は?

「キャプテンシーはまあまあ(笑)いい仕事をしてくれました。
シニアプレーヤー達と一緒にリーチはキャプテンとして良くやってくれていますが、チーム全体が強くならなくてはなりません。コーチに頼るのではなく選手達が役割を果たして行くことが大切です。
アジア五カ国対抗は余裕を持って勝てるとは思っていません。選手達が問題点を改善しなくてはなりません。試合後にどうでしたかと問いかけました。彼らから3つの改善点を聞き、チームミーティングで選手達から3つのポイントを伝えました。チームでのリーダーシップの取り方を変えて、選手達をリードするように持って行きます。良いことを得る為には時間が掛かりますが、リーダーシップはいい方向に行っていると思います。」

◎リーチマイケルキャプテン

「今日は多くのファンが会場まで応援に来て頂き有難うございました。
試合に関しては、ヘッドコーチが言ってくれた3点が全てです。
試合のところどころで良いところもありましたが、細かなところのミスで相手ボールになって、継続が出来ませんでした。これからも細かなミスを無くして、修正していきたいです。今日は有難うございました。」

-今日できたことは?

「今年になって練習のスタイルをよりゲームに近いスタイルにしてきました。やろうしていることは良かったですが、裏のオプションなどは、特にBKは良く出来たが、FWはまだまだ近いところとSOからのオプションは修正していきたいです。BKに関しては良かったと思います。」

マッチレポート

若葉の季節、近鉄花園ラグビー場の東に座する生駒山の木々も新芽が芽吹き緑色のボリュームを増してきた。プレーする側も観戦する側も素晴らしいコンディションでラグビーを楽しめそうな予感を抱きながら、昨年のウェールズ戦以来の花園での代表戦(テストマッチ対象ではないため、チーム名表記はJAPAN XV)である。
キックオフはアジア・パシフィックドラゴンズ(以下APD)。BKに若手を登用したJAPAN XVは落ち着いてゲームを運び、10分に5番真壁伸弥が先制トライ。19分にも14番山田章仁がキックを追い右隅にトライ、12番中村亮土のゴールも決まり12‐0とする。24分には中村がPGを決め15‐0と手堅くリードを広げる。ここまでは終始JAPAN XVのペースであったが、26分にAPDは22mラックから左へ展開、14番徐 吉嶺がトライ、15番高忠伸がゴールを決め15‐7とする。28分、APDはその後のキックオフからのボールを素晴らしい繋ぎでゴールまで運び10番トゥシ・ピシが右中間に押さえて15‐14と1点差に追い上げるが、35分にJAPAN XV 6番ヘンドリック・ツイがインターセプトしてゴール中央にトライし22-14のリードで前半を終える。
後半に入り9分、APDは15番高がPGを決め22‐17と1トライ差まで詰め寄る。18分にAPDはサモア代表の22番サイニバラティ・ラムワイが素晴らしい個人技でトライし、15番高のゴールでついに逆転に成功。その後は10番ピシがDGを決めるなどして29‐35でAPDがJAPAN XVを下した。
JAPAN XVはセットプレーが安定していただけに、前半の25分頃からAPDが「個」で勝負に出るまでにもう少しリードを広げたかった。また後半に相手陣に攻め込みながらのミスでチャンスをなくしたのも痛かった。選手がその場で問題点を修正する能力に課題が残った。