■ジュニア・ジャパン PRC第5戦 ハイランダーズデベロップメント戦 試合結果
■4月2日(火) 16:30キックオフ (日本時間:2日(火) 12:30キックオフ)
■ジュニア・ジャパン 10 - 63 ハイランダーズデベロップメント
試合はハイランダーズの本拠地フォーサイス・バールで行われた
photo by Kenji Demura (RJP)
攻めながら決定力を欠いて53点差での大敗も
前半20分間の互角以上の戦いぶりには手応え

2日、IRBパシフィックラグビ―カップ(PRC)参戦中のジュニア・ジャパンがニュージーランドのダニーデンでハイランダーズデベロップメントと対戦し、10-63で敗れた。
ここまでスーパーラグビー予備軍の強豪チームに5戦5敗のジュニア・ジャパンは、7日に予定されている遠征最終戦のハリケーンズXV戦で今大会初勝利を目指すことになった。


前半7分、SO山沢のPGで先制したジュニアJだったが…
photo by Kenji Demura (RJP)

5日前行われたブルーズXV戦で前半16分までに4トライを奪われていたジュニア・ジャパン。
この日は、先発15人のうちスーパーラグビー出場経験者が7人(スコッドメンバーは11人)という強力布陣のハイランダーズDに対して、前試合の反省を生かすかたちで、しっかりした試合の入りに成功する。
キックオフからボールキープを続けて敵陣深くまで攻め込み、ターンオーバーから逆に自陣ゴール前に釘づけになっても、ワンラインを維持した組織DFでトライを許さない。
6分にSO山沢拓也のPGで先制。
16分のPGチャンスは山沢が失敗して追加点は奪えなかったものの、19分にハイランダーズDに初トライを許すまでは、テリトリーでもボールキープでもジュニア・ジャパンが優勢だった。
「前の試合では前半だけで4トライ取られて、そこからファイティングスピリットを見せて背中が見えるくらいまで追い上げた。それを今回は最初からやろうというのがひとつのフォーカスポイントだった」(遠藤哲ヘッドコーチ)
100%の力でジャパンらしさを前面に出していけば、スーパーラグビーレベルの相手にも十分通用する。
そんなことを感じさせる試合の最初の4分の1だったが、前述のとおり19分にハーフタイムライン付近のターンオーバーからタテにボールをつながれて初トライを許した後は、全く違う試合展開となってしまう。
「攻めている時間に自分たちがどれだけ我慢して攻め切るかが今日の反省になる。その時間帯に取り切れていれば、疲労度も全然違っていたはず」(中瀬真広コーチ)
27分、34分とトライを重ねられて3-21で前半は終了した。

「今日の20分間を伸ばしていく」(遠藤HC)

「ハーフタイムの時点で選手の疲労度はかなり高かった」という遠藤ヘッドコーチの述懐どおり、後半はハイランダーズがターンオーバーから攻めると簡単にインゴールを明け渡すケースが多くなる。
後半のキックオフ直後にタックルミスから攻め込まれてトライを許したのを皮切りに計6トライを重ねられ、最終的には63失点。
ジュニア・ジャパンのトライは、後半30分に敵陣ゴール前のPKからCTBトニシオ・バイフの突破の後、途中出場でWTBのポジションに入っていた重一生が外側のスペースをすり抜けた1本だけにとどまった。
SO山沢やWTB福岡堅樹が大きくゲインしてチャンスをつくる場面もあったが、トライには至らず。
「自陣から敵陣までいい流れでアタックできていて、22mを越えたところでなぜかシェイプができなくなったり、攻め急いだり、勢いが止まってしまう」(FL村田毅主将)
「攻めている中で、まだ一体感も完全には生みきれなかったし、ひとりひとりが役目を完璧には果たしていないので外が空いてこないという面もある」(CTB林泰基)
共に、上の日本代表を知る主将、副将はそんなふうに、トライを取り切れなかった要因に関して冷静に分析。
その一方で口を揃えて、「チームは一戦、一戦成長している」とも。


フィジカルな力強さを生かして、良く前に出たバイフ
photo by Kenji Demura (RJP)

「今日の前半の20分間を、30分、40分、50分と伸ばしていけるか」
遠藤ヘッドコーチは遠征最終戦のハリケーンズデベロップメント戦のポイントをそう語る。
具体的には、速いテンポで確実にボールリサイクルを行っていくために、ブレイクダウンでの精度を高めていくことなどにフォーカスして、有終の美を目指すことになる。

text by Kenji Demura


後半30分、WTBとして途中出場していた重が一矢を報いるトライ
photo by Kenji Demura (RJP)

若いBK陣を引っ張ったCTB 林副将
photo by Kenji Demura (RJP)