11月24日(土)にイギリス・グロスターで行われた「ラグビー日本代表 リポビタンDツアー2018」第2戦(最終戦)対ロシア代表戦の試合後ヘッドコーチ、キャプテンらのコメントを以下の通りお知らせいたします。

■ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ

「ロシア代表は想定通り、80分間試合を通していいプレーをして攻めてきた。ロシア代表はあまり知られていないチームであり、謎の多いチーム。本日明らかになったのは彼らは非常にフィジカルで、大きく、強く、そして決心が固いチームだということ。
そのような相手にプレッシャーをかけられた中で、日本代表が後半で挽回できたというのは成長の兆しであり、これが1年前だとこの試合に勝ちきれたかどうかはわからない。今回このような結末まで持っていけたということはチームが成熟している証拠だと思う。
前半にターンオーバーを10回、ペナルティを8回してしまい、プレッシャーのかかっている中でそのようなことをしてしまったのは自らの首を絞めるような行為であるが、ハーフタイムに話したことをリーダーたちが後半に実践してくれたことで挽回できた。特にリザーブのメンバーが入ってゲームの流れを変えてくれたことには満足している。その結果、後半はペナルティ1回、ターンオーバー4回におさえられ、10点差以上のビハインドでハーフタイムを迎えたにもかかわらず、そこから勝ちまで持っていけたのはいい成果だと思うが、マインドセットやメンタルなどまだまだ課題は山積みだと思う。
去年、フランス代表に対して引き分けまで持ち込み、今年オールブラックスから5トライ取ったが勝ちきれず、そしてイングランド代表戦も前半リードしていたが勝ちきれなかった。
チームとして非常に成長していると思うがまだまだ改善点、伸ばす点はある。世界選抜戦、ニュージーランド代表戦、イングランド代表戦とタフな試合が続き、そこから学んだことは多かった。4戦中3戦落としてしまっているのでここで満足とは言えないが、以前と比べればチーム力はかなりアップして、成長している」

■リーチ マイケルキャプテン

「ロシア代表は予想通り(の動きをしてきた)。自分たちがなぜいい展開をできなかったかというと、ペナルティと簡単なミス、そしてすぐに外に振りたいと思う気持ちが大きかったから。ペナルティはなくそう、そして細かいことを一つ一つしっかり丁寧にやる、あとは3、4フェーズではなく5、6フェーズほど重ねて、ハードワークしてから外にいって勝負をかけよう、という話をして改善することができた。
この遠征で課題が新しく出てきたのはすごく良かった。まず、ゲームのマネジメントを学べたこと。スキル、フィットネス、セットピースに関してはティア1のチームと勝負できる一方で試合の流れをリーダー陣が考えないといけない。ショットにしても、スクラムにしても、キックを蹴ったりランをするにしても、試合の流れによる判断をしなくてはいけないということは、勉強になった。
2つ目はフィットネスをあげて、早いゲームプランが実行できるようにするということ。
3つ目は判断力。ニュージーランド代表戦では5トライ取ることができたが、相手に与えてしまった簡単なトライが多かった。原因は、彼らは出だしが一歩早く、予測して動いている。我々は見てから動いているということ。ちょっとした差ではあるが、その差を縮めれば来年もっといい試合ができると思う」

■坂手淳史選手

「前半、相手がフィジカルを前面に出してきた中で、ペナルティとミスのせいで自分たちの勢いに乗れず、ゲームが難しくなってしまった。ただ後半修正して、自分たちのいいラグビーを出せることもあったし、結果的に勝つことができたのが一番良かった。和歌山、宮崎で合宿した後に世界選抜と試合をするという良い順序を踏むことができ、毎試合課題は出たが、その課題を毎週クリアして、またさらに新しい課題に挑んでという、いいサイクルの中でできたと思う。ゲームタイムをもらえてたくさん試合に出ることができたが、フッカーとして、セットプレーが試合の中で一番大事になってくると思っているので、セットプレーを安定させ、バックスにいいボールを出したり、相手にプレッシャーをかけたりできるようにしていきたいと思う。これからそこをもっと磨いて、さらにフィールドプレーもどんどん上達していきたいと思う」

