スポーツ界においては依然としてコンプライアンス違反事案が多数発生しているのが現状で、暴力、ハラスメント、SNSの不適切な利用等に関する多く報道がなされています。ラグビー界においても、2021年度に下表のような違反事案が発生しています。昨年12月に発生した違法薬物問題を筆頭に、ハラスメントなど重大なコンプライアンス違反事案が複数発生しており、改善に向けた取り組み強化が喫緊の課題となっています。
【2021年度主なコンプライアンス違反事案】 (処分が行われていないものも含む)
違反事案 | 事案内容 |
違法薬物(大麻等違法薬物) | 違法薬物所持(登録選手) |
ハラスメント(パワハラ、セクハラ等) | パワハラ(登録指導者、登録審判等) ※複数発生 |
差別(人種差別、性差別等) | SNSによる人種差別被害(登録選手) |
SNSの不用意/不適切な利用 | 不適切な投稿(登録選手) |
その他の各種法令違反 | 品位を失う非行(登録指導者等) |
当協会では2020年度から全登録チームを対象に「コンプライアンスアンケート」を実施しています。このアンケートは、登録チームにおけるコンプライアンス遵守の現状及び課題の把握、今後の施策立案への活用を目的に実施しており、2021年度のアンケートは今年3月に実施し、1,000を超えるチームから回答をいただきました。アンケートでは、現在の取組状況について回答いただくとともに、インテグリティ追求に向けた多くのご意見やご提言をいただきました。「ハラスメント」「暴力」「SNS」「差別」などへの取り組みへの意識が高いことや、スクールや高校において「ハラスメント」の存在が懸念される状況であることが確認できています。当協会では、回答いただいた現場の生の声を参考にさせていただき、今後の取組み強化に努めてまいります。
※アンケート概要については、別紙を参照してください。
2022年度において、当協会では違法薬物問題を最優先課題として捉え、コンプライアンスの遵守及び更なるインテグリティ追求を目的に、以下の5点を柱に取り組んでまいります。
- 1, ジャパンラグビーリーグワンと連携し、所属全チームのインテグリティ体制を早期に確立し、違法薬物問題の撲滅に向けて多面的に取り組みを強化します。また、アンチ・ドーピングに関する教育(特にサプリメント対応)を徹底します。
- 2,登録チームを対象に「安全・インテグリティ推進講習会」を提供するとともに、チームが自ら学べるよう学習コンテンツの充実化を図り、学習機会の情報を積極的に発信します。インテグリティを含めて、「ラグビー憲章 - 5つのコアバリュー」の周知により、ラグビーの価値をあらためて訴求します。
- 3, ラグビーにおける暴力・ハラスメント等に関する相談に対応するため、あらゆる機会を通じて「インテグリティ相談窓口」を周知します。また、現場の指導者、選手、保護者等がより相談しやすい仕組みの導入にも取り組んでまいります。
- 4, コンプライアンス違反につき、「倫理及び処分規程」にもとづいて、適正な処分を行うこととします。
- 5, ラグビー界における現状を把握するため「コンプライアンスアンケート」を継続して実施します。
つきましては、登録チームの皆様に、以下の3点のお願いをさせていただきます。
- 1, チーム運営にあたり「安全の実現」とともに「インテグリティの追求」を最重要事項として取り組むこと
- 2,日本協会が提供する「安全インテグリティ推進講習会」を含めて、インテグリティ/コンプライアンスに関する研修に積極的に取り組むこと
- 3, コンプライアンスの問題が発生した場合に適切に対応すること (含. 日本協会が提供する「インテグリティ相談窓口」の周知と利用)
三支部協会、都道府県協会におかれましては、当通達の趣旨をご理解いただき、関係各所、チームに周知徹底いただけますようお願い申し上げます。
また、日本ラグビーフットボール協会インテグリティ相談窓口の周知及び利用について、引き続きご協力を賜れますようよろしくお願い申し上げます。
参考情報
1.日本ラグビーフットボール協会 「インテグリティ相談窓口」
https://www.rugby-japan.jp/support_center
2.日本ラグビーフットボール協会 「インテグリティ追求/相談窓口」
https://www.rugby-japan.jp/jrfu/integrity
3,日本ラグビーフットボール協会 「倫理及び処分規程」
https://rugby-japan.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/file/html/147509_61528028303ec.pdf
4.ラグビー憲章 5つのコアバリュー
https://www.rugby-japan.jp/future/corevalues
■通達対象:加盟協会、競技運営関係者、加盟チーム
■文書作成・問い合わせ先:日本ラグビーフットボール協会 インテグリティ推進部門
以上