■姫野和樹選手

「No.8、FL、LOと毎試合役割が変わり大変なこともあったが、色々なポジションをできるというユーティリティ性はアピールしたいと思っているところなので、与えられたポジションの中でしっかりクオリティを高くプレーできるようにしたい。ロシア代表はフィジカルがすごく強く、それに対し前半から受け身にならずにやっていければ試合内容は変わっていただろうし、前半でペナルティをしてしまったこととと受け身になってしまったことで、このような結果につながったのだと思う。負傷した状態で合宿に来て、リハビリを行いニュージーランド代表戦で復帰し、もっともっとやれると感じた遠征でもあり、またニュージーランド代表戦やイングランド代表戦といい経験ができて、そして今回ロシア代表戦のメンタリティー的な難しさというのも経験できたので、いい遠征だったと思う」

■西川征克選手

「ロシア代表は思っていた通りのフィジカルなチームで、ハイパントなどのキックを使う、ということはわかっていたが、それをうまく遂行されたなという感じがある。これでチームは一度解散となるが、個人としてもう一回りレベルアップできるように頑張りたい。特にフィジカルの部分は海外の選手と比べて足りないと思うので、その部分を上げていきたいと思う。今回の遠征で、チームとして成長することができたと思うし、個人としても自分の足りない部分がわかった」

■ツイ ヘンドリック選手

「良い形でトライを取ることができてラッキーだった。ロシア代表が高くタックルしてくるのがわかったので、ディフェンスをかわしてトライすることができた。日本代表に戻ってくることができて、機会をもらえて感謝している。合宿や遠征での時間をすごく楽しんでいるし、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチやトニー・ブラウンコーチ、サイモン・ジョーンズS&Cコーチは色々なことを教えてくれて、たくさんのことを学ベている。全員でハードワークした1カ月だった。様々なことを学び、自分のスキルを上達させることができた。このチームは若くポジティブなチームでありこれからも素晴らしいことができるだろう」

■茂野海人選手

「日本代表として、久しぶりに先発で出場できたのは嬉しく、ありがたいこと。ただ、内容としてはそこまでよくなかったというのもあるので、次につなげられるように本日出た課題を解決していきたい。ゲームの中での流れの対応であったり、今日で言えばブレイクダウンでのレフリーとのコミュニケーションがすごく大事になってくるなと感じたので、そのようなところを改善できればと思う。試合に出ない期間が長かったので、最後にチャンスをもらえて、セレクションにかけてもらったのはありがたいこと。課題がたくさん出たので、改善して成長できるようにやっていきたい」

■松田力也選手

「前半厳しい展開になったが、最後に勝ちきることができ、いい成果があったと思う。世界ランキング1位のニュージーランド代表と試合ができたのも、トゥイッケナム・スタジアムでイングランド代表と試合ができたのも、今後の日本代表にとっていい財産になる。いい経験ができて素晴らしいツアーだったと思う。久しぶりの先発出場で自分自身いい準備をして臨んだつもりだったが、さらにいい準備が必要だったし、本日の試合を通して、もっとレベルアップしないといけないと改めて感じた。ネガティブではなくポジティブなレビューをして、さらにレベルアップしたい」

■福岡堅樹選手

「最初の入りの勢いだったり、相手が自分たちのやりたいことを徹底するという部分でその勢いに押されてしまったと思う。来年またロシア代表と対戦する際には、入りから自分たちの形をやり通す必要性はあると思うし、後半のいい流れというのを試合の最初からうまくできるようにすることと、試合の中で修正する力は必要だと思う。これだけ強い相手と連戦できたのは大きな収穫であり、自分自身今シーズン全試合でフル出場させてもらい良い経験ができたので、これだけ使ってもらった責任として、ワールドカップでもしっかり還元できるように頑張りたい」

■梶村祐介選手

「残り10分での出場だったが、自分が出られるようなシチュエーションを作ってくれた選手とスタッフに感謝したい。日本代表のジャージーを着て戦えることはすごく嬉しかったので、またこのジャージーを着られるように、日本に帰ってからも頑張りたい。ロシア代表は強かったがやってくることはシンプルなので、そこに対してもう少し試合の中で対応していかないといけないと思った。ボールを持つ機会はあまりなかったが、ディフェンスの部分はもっと勉強していかないといけないと思うので、そこに関しては自分のチームに戻ってからも積極的に取り組んでいきたい